2002/12/10号

さあ、2002年も大詰め。今回は3本の試写会作品と
面白いのに地味に公開されている、コメディ映画です。

オールド・ルーキー  監督 :ジョン・リー・ハンコック  出演:デニス・クエイド、レイチェル・グリフィス
The Rookie  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ジムは高校の生物の教師。元々はプロ野球の選手だったが、肩を壊し引退。それから教員の資格を取ったという変り種。しかし、野球は今でも大好きで、高校の野球部のコーチをしている。壊れた肩を庇いながら練習を積んでいたジムは、自分でも気づかないうちに剛速球が投げられるようになっていた。ある日、生徒たちに夢について語ったジムは、逆に生徒たちからジム自身も夢を追うべきだと言われる。それはプロ野球への道だった。しかし、そんな夢はとっくに飽きらめたジムに対して生徒たちは賭けを申し込む。「もし、自分たちが賭けに勝ったらコーチはプロ野球の入団試験を受けてください」生徒たちにとっては、到底勝ち目のない賭けだったが奇跡が起きてしまう・・・
私評:This time is your turn, coach! ・・・・・これは実話を基にして作られた話です。いかにもディズニー映画!という題材です。しかし、実話はフィクション以上にドラマチックです。35歳にして初めてメジャーリーグのマウンドに立ったジム・モリス。しかし、そこに辿り着くまでにはいくつもの奇跡があったのです。しかし、それらの奇跡は起こるべくして起きたのです。クライマックスでジムがマウンドに上がるシーンは、鳥肌が立ちました。しかし、この映画の見所はそんな奇跡の物語だけではありません。ジムの家族の愛情、テキサスの町の人たちの支え、そして生徒たちとの交流。こんな人間同士の絆がこの映画の一番の見所かもしれません。試写会の当日はジム・モリス氏本人が舞台挨拶に立ちました。なんか、普通のおっさん(だけど、私より歳下なんですよ・・)。しかし、そんな奇跡の人を目の当たりにして、感動もひとしおでした。ジムを演じるのはデニス・クエイド。彼ははまり役でしたね〜。そして彼の妻を演じるのは「エイミー」の母親役や「シャンプー台の向こうに」ではコメディエンヌとして開眼したレイチェル・グリフィス。そして注目はジムの息子を演じるアンガス・T・ジョーンズ。めちゃかわいい・・・。ラストはきっと多くの人の涙を誘うでしょう。 
 
リーマン・ジョー  監督:ジョン・パスキン  出演:ティム・アレン、ジュリー・ボウエン
Joe Somebody  2001年 アメリカ映画
お人よしの会社員ジョーは出世にも見放され、妻も役者の男と出て行ってしまった。彼の唯一の理解者は娘のナタリーだけ。ある日、ナタリーを連れて会社を見学させようとしていたジョーは駐車場で会社の嫌われ者と諍いを起こしてしまう。そして同僚と娘の目の前で後輩に殴られ泣き寝入りをしてしまう。そんな自分にショックを受け引きこもってしまったジョーの元に会社の同僚メグが励ましにやってくる。すっかり腑抜けになってしまったジョーに「あなたは何をしたいの?」と問い詰められジョーの中の何かが目を覚ます。「俺はあいつを殴り倒したい!」さっそく、後輩の家を訪ね3週間後の決闘を申し込む。翌日、会社に出向いたジョーは会社中の人気者になっていた・・・・・。
私評:俺はできる!そう思ったからやめられたんだ・・・。この映画を見て気分爽快になれるサラリーマンも少なくないのでは?ダメダメ男が一念発起してどんどん変わっていく様を見て、鼻で笑いながらも羨ましく思えたりして・・(笑)しかし、会社では人気者になり、出世も果たした彼より、前のままの弱くても優しいジョーの方が良いというナタリーとメグ。そしてジョーもある選択を迫られるのです。この映画は基本的にはコメディ。ティム・アレンのコミカルな演技、そしてS・セガールをパロッたのか?ジム・ベルシーが怪しいカンフー教室の先生役で弾けています。この二人のやり取りは笑えますよ〜。そしてメグ役はめちゃめちゃキュートなジュリー・ボウエン。彼女は今後注目していきます!そしてジョーの理解者でもある、おませな娘を演じるのは「タイタンズを忘れない」のヘイデン・パネッティーア。ラストのジョーの選択。私は好きだな〜。しかし、ツッコミどころも満載です〜。
火山高  監督:キム・テギュン  出演:チャン・ヒョク、シン・ミナ
Volcano High  2001年 韓国映画
人並みはずれた「気」を持っている事が災いし、8回も学校を退学になったギョンスは新たな望みを託して「火山高」の門をくぐった。しかし、この高校では生徒間の派閥争いは熾烈を極めていた。彼らが狙っているのはこの学校のNo.1になった者が手にすることができるという、校長が所有する"師備忘録"という秘伝書だった。争いを避け大人しくしていたギョンスだったが、彼の力を周りが放っておくわけがなかった。しかし、そんな時、生徒たちの横暴に切れた教頭が生徒たちを鎮圧するために「学園鎮圧教師5人衆」を雇い入れた。ついに、火山高は教師たち、そしてスギョンら生徒が入り乱れてのバトルロワイアルの会場へと変貌していく・・・。
私評:ここの学食のラーメンは一番好きだ・・・・また、新たなスタイルの韓国映の登場です。しかし、ストーリーはめちゃめちゃ(笑)。ところがこの映画にはそんな事にチャチャを入れる隙を与えないパワーがあります。とにかく、突っ走りまくる映画。格闘シーンはマトリックスも真っ青のワイヤー・アクション+SFXの特撮のオン・パレード。特にクライマックスの雨の中での決闘シーンはめちゃめちゃ面白かったです。主演のスギョンを演じるチャン・ヒョクは決闘シーンでの怖い顔と、思い切りコミカルな演技とを使い分けます。彼が笑わせてくれるんですよ。そしてこの映画のヒロインは学ラン姿も凛々しいシン・ミナちゃん。(ちょっと安室に似てます)そしてめちゃインパクトがあるのが「学園鎮圧教師5人衆」。このリーダーが白竜に似てるんですよ。しかし、この映画も突っ込みどころ満載ですよ〜。細かいことが気になる人はお勧めしませんが、笑い飛ばせる人には超・オススメ。相変わらず私はこういうIQの低い映画が好きです・・・。 
ボーン・アイデンティティ  監督:ダグ・リーマン  出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ
The Bourne Identity  2002年 アメリカ映画
嵐の海を航行する漁船の乗組員が、海上を漂う一人の男を発見した。背中には2発の弾痕、そして尻には特殊な金属が。それにはスイス銀行の金庫番号が隠されていた。しかし、救出された男は自分の名前はおろか、素性さえも忘れていた。船を下りた男はスイス銀行へと向かう。そこの金庫に隠されていたのは自分の写真入りの各国のパスポート、現金、そして銃。いったい自分は??アメリカのパスポートにはボーンという名が・・。そして、彼には驚くべき才能が隠されていた。スイスの銀行で出会ったマリーと供に彼を追う刺客たちを交わしながらパリへと向かったボーン。そしてボーンは自分の素性を知るべく巨大な組織に立ち向かっていく・・・・
私評:俺は殺し屋だったのか??・・・・マット・デイモンがCIAの元エリートを演じるスパイアクション映画です。しかし、なぜマット・デイモンなのか??ところが、映画の中ではアクションシーンも自らこなし、なかなか決まってました!でも、できることならもうちょっとカッコいい男の方が良かったかも?しかし、この映画はストーリーの流れがすごくテンポ良くて、心地良かったです。実はこの監督は1999年の映画「go」の監督。私はこの映画がすごく好きなのです。まあ、強引な展開だし、ラストのオチは月並みだったのですが、スパイアクション映画としては合格点です。ヒロインは「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテ。彼女もハリウッド系になってしまったのか?でも、彼女って決して美人じゃないけど、良い雰囲気を持ってる。また、地味な役ですが「セイブ・ザ・ラスト・ダンス」のジュリア・スタイルズも登場します。ボーンを執拗に追う男がクリス・クーパー。今回はめちゃハイテンションでした。また、この映画の見所はパリの町並みですね。パリのくねくねした道でのカーチェイスは要チェックです。


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