2004/6/6

新作映画の公開ラッシュで、見たい映画がてんこ盛り。
今回はなんとイチ押し作品が3つ!!

21グラム  監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトウ  出演:ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツ
21 Grams  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ニュー・メキシコに住むクリスティーナは夫と二人の娘に囲まれ幸せな生活を送っていた。しかし、そんな彼女の幸せを一本の電話が木端微塵に打ち砕いた。夫と娘たちが車に跳ねられ、命を落としたのだ。夫の死の直前に彼女は彼の心臓を心臓病の患者に移植することを承諾した。彼の心臓を受け継いだのは大学の講師のポールだった。彼は余命一年と言われていた。彼には別居していた妻メアリーがいたが、彼の容態を知ったメアリーは家に戻り、彼が死ぬ前に子供が欲しいと告げた。一方、クリスティーナの家族を車で跳ねたのは、前科を持つジャックだった。彼は信仰に没頭する事で、過去を清算し家族と共に生きることに必死だった。くじで当たったトラックも神が彼に与えたものと信じていた。しかし、今回の事故は彼の信仰心に大きな傷跡を残した。なぜ、神は自分を選んだのか??心臓移植を終えたポールは、自分に心臓を提供したドナーを知りたくて、探偵を雇いついに突き止めた。当然彼は自動車事故の事も知り、未亡人となったクリスティーナに声を掛ける。そしてポールはクリスティーナを好きになってしまう。やっとの思いで、心臓のことを告げたポール。クリスティーナは混乱のあまり激怒するが、ポールの気持ちを理解し、ふたりの距離は一段と狭まるのだった。そしてクリスティーナは自分の悲しみを終わらせるため、ジャックを殺してくれとポールに嘆願する・・・
私評:ここにいれば「良い死に方」をさせてくれるというのか?それはお断りだ。僕は外で死にたい・・・・・先日起きた小学生の女の子が同級生をカッターで切り殺したと言う事件には本当に衝撃を受けた。「ドラマで見たからその通り殺そうと思った」なんて言葉が彼女の口から飛び出すこと自体が異常だ。彼女には「命の大切さ」が分かっていなかったのだろう。私は子供の頃から両親に「命の大切さ」について、強烈に叩き込まれてきた。しかし、それは当然の事。しかし、だんだんとそういう思いが人間から欠如し始めているのかもしれない・・・。この映画を見ていて、まず思い浮かんだのがこの事件なんです。命は決して奪ってはいけない。そしてひとつの命は多くの命と繋がっている。それが「愛」であり、「友情」であり、大きく捕らえれば「社会」なのです。今こそ命の大切さを、もう一度しっかりと見直す時期に来ているのでは? この映画にはそんなメッセージも込められている。イラク戦争で日々多くの命が失われていく。TVの映像は無機質で「悲劇」はただの「事件」に置き換えられてしまう。しかし、本当はひとつの命にまつわる多くのドラマがあり、そしてその命に集う人々がいたはず。この映画は「命を与えられた男」と「愛する命たちを奪われた女」そして「命を奪ってしまった男」が紡ぎ出すドラマです。命の重さは21グラムしかないのかもしれない。でも、その命の価値はどれほどのものなのか?考えてみてはいかが??この映画は時間とシーンがバラバラに組み込まれた、いわばジグソーパズルのような作りになっています。そして映画の最後に最後のワンピースをはめ込んで映画は完璧なものになるのです。この作り方もすごく好きですね。出演はショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、そしてナオミ・ワッツ。特にナオミ・ワッツの演技は素晴らしかったです。共演にシャルロット・ゲンズブール、クレア・デュバル。監督は「アモーレ・ペロス」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ。至高のドラマでした・・・。
デイ・アフター・トゥモロー  監督 :ローランド・エメリッヒ  出演:デニス・クエイド、ジェイク・ギンレイホール
Day After Tomorrow  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:南極で調査をしていたジャックは、極地の氷が溶けて欠落していることを目の当たりにする。さっそく調査に乗り出したジャックは、地球温暖化が原因であることを突き止める。海水温の低下、海流の変化が起こり、地球自体に異変が起きているとジャックは訴えるが、彼の意見は受け入れられなかった。しかし、彼の予想は的中してしまう。それは彼が考えていた以上の早さと規模で人類を脅かす。巨大台風の発生、東京では巨大な雹が、そしてLAでは巨大な竜巻が発生した。しかし、それらはこれから起こる悲劇の序章にしか過ぎなかった。NYは突如襲った巨大津波で水没。さらに巨大な低気圧が発生し、北半球は氷河期に突入しようとしていた。コンクールのためにNYを訪れていたジャックの息子サムは、NYに閉じ込められ、立ちはだかる数々の障害と必死に戦っていた。そんな息子を救出するため、サムは地獄と化したNYを目指す・・・
私評:息子との約束は守る・・・・これがハリウッド映画の力ですよね。とにかく「すごい」の一言。今まで数々のデザスター映画を見てきましたが、この映画はその頂点に君臨する迫力。しかも、今回の悲劇の引き金となっているのは、日頃から叫ばれている「地球温暖化」が原因だからシャレにならない。それは今、そこにある危機なのかも・・と考えただけで寒気がしてきました。また、この映画の警鐘を裏づけするかのように、世界各地で起きている異常現象。この映画は決して他人事ではないのです。しかも、その恐ろしい事象をこれ以上ないといって良いくらいのすごい映像で見せ付けるのです。巨大な竜巻、津波、そして低気圧・・・。本当に怖かったです。そしてデザスター映画の必需品であるヒーローももちろん登場。しかし、このヒーローは(今までのパターンなら)世界を救うスパーヒーローではなく、たった一人の愛する息子のために、危険を承知で救出に向かうのです。この手の映画によくある展開ではあるのですが、そのストレートな表現が私はすごく好きです。とにかくこの映画は大きな映画館で見ましょう!!ビデオで見ようなんて邪道な事は考えないように!!ジャックを演じるのは普通のオッサンぽいからこそ、この映画で映えるデニス・クエイド。そして彼の息子役はジェイク・ギンレイホール。監督はこういう大作はお手の物のローランド・エメリッヒ。これぞハリウッド映画!!
深呼吸の必要  監督 : 篠原哲雄  出演:香里奈、谷原章介、長澤まさみ
 2004年 日本映画
今週のイチ押し:沖縄のある離島は、サトウキビの収穫の時期を迎えていた。この島の「きび刈り隊」の告知に応募してきた5人の若者たちが島に降り立った。きび刈り隊とは人手不足の農家のサトウキビの刈り入れを手伝うアルバイトだ。東京で派遣の仕事をしていたひなみ。ブランド品で着飾った悦子、一言も口を利かない加奈子、醒めた目で人を見下す大輔、そして最年長の修一は寝食を共にして、35日間のバイトに挑むことに。彼らを迎えたのは平良夫妻(おじいとおばあ)、そしてきび刈りの常連の田所だった。「言いたくない事は言わなくていい」と言うのが平良家のルール。それぞれに心に事情を抱える彼らが、ここに集ったのはそんな宣伝文句だったのかもしれない。仕事の初日に、彼らは巨大なさとうきび畑を見て愕然とする。しかし、この畑を全て刈り終えないと平良家はタイヘンな事になってしまうという。不平不満が募るバイトたちの中で不穏な空気が流れ始める。しかし、そんな彼らを繋ぎとめたのはおじいとおばあの人柄だった。しだいに、仕事にも慣れてきた彼らだったが、広大なサトウキビ畑には、まだまだキビが残っていた。しかも、デッドラインも刻々と近づいていた・・・・。
私評:なんくるないさー(どうって事ないさ)・・・・この映画はすごくストレートな映画です。言い換えればなんの捻りもない映画。しかし、そのストレートさが私は好きです。心に傷を持つ若者たちが、共同作業を通して信頼と友情を深め、そして人間的に一歩成長する話は、今の私の心にズシーンと響き渡りました。心の傷を癒すイチバンの特効薬は、やはり人との触れ合いなのではないでしょうか?別に傷を舐めあうわけではないけど、人に優しくできる心の余裕が、自分の心をも満たし、そして力になるのです。この映画の5人の若者たちがそれぞれ抱えていた人生への不安、絶望がどう癒されていくのか?それがこの映画の見所でしょうね。そして映画の中で長澤まさみちゃん演じる加奈子がポツリと呟くのですが「ちゃんと朝が来るんだ!」というセリフはすごく好き。新しい一日を迎えられた喜びって最近味わった事がないんですよ・・・。出演者は香里奈、金子さやか、久遠さやか、谷原章介、成宮寛貴、長澤まさみ、大森南朋におじい役の平良誠、おばあ役の平良ツル。彼らがそれぞれ良い演技を見せてくれるんですよ。そしてこの映画を見終えた後、なんとなく深呼吸をしていた私。すると、私の心に蔓延っていた小さなわだかまり達が、ストンと落ちて、どこかに行ってしまった。でも、どうせなら東京の小さな空ではなくて、大きな青空の下で思い切り深呼吸をしてみたい。
スキャンダル  監督:イ・ジェヨン  出演:ペ・ヨンジュン、イ・ミスク、チョン・ドヨン
Untold Scandal  2003年 韓国映画
18世紀末の朝鮮の李朝。政府高官の妻チョ夫人は子宝に恵まれず、夫は若い側近を迎え入れようとしていた。心中穏やかでないチョ夫人は従兄弟のチョ・ウォンに、夫の花嫁を婚礼の前に妊娠させるよう勧めた。理不尽な依頼ではあったが、チョ夫人はチョ・ウォンの初恋の人であり、その事は彼女を奪った男への復讐に繋がるとチョ・ウォンに迫るチョ夫人。しかし、希代のプレイボーイであるチョ・ウォンにとって16歳の娘など簡単すぎると断った。いま、彼が目をつけているのは結婚前に夫を失い、9年間も貞節を守り続けているチョン・ヒヨン未亡人だった。そこでチョ夫人とチョ・ウォンはある賭けをすることにした。ヒヨンをもし、落とす事ができればチョ・ウォンが「かつて彼女に対して望んだが、手に入れる事ができなかったもの」を、そしてもし失敗すれば、チョ・ウォンは僧侶となる。さっそくチョ・ウォンはヒヨンを落とすため、あの手この手で彼女に迫るが・・・・・
私評:私は自分を信じられないときが、一番怖かった・・・・「冬のソナタ」の大ヒットで今や、日本のアイドルを凌ぐほどの人気を誇るぺ・ヨンジュン(ヨン様)。そんな彼に映画の出演の依頼が殺到する事は、当然といえば当然ですが、たくさんの作品の中から彼が選んだのはピエール・ショデルロ・ラクロ著の「危険な関係」の韓国版。あの爽やかで気品漂うヨン様が希代のプレイボーイ!?ちょっと違和感があったのですが、メガネを外し、髭を蓄えた彼はしっかりと映画に溶け込んでいました。そんなこんなでこの映画は「ヨン様の映画」というミーハーなめがねで見られがちですが、実はすごく良くできた映画です。朝鮮の時代背景は良く分かりませんが、絢爛豪華なセット、衣装にまずビックリ。今まで何度となく映画化されてきた「危険な関係」ですが、今まで私が見た映画の中では一番良かった。それは男と女の駆け引き、そして悲しくも美しい純愛、そして美しいがゆえに脆く、悲しい物語・・・。完璧でした。チョ夫人役はイ・ミスク。彼女のイヤラシイ〜目線、そして氷のように冷たい目線がすごい。そしてヒヨン役は決してキレイではないけど、「貞節」という女の色香をプンプン漂わせるチョン・ドヨン。見所はヨン様だけじゃないですよ・・。
エル・コロナド 秘境の神殿  監督 :クラウディオ・ファエ  出演:クリスティン・タッティーロ、クレイトン・ローナー
Coronado  2003年 アメリカ=ドイツ映画
ビバリーヒルズに住むクレアは婚約者のウィルと幸せな日々を送っていた。欲しいものは何でも手に入る。そしてステキな婚約者もいる。ある日、ウィルは出張に大事な書類を忘れてしまう。クレアは彼を驚かそうと彼の出張先であるスイスへと出向くが、そこには彼の姿はなく、あるはずの彼のオフィスもただの私書箱があるだけだった。クレアはウィルが忘れていった書類を読むと、なんと彼は秘境の国エル・コロナドにいる事が分かった。「何故?」という疑問は彼女を中央アメリカにあるエル・コロナドへと向かわせた。そこは大統領の独裁下でテロが頻発する非常に危険な国だった。反乱軍は徐々に勢力を伸ばし、政権転覆を狙っていた。そんな事などまったく知らないクレアは、街を右往左往しているとTVレポーターのアーネット救われる。しかし、彼に紹介されたホテルもテロによる爆破で崩壊してしまう。反乱軍のアジトにウィルがいるという情報を聞きつけたクレアは、アーネットと共にジャングルの奥深く入り込んでいく。そして知らず知らずのうちに彼女も戦いの渦中に呑み込まれていくのだった・・・・・・
私評:「この国はどうだい?」「パラダイスよ」・・・・かなり気合の入ったアクション映画なのですが、アメリカでいつ公開されたのかも分からず(実際に公開されたのか??)、そして日本でも実に小さな取り上げられ方をしている映画です。エメリッヒの名前が大々的に使われて入るものの、実際は彼が以前の映画で組んだスタッフが映画を作っていると言うだけで、彼はこの映画に携わってはいないようだ。出演者も知らない人ばかりだし・・・。しかし、映画はかなり面白かったです。ロー・バジェット映画ではあるのですが、特撮はかなりスゴイです。爆破シーン、ヘリコプターや戦車のシーンはかなりの迫力でビックリしてしまった。その代わりお金を掛けないところには徹底的に掛けない(笑)。そんなところも微笑ましく、私的には愛すべき映画になっているわけです。また、この映画はアクションだけではなく、かなり笑える作品でもあります。ヒロインの女性のはちゃめちゃな行動はハラハラしながらも、つい笑ってしまうんです。そしてイチバンの見所は深い渓谷にかかった橋をトラックで渡るシーン。(「恐怖の報酬」を髣髴させます!!)ここだけでも見る価値アリかも??
シルミド  監督 :カン・ウソク  出演:ソル・ギョング、アン・ソンギ、ホ・ジュノ
SILMIDO  2003年 韓国映画
1968年1月。北朝鮮は韓国に特殊工作部隊を派遣した。これが青瓦台襲撃未遂である。北の脅威に晒された韓国政府は同年の4月に、シルミドに31人の男たちを集めた。彼らは死刑囚などを含んでいた。彼らの目的はただひとつ「金日成」の首を取ることだった。つまり、彼らを韓国の特殊工作隊に育て上げようという目論見だ。その日から彼らの特訓が始まる。3年間の特訓に耐え、彼らは超一流の軍人となった。そしてついに実行の日がやってきた。嵐の中、北朝鮮に向かってボートを漕ぎ続ける彼らに、突如中止命令が下される。シルミドに連れ戻され、不安な日々を送る隊員たち。しかし、政府高官にとって彼らはすでに邪魔な存在になっており、彼らの存在自体を抹消する命令が下る。シルミドの教官たちと特殊部隊の男たちの間には不思議な信頼関係が生まれていたが、上の命令は絶対。しかし、隊長は彼らに抹殺計画を気付かせる。「死か、抵抗か」男たちに残された道は2つだった・・・・・
私評:ここまで来たら死んでもいいさ・・・・これは実際に韓国で起きた事件。当時は日本でも大々的なニュースになったそうですが、私は記憶にありません。今回も韓国映画のパワーにビックリした。自国の恥部とも言うべき事件を、すごい力を注いで作り上げ、しかも韓国国内で大ヒットしたと言うのがすごい。韓国史上、最高の売り上げを記録し、韓国人の3人に1人が見たと言うのだから、またすごい。ハリウッド映画と娯楽作品にしか活路を見出さない日本ではあり得ないことですよね。また、韓国という国の特殊な環境がこの事件を起こしたとも言えるのでしょうね。事件の裏側の兵士たちのストーリーは、フィクションの部分もあるのでしょうが、その辺りの作りも実に的を得ている。男たちの熱い生き様を見せつけられ、私の血中のアドレナリンは沸騰寸前。そして迎える悲劇は、分かっていても涙が溢れてきた。自分たちが信じてきた「祖国」に裏切られた男たちが、最後に心の拠り所としたのは戦友たち。そんな男同士の友情が美しくも悲しかった。なぜなら、彼らは本当に犬死だったから・・・・。主演は「ペパーミント・キャンディ」「オアシス」のソル・ギョング。そして彼らを鍛え上げる隊長役は「MUSA」のアン・ソンギ。そして男たちを嫌いながらも、彼らの抹殺に反対する軍曹役には「リ・ベラメ」のホ・ジュノ。
ランダウン  監督 :ピーター・バーグ  出演:ザ・ロック、クリストファー・ウォーケン
The Rundown  2004年 アメリカ映画
夜のL.A.。凄腕のバウンティ・ハンター、ベックは今日も完璧な仕事をこなした。しかも、屈強のフットボールチームのメンバーをことごとく粉砕したのだ!彼はふとした事で借金を作り、暗黒街の仕事に加担していたが、早々に足を洗って小さなレストランを開こうとしていた。彼のモットーは肉体だけを駆使して、銃器は使わないことだった。暗黒街のボスからベックに最後の仕事の依頼が行われた。それは彼の息子のトラビスが政府の手の届かないジャングルにいるため、連れ戻すことが仕事だ。さっそく、ジャングルに向かったベックはそこでハッチャーという男が恐怖政治を行っていて、自らの王国を築いていることを目の当たりにする。しかし、そんな事はベックには関係ない。早々にトラビスをを連れてアメリカに帰ろうと思っていた。しかし、なかなかうまくは行かないもの。実はトラビスはジャングルの中で秘宝を見つけ出していたのだ。ハッチャーはトラビスを捕らえお宝を手中に収めようとする。しかも、ハッチャーに抵抗するゲリラ軍までが交わり、事態は悪化の一途。ベックも強靭な肉体を駆使して危機を乗り越えていくが・・・・・
私評:選択肢は2つだ。どっちを選ぶ?・・・・「スコーピオン・キング」のスタッフとザ・ロックが再びタッグを組んで作り上げたのがこの映画。しかし、監督が変わったせいか、アクション映画でも笑いがいっぱいの娯楽映画になっていました。それにしてもザ・ロックはすごい。ジャンピング・ラリアートで石の柱は壊しちゃうし、大男もぶん投げちゃうし・・。(もちろん特撮の部分が多いのですが、彼がやると本当に見えてしまうのです・・)そんな屈強の男が、時折見せるドジさとお茶目さがイイ感じ。しかも、今回のパートナーは「バレット・モンク」「エボリューション」のショーン・ウィリアム・スコット。(あの「ココー!!」ってギャグは「エボリューション」とまったく同じでこれがまた笑えた!!)ザ・ロックとショーンの掛け合いはまさに漫才のノリなんです。悪のボスを演じるのはなんと!クリストファー・ウォーケン。彼も今回はけっこうトボけた役。しかし、やっぱり怪しい雰囲気が良いんですね〜。そして紅一点は「MIB2」のロザリオ・ドーソン。彼女のお色気&アクションもこの映画の大きな見所。お気楽アクションでスカッとしたい人にはオススメの映画です〜。 
クリムゾン・リバー2 
黙示録の天使たち
監督:オリヴィエ・ダアン  出演:ジャン・レノ、ブノワ・マジメル
Crimson River 2  2004年 フランス映画
フランス・ロレーヌ地方の修道院。新修道士が禁断の部屋に入り込み十字架を壁に打ち付けると、なんと壁から大量の血液が・・・。さっそく、捜査に乗り出したニーマンス警部は壁に死体が埋め込まれている事を発見する。そして死体の傍らには謎の紋章が・・・。検視の結果発見された死体はフィリップという男で、そこから捜査線上に石工であるトマ・デュレという男が浮かび上がる。しかし、彼はすでに殺害されていた。トマには11人の密教徒の仲間がいて、その中の一人が自らを「イエス」と呼ばせていた。しかも彼らは「最後の晩餐」を再現するなど、その行動は常軌を逸していた。同じ頃、若手刑事のレダの前にイエスにそっくりの男が飛び込んでくる。怪我を負った彼は「ヤツらが来る・・」という謎の言葉を叫び続け気を失った。彼を病院に担ぎ込んだレダは黒マントに身を包んだ不振な僧侶と出会う。僧侶は信じがたい跳躍で逃げ、しかもレダの銃弾を喰らっても平気だった。僧侶を追うレダはそこで警察学校時代の教官であったニースマンと出会う。ニースマンはレダと手を組み、宗教学に詳しい女性刑事マリーを加え、事件の解明に乗り出す・・・・・
私評:黙示録には触れてはならない・・・前作とは打って変わってスピーディーは展開。これはまさにベッソン印の作品でした。事件はとんでもない超常現象が次々と起こり、推理を楽しむというよりはアクションを楽しむ展開。ちょっと暗めの作品ではあるのですが、ある種エンターテイメントに徹した映画です。しかし、どれもどこかで見たような映像のオン・パレード。それゆえ新鮮さが欠けていました・・。それにしてもかなり陰惨な物語ではあります。ジャン・レノ演じるニースマンも前作とはちょっと捜査方法が違い、続編だというのに、まったく違う映画を見ているようでした。それを良いととるか、悪いと考えるか・・??主演はすっかりお年を召されたジャン・レノ。しかし、彼の独得な雰囲気はこの映画にはマッチしていた。そして今回のパートナーは若きフランスの人気男優ブノワ・マジメル。彼も今までの映画の雰囲気とは違う、アクションで見せ場を次々と見せます。そして最後は・・・。なんだか強引な締めくくりではあるのですが、それなりに楽しめる映画ではありました。黙示録について、もうちょっと知識があればもっと楽しめたのかもしれません・・・・。


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