2004/7/15

全然タイムリーに記事が書けなくて、イライラ。
しかし、今回のイチ押し作品はそんなイライラも吹き飛ばす爽やかな青春映画と
問答無用のアクション映画です!!

スウィングガールズ  監督:矢口史靖  出演:上野樹里、貫地屋しほり、竹中直人
Garls Meet Jazz  2004年 日本映画
今週のイチ押し:東北の片田舎の高校にに通う友子は、夏休みだというのに補習授業。ぼんやり外を眺めていると、ブランスバンド部のメンバーは颯爽と高校野球の応援に出かけていった。しばらくすると、お弁当屋が到着。しかし、ブランスバンドのバスはすでに出発済み。そこで悪知恵が働く友子は、お弁当を届けることを口実に補修仲間を率いて学校を飛び出していく。しかし、数々のトラブルで時間を掛け過ぎ、お弁当が痛んでしまい、なんとブラスバンド部は全員入院。偶然、お弁当を食べなかったバンドメンバーの拓雄は、急遽補習のメンバーを集めるがブラスバンドには人が足りず、考えた末にジャズのビッグバンドで演奏することに。最初はいやいやだった友子たちも、徐々にジャズの魅力にはまるが、野球の応援の前日、ブラスバンド部は無事に退院し彼女たちはお払い箱になってしまう。強がりを言ってはみたが悔しさがどんどんこみ上げてくる。いつしか、それは涙に変わっていった。諦めきれない友子は、やはり同じ気持ちの拓雄、良枝、香織の3人と楽器の練習を始める。数学の小澤先生の協力もあり、彼女たちはメキメキと腕を上げていく。そしていつしかメンバーも増え、市民音楽祭に出場しようとするが・・・・。
私評:ねえねえ、これってジャズだべ?なんでも、ジャズのリズムにすれば良いんだよ・・・あの「ウォーターボーイズ」から3年。矢口監督が次に選んだの「スウィング・ジャズ」に熱中する女子高校生たちの青春映画。正直言って「ウォーターボーイズ」と展開はほとんど変わりません。しかし、設定を変えて、キャラクターを変えて、またしてもサイコーに楽しい映画になっていました。まずは全編に流れるジャズの音楽。ジャズに詳しくない私でも知っている「Aトレインで行こう」「シング・シング・シング」などなど、映画を見ながらも思わず体がリズムを刻んでしまう。そして単純明快にして、思い切り直球勝負のストーリー。そして最後に個性派揃いのキャラクター。まずは主人公でサックス担当の上野樹里ちゃん。めちゃ可愛いのにとぼけた演技が最高。続いてトロンボーン担当の香織を演じる本板屋ユイカちゃん。大人しくて無口な女の子が変身していきます!トランペット担当の貫地屋しほりちゃん。男に惚れやすいけどめっちゃキュートなんです〜。そして黒一点(?)の平岡裕太君。女の子に囲まれて羨ましい役どころ。しかし、誰もが新人ばかりで、それが逆に良いんですよ。しかも、楽器の演奏は吹き替えなし(らしい)。脇役陣も竹中直人、渡辺えり子、白石美帆、小日向文世。そしてチョイ役ですが西田尚美も登場!見終えたあとのこの爽快感たるや・・・!あ〜、私はこういう映画が大好きです!
リディック  監督 :デヴィッド・トゥーヒー  出演:ヴィン・ディーゼル、タンディ・ニュートン
Riddick  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:遠い未来。宇宙のどこかの星でネクロモンガー軍団は9つの惑星を破壊した。次なるターゲットはヘリオン第1惑星だった。その頃氷の惑星でひっそりと隠れていたリディックは賞金稼ぎのトゥームズによって追い回されていた。すでに5つの星から指名手配されていたリディックは新たに自分に法外な賞金をかけた者がいる事を知る。その人はヘリオン第1惑星のエアリオンだった。実はネクロモンガーの首領ロード・マーシャルはフューリア人の生き残りが自らの野望を阻止すると予言されていたのだ。エアリオンはその者がリディックだと信じ彼をヘオリオン第1惑星に呼び寄せたのだ。ついにネクロモンガーの総攻撃が開始されヘオリオン第1惑星は陥落。そしてリディックはロード・マーシャルの元からは逃れたものの、賞金稼ぎのトゥームズに拉致されてしまう。しかし、リディックにはある作戦があったのだ・・・・
私評:お前は3つの間違いをした・・・・SF映画「ピッチ・ブラック」からスピンアウトして作られたのがこの「リディック」。しかも、前作より数倍もお金をつぎ込んだSF超大作。とにかくこの映画で使われたセットはスゴイ。まずはそういったビジュアルの部分で、かなりのインパクト。そして見たこともない星々の映像もスゴイです。しかし、圧倒されるのは映像だけではない。なんたって主演は「XXX」のヴィン・ディーゼル。彼の生身のアクション&CGアクションにも度肝を抜かれます。つまり、思い切りエンターテイメントに徹した作りになっているわけです。SFが苦手な人でもこの映画は思い切り楽しめるでしょう。次から次へとリディックを襲う危機また危機。私は最初から最後まで手に汗を握りっぱなしでした。主演はヴィン・ディーゼル。彼については多くを語るまい。とにかく見て欲しい。そして共演は「M:I−2」のタンディ・ニュートン。相変わらず素晴らしいプロポーション。しかも、今回は野望を抱く悪女役。そしてエーテル状の生命体、エアリオンを演じるのはイギリスの名女優ジュディ・デンチ。そして監督は「ピッチ・ブラック」から引き続きデヴィッド・トゥーヒーです。この夏、スカッとしたい人にはこのアクション映画がオススメですよ!!
69  監督:李相日  出演:妻夫木聡、安藤政信、金井勇太
Sixtynine  2004年 日本映画
時は1969年。高度経済成長の真っ只中の日本。新聞を賑わすのはベトナム戦争の記事。舞台は佐世保。ここに爆発的な想像力と行動力を兼ねそろえた、ひとりの高校生がいた。彼の名前はケン。彼は友人のアダマとイワセたちを誘い「フェスティバル」を開くことを夢見ていた。それは音楽とダンスとセックスが融合したパラダイス。彼らは「ウッドストック」の写真で、トップレスで踊る女たちを見て、勝手な想像を膨らましていくのだった。そんなある日、ひょんな事から自分の高校のバリケード封鎖(バリ封)を思いついたケンは、憧れの女生徒の後押しもあり、1学期の最後の日にバリ封を決行する。翌日、高校はパニックになっていた。しかし、意外なところからケンの名前が挙げられ警察に捕まってしまう・・・・・・・・
私評:デモやらバリケードやらする人、好いとるもん・・・熱〜い青春映画でした。高校生くらいの時、闇雲に突っ走っていたらあっという間に大きな事件になってしまった・・なんてことはけっこう自分の周りでもあるのではないでしょうか? そんな私も高校時代はかなり暴走して危うく・・・なんて事があったっけ・・。あの頃の(内なる)熱さや、どうしようもない衝動感などがとてもリアルに描かれていました。なんだかとても、「自分に近い感じがする」映画だった。これって映画を楽しむ上ではとても大事なことですよね。主演は今、一番乗ってる若手男優の妻夫木聡。今回はすごく弾けた若者を好演。そして彼の親友アダマを演じるのが安藤政信。彼の高校生はかなり無理があったけど、妻夫木とのコンビはグッドでした。使いっ走りの岩瀬役は「学校5」の金井勇太。その他、脇役陣に柴田恭平、井川遥、原日出子、岸辺一徳、國村隼・・・・。そしてこの映画の脚本は宮藤官九郎。彼の書く作品はスピード感があって良いですよね。逆にこのスピードに乗れないと、彼の作品には着いていけない。今回もたっぷりと見せ場を盛り込んだ、見事な脚本でした。監督は李相日。 
白いカラス  監督 :ロバート・ベントン  出演:アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン
The Human Stain  2003年 アメリカ映画
1998年。アメリカのアテナ大学で教鞭をとるコールマンは、ユダヤ人としては初の学部長として注目されていた。しかし、彼が授業中に何気なく使った「スクープス」という単語が、黒人を差別する言葉だと見なされ、彼は辞職に追いやられる。しかも、彼の妻はこの事件でのショックのため急死してしまう。半年後、コールマンは湖畔で隠遁生活を送るネイサン・ザッカーマンという作家の元を訪ね、自分の事件を本にしてくれと依頼する。そしてこの出会いがきっかけでコールマンとネイサンは不思議な友情を築いていく。ある日、コールマンはネイサンに自分にはフィオナという若い恋人がいると打ち明ける。彼女は辛い過去を持っており、二人は互いの傷を舐めあうかのように寄り添い、そして求め合った。そしてついにコールマンは誰にも告げなかった「ある秘密」を彼女に打ち明けた・・・・・
私評:これは私の初恋でもないし、最高の恋でもない。でも、最後の恋なんだ・・・アメリカにいまだに根強く残っている人種問題を真っ向から取り上げた問題作。誰もが頑なに守り続けなければならない「小さな嘘」のひとつやふたつは持っているでしょう?しかし、この作品の主人公コールマンが抱える「秘密」はあまりにも大きくて、そしてあまりにも悲しい。しかも、彼にその「虚構の人生」を選択させたのが初恋の相手だったというのも、とても残酷な話です。また、フィオナも過去の悲劇をずっと自分の中に封印してきた女。この二人の共通点は、それぞれの秘密を打ち明けられる相手を探していたことだったのかも? そして長年に渡るお互いの心の傷からの開放・・。その描き方は本当に素晴らしかったです。重厚で悲しい映画ではありますが、本当に見応え十分の作品です。コールマンを演じるのはアンソニー・ホプキンス。彼が時折見せる「氷のように冷たい目」がとても印象的。さすが!と思わせる演技でした。ネイサンを演じるのはゲイリー・シニーズ。凶暴なフィオナの夫を演じるのはエド・ハリス。そしてフィオナ役はこの映画でまた新たな一面を見せて、私を魅了したニコール・キッドマン。監督は「クレイマー・クレイマー」のロバート・ベントン。 
家族のかたち  監督 :シェーン・メドウス  出演:リス・エヴァンス、ロバート・カーライル
Once Upon a Time in the Midlands  2002年 イギリス映画
イギリスのミッドランズ。心は優しいが気が小さいデックは恋人のシャーリー、そして彼女の連れ子のマーリーンと幸せに暮らしていた。ところがある日、シャーリーは近所に住む元夫の姉、キャロルが出演したテレビ番組に出演。そしてこの番組の中でデックはシャーリーにプロポーズをするのだが、彼女の答えは「ノー」だった。それは彼女の中で以前の結婚に対しての整理がついていなかったからだ。ガックリと落ち込むデックだったが、シャーリーは「結婚はしないが愛している」と告げた。ところが、その番組を前夫のジミーが見ていた。彼は仲間と現金強奪を企てるが、ひょんな事で金を持ったまま、ひとり逃亡することになったジミーはミッドランドへと舞い戻り、シャーリーに復縁をせまる。突然の元夫の出現に心を乱されるシャーリーを見て、デックは彼女の中にジミーを想う気持ちがあることを悟る・・・・
私評:私のパパはデックだけ・・・なんとも言えない遣る瀬無さを終始感じながらも、最後はホッとできる映画。人はそれぞれ心に弱さを持っていますよね。デックの場合は気が小さいこと。そしてシャーリーは未練がましいこと。ふたりはその心の弱さを克服できるのかどうか?それがこの映画の面白さかも??自分では分かっていてもなかなか行動に出たり、口に出すことができないことって誰でもありますよね??そんな「小市民」的な主人公たちを、私は愛さずにはいられませんでした。デック役のリース・エヴァンスは今までの彼のキャリアの中でも最上級の演技を見せてくれます。そして主人公二人の心を掻き回すのが、イギリスの曲者役者の一人ロバート・カーライル。しかし、彼も端々で弱さや優しさを見せてくれます。彼が一番欲していた事って、単純に「誰かに愛されること」だったのでは?最高の演技陣を向こうに回して、キラリと輝く演技を見せてくれるのが娘役のフィン・アトキンスちゃん。注目したいです。監督は「トゥエンティ・フォーティ」(実はこの映画大好きなんです)のシェーン・メドウス。
友引忌  監督 :アン・ビョンギ  出演:ハ・ジウォン、ユ・ジテ、キム・ギュリ
Nightmare  2000年 韓国映画
大学院生のヘジンの元に、学生時代同じサークルにいたソネが訪ねてくる。アメリカに渡っていたソネだったが、彼女は何かに怯えていた。事情を聞くと以前同じサークルにいて自殺を図ったギョンアの亡霊が彼女に付きまとっているという。それは2年前のこと。ヘジンもソネも「A Few Good Men」というサークルにいた。6人のメンバーは気心が知れており、楽しい時間を過ごしていた。ソネはメンバーの一人で野球選手でもあるヒョンジュンに恋していた。しかし、そのヒョンジュンはギョンアに目をつけていたのだ。ヘジンはひょんな事でギョンアと知り合い、彼女をサークルのメンバーに引き込んだ。ところが、ギョンアの周りで不可解な事件が連続して起こり、サークル内の雰囲気はギクシャクしてしまう。しかも、ギョンアに嫉妬したソネは彼女の隠された過去を全員の前で暴いてしまう。ショックを受けたギョンアはビルの屋上からダイビングをして命を絶った。そのギョンアが彼らの前に再び現れたのだ。しかも、亡霊となって・・・・・・・
私評:お願い、ひとりぼっちにしないで・・・・最近、韓国からバンバン輸入されているホラー映画。しかし、この映画もそうなのですが原作は日本人の吉村達也です。(「ボイス」「箪笥」も彼の作品)どうもワンパターンになりがちな作品ではありますが、製作者、キャストたちの怖がらせてやろう!という気持ちはビンビン伝わってきました。それは「ドキッ!」とさせる音の恐怖、そして不気味な亡霊に追いかけられる恐怖(このハ・ジウォンがめっちゃ不気味・・)、そしてスプラッター。どれもがバランス良く取り入れられているので、それなりに楽しむことができるホラー映画だと思います。しかしながら、私のようなホラー映画のヘビー・ユーザーにはちょっと物足りなさが残ることも確かです。そこそこ楽しめたから、文句はございませんが・・(謎)。主演は「ボイス」のハ・ジウォン。今回彼女は亡霊役なのですが、かなり不気味です。将来を嘱望された野球選手ヒョンジュン役は、まだブレイクする前のユ・ジテ。彼の野球はかなり笑えます??監督は「ボイス」のアン・ヒョンギ。「ボイス」も「友引忌」も2000年の作品なので、その後のこの監督の作品が気になるところです・・・。 


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