2001/10/9号

今週は11作品。本当は12作品でしたが「ワイルド・スピード」の記事を
書き忘れました・・・。これは次回という事で・・・。今週のキーワードは
”「音楽」って素晴らしい日本語表現だ!”

オー・ブラザー!  監督 : ジョエル・コーエン  出演 : ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ
O Brother Where Art Thou?  2000年 アメリカ映画  
1930年代、アメリカはミシシッピー州の片田舎。3人の囚人が野外作業中に脱走をした。彼等の一人エヴェレットが、捕まる前に現金輸送車を襲い,その時に隠した金を見つけだし3人で山分けする按配だ。文無しだった彼等は、ひょんな事で飛び込んだラジオ局で「ずぶ濡れボーイズ」の名前で歌った曲が大ヒット。しかし、逃走中の彼等はそんな事を知る由もなかった。彼らを執拗に追う保安官、そして行く先々で出会う変なヤツら。 果たして彼らはこの旅の終わりに何を見つけるのか??・・・・
私評:ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、またやってくれました。しかし、本当に彼らの映画にはハズレがない。アメリカでは昨年公開されていたのに、日本は1年遅れでやっと上陸です。古き良きアメリカ南部の匂いをプンプンさせる景色、そして音楽。特にこの映画の音楽は最高!映画の随所でかかるカントリーウエスタン、そしてブルースがなんとも心地良いです。主演は初の「三枚目」に挑んだ?ジョージ・クルーニー。彼がこの役にピッタリで・・。ダサいんだけど、カッコイイ。あのポマードへのこだわりが好き〜!私が苦手のジョン・タトゥーロもこの映画ではすごく良かった。その他の出演者も,一番笑わせてくれるティム・ブレイク・ネルソン、相変わらずの怪優ぶりを見せる,ジョン・グッドマン、南部の気の強い女も似合う,ホリー・ハンター・・と完璧な布陣。めっちゃ楽しかった!! 伊達男印のグリースが欲しい・・・。
ロック・スター  監督:スティーブン・ヘレク  主演: マーク・ウォールバーグ、ジェニファー・アニストン
Rock Star  2001年 アメリカ映画
1985年ピッツバーグに住むクリスは、カリスマ的ロックバンド「スティール・ドラゴン」にはまりまくっている。見かけはもちろん,自ら「S・D」のトリビュート・バンド(簡単に言えばコピーバンド)も作って、ライブを重ねていた。彼らのマネージャーで、しかもクリスの恋人のエミリーは、クリスの才能を早くから見出し,いつか彼は成功すると信じていた。ところが、トリビュートバンド内で謀反が起こり、クリスはバンドを追い出されてしまう。落ち込む彼の元に,一本の電話が入る。それはなんと,「S・D」のリーダーのカークからの電話だった。「こちらでチケットを用意したから、LAまで来ないか?」 この1本の電話が彼の人生を大きく変えることになるとは、・・・。
私評:ロックを愛する人全てに送る・・・。私はいわゆるロック世代のど真ん中で、それこそロック漬けになってた世代の一人です。ロックスターには憧れはしなかったけど、観客と一体になってステージを作り上げる快感は今もしっかり心に焼き付いています。この映画の中ではそんなコンサートの感動がいっぱい詰まっていた。そして80年代のボン・ジョビ、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、デフ・レパードなど、思わずオー!と言ってしまいたくなるようなラインナップ。しかも、音楽の担当は伝説のプレグレバンド「YES」のギターリスト、トレバー・ラビン。随所に彼の「泣き」のギターフレーズが入っているのも嬉しい。そしてスティールドラゴンのドラマーが、亡きレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムの息子,ジェイソン・ボーナムなんですよ。その他にも当時のコアなロックファンにはタマラン,隠しアイテムがあります。主演のマーク・ウォルバーグははまり役。あの口のデカさはまさにロック歌手向き。そして彼のGF役は、ブラピ夫人のジェニファー・アニストン。途中までのサクセスストーリーもすごく良いけど、私は最後のオチが好きです。
 テルミン  監督:スティーブ・マーチン  主演:レオン・テルミン、クララ・ロックモア
Thermin  1993年 アメリカ映画
テルミンとは1920年にロシアの科学者レフ・セゲイヴィッチ・テルミンによって作られた世界初の電子楽器だ。この楽器は手を振れるのではなく空間に手をかざし,電子の流れを変える事によって演奏すると言う不思議な楽器だ。この映画はテルミンがいかにして普及していったか、そしてテルミンの名演奏者クララとテルミン博士の関わり、そして天才(もしくは悪魔)と謳われたテルミン博士の波乱万丈の人生を語るドキュメンタリーだ・・・。

私評:テルミンって、いったいなんじゃい??・・・私が初めてテルミンを見たのは1976年の「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」だ。このステージの上でジミー・ペイジ(当時はスマートでカッコ良かった)がこのテルミンに手をかざして「ウィーンウィーン・・」という不思議な電子音を奏でていた。実際、その時は壊れたシンセサイザーだと思ってた(笑)。今回の公開前の予告編で、「あ〜!あれはテルミンだったのか!」と知りました。実に25年の時を経て,私はこの楽器の名を知ったのです(笑)。この映画の,語り部の一人クララとテルミン博士の昔の映像が何度も映し出される。果たして二人の間にはどんな感情があったのか?(クララはテルミンにプロポーズされたと映画の中で,語らっている)。そして当時のソ連により拉致され、収容所での強制労働を経てひっそりと生きてきたテルミンのすごい人生に,驚愕と感動。アメリカでは彼は死んだものと思われていて、実に半世紀ぶりに再会を果たすクララとテルミンの物語には感動させられた・・。老いた二人の会話シーンに若かりし日の映像が挿入される・・・。ただのドキュメントではないです。 これぞ、真の人間ドラマ・・・。
アメリカン・ナイトメア  監督:アダム・サイモン  主演:ウェス・クレイブン、ジョージ・A・ロメロ、トム・サビーニ
The American Nightmare  2000年 アメリカ・イギリス映画
1960年代から70年代のインデペンデント映画の旗振り役を担ってきたのは、実はホラー映画ではなかったのだろうか?この映画では、今もなお一線で大活躍を続ける映画監督、そして特殊メイクの大御所トム・サビーニがそれぞれの作品を熱く語ります。それぞれの映画を作るに当たり,彼らを駆り立てたものはなんだったのか? それはベトナム戦争であり、キング牧師,ロバート・ケネディの暗殺、人種差別による暴力・・・。そしてついにそれぞれの監督が思う「恐怖」について語られた・・。

私評:ホラーの神様たち,全員集合!・・・ご存知の通り,わたしはホラー映画が大好き。しかし、年齢を重ねる毎に恐怖が薄れて行くのは確かです。その理由は幽霊より、ゾンビより現実の方が怖いからかもしれない(笑)。しかし、1970年代のホラー映画には,本当に怖い思いをさせられました。そして今、この映画で初めてそれらの映画のイマジネーションの元、そして各シーンに込められたメッセージ、そして思い入れを監督の口から聞かされ、改めて名作と言われるホラー映画の奥の深さを知らされた。トム・サビーニのベトナムでの体験。ジョージ・A・ロメロの日常のTVからの恐怖。また、クローネンバーグのセックス論、ジョン・カーペンターの「ハロウィン」に込めた想い・・・。中でもウェス・クレイブンの「鮮血の美学」は強烈だった。そして彼が語った「アメリカ人の国への想い」は面白かった。国を信頼し、理想を持って、そして誰もが夢を持っている。それゆえそれを覆されると,とても弱い人種だと言う。それゆえ,ホラーと言うジャンルは彼らの日常をぶち壊すには最高のジャンルだったに違いない。みんなでホラー映画を見ましょう! 
カルテット  監督: 久石 譲  主演:袴田吉彦、桜井幸子、三浦友和
Quartet  2001年 日本映画
アンサンブルコンクールに出場した明夫、智子、大介そして愛の4人。しかし、結果は散々だった・・。それから4年後、明夫は盛岡交響楽団のコンサートマスター、智子はどさまわり歌手(ポップ演歌)のバック、大介は音大の教官助手、愛は大学院で修行中。しかし、ひょんな事で4人はふたたび顔を合わせる。それぞれ複雑な事情を抱えながらも、4人はふたたびアンサンブルコンクールを目指す事に。しかし、天才的な腕を持つ明夫は自分のペースに付いて来れない他の3人に罵声を浴びせ、チーム状態は最悪に・・。そんな彼らを見かねた彼らの師の勧めで、イベント会社のコンサートツアーの仕事を持ちかける。長い旅の中で4人の間には不思議な絆が生まれていった・・・。

私評:音楽がそれほどのものなんですか!?・・・そんなときもあるよね。それは音楽に限らず、何かに打ち込む時ってそうですよね。たとえば、自分も学生時代の部活動や、音楽活動をしていた時、それは何よりも大切だった。もちろん1日24時間、1年365日がそれだけではないけど・・。この4人が音楽に打ち込んで、最後に見せる笑顔に辿りつくまでのプロセスがすごく好きだ。また、私は自分自身が4人のバンドのメンバーだったので、音楽性の違いや、アレンジの仕方とかでいつも言い争っていて、この映画はまるで当時の自分たちを見ているようだった。話の内容は単純明快だけど、この映画は変にいじる必要はないと思った。この映画は久石監督自身が日頃、思っている(ある種の理想を)ストレートに描いた作品でしょう?彼のメッセージは私の心にストレートに届きました。音楽は最高でしたね。「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「キッズ・リターン」の曲が入っていたのがすごく嬉しかったな〜。特に「トトロ」の曲のシーンの子供たちのリアクションが最高でした!!また、袴田吉彦,桜井幸子のコンビもなかなか良かったですよ。私的には藤村俊二がすごく良かったです。
ROCK YOU!  監督:ブライアン・ヘルグランド  主演:ヒース・レジャー、ルーファス・シーウェル
A Knight's Tale  2001年 アメリカ映画
14世紀。 ウィリアムはローランド,ワットと一緒に「トーナメント」に参加するエクター卿のお供をしてこの地へとやって来た。ところがジュースティング(馬上槍試合)の試合の直後エクター卿は死んでしまう。すきっ腹を抱えたウィリアムはとっさに、エクター卿になりすまし、ジュースティングに出場し、なんとか優勝をして賞金を手に入れる。それに味をしめた彼らはウィリアムを架空の貴族にして、トーナメント荒らしを始めた。(当時このトーナメントに平民は参加できなかった)。連戦連勝のウィリアム改め、ウルリック卿の目の前に,ある日絶世の美女が現れる。そして最強のライバルも登場・・。そしてロンドンでの世界大会に出場するため、ウィリアムは12年ぶりに祖国の土を踏む。そこで彼は生家を訪ねて父との再会を果たすのだが・・・・。

私評: We Will, We Will, ROCK YOU!! ・・・・オープニングでいきなりクイーンのWe will Rock You! が掛かってから、この映画の不思議な雰囲気に飲まれてしまった〜!14世紀のヨーロッパの舞台でクイーン?? しかも、曲に合わせて観衆が手拍子。一体なんじゃ〜!ところがこれが最高に心地良いんですよ。他にも劇中に数々のロックが取り入れられる。それがただのBGMじゃなくて、演出とリンクしているのが面白いですね〜。今までの中世コスチューム映画の常識では考えられない演出でした。ダンスシーンなんか最高ですよ(これは秘密にしておきましょう)。主演のヒース・レジャーはスッキリ顔の二枚目ですね。キップ・パルデューと言い,彼といい甘いマスクの青年がブームなのか??敵役はルーファス・シーウェル。前々から彼は悪人顔だと思っていたので,今回の敵役はバッチリとフィット。ヒロインのシャニン・ソサモンは本作がデビューの溌剌女優。そして「タイタス」でとても可哀想だった(?)ローラ・フレイザーが、脇役で登場。(女鍛冶師)私はけっこう彼女も好きなんですよ〜! そして映画の中の衣装、そしてセットにも要注目。 ストーリーは単純明快。思ったとおりの展開ですが、ヒーロー物はこれで良いですよね! 後味爽快でした。
少女  監督・主演:奥田瑛二  主演:小沢まゆ、夏木マリ、室田日出男
Shoujo=An Adolescent  2001年 日本映画
田舎町で警官を務める友川は、ある日不思議な少女に出会った。「おじさん、SEXしない?」 少女名前は陽子。まだ、15歳だが、どこか大人びているのは,複雑な家庭環境が原因だった。友川も警官でありながら人妻と不倫したり、拳銃をぶっ放したりととんでもない男だった。しかし、二人は恋に落ちた。二人の密会が続いたが、ある事件が元で村中に知れ渡ってしまう。そんな時、陽子は祖父の願いであった刺青を、背中に入れる決意をする。それは友川の背中に入った刺青と一対の鳥だった・・・・。 

私評:みんな自分のことしか考えてない・・・。中年男と少女の関係は,傍目から見れば不釣合いで非常識で・・。今までさんざん,悪態をついてきた男が生涯の恋に落ちた。そして少女はそんな男の中に安らぎを見出した。しかし、それはまぎれもない「純愛」だった。この映画の奥田瑛二のキャラは最低の男なんだけど、どこか憎めない。こういう役をやらせたら奥田瑛二の右に出る奴はいないね。陽子役の小沢まゆがなんとも不思議な少女でした。ちょっとマラソンの高橋尚子に似てて、いわゆる美人ではないのだけど(Qちゃんゴメン)、すごく魅力的なんです。それゆえ、どんどん深みに嵌まっていく奥田瑛二の気持ちが良く分かるんです・・。そしてまゆちゃんの脱ぎっぷりの良さ!!(笑) また、彼らを取り巻く脇役がまた,良いです。陽子の祖父の死化粧の商売をしている男(実は刺青師)を室田日出男、陽子のだらしない母親役が夏木マリ。思いきりストレートな感情表現、そして真っ直ぐ見据えるカメラ。 目を逸らしてはいけない・・。見逃してはいけない・・。
ナイト・オブ・リビング・デッド 最終版  監督:ジョージ・A・ロメロ  主演:デュラン・ジョーンズ、ジュディス・オデア
Night Of the Living Dead  1968年 アメリカ映画
兄と二人で父の墓参りにやって来たバーバラは、突然男に襲いかかられた。必死で妹を庇う兄はその男に捕まり・・。やっとの思いで近くの家に逃げ込んだバーバラだったが、男は執拗に追いかけてくる。そこに現れたのはベンと言う黒人の青年だった。彼は家の窓という窓を打ちつけ、バリケードを築いた。ラジオのニュースが語る・・「したいが蘇り人々を襲っている。しかも、彼らは人肉を食べている」と・・。家の地下にはハリーと彼の妻と娘、そしてトムとその恋人が隠れていた。いまや、ゾンビたちに囲まれ,身動きが取れなくなった彼らは,近くの避難所へ逃げるため、ゾンビ軍団との戦いを始める・・・。

私評:ゾンビ映画の金字塔。15分のショックシーンを追加した最長!最恐!最終版!・・・これは1968年の映画。映像はモノクロだ。初めてこの映画を見たときはめちゃ恐かった。 続々と集まってくるゾンビたちがなんとも不気味で、そしてそんな屍たちの前で無力な人間たち。そして訪れる、怒涛のクライマックス・・。オリジナルバージョンは何度かビデオで見たことがあったのですが、今回初めてフィルムで鑑賞する事ができました。オープニングの5分、そして片腕の看護婦、ロージーの登場シーン、そしてラスト近くのインタビューが新たに追加されていた。今見ると,たいして恐い作品ではないのですが、こんな映画を30年以上も前に撮っていた、ジョージ・A・ロメロの鬼才ぶりを改めて認識した。レイトショーでしたが、けっこう観客が入っていました。さて、次はジョージの最新作「URAMI」を見なくちゃ!! 
ダンボール・ハウス・ガール  監督:松浦雅子  主演:米倉涼子、吉田日出子、PJ
Danball House Girl  2001年 日本映画
杏(あい)は25歳のOL。コツコツと貯めた500万円を持って,彼氏と二人でアメリカへと渡る予定だった。アパートも解約し、出発準備も万端。そして会社も無事に円満退職を果たしたが,その夜、彼女の金はそっくり盗まれてしまう。泣きながら彼の家に駆け込むと,そこには別の女が!しかも,彼女のお腹には赤ちゃんまで!!犯人は捕まったものの、お金は戻ってこないし、しかも警察は犯人に同情までしてる。「金を取られるくらいなら、殺された方が良かった・・」全てをなくしてしまった杏は、ついにホームレスになってしまう。しかし、心優しいホームレスの仲間たちと出会い、彼らと生活を送るうちに、彼女の中の価値観が次第に変わってくる。今まで,あくせく働いてきた自分っていったい? 杏のサバイバル生活は、どこまで続くのか??・・・・・

私評:神様、人間はなんでお腹が減るのでしょうか??・・・・。元気が出ますよ〜,この映画。絶望のどん底から少しずつ這い上がって行く杏の姿が微笑ましく、そしてパワフル。 そんなホームレス女を好感度No.1(何の好感度かは不明??)の米倉涼子が颯爽と演じます。彼女が本当に良いです。美人だしスタイルも抜群だし,頭も良さそうな彼女がボロボロになる様は、可笑しくもあり・・。でも、そんな惨めな女がけっこう似合っていたりする。しかし、彼女の内なるパワーは、そんな生活に順応し、そして一皮剥けて立ち直って行く。どんなときもポジティブに生きて行かなくちゃ!しかし、市民権がないホームレスたちの悲哀、そして彼らへの偏見もしっかり描かれています。この映画の監督松浦雅子の作品は「ひとでなしの恋」を見ているのですが,今回も手持ちカメラを揺らしながら、東京の不思議空間を上手く画面に収めています。しかも、この作品はフル・デジタル!!音楽もすごく良くて本当に後味爽快系です。パワーが欲しい人は,彼女のポジティブさを見習おう!! しかも、映画の料金が1300円! 
GO!  監督:矢崎充彦  主演:高田宏太郎、山崎務、椋木美羽
GO!  2001年 日本映画
康助は高校2年生。これと言った目的もなく、「ダルイ」けど学校には行くし、「金がネー」からバイトをしている。こんなダルイ毎日なのに母親は彼氏を家に連れてくるし・・。バイトの宅配ピザも店長に怒られてばかりで,今日限りで辞めようと思っていた。しかし、その夜康助はバイクで女性を引っ掛けてしまう。幸い怪我はなかったものの彼女のカメラのレンズを壊してしまう。それが令子との出会いだった。数日後,有り金を握って彼女の元を訪ねた康助だったが,彼女は弁償金を受け取らず「その代わり君が作ったピザをいつか持ってきて」と言い残し去って行った。やっとの事で自分でピザを作り,彼女の家のチャイムを鳴らしたが,時すでに遅し・・。彼女は故郷の長崎へと引っ越してしまったのだ。しかし、それでは気の治まらない康助は無謀な賭けに出た。なんと、ピザを長崎まで届けることにしたのだ。しかも、原付バイクで・・・。

私評:ウオーーーーーーーーーーー!! 最近、こんな野郎に出会った事がない。超〜硬派で、融通が利かない。でも、走り出したらとことんやり遂げる。映画の宣伝では「激レア野郎」と呼んでいるが,まさにそんな青年。彼の破天荒な行動は,実に微笑ましかった〜。私くらいの歳になって,こんな事をやったらただの大バカだし、今更こんな事はきっとできないので、17歳の彼の行動は実に羨ましい。自分ができないからよけいにカッコイイんだよね。途中で野グソをしても、童貞と一緒に●●を取られても・・・・、ドジでもマヌケでも映画を見ている間、ずっと彼を応援し続けてしまった。もちろん、はちゃめちゃな内容ゆえ辻褄が合わない事はあるけど、それは映画だからね。また、旅の途中で出会う人々も個性的ですごく良かった〜。主演は先日「バックステ−ジ」で見た、高田宏太郎。彼の母親役が,美保純(もう,彼女も高2の子供の母親役を演じるようになったんだね・・しみじみ・・)。そしてメッチャインパクトがあるのが、なぞのハーレーのライダー役の山崎務。なぜか,彼の手にはホットドックが・・。この映画を見終わったあと、めっちゃピザが食べたくなりました。この映画にも元気をいっぱい貰いました〜!!ちなみに左の写真はパンフレットのコピーです。大学ノート風ですが・・。
チェブラーシカ  監督:ロマン・カチャーノフ  主演・チェブラーシカ、ゲーナ
 1969〜1974年 ソ連映画
ボクの名前はチェブラーシカ。元々はアフリカで暮らしていたのだけど、お腹が空いてオレンジを食べて、居眠りをしていたらオレンジと一緒に木箱に詰められ,気が付いたらロシアに来ていたんだ。おじさんに動物園に連れて行かれたけど「学問上正体不明」の生物なので引きとってもらえませんでした。そんな時、動物園で「ワニ」として働くゲーナが書いた、「一人ぼっちで寂しいので友達が欲しい」と言う張り紙を見ました。さっそく彼を訪ねたチェブラーシカは、もっとたくさんの友達を作るために、2匹で「友達の家」を作ることにしました・・・・。
 

私評:実はこの映画はまったく見る気がありませんでした。ところが、この日映画のハシゴをしていてポッカリ時間が空いてしまい、しかもこの映画の時間がピッタリだったので見てきたんです。思ったとおり,私は全然ダメでした。登場するキャラたちはすごく可愛くて良いのですが、あまりに子供じみたお話が・・・。私は苦手なんですよ。たかだか60分くらいの映画なんですが、もう睡魔との戦いでした。睡眠学習で覚えたゲーナの歌が、しっかり頭にインプットされてしまいました。これは好き嫌いというより,私はまったく受けつけない映画。それなのに1050円(税込み)のパンフレットを買った私って・・・。小学1年の甥っ子にチラッとこの話をしたら、「なんでアフリカから急にロシアに行ってロシア語が喋れるんだよ!」ってツッコミが。夢も希望もないツッコミにおじさんは悲しかったよ・・。「これは童話なんだよ」って、思わずこの映画のフォロ−をしてしまった私って・・・。(自爆)


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