2006／5／14

新作映画がどんどん公開されて全然追いつけませ～ん。
今回のイチ押しはオスカーを獲得したレイチェル・ワイズ主演の
ミステリー＋社会派＋究極の愛の映画。しびれました・・・

ナイロビの蜂	監督：フェルナンド・メイレレス	出演：レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ
The Constant Gadener	２００５年　アメリカ映画
	今週のイチ押し：外務省の一等書記官ジャスティンの元に妻のテッサが殺されたという知らせが届いた。彼女との出会いはアフリカ局長の代理として講演を行った時だった。講演の直後、政府の対応のまずさを辛辣に指摘する女性がいた。彼女の名はテッサ。自分にはない情熱を秘めたテッサに驚きつつも彼は惹かれていた。やがてアフリカ駐在の辞令が降りたジャスティンにテッサは同行したいと申し出た。そしてふたりは結婚した。ナイロビの悲惨な現状は活動家のテッサの心に火をつけた。地元の医師のアーノルドと共に医療施設の改善を目指し運動を行う一方で、彼女は腐敗した権力が貧しい人々を踏みつけにしている事実を知り激しく抵抗をしていた。温厚で庭弄りが好きなジャスティンは、そんな彼女の行動を見て見ぬ振りをしながらも見守っていた。しかし、彼女が相手にしていたのはあまりにも大きな陰謀だった・・
	私評：君のことが分かったよ。家に帰るよ。君の元へ・・・・この映画はミステリーが表面では売りになっているが、実は壮大なラブ・ストーリーです。あまりに強い情熱と正義感がテッサを突き動かす。そしてあまりに大胆な彼女の行動や、良からぬ噂がジャスティンの心を揺さぶるのですが、実は・・・。ジャスティンは事件の裏を探すと同時にテッサの真の愛を見出していくのです。殺人事件、ケニアのナイロビ、そしてイギリス人の夫婦というなんともアンバランスな３つの要素が作品の中で見事に融合していきます。まさに完璧な演出でした。しかし、虫けらのように殺されていくアフリカの人々の設定は、あながち全てが嘘というわけではないようです。主演は「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズ。しかし、彼の役どころが大人しいイギリス紳士という設定のせいもあり、妻役のレイチェル・ワイズの方が強く印象に残っています。妊娠中の彼女のヌードは貴重かも？？彼女はこの役でアカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得。その他に「アビエイター」のダニー・ヒューストン、「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイ、「父の祈りを」のピート・ポスルスウェイトなど、曲者が脇を固めます。監督は「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス。

ダンサーの純情	監督：パク・ヨンフン	出演：ムン・グニョン、パク・コニョン
Innocent Steps	２００５年　韓国映画
	かつては韓国一のダンサーと呼ばれたヨンセは、ライバルのヒョンスの陰謀にはまりパートナーを奪われ、しかもダンストーナメントの最中に大怪我を負わされてしまう。その時のショックから立ち直れず今もその日暮のヒョンスの元に、先輩のマが訪れる。マは彼のために中国からパートナーを呼び３ヵ月後の大会に出場するよう激励する。そして中国からやってきたのはまだあどけない少女チェリン。しかも、彼女はダンスの経験がなかった。いち度はヨンセの怒りを買ったものの、チェリンの純真無垢な態度は彼に再起を決意させた。中国からのチェリンと偽装結婚をして一緒に住み始めたヨンセは彼女にダンスの猛特訓を施す。そしていつの間にか二人の間にはダンスのパートナーという関係を超える感情が芽生え始める・・・・・
	私評：ダンスの間は俺を愛してくれ。俺も愛するから・・・今、日テレ系で芸能人のダンスの番組がありますが、ほとんどの人が「にわか仕込み」という感が拭いきれません。しかし、この映画の主人公を演じるムン・グニョちゃんのダンスはすごいです。彼女はこの映画のために１０ヶ月もダンスの特訓をしたのだそうです。その成果はこの映画を観れば一目瞭然。そして彼女のパートナー役は日本では馴染みのないパク・コニョン。しかし、彼は韓国絵は有名なミュージカルスターで韓国版「サタデーナイトフィーバー」の主役を演じた男。このふたりのダンスシーンがこの映画のいちばんの見所といって良いのではないでしょうか？とにかく惚れ惚れしながら観ておりました。このふたりのプラトニックな恋愛と、笑いも程よく盛り込まれ良い感じの仕上がりになっています。ムン・グニョちゃんといえば「箪笥」や「永遠の片思い」のいかにも少女のイメージだったのですが、この映画ではチョッピリ大人っぽい演技も見せてくれます。監督は「恋愛中毒」のパク・ヨンフン。

チェケラッチョ！！	監督：宮本理江子	出演：市原隼人、井上真央、平岡佑太
	２００６年　日本映画
	高校三年生の透、唯、暁、哲雄は高校最後の１年をなんとなく過ごしている。暁は実家を継ぐ事が決まっているし、哲雄は進学を決めているが透はいまだに煮え切らない。そんな時、透はバイト先の水族館で年上の女性、渚と出会い一目惚れ。しかも、唯が誘ってくれた人気バンド「ワーカホリック」のライブで、渚と再会！ライブの素晴らしさにも感化され透、暁、哲雄の３人はバンドを組むことを決意する。バンド名は沖縄の市外局番「０９８」。しかも、彼らは「ワーカホリック」のライブの前座としてステージに立つことになった。楽器も触ったことがない３人は必死に練習をするが、初ライブは大失敗。「ワーカホリック」のファンの怒りを買いボコボコにされてしまう。しかも、透の憧れの女性、渚はなんと「ワーカホリック」のＭＣ涼太の恋人だという情報が・・・・
	私評：おまえたち本当に仲がいいね～・・・先日、沖縄に行ってきたばかりの私には色々な意味で見どころが多い映画でした。「美しい海」「美ら海水族館」「オリオンビール」などなど、先日の旅行を思い出しました。この映画は簡単に言うと「ヒップホップ版　ウォーターボーイズ＆スゥイングガールズ」みたいな青春映画。若いうちにはこういう「熱くなれる何か」を持ちたい。そしてそういうターゲットを見つけた人は本当に輝くんですね。だからこういう青春映画は大好き。オチまで見え見えですがそれで良いんです。そして私的にはヒップホップを題材にしたところが良かった。音楽の何曲かはOrange Rangeが担当をしているのです、これがまた良いんです。私自身、ヒップホップには疎いのですがゴキゲンな音楽を楽しみました。主演は「黄泉がえり」「偶然にも最悪の少年」の市原隼人、「スゥイングガールズ」の平岡佑太、「疾走」の柄本佑、そしてめちゃめちゃキュートで可愛い井上真央ちゃん。脇役陣は渚役で伊藤歩（彼女ってこんなに美人だったっけ？？）、涼太役で玉山鉄二、そして父兄の皆さまに陣内孝則、大島さと子、柳沢慎吾、松重豊。その他沖縄といえばガレッジセールのゴリと川田、ＫＯＮＩＳＨＩＫＩ、樹木希林など個性的な面々が脇を固めます。監督はこの作品が初の監督作品となる宮本理江子。

アンジェラ	監督：リュックベッソン	出演：リー・ラスムッセン、ジャメル・ドゥボウズ
Angel.A	２００５年　フランス映画
	溜まりに溜まった借金を返す当てもないアンドレ。今日も借金獲りに脅された。しかも、彼を追っているのはひとりではない。今まで嘘を並べ口八丁手八丁で世渡りをしてきたが、ついに年貢の納め時が来たようだ。セーヌ川にかかるアレクサンドル３世橋から飛び降りようと思った瞬間、彼のとなりで美しいブロンドの女が佇んでいる。そしていきなり川にダイブ。次の瞬間アンドレも彼女の後を追って川に飛び込んでいた。必死の思いで女を救ったがアンドレに対して、女は彼のために何でもするという。女の名前はアンジェラ。アンドレの抱える問題を分析しつつも、とてつもなく大胆な方法で解決していくアンジェラ。そしてアンジェラはアンドレに欠けているある感情を指摘する。すっかりアンジェラの魅力に参ってしまったアンドレに対して、彼女はとんでもない事実を話し始める・・・・
	私評：「愛しているなんて言えない」「言われたことがない人は、言いづらい言葉よね。ジュ・テームアンドレ」・・・リュック・ベッソンがジャンヌ・ダルク以来６年ぶりに監督したのがこの映画。しかし、今回の作品にはアクションはほとんどない。とにかくコテコテの恋愛映画でした。しかし、この映画を見ていて思ったのが主人公のアンドレってリュック自身なのでは？そしてアンジェラのような女に自分の気持ちを伝えるために作ったのでは？？ちょっと考えすぎかな？映像は全編モノクロですごく雰囲気が良いです。しかし、作品的にはすごく「ありきたり」で、あまり新鮮な感じはしなかったです。ラストの秘密は絶対に言わないでくださいとリュックが言っていたので書きませんが、たいしたことないです。（笑）アンジェラ役は身長１８０センチのブロンド美女リー・ラムッセン。ファム・ファタールでも美しかった彼女ですが、この映画のリー嬢は演技も素晴らしかったです。そして冴えない男アンドレ役は「アメリ」のジャメル・ドゥブーズ。彼は終始片手をポケットに入れているのですが、なにやら子供の時に交通事故で手を失ったのだそうです。リュック・ベッソン・・・次回作は期待しているよ・・

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