2001/8/2号

最近映画を見るペースが落ちてるな〜・・。今週末からまた頑張ろう。
今回のイチ押しは久々のジャパニーズ・エンタテイメント!!

Red Shadow 赤影  監督:中野裕之  出演:安藤政信、麻生久美子、奥菜恵
Red Shadow  2001年 日本映画
今週のイチ押し作品!:時は乱世、戦国時代。天下を獲らんと躍起になる大名たちは熾烈な戦いを繰り広げていた。そしてその大名たちに仕える、闇の軍団「忍者」たちも。影一族の赤影,青影、そして飛鳥は幼なじみ。子供の頃から忍の修行を供にした仲間だ。戦国大名東郷に仕える彼らは今日も、危険な任務に駆り出される。いくつかの危険な仕事を終え、そして悲しみに打ちのめされた赤影の心の中に、迷いが生じる。そして彼は心に誓う。「愛する者を、2度と失いたくない。自分は愛する者のために戦う」と・・。

私評:赤い仮面は謎の人〜♪どんな顔だか知らないが〜♪・・。そう、TVシリーズの赤影は素顔を曝す事はなかった。今回の赤影はTVシリーズとはまったく違う。同じところは赤,青,白の3人の忍者が登場することくらいかな?しかし、中野監督がやってくれました!先日見た、「Stereo Future」も、スピーディーで斬新で、そしてユーモアたっぷりの映画でしたが、この「Red Shadow」は『超』が付くくらいノリノリで,テンポが良い。時々、めっちゃ失笑を買うような設定があるかもしれませんが、まあ良しとしましょう(笑)。主演は出る作品がみんな大ヒットの安藤政信。しかし、彼も色んな役にチャレンジしてます。琴姫役は奥菜恵。彼女も適役だった。その他,村上淳、陣内孝則、竹中直人、津川雅彦、藤井ふみや、根津甚八・・・などなど、超豪華なキャスティング。でも、観客の男性のほとんどはくノ一忍者飛鳥役の麻生久美子にくぎ付けでしょう。中野作品の常連でもあり,最近スクリーンでもっとも輝いている女優の一人。今回はお茶目でセクシーなくノ一役。これがまた,最高でした。彼女を見に行くだけでも充分価値あり。

ジュラシック・パークV  監督 :ジョー・ジョンストン  主演 :サム・ニール、ウィリアム・H・メイシー
Jurasic Park 3  2001年 アメリカ映画  
立ち入り禁止区域となっているコスタリカの島で,パラセーリングをする男と少年.しかし,アクシデントにより二人はボートから離れ、ある島に不時着する・・。そんな時,以前にジュラシックパークから生還したグラント博士の元を,ある夫婦が訪れた。コスタリカの島の上空を飛ぶのでガイドをして欲しい。発掘調査のお金は幾らでも払うと・・。しかし、彼らの目的は別で不時着した少年の救出が目的だった。そこはサイトBと呼ばれる島で、数々の恐竜が放し飼いになっていた。果たして彼らは少年を救い出す事が出きるのか? そして無事に生還する事ができるのか??・・・

私評:今回は特別試写会でサム・ニールの舞台挨拶付きでした。それ故,映画を見る前からかなりテンションをあげて臨んだこの映画。でも、やっぱり面白い。今回のメインの恐竜はTレックスをも凌ぐすごいヤツ。その名はスピノサウルス。そして翼竜ステラノドン。その他にも前作に出てきた恐竜たちが次から次へと出てくる出てくる。それらがまた、超リアル!しかし、『ジュラシック・パーク』を始めて見た時の驚愕にはやはり及びませんでした。今回は時間も90分なので、内容がぎゅっと濃縮されていました。そしてあのスピード感!まさに、遊園地のアトラクションを楽しんでいる感じ。色々と辻褄が合わなかったりする事もあるけど,細かい事は言わないで楽しんじゃいましょう。最近、お気に入りのティア・レオーニが見れただけでもラッキーでしたよ。また、ローラ・ダーンが1作目に続いて良い役で登場。これは監督との「遠い空の向こうに」繋がりか??
焼け石に水  監督:フランソワ・オゾン  主演:ベルナード・ジドロー、アンナ・トムソン
Gouttes d'eau sur pierres brulantes  2000年 フランス映画
中年男のレオは美少年フランツを自宅に連れ込んだ。怪しげな会話を重ねるうちにいつしか二人は・・。以来,レオの家に居ついてしまったフランツ。しかし半年が経ち,二人の間には微妙な亀裂が入り始める。そこに現れたのはフランツの元・恋人のマリー。レオの留守中に自分の元に戻るようにと必死にフランツを説得し、二人はよりを戻したかのように思えたが・・。また、そこにレオの元恋人エヴァが現れ・・・・。

私評:「焼け石に水」タイトル通り、どうにもこうにも手の付けようがない4人のお話。恋愛の事,将来の事、セックスの事でそれぞれが必死になっているのですが、こんなヤツらに何を言っても「焼け石に水」。独裁者のようなレオ、ピュアで心が弱いフランツ、昔の思い出から抜け出せないエヴァ、そして夢見る尻軽淫乱女マリーの4人が紡ぎ出すかなりブラックなお話。しかし、この映画に妙に惹かれてしまった。 なんだか,気持ちの悪い4人組が神経を逆撫でする。しかし、それは私たちが持ってる『邪』の部分をデフォルメしたキャラなんですね。誰が良いわけでも,誰が悪いわけでもないけど・・・。軽いノリで見せられたけど、思いきり毒々しい映画でした。レオの恋人役が「ファースト・フード・ファースト・ウーマン」のアンナ・トムソン。彼女がめっちゃ不気味(笑)。 ほとんどヌードか,下着姿で登場の若き淫乱女役のリュディヴィーヌ・サニエがキュートで可愛かった。フランソワ・オゾンの別の作品も見てみたくなりました。 
忘れられぬ人々  監督 : 篠塚誠  主演:三橋達也、大木実、青木冨夫
Wasure rarenu Hitobito  2001年 日本映画
第2次世界大戦時、玉砕の島から辛くも逃げ延びた男たち。あれから50年。それぞれの道を歩んできた彼らだったが、その中の一人木島は島で救えなかった戦友の金山の事が忘れられず、50年経った今でも時々夢でうなされていた。彼の戦友の平八の妻が入院した病院で看護婦をしている百合子はなんと島で亡くなった金山の孫だった。木島は彼女に彼の形見のハーモニカを手渡した。また、民夫はバスの中で出会った気品のある女性に一目ボレ。歳がいもなく浮かれ,デートを重ねる.しかし,悪徳霊感商法の手に掛かり、彼女は多額の借金を抱えついには精神をも病んでしまう。そして平八までもが・・・。

私評:ベースになるのは3人のじいさんの友情物語だ。寡黙で一人で小さな畑を耕す木島を三橋達也。過去に暗い過去を持っている。そして頑固で口が悪い居酒屋のオヤジだけど、とても愛妻家の平八、そしてとぼけていて陽気でひょうきんな民夫。そして彼らを取り巻く人々と戦友の孫娘が,入り混じり物語は意外な方向へと進んでいく。戦争回顧映画でもあるけれど、現代の老人問題も同時に見つめていく。ラストはめっちゃカッコイイシーンのはずなのに,私はちょっと笑ってしまった・・。この映画の中で特に印象的だったのは平八を演じる大木実とその妻役の内海佳子の話。お互い口が悪くて悪口ばかり言い合っているのに,本当はお互いすごく愛し合ってる。二人のやり取りは笑いもたくさんあるけど、泣かされた・・。そして小津映画の「突貫小僧」で有名な青木冨夫。軽い身のこなし、そしてやはり軽快なギャグ。暗くなりがちなこういう映画を,一人盛り上げる青木さんは感動的だった。先日見た、「ホタル」とかぶる部分もけっこうあるのですが、舞台挨拶に立った監督が声を大にして「こちらの方が先に作られています」と力説していました。


前回の記事も読んでね〜!



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