2010/2/28

しっかり、2週間分アップします。今回は誰もが疑いそうなミーハーな
邦画作品とハリウッドのファンタジー作品がイチ押しです

交渉人 THE MOVIE  高度10,000mの頭脳戦  監督:松田秀知  出演:米倉涼子、陣内孝則、反町隆史
Surveillance  2010年 日本映画
今週のイチ押し:警視庁捜査1課のネゴシエーター、宇佐木玲子は現金輸送車を強奪し、ショッピングセンターに立てこもった犯人との交渉の場に立っていた。しかし、彼女の意見を無視して強行作に出た事が裏目になり、入り口付近での爆破をきっかけに出入り口付近は大パニックに・・。しかし、主犯格の男をそこで取り押さえた。後日、宇佐木はある用件で北海道に向う予定だったが、先の事件の現場にいた少年を空港で見かけ、急遽九州行きの飛行機に飛び乗った。そして彼女の感は的中。少年とその兄のふたりは解体して持ち込んだ銃で機内を制圧し、ハイジャックに成功した。玲子の隣の席には偶然乗り合わせた同僚の木崎がいたので、ふたりは実力行使でふたりを取り押さえるが、新たな仲間の登場で、機はふたたびハイジャックされてしまう。ようやく出された彼らの要求はショッピングセンターで逮捕された男、御堂啓一郎の釈放。1時間以内に返答がない場合は、1分毎に乗客をひとりずつ撃ち殺すという。機内では犯人たちによる乗客名簿のチェックが始まった。しかし、玲子の名はリストには載っていない・・・果たして乗客159人の運命は??・・
私評:必ず無事に機を下せ・・・TVシリーズは時々見ていたのですが、映画化されるほど人気がある作品とは知りませんでした。TVシリーズの映画化は最近では珍しくないですが、この作品には驚かされました。まずは、シナリオの妙。こういうサスペンス映画を映画化するとアクションに傾倒しがちなのですが、この映画の戦いはタイトル通り「頭脳戦」。それゆえに練りに練られたシナリオは23転し、巨大な陰謀に辿り着くのです。まあ、映画なのであり得いないような展開も多々ありますが、それを置いても十分堪能できる作品でした。ラストは「もしかして、某日本の大ヒット映画と同じ展開になるのか??」と考えてしまいましたが・・・(以下、ネタばれ防止)また、この映画を盛り上げるのが役者陣です。。主演はTVシリーズ「黒革の手帳」が有名ですが、私はかなり前に彼女の「ダンボール・ハウス・ガール」を褒めている米倉涼子。彼女のボス役は「チェケラッチョ!」の陣内孝則。その他、筧俊夫、反町隆史、林遣都、津川雅彦、塚地武雅、笹野高史、城田優、成宮寛隆、柳葉敏郎、高橋克実、伊武雅刀、橋爪功・・・という、日本が誇る超豪華な面子。エンド・クレジットで流れる「湘南の風」の歌がさらにこの映画を盛り上げます。監督はTVで数々の作品を演出し、これが劇場デビューとなる松田秀知。
パージ・ジャクソンとオリンポスの神々  監督 : クリス・コロンバス  出演:ローガン・ラーマン、アレクサンドラ・ダダリオ
Percy Jackson & Olypians The Lighining Thief  2010年 アメリカ映画
今週のイチ押し:海の中から現れた大男はエンパイア・ステートビルに向かった。彼は海の神ポセイドン。そして彼を待っていたのが天上の神ゼウス。何者かによって「ゼウスの稲妻」が盗まれ、その嫌疑がポセイドンの息子に掛かっていたのだ・・・17歳のパーシーは落ちこぼれの高校生。唯一、彼が落ちつけるのは水の中。今日も彼は7分も水の中に潜っていた。そんな彼に転機が訪れる。課外授業で出かけたギリシャ・ローマ博物館で引率の先生に呼び出されたパーシーは信じられない物をみてしまう。彼の目の前で先生が翼の生えた恐ろしい生き物に変身し、彼を襲ったのだ。そこに駆け付けたのは車椅子のブルナー先生と、パーシーの友人のグローバー。なんとかその場はしのいだが、その事を知ったパーシーの母のサリーは、パーシーとグローバーを車に乗せ、ある場所へと向かった。しかし、その手前で彼らを牛頭人身のクリーチャー、ミノタウルスが襲いかかる。なんとかミノタウルスを倒したパーシーだったが、母親を連れされてしまう。パーシーが目を覚ましたところは、デミゴッド(神と人間のハーフ)が指導を受ける「訓練所」にいた。実はパーシーはポセイドンの息子で、グローバーは彼の守護神でブルナー先生はここの教師だった・・
私評:メデューサの首を持っていこう。きっと、役に立つ・・・こういうファンタジー映画は大好きです。しかも、監督は「ハリー・ポッターと賢者の石」の監督。それゆえ、こういうファンタジー映画はお手の物ですね。しかも原作は2005年に発売されて以来、アメリカでは「ハリー・ポッター」を抑え1位になった作品。そこにはギリシャ神話に登場する様々なキャラクターが登場するので、あらかじめちょっと勉強しておくとさらに映画を楽しめると思いますよ。しかも、そういった古代の話とネット世代の現代の若者のファッションやグッズが不思議なアンサンブルを醸し出します。そしてこの映画の良いところはかなり笑えるところ。あの恐ろしいメデューサでさえ、笑いにしてしまうんですよ・・。主演は初の大役を掴んだ「バラフライ・エフェクト」のローガン・ラーマン。グローバー役は「ワイルド・スピードMAX」のブランドン・T・ジャクソン。そしてふたりと旅をする女神アテナの娘を演じるのは「イカとクジラ」のアレクサンドラ・ダダリオ。そして若い3人を取り巻くのはピアース・ブロスナン、ショーン・ビーン、ロザリオ・ドーソン、そしてあの頭髪が蛇で、目を見ると石にされてしまうという恐ろしい怪物メデューサを演じるのは「キル・ビル」のユマ・サーマン。監督は「ハリポタ」「レント」のクリス・コロンバスです。
パレード  監督 : 行定勲  出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり
 2010年 日本映画
ここはとあるマンション。この部屋には4人の男女がルームシェアをして暮らしている。健康オタクで映画関係の仕事をしている直也、自称イラストレーターで大酒呑みの女・未来、人気男優との恋に溺れ依存症になっている琴美、そして恋人のいる年上の女に憧れる大学生の良助だ。彼らは一つ屋根の下で暮らしながら、彼らの中の秩序とバランスを保ちながら心地良い関係を築いていた。そんなある日、彼らの部屋にサトルという青年が転がり込んでくる。誰も彼の素性を知らずに接していたのだが、実はこの青年は酔っ払った未来が、強引にこの部屋に連れ込んできたのだ。新たなメンバーを加えて、一時は賑やかに見えた彼らの生活に、少しずつ歪みが生じてくる。その頃、彼らの住むマンションの周辺で、女性を狙う連続殺人事件が起こっていた。その事件が起きはじめたのは、サトルがこの部屋にやってきたころ・・。そして不思議な行動をとるサトルに疑惑の目が向けられる・・・・
私評:直也も行くんでしょう?・・・今回も行定監督の演出が冴えています。何度もリハーサルを重ねた演出は、登場人物たちの会話を違和感のない物に仕立て上げ、しかも、着実にその人物の内面を穿り出します。コミカルにも見える展開の中に、しっかりとした社会問題や人間の寂しさ、孤独、欲望、そして軋轢が確かに織り込まれています。そして登場する5人の若者たちがそれぞれの個性を最大限に活かして、キャラクターを演じている。マジで驚いちゃうような演出がしばしば登場するので「この監督はやっぱり只者じゃない・・」と何度も思ってしまいました。直也を演じるのは「カイジ」「バトルロワイヤル」の藤原竜也。相変わらずテンパるとワンパターンの演技なのですが、今回は陰のあるエリートを熱演!未来役は「しゃべれどもしゃべれども」深呼吸の必要」の香里奈。彼女は演技はダメと最初から決め付けていたのですが、行定演出はまさにマジック。彼女が名女優に見えました。琴美役は「スウィング・ガールズ」の貫地谷しほり。彼女は本当に良い雰囲気を持っていますね・・。良助役は「ROOKIES 卒業」「キサラギ」の小出恵介。そしてサトル役は大変身を遂げた「バッテリー」の林遣都。彼はキワドイ役なのですが、サラッと演じているところがすごい!監督は行定勲。彼の次回作が、もう楽しみです。 
ウルフマン  監督 :ジョン・ジョンストン  出演:ベニチオ・デルトロ、アンソニー・ホプキンス
Wolfman  2010年 アメリカ映画 
1891年イギリス。森で何かを探していたベン・タルボットが何者かによって惨殺された。彼のフィアンセのグエンは、その事をベンの弟のローレンスに手紙で告げた。役者として活躍していたローレンスは、久々に故郷へと足を踏み入れた。そして父親のジョンと再会する。警察署で見た兄の遺体は獣に抉られたような傷があり、見るも無残な姿になっていた。そしてにわかに村人は過去の忌まわしい伝説を口にするようになった。ジョンの言いつけを守らずに満月の夜の森で兄を殺した犯人を待っていたローレンスの前に現れたのは、全身毛むくじゃらの大きな怪物だった。銃で応戦するもローレンスは獣に噛まれ重傷を負ってしまう。ローレンスを助けたのは、ちょうどその時に村の近くに滞在していた流浪民。しかし、ローレンスの傷から入った獣の忌まわしい血は、満月の夜にローレンスを狼男に変身させてしまう。・・
私評:今日は満月。外に出てはならぬ・・・・「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」と並ぶ、古典的なホラーのキャラクター『狼男』がリメイクされた。狼に変身するというのでは亜流の映画がけっこう作られてきました(「狼男アメリカン」「狼の血族」「ウルフェン」「ハウリング」などなど・・)が、この映画は1941年に製作された「狼男」の真のリメイク。最近流行のただこけおどし的なホラーではなく、狼男になってしまった男の苦しみや葛藤、そして彼をとりまく人々のドラマまでが重厚に、そして美しく描かれています。しかし、そんなドラマをただの重々しい作品にせず、サクッと見せてしまったのは「ジュラシック・パークV」「ターミネーター3」でも技量を発揮したジョン・ジョンストン監督。軽いエンターテインメント作品を作らせると彼は本当に上手いです。CGに頼りすぎず、じっくり見せる狼への変身シーンは大きな見所ですよ!主演は「チェ 28歳の革命」のデニチオ・ベルトロと「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス。どちらも怖い顔のキャラクターですよね〜。実際に映画の中でも、めちゃめちゃ怖いキャラでした。紅一点のグエンを演じるのは「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラント。彼女の顔立ちはこういうクラシックな作品で際立ちます。事件を追う警部役で「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」のヒューゴ・ウイーヴィング。そして流浪民の女役でジェラルディン・チャップリンが出演しています。公開は4月23日! 
恋するベーカリー  監督 : ナンシー・メイヤーズ  出演:メリル・ストリープ、アレック・ボールドウィン
It's Comlicated  2009年 アメリカ映画 
人気のベーカリーを営むジェーンは10年前に離婚をしていたが、3人の子供を育てあげシングルライフを満喫している。しかし、彼女の心の中には何かが不足している。彼女を苛むのは「孤独」?それとも「セックスレス」? ジェーンの息子のルークが晴れて大学を卒業することになり、ジェーンはニューヨークへと向かった。子供たちが出掛けたあと、退屈していたジェーンがひとりでホテルのバーで飲んでいると、なんとそこには別れた夫のジェイクが!ジェイクに誘われるがまま酒を飲み、食事にダンスに・・そしてついにはベッドを共にしてしまう。10年ぶりに愛が再燃したというジェイクはふたりの関係を修復しようと釈迦力になっているが、ジェーンは再びジェイクに惹かれる自分と葛藤していた。友人たち、セラピストのアドバイスを受けて、自分の気持ちの赴くままに行動しようと決意するが・・・・
私評:チョコ・クロワッサンはある??・・・・大人のラブ・コメディですね〜。しかも、原題どおりComplicated(複雑なとか入り組んだという意味)なドラマ。R15なのは子供の教育上良くない「不倫」がテーマだからでしょうか?(もしかしたら、「ハッパ」でラリっちゃうシーンのせい??)人生なんて短いのだから、思い通りにならなくても、そしてちょっとくらいモラルに反しても「心の赴くまま」に生きてもいいのでしょうか??恋愛体質の方にはすごく元気を貰えるかもしれませんが、ちょっとそれはやりすぎじゃない??というのが、私の正直な意見。登場人物の中ではジェーンに恋をする建築設計士のアダムにいちばんシンパシーを感じました。私って意外と奥手のロマンチストなのかも??そしてこの映画にもおいしそうな料理が続々と登場します。お昼時にこの映画を観た私はお腹がグーグーなってしまいました。主演は「ジュリー&ジュリア」「マンマ・ミーア!」のメリル・ストリープ。御歳61歳の彼女ですが、まだまだ魅力的。それにしても彼女は芸域が広いですね。夫のジェイク役は「私の中のあなた」のアレック・ボールドウィン。それにしても彼はめっちゃ太りましたね〜(あまり、他人のことは言えませんが・・)そしてアダム役は「バックマン家の人々」のスティーブ・マーチン。アレックとスティーブのふたりはなんと今年のアカデミー賞のメイン司会です!監督は「恋愛適齢期」「ホリデイ」のナンシー・メイヤーズ。
コララインとボタンの魔女  監督 : ヘンリーセリック  声の出演:榮倉奈々、戸田恵子
Coraline  2009年 アメリカ映画 
コララインは最近、ストレスが溜まっている。パパもママも仕事に夢中で彼女の事なんて全然気にもかけてくれない。引っ越してきたばかりのこの土地では仲良しの友達もいない。近所に住むワイビーはデリカシーのない、うるさい男の子だし・・。そんなある日、コララインは、家の中で壁に封印された小さなドアを見つけた。しかし、そこはレンガで塞がれていた。真夜中に目が覚めたコララインがネズミを追いかけていくと、ネズミは封印されているはずのドアの向こうに消えていった。そっと、中を覗き込むと昼間にはなかったトンネルが続いている。トンネルの突き当たりのドアを開けると、そこは・・・コララインの住んでいる家。だけど、そこはちょっと違う世界。ママは料理にいそしみ、パパは楽しそうにピアノを弾いてコララインを楽しませてくれる。そう、ここでは彼女はお姫様。だけど、ママもパパもコララインを見つめる目が「ボタン」だった・・・・
私評:ずっとここにいてもイイのよ・・・「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」の監督が作った新しい作品。しかも、「ナイトメア・・」を見た原作者が、監督に逆アプローチして、映画化になったとの事。珍しい展開ですね。この類の作品をストップ・モーション・アニメと呼ぶのだそうですが(昔は粘土で“クレイアニメ”というのがありましたね)、すごい根気のいる作業が必要な映画です。製作にはなんと18カ月も要したとの事。まさに、ひとコマひとコマ撮っていくんですね。今回は3Dだったのでキャラクターの人形の質感がとってもリアルでした。しかも、物語自体がとってもファンタジックだし、キャラクターも可愛いので私は大好きな作品です。私は日本語吹き替え版を観たのですが、オリジナル版でコララインの声を演じているのはダコタ・ファンニングだそうです。日本版の声はコラライン役で「余命1カ月の花嫁」の榮倉奈々、ママ役は戸田恵子、そして黒猫役は劇団ひとりです。監督はヘンリー・セリック。 
グリーン・ゾーン  監督 : ポール・グリーングラス  出演:マット・デイモン、グレッグ・キニア
Green Zone  2010年 アメリカ映画 
1993年、イラク。この地で大量破壊兵器の捜索を命令されたミラー大尉は、3度も続けて間違った情報を掴まされて、上からの命令に不信感を抱いていた。幹部を集めた会議で、それについて述べると上司からは「ただ、指示に従えば良い」と言い渡される。疑惑を深めたミラーの元にCIAのブラウンがコンタクトをしてくる。彼も軍の動きに不信感を抱いていたのだ。次の指令場所でもミラーは大量化破壊兵器を発見できなかったが、そこにやってきたフレディと名乗る英語が堪能なイラク人の男がとんでもない情報をもたらした。イラク政府の要人たちが近くの民家に集まっているという。数名の部下とそこの家に向かったミラーは銃撃戦の末、サイードという男を拘束した。彼はフセイン政権の最高幹部のひとりであるラウィ将軍の側近だった。彼から押収した手帳には、あるとんでもない情報が隠されていた・・・・
私評:今度は真実を書け・・・・「ボーン・アイデンティティ」シリーズ3部作のダグ・リーマン監督とマット・デイモンが組み、今度はイラク戦争の最前線へと誘う。グリーン・ゾーンとは戦時下のイラクの米軍駐留地域の事で、その中はさながらリゾート地。しかし、その鉄柵を越えるとそこ銃弾が飛び交う埃っぽい戦地。この戦いには当時のアメリカ大統領ブッシュによるある企みが・・・。しかし、実際にブッシュはこの時、世界に向けてイラクを悪の象徴として謳いあげていましたよね。私はけっこうイラク戦争については調べ上げたのでこの映画はとてもリアルで面白かったです。アクションはもちろんですが、陰謀の解明の方が私は面白かったです。逆に時代背景が分からないと、映画も分かりづらいかも??主演は「インビクタス 負けざる者たち」でオスカー候補に挙がっているマット・デイモン。そして国防省の情報局の憎たらしい役人を演じるのは「リトル・ミス・サンシャイン」のグレッグ・キニア。そしてことごとくミラーを潰そうとする極悪少佐役は、悪役が似合う「パトリオット」「ハリー・ポッター」シリーズのジェイソン・アイザック。この臨場感、劇場で体感しましょう!5月14日公開!


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