2006/12/24

クリスマス・イブもひとりで映画を見に行った寂しいHideです。(笑)
今回のイチ押しはまたしても強烈なアニメと
めちゃめちゃ面白いドキュメンタリーです。

鉄コン筋クリート  監督:マイケル・アリアス  出演:二宮和也、蒼井優
 2006年 日本映画
今週のイチ押し:義理と人情とヤクザの町「宝町」。この町を自由に飛びまわる「ネコ」と呼ばれるふたりの少年「クロとシロ」は互いに助け合って生きていた。外の町からふたりに挑戦する者たちもいた。昔馴染みの刑事「ネズミ」が宝町に戻ってきた。彼を見つけたクロは妙な胸騒ぎを感じていた。一方、この町のヤクザたちは薬をばら撒こうとするが、族のアパッチのリーダーチョコラはその事に抵抗。ところがヤクザの事務所に呼び出されたチョコラは卑怯な手を使って彼を脅すが、ヤクザの木村を快く思っていないクロが鉄パイプを片手に現れ、狂ったようにヤクザを叩きのめした。謹慎処分になった木村の前に現れたのは「蛇」と名乗る不気味な男。ヤクザの組長と宝町全体を再開発するという蛇はふたつの邪魔者に目をつける。ひとつは「ネズミ」、そしてもうひとつは「ネコ」だった・・・
私評:もしもーし。こちら地球星、日本国シロ隊員。今日も全力で悪と戦っています。どーじょー・・・松本大洋のコミックの映画化。この作品は3−4年前に借りて読んだのですが、不思議な雰囲気の中に、強烈なインパクトを秘めた作品でとても印象的でした。それが映画化されると聞いて期待していた作品です。ストーリーは元々良いのですが、その作品に動画ならではの映像技術が加わり、この話がさらにスケールアップ。スピード感溢れる映像はドキドキ度をさらにアップ。そして映画の端々に心に突き刺さるような強烈なセリフがあるのです。先日見た「パプリカ」もそうですが、画面の中にすごい量の情報が描きこまれているので、一回だけでは全てを見ることは不可能。公開中にもう1回観にいきたいです。クロの声は「硫黄島からの手紙」の二宮和也。彼の新たな才能を垣間見ました。しかし、そんな二宮君が霞んでしまうくらい強烈な「シロ」を演じる蒼井優!!彼女はやはりすごいですね〜!!その他、伊勢谷友介、宮藤官九朗、田中泯、大森南朋、本木雅弘という豪華な声優陣。監督は「アニマトリックス」のマイケル・アリアスです。 
デート・ウィズ・ドリュー  監督・主演:ブライアン・ハーズリンガー  出演:コリー・フェルドマン、エリック・ロバーツ
My Date with Drew  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:27歳のブライアンは子供の時に「E.T.」を見て以来、ドリュー・バリモアの大ファン。そんな彼がクイズ番組で1100ドルを手に入れた。しかも、優勝をかけた最後のクイズの答えは「ドリュー・バリモア」!運命を感じたブライアンは1100ドルを元手に、ドリューとデートをするという長年の夢を映画にする事を決めた。ビデオテープを大量に購入し、ビデオカメラを買う金はないので30日のレンタル。仲間と会議をするがなかなか良い案は出てこないし、両親や妹は呆れ気味。意気消沈のブライアンに吉報が舞い込む。なんと敏腕プロデューサーのケリー・デヴィッドと会うことができたのだ、彼女はトム・クルーズの大ファンで、夢を叶えてトムの作品のプロデュースを果たしたのだ。ケリーはブライアンに同感し彼のドキュメンタリーに協力する事を約束してくれた。ケリーの紹介でチャーリーズ・エンジェル・シリーズの脚本家ジョン・オーガストやドリューの元彼のコリー・フェルドマンに出会い・・。そして彼は徐々にドリューに近づいていく。果たしてブライアンはドリューとデートする事ができるのか??
私評:本当に彼女に120センチまで近づいたんだぜ〜!!・・・これは嘘偽りのないドキュメンタリーです。しかし、ハリウッドスターと一般人がデートなんて絶対無理だと思いませんか??日本の芸能人とデートだって絶対無理だと思っていました。ところが人間、意志を貫き通せばなんとかなるんですね。この映画はまさにそんな夢物語を叶える壮大なるドキュメンタリー。もちろん紆余曲折はあり、一筋縄でいくはずもないのですがそんな試練もばねにして突き進んでいくブライアンを、いつしか一生懸命応援している私がいました。そして自分もそんな可能性を秘めているかも??という勘違いもさせてくれますよ。(笑)しかし、ブライアンの追いかける女性がドリューだから良いんですよね〜。これが他のハリウッド女優だったらダメだったんじゃないかな??そういう意味ではドリューは親近感が持てる女優ですよね・・
大奥  監督:林徹  出演:仲間由紀恵、高島礼子、井川遥
 2006年 日本映画

7代将軍、徳川家継は将軍と呼ぶにはあまりに幼い。6代将軍家宣の寵愛を受け、家継を生んだ月光院は、正妻の天英院にとっては憎くて仕方のない女。おとなしく気が小さい月光院は日々、天英院を初めとする彼女の取り巻きの誹謗を浴びていた。しかし、そんな月光院を絵島という大奥総取締役が常に傍で助けていた。また、家継の側用人となった間部詮房は能役者から幕府の実権を握るまでに登りつめた男だったが、間部を疎ましく思う老中がたくさんいた。そんな折、天英院派に間部と月光院の恋の噂が届く。月光院にとって間部は唯一の心の遣り所で、彼を男としても愛していたのだ。そんな月光院のことを絵島は知りながら庇ってきた。しかし、天英院はこの機会をチャンスとみなし、老中たちと結託し絵島を罠にかけようと策略する。寺社詣の帰りに寄った歌舞伎観劇の席で、絵島は歌舞伎役者の生島新五郎と会う。女ざかりの絵島はこの年まで恋も知らずに生きてきたが新五郎に心をときめかせる。しかし、彼は天英院の差し金だった・・・・

私評:私は一夜の恋をしました。それ以降は余生として生きることにしました・・・大奥というとテレビシリーズで有名ですが、私は全然見たことがありません。昔、お笑い番組で(先日亡くなった)岸田今日子さんのナレーションの物まねをしていたのを知っているくらい・・。しかし、ドロドロした愛憎劇を描くのであればこれほどピッタリの舞台はありませんね。大奥という江戸時代の日本ならではのシステムは、まさに女どうしの戦いの場を産んだのでしょうね。そしてこういう映画にどうしても必要なのが憎まれ役ですが、この映画にはたくさんの憎まれ役が登場します。まずは天英院を演じる高島礼子、側室の法心院を演じる木村多江、やはり側室の蓮浄院を演じる松下由樹、お年寄りの浅野ゆう子、天英院の手先・宮路を演じる杉田かおる・・。彼女たちが寄ってたかって月光院を演じる井川遥をいじめるのです。そんな女たちに颯爽と戦いを挑むのが主演の仲間由紀恵!!めちゃめちゃカッコ良かったです。間部役は(役者上がりというのがピッタリの)及川光博、彼をなんとか憚ろうとする老中役は岸谷五郎。絵島を陥れようとする歌舞伎役者は西島秀俊が演じます。この映画の題材は(私は知らないのですが)有名な「江島生島事件」がベースになっているそうです。こんどちょっと調べておきます。(笑)監督は「大奥」のテレビシリーズを手がけた林徹。
プラダを着た悪魔  監督:デヴィッド・フランケル  出演 : メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ
The Devil Wears Prada  2006年 アメリカ映画

世界をリードするファッション雑誌「ランウェイ」の編集長ミランダの元にひとりの若い女性が面接に現れた。ミランダはモード界のカリスマで、競争の激しいこの業界で成り上がってきたスーパーウーマン。ところが面接に現れたのはオシャレなどにまったく興味がないジャーナリストを目指すアンディだった。しかし、アンディの熱意が通じたのか?ミランダはアンディを採用した。その日以来、アンディはミランダの悪魔のような要求に応えるためプライベートの時間を潰して必死に働くが、いつまで経ってもミランダの目は自分を通り越して遠くを見ているようだった。しかも、ただ一度ミランダの要求に応えられなかった時のミランダの言葉は、一層アンディを落ち込ませた。アンディはミランダの右腕のデザイナーのナイジェルに相談するが、それはアンディの「甘え」だと一蹴される。そしてアンディは「ランウェイ」に対して偏見を持っていることに気付かされる。この雑誌を完全に理解するため、アンディはナイジェルの力を借りて「ランウェイ」風のファッションに身を包んだ・・・・

私評:君がこの間まで毛嫌いしていた女に、君自身がなってしまったんじゃないか??・・自慢ではありませんが、ファッションの事はまったく分かりません。昔、ホテルで働いていた時にクロークで預かる荷物が分かりやすくなるようバッグのブランドを憶えたのですが、ヴィトンのバッグがあんなに高いと知るまでにはかなり時間を要しました・・。そんな私がこの映画を見てもファッションの良し悪しはまったく分かりませんが、映画はしっかりと楽しむ事ができました。この映画は21世紀の「ワーキングガール」であり「プリティ・ウーマン」なんですね。そして(当然の事ですが)どんな仕事であっても、しっかり仕事を理解する事、そして仕事に誇りを持つことが大事ですよね。そんな部分は私も仕事をする人間として面白く見ることができました。また、強烈なインパクトのメリル・ストリープがサイコー!鉄の鎧で全身はおろか心まで固めているミランダが一瞬見せる人間らしさ。これをここまでしっかり見せられるのはやはり名女優たる証。そしてめちゃめちゃ可愛いアン・ハサウェイ。彼女は知性も感じる事ができるのでこの役には最適でした。そして素晴らしかったのがナイジェル役のスタンリー・トゥッチとミランダのシニア・アシスタントのエミリー・ブラント。監督はデヴィッド・フランケルです。

イカとクジラ  監督:ノア・バームバック  出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー
The Squid and the Whale  2005年 アメリカ映画
1986年、ブルックリン。16歳のウォルトと弟のフランクは家族会議に出ていた。その場の雰囲気から容易でない事態を悟ったフランクは用件を切り出す前に泣き出してしまう。両親は別れると宣言したのだ。頑固で尊大な父親のバーナードは、かつては持て囃された作家だったが、いつ終わるとも分からないスランプ。一方母親のジョーンは新人作家としてニューヨーカーズで華々しいデビューを飾ろうとしている。兄弟は両親の勝手で「共同監護」の元、ふたりの家を行ったり来たり。しかし、父親に傾倒しているウォルトはジョーンを強く非難し、母親好きのフランクはストレスをビールで紛らしていた。ひとつ外れてしまった歯車は、連鎖反応で「家族の絆」を徐々に破壊していく。果たしてこの家族の行方は・・・・
私評:ボクでも書ける詩が先に書かれていただけさ・・・なんともシュールな家族の物語です。しかし、こんな私の両親がこんな親じゃなくて良かった。あまりにプライドが高いインテリな父親だったらきっと私に自分の理想を押し付けようとしただろうし、気遣いのない母親の浮気の話など聞かされたらぐれていたかも?そんな大人としてはそれなりなんだけど、親としてはサイテーの両親にティーンエイジャーの兄弟が思い切り振り回されていく様が笑えるのだけれど、心のどこかを針で突かれたような微妙な痛みを感じてしまうのです。特に兄弟のストレスのはけ口が・・・??子供たちにとって親はある意味「絶対的」な存在でもあるのですが、いつの頃からか一個の人間として見られる時機がきますよね。この映画はその瞬間を見ることができるのです。両親役は見事なダメ親に徹したジェフ・ダニエルズとローラ・リニー。フランク役はなんとケビン・クラインとフィービー・ケイツの息子オーウェン・クライン。どちらにも似てないような気がするのですが・・。兄役はジェス・アイゼンバーグ。そしてビックリしたのがすっかり太ってしまったウィリアム・ボールドウィン!(ボールドウィン家は太る家系なんでしょうね・・)そしてバーナードの教え子役でアンナ・パキンも登場します。監督はノア・バームバック。


前回の記事も読んでね〜!



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