2003/7/7号


今週はジャンルも、スタイルも全然違う映画が4作品。しかも、全部面白かったので
前代未聞の全部、イチ押し!!

ターミネーター3  監督 :ジョナサン・モストウ  出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、クリスタナ・ローケン
Terminator 3 Rise of the Machines  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:前作から10年後。「ジャッジメント・デイ」は回避され、ジョン・コナーは放浪生活を送っていた。しかし、新たな脅威が未来から送り込まれた。「TX」と呼ばれる最新ターミネーターが現れ、行方が掴めぬジョンを諦め、未来の彼の部下になる者たちを片っ端から殺し始める。そしてやはり未来から送り込まれたもう一体のターミネーター「T−850」。彼の使命はジョン・コナーとケイト・ブリューワーズを保護することだった。バイク事故で怪我をしたジョンは治療のために動物病院に駆け込む。そこはなんとケイトが勤める病院だった。二人は中学時代のクラスメートで、T−1000がやってきた前の日に、二人の友人の家でキスをしていた。そこへケイトを殺すために現れたTX。危機一髪のピンチにT−800が現れ彼らを救う。そして二人に新たな人類滅亡のシナリオを聞かせるのだった。ついにスカイネットが復活すると・・・・
私評:John Conner, it is time・・・・SFアクション映画の名作中の名作「ターミネーター」。前2作はとにかく最高だった。しかし、この2作はジェームズ・キャメロン色に染まった作品。それを受け継いだジョナサン・モストウが、果たしてどういうスタンスで新作を作り上げるのかは、とても興味がありました。そしてこの映画でモストウはキャメロンに挑戦状を叩き付けた。前2作のキャメロンのセオリーを叩き潰してしまったからだ。それはこのシリーズの大ファンである私にはすごくショッキングだったが、逆に「やってくれた!」という快感も得ました。驚愕のラストは・・・(言えない・・)シュワはこの映画のために半年もシェイプアップしたという。その成果はあのすごい体に現れています。ジョン・コナーを演じるのは(マーク・ウォルバーグ、マット・デイモンよりサル顔の)ニック・スタール。そして新たな布陣としてケイト役はクレア・デインズ。ロミオ+ジュリエットの頃の可憐さはなくなったけど、今回、マシンガンをぶっ放すシーンはカッコ良かったです。そしてTXを演じるのはクリスタナ・ローケン。良いですね〜。T−1000を演じたロバート・パトリックを研究したと言うとおり、無機質な感じがいかにもターミネーターっぽい。しかも、めっちゃ、ナイス・バディ・・。さあ、このシリーズにパート4はあるのか?? 
アダプテーション  監督:スパイク・ジョーンズ  出演:ニコラス・ケイジ、クリス・クーパー、メリル・ストリープ
Adaptation  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:『マルコヴィッチの穴』の脚本で大成功を収めたチャーリー・カウフマンは、スーザン・オーリアンの著作、「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼される。それは、フロリダで蘭を不法採取した栽培家ジョン・ラロシュを描いたベストセラーだった。しかしアイデアがまとまらないチャーリーは、脚本を書き上げられず行き詰まってしまう。一方、同じく脚本家を目指していた双子のドナルドは、脚本家養成セミナーに参加して感銘を受ける。しかも意外なことにドナルドの脚本は順調に完成、新進脚本家が誕生する。チャーリーはドナルドを見下していたにもかかわらず、ドナルドが評価を得たことに不満の色を隠せない。しかしチャーリーはそうした苦悩の末、ついには脚本に自らを登場させるという突飛なアイデアを思いつく。そうしてスーザンに会いに行こうと決心するが・・・
私評:この物語はセックスもなく、銃撃戦でもなく、カーチェイスもない、ただの花の物語なのがいい・・・この映画を一言で言い表すなら奇想天外。「マルコヴィッチの穴」をご覧になれた方ならお分かりだと思いますが、またしてもこの作品はとんでもない方向から攻めてきます。そして一癖も二癖もある3人の役者にとんでもないことをさせて、しかもとんでもないエンディングに持ち込んでいきます。しかし、最後はしっかり(ちょっと悲しいけど)締めくくるんです。スパイク・ジョーンズは天才なのか?はたまた、変人なのか??その映画を1時間50分、固唾を呑んで見入っていた私も変人なのか??そしてこの映画の中でボロクソに叩かれるハリウッド映画。まさにこの映画はアンチ・ハリウッドなのです。主演は一人二役を演じるニコラス・ケイジ。薄くなった頭頂部を惜しげもなく晒して、今回は思い切り笑いを取ります。しかし、彼の演技は素晴らしい。そしてお堅い女流作家を演じるのはメリル・ストリープ。ところが、彼女がどんどん壊れていきます(笑)。そしてこの演技でアカデミー助演男優賞をゲットしたクリス・クーパーの怪演!!いや〜、私はめちゃ面白かったです。この映画って「ニコラス・ケイジの穴」なのか??
トレジャー・プラネット  監督:ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ  声の出演(日本版):加藤晴彦、小林聡美
Treasure Planet  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ジムは15歳。子供の頃、父親が家を出て行ってしまったことが心の傷となり、いまや不良少年に成り下がっていた。しかし、彼の行動は母親を悲しませ、そのたびにジムの心も傷んだ。そんなある日、ジム家の近くに宇宙船が不時着した。中に乗っていた男を助け出すが、彼は間もなく息を引き取った。彼がジムに託したのは伝説の「トレジャー・プラネット」の地図だった。物理学者のドップラー博士とともにその星を目指すことを決意したジムは、母親に必ず戻ると約束をして旅立つことに。宇宙船レガシー号に乗り込んだジムは気の良いコックのジョン・シルバーの下で働くことになる。しかし、ジョンはトレジャー・プラネットの地図を狙っていた・・・・。
私評:失うものだってあるさ、夢を追っていればな・・・・原作は冒険小説のクラシック、スティーブンソンの「宝島」。この映画は舞台を宇宙に置き換えたものです。ディズニーならではの、夢がいっぱいの物語でした。話の内容はだいたい察しがつくと思うのですが、とにかくすごいのが映像です。背景にものすごく時間を掛けて書かれている。そしてあのスピード感。製作に4年半も掛かっているのですが、それも納得の内容です。しかも、スタッフは私が大好きな「アラジン」のスタッフが再結集。これは見逃せません!もちろん、子供たちも楽しめる内容です。当日、私は吹き替え版を見たのですが、レガシー号の女船長アメリアの声が、私の大好きな小林聡美でした!これだけでもかなりポイントが高い!歳はいくつになっても、こんな冒険映画が楽しめるような少年の心を持ち続けていたいですね。そしてこの映画のもうひとつのメッセージは、家族を大事にすること。さすがはディズニー!!
さよなら、クロ  監督:松岡錠司  出演:妻夫木聡、伊藤歩、金井勇太
SAYONARA, Kuro  2003年 日本映画
今週のイチ押し:1961年、一匹の黒い犬がお腹をすかせているのを見た亮介は、その犬におにぎりを食べさせた。すると、この犬は学校までやってきて亮介に付きまとう。ちょうど、その時学校は文化祭。亮介のクラスの出し物は歴史上の偉人たちのパレードだったが、西郷隆盛用の犬の人形が壊れてしまい大騒ぎ。しかし、ちょうど良いタイミングで黒い犬が現れたため亮介と一緒にその犬が急遽借り出された。それ以来、犬は学校に居つき、次第に人気者になっていった。そして名前は「クロ」と名づけられ用務員室に寝泊りすることに。それ以来、クロは10年にわたり学校の一員として扱われてきた。そして彼は数々の生徒たちのドラマを見てきた。10年後、久しぶりに母校を訪ねた亮介はすぐにクロに会いに行く。獣医になっていた亮介はクロの異変に気づく・・・
私評:クロは幸せだったよね。私も幸せになる・・・・この映画も実話なんですね。もう、予告編を見たときからけっこうウルウルしていたのですが、本編はまた感動的でしたね。特にペットを飼ったことがある人ならてき面でしょう。しかし、こんなにも愛され、しかも犬としての天命をまっとうしたクロは本当に幸せものですね。でも、映画の中で飼い主に捨てられ捕まった犬の話が出てきます。その辺りは「ペットは責任を持って飼いましょう。」というメッセージも含まれていたような・・。静かに涙を流したい人にはお薦めの映画。出演は「ウォーターボーイズ」の妻夫木聡、「スワロウテイル」の伊藤歩、「青の春」の新井博文(今回は優等生役でビックリ!!)、「十五歳、学校W」の金井勇太、先生たちは田辺誠一、余貴美子ら。そして村の動物病院の夫婦に柄本明と根岸季衣。金井勇太の母親役がりりぃ。そして用務員役が井川比佐志というバラエティに富んだ顔ぶれ。監督は「バタアシ金魚」「トイレの花子さん」の松岡錠司。しかし、私はラストの方である方が後姿で泣くシーンがあるのですが、そこが一番の泣き所でした


前回の記事も読んでね〜!



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