2009/11/14

溜まったレビューを放出します。今週末も映画三昧だ!!
今回のイチ押しは21世紀の映像技術だから出来得たデザスター映画と
韓国の超問題作。

2012  監督:ローランド・エメリッヒ  出演:ジョーン・キューザック、アマンダ・ピート
2012  2009年 アメリカ映画
今週のイチ押し:2009年、地質学者のエイドリアンは惑星直列により太陽の活動が活発化し、そのために発生する放射能が地球の核に影響を与え、地球が滅亡する事を察知した。アメリカ大統領のトーマス・ウィルソンはG8の席上で世界各国の首脳にその事を伝えた・・。2012年、作家のジャクソンは別れた妻のケイトとの間にできた2人の子供たちと、ひとときのバカンスを楽しんでいた。彼らが訪ねたイエローストーン国立公園はジャックとケイトの思い出の場所だった。しかし、湖は干上がり、重装備の軍がその地を警備していた。そこで謎のDJチャーリーと出会ったジャクソンは、彼の口から世界の終末が来る事を聞かされる。彼の言葉を信じていなかったジャクソンだったが、その直後にカリフォルニアを史上最大規模の地震が襲う。ケイト、子供たち、そしてケイトのBFのゴードンとともに脱出を試みる。ゴードンの操縦する飛行機の下で、カリフォルニアが海中に引きずり込まれていく。そして彼らは政府が秘密裏に作成しているという「巨大な船」を探す旅に出る・・
私評:最後まで一緒にいる。家族だから・・・・「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」で私たちの度肝を抜いたローランド・エメリッヒ監督が、映画史上最大の地球崩壊の映画を作り出した。それは想像を絶する映像でした。しかし、大災害の前でなんとも無力な人間たちが、必死に生き延びようとする。その原動力になるのは人間同士の人種を越えた絆、だったり家族の愛だったり・・。そんな中で、やはり「生」への最短のチケットを握っているのは、一握りの金持ちや、各界の著名人だったりするんですね。しかし、その辺りはきれいごとばかりではなくリアルに描かれていたと思います。襲い来る未曾有の大災害の前で次々と人が、そして街が消えていく。そして人類が持てる粋を尽くした「ノアの箱舟」とは??私は思っていたものとはかなり違ったのでガクッとしてしまいましたが、これもまたリアルな展開かも??主演はダメ男が似合う「1408号室」のジョーン・キューザック。今回は父親として、夫として持てる力のすべてを出し切って家族を守るヒーロー役です。妻役は「隣のヒットマン」のアマンダ・ピート。エイドリアン役は「アメリカン・ギャングスター」のキウェテル・イジョフォー。その他、オリバー・プラット、ダンディ・ニュートン、ダニー・グローバー(なんと大統領役です)、ウディ・ハレルソンという豪華な顔ぶれ。果たして3年後、地球は滅びるのか?
母なる証明  監督:ポン・ジュノ  出演 : キム・ヘジャ、ウォンビン
Mother  2009年 韓国映画
今週のイチ押し:漢方の薬店で働きながらひとり息子のトジュンを育てた母。しかし、トジュンは子供の心を持ったまま体だけ大人になってしまった。母は薬店の収入だけでは生活ができず、非合法の鍼治療もこっそり行っている。ある日、トジュンはバーで大酒を煽っていた。友人のジンテと待ち合わせをしていたが彼はやってこなかった。酒代として彼は店主に昼間に出かけたゴルフ場で拾ったボールを差し出した。帰り道でトジュンの前を歩くひとりの女子高生がいた。彼女に声をかけるが返事がない。すると突然、大きな石がトジュンに向かって飛んできた。驚いたトジュンは家路についた・・。その翌日、町の小さなビルの屋上でその女子高生が無残な遺体で発見された。平和だったこの町で数年ぶりに起こった殺人事件だ。数日後、母はトジュンが警察に連行される現場を見てしまう。殺人現場の近くでトジュンが持っていたゴルフボールが見つかったのだ。しかも、トジュンの名前入りの・・。彼は自分の状況が良く分からないままに書類に拇印を押してしまう。息子がそんな事をするはずがない。母の必死の説得も受け入れてはもらえない。八方塞がりになった母は自ら行動を起こすが・・
私評:誰も信じるな。その手で犯人を捜すんだ・・・「ほえる犬は噛まない」以来、ずっと好きなポン・ジュノ監督の最新作。今回は魂の奥に訴えかけてくる強烈な母親の愛の物語だ。ストーリーも練りに練られていて、最後の一瞬まで目が離せない。そしてラストに明かされる驚愕の事実は心臓を突き刺すようなショックでした。それにしてもこの監督はすごい。「ほえる・・」「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」と毎回、全く違うジャンルに挑み、それぞれ名作を作り出してきたポン・ジュノは今回もその才能をいかんなく発揮。圧倒的な迫力でした。また、こんな重々しいストーリーの中に、良い感じでブラックな笑いが挿入されているのもこの監督ならでは。いや〜、最高に面白かったです。主演は韓国では知らない人がいないくらい有名で「韓国の母」と呼ばれているというキム・ヘジャ。彼女の圧倒的な演技は観る者も心を鷲掴みにして離しません。そして知能に障害を持つ青年という難しい役どころに挑んだのが韓流四天王のひとり「ブラザーフッド」のウォンビン。彼の演技もすごいです。面白さがいっぱい詰まっているだけに、多くを語ってしまうと映画を見るときの楽しみを削いでしまいそうなので、この辺にしておきます。
さまよう刃  監督 : 益子昌一  出演:寺尾聡、竹之内豊
 2009年 日本映画 
長峰重樹は中学生の娘、絵摩とふたり暮らし。その日も、絵摩から「間もなく家に着く」という電話が入った。しかし、絵摩は家に戻ってこなかった。そして彼女は荒川べりで無残な姿で発見された。彼女の死体には強姦され、薬物を注射された痕跡があった。一人娘を亡くし失意のどん底にいた長峰の家の留守電に、見知らぬ人間からのメッセージが残っていた。「絵摩さんはスガノカイジとトモザキアツヤに殺された・・」犯人の一人とされる朋崎の部屋を訪ねた長峰はそこでとんでもない物を発見してしまう。それはふたりの男たちに力ずくでレイプされている絵摩の映像だった。部屋で帰りを待っていた長峰は、帰宅した朋崎に刃物を突き立て殺してしまう。その時に菅野が長野にいる事を聞き出した長峰は、そのまま姿を消してしまう。やがて、朋崎の遺体を発見した警察の元に長峰からの手紙が届く。その手紙には犯人の少年たちが未成年者であるため刑罰が軽い事を憂い、自らの手で裁きを下す旨が切々と書かれていた・・
私評:警察が守っているのは市民ではなくて、法律なのでしょうか??・・・・ちょっと前に掲示板にこの映画の原作の事を書いたのですが、本の印象はかなり衝撃的でした。真の正義について、日本の少年法について、真正面から切り込んだ原作に私は震えてしまった。それが映像になると聞いて、すごく見たい半面、内容が内容なだけにすごく怖かった。映画はすごく良くできていました。もしも、自分が長峰だったらどうする??彼のように復讐にとり憑かれてしまうのか?法に任せてしまうのか?暴力に対して暴力で対抗する事は負のスパイラルでしかないのは分かっていても、ある意味究極の選択ですよね?それと監督の演出なのでしょうが、セリフや動きの前にちょっと長い「溜め」があり。これがすごく映画の雰囲気に合っていて、重い内容の映画をさらに重厚にしています。私的にはすごく好きな演出。主演は今や日本映画界を代表する名優となった「半落ち」の寺尾聡。事件を担当する刑事に「冷静と情熱のあいだ」の竹之内豊。彼の上司には「しゃべれどもしゃべれども」の伊藤四朗。その他、酒井美紀、山谷初男、長谷川初範など。監督は益子昌一。
パイレーツ・ロック  監督 : リチャード・カーティス  出演 : フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ
The Boat That Rocked  2009年 イギリス映画
1960年代中ごろ。イギリスはポップミュージックで溢れていたが当時のイギリスのラジオ局の国営放送BBCラジオは1日に45分しかポップミュージックを流さなかった。それは法律で定められていたから・・。ドラッグで高校を退学になったカールは母親の旧友のクエンティンの元に預けられた。クエンティンは海賊ラジオ局”ラジオ・ロック“の経営者で自らが所有する船から放送をしていたのだ。そこには個性豊かなDJが集っていた。彼らは電波に初めて”F“から始まる放送禁止用語を乗せようとしたり、本土から女の子たちを呼び寄せパーティをしたりとやりたい放題。しかし、それらは彼らの迸るミュージック魂の源でもあった。その頃、大臣のドルマンディは風紀を乱す”ラジオ・ロック“をどうにかして潰したいと日夜、策を練っていた。そして彼らの電波が海難信号を妨害するとして海洋犯罪法を適用。ついに大晦日の24時を持って放送停止を言い渡されるが・・
私評:な〜んちゃって、止めねえよ〜だ・・・ポップミュージックの聖地でもあるイギリスが60年代にこんな事になっていたとは、全く知りませんでした。この映画の中で”ラジオ・ロック“の番組を聞きながら歌ったり踊ったりしている国民たちの姿が描かれているのですが、実際にこんな感じだったのではないでしょうか?でも、音楽は誰にも止められないのです。しかし、こんな状況だったからこそイギリスのポップ音楽がブレイクしたのかもしれません。私はこの映画の中で起こる、数々のエピソードがそれぞれ好きで、なんだか胸がキュンとなってしまった。カールが一目ぼれした女の子に秒殺されるくだり、ふたりの人気DJの低次元な戦い、真実の愛を求めるサイモンが結婚したての新妻のエレノアから爆弾発言をされるシーンなど、愛くるしくてとっても好きです。そして全編にちりばめられた当時の人気ナンバーの数々。ザ・キンクス、ジェフ・ベック、ローリング・ストーンズ、スモーキー・ロビンソン・・・ああ、数え上げたらたいへんだ。中でもヤードバーズがサイコー!!出演者はビル・ナイ、フィリップ・シーモア・ホフマン、リス・エヴァンス、ニック・フロスト、ケネス・ブラナー、そしてエマ・トンプソン。監督は「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス。私は彼の作品とはめちゃめちゃ相性が良いみたいです。
カイジ

 監督 : 佐藤東弥

 出演:藤原竜也、天海祐希、香川照之
 2009年 日本映画
しがないバイト生活を続けるカイジにいま、明るい未来はない。言い訳ばかりの人生を送り続けている。そんな彼の前に悪徳金融会社の女社長・遠藤凛子が現れる。彼女はカイジが保証人になっていた借用書を差し出し、借主が行方不明になったのでカイジに払えと迫った。当然、返済能力などないカイジに凛子は「一夜限りのギャンブルクルーズ」を紹介する。その船で勝てば借金はチャラになるという。船の名は「エスポワール」。主催する会社の社員・利根川によってゲームのルールが説明された。ジャンケンカードを使って、ひとつ100万円で買わされた星を奪い合うゲームだ。制限事件は30分・・・ゲームに敗れたカイジは地下深く掘られた現場で強制労働をさせられていた。借金を返すためにはここで15年間働かなければならないのだ。そんな折、ケガ人を病院に連れて行ったカイジは、多くの労働者たちがなんの治療もされずにいるのを見つけてしまう。ここにいたら死んでしまう。そこでカイジは今まで参加した者が全員死んでいるという「鉄骨渡り」のゲームがある事を知る。ここで死ぬよりはと、カイジは自らゲームに参加をするが・・・・
私評:金は命より重いんだ!!・・・・またまた、人気コミックの映画化です。コミックのほうは全く読んでいませんが、テーマが面白そうなので見てきました。これがまた、けっこうリアルな題材で、金のために自殺をするくらいならここでひと儲けしてやろうと思う輩はいくらでもいるのではないかと思ってしまった。そのために卑劣な手段を用いるのも当然。そして大金を渡すのだから、参加者にはとてもリスキーな展開が・・。ストーリーや設定は、私はかなり気に入りました。今度、コミックのほうも読んでみたいと思います。しかし、この映画の一番の見所は「剱岳 点の記」「20世紀少年」の香川照之の演技です。心の声に合わせてコロコロ表情を変えるシーンなど、まさに天才の域。やはり、彼は只者ではない。それに引き換え、「バトル・ロワイアル」「デス・ノート」と区別が全くつかないくらいワンパターンの演技の藤原竜也・・確かにうまいんですけどね。そして悪徳紹介の女社長役は「アマルフィ〜女神の報酬〜」の天海祐希。その他、山田太郎、光石研、吉高由里子、松山ケンイチ、佐藤慶など・・・。監督は「ごくせん The Movie」の佐藤東弥。
ホワイトアウト  監督 : ドミニク・セナ  出演:ケイト・ベッキンセール、トム・スケリット
Whiteout  2009年 アメリカ映画
米国連邦保安官のキャリーは2年間の南極基地での任務を、あと3日で終えようとしていた。帰国直前のキャリーに不可思議な事件が舞い込む。アメリカ基地とロシア基地の真ん中で奇妙な他殺体が発見されたのだ。被害者はアメリカの地質学者で隕石の調査をしていた。しかし、地図も道具も持たず、防寒具がなければすぐに死んでしまう場所で、彼はいったい何をしていたのか?被害者のチームのひとりの情報でロシア基地を訪ねたキャリーは、そこで情報源の男の遺体を発見。その直後、フードで顔を隠した何者かに襲われてしまう。キャリーはなんとか男をかわすが、手に重傷を負ってしまう。やがて、国連は事件の調査員としてロバートを送り込む。キャリーとロバートは氷の下で50年前に墜落したロシアの貨物機を発見する。調査チームは貨物機から何かを盗んでいたらしい。果たして犯人は誰なのか?そして彼らが盗んだ物とは??・・・
私評:これくらいの報酬があって当然だろう・・・ダーク・キャッスルの映画だからホラーだとばかり思っていたら、サスペンス映画でした。なので、「遊星からの物体X」を期待していくと期待外れになってしまうかも?しかし、ワーナーブラザーズはエンターテインメント性も抜かりありません。美人の保安官・・、しかも入浴シーンのおまけ付き。アクションあり、ちょっとグロテスクなシーンあり、そして意外などんでん返しという、エンターテインメント映画としては及第点。しかし、ホラーだと思って観に行った私はちょっと残念でした。主演はもはや美人アクションスターの代表格となった「アンダー・ワールド」のケイト・ベッキンセール。そしてアヤシイ調査員のロバート役は「スピリット」のガブリエル・マクト。基地で唯一の医師を演じるのは、スクリーンでは久々に見た「エイリアン」のトム・スケリット。監督は「ソード・フィッシュ」のドミニク・セナ。余談ですが・・、この映画のパンフレットはめちゃめちゃ手抜きです。最後の3ページはダーク・キャッスル映画の宣伝だし・・・


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