お正月映画がボチボチ公開され始め、映画のほうも盛りあがって来ました。
今週末、来週末で出揃うわけですが、一体どの映画が一番になるのか? 私が選んだ今回の一押しは大穴です!
バトル・ロワイアル | 監督:深作欣二 | 主演 : 藤原竜也、前田亜季、山本太郎、ビートたけし | |
Battle Royale | 2000年 日本映画 | ||
今週のイチ押し作品! 全国の中学3年生のクラスから無作為に選ばれた1クラスで、最後の一人になるまで殺し合いをさせる新世紀教育改革法「バトル・ロワイアル法」。 そして今回も一クラスが選ばれ無人島に解き放たれた。彼らは首に発信機を付けられ、行動は全て監視されている。しかも発信機をはずそうとすれば爆発してしまう。また、じっと隠れている事ができないよう時間帯によって危険区域を設け移動させれてしまう。極限状態の中で彼らは殺し合い、逃げ惑い、そして死を目の当たりにする。教師キタノの監視下で、次々と減っていくクラスメートたち。果たして最後まで生き残るのは誰か? |
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私評:国会問題にまで発展し、今ある意味で、一番注目されている映画です。原作もかなりの批難を浴びながらも、超ベストセラーとなっている曰く付きの作品だ。 中学生が殺し合いをする・・と言う点だけに着目すれば、確かにモラルを欠いた作品と言われても致し方ないが、この作品に関して言えばそれは当てはまらない。果たしてそんな環境に少年たちが置かれた時、彼らがどう言う行動をとったかをこの映画で見てもらえば、答えは一目瞭然だ。 3年B組は「少年たち」の集団でもあるが、別の言い方をすれば社会の縮図でもある。力でねじ伏せようとする者、語り合いの場を求める者、独自で道を切り開く者、そしてただ死を選ぶ者。これはまさに我々大人たちの日常ではないか? そしてこの映画の中で忘れてはいけないものは、「信頼」と「友情」の大切さだ。 何も闇雲に殺し合いをするだけの映画とは違います。モラルの部分はこの位にして・・。 この作品の見所の一つは、キャラクターの描き分け。 特に原作を読んだ方は、クラスの皆のドラマが書き込まれていて、登場人物に感情移入ができたのでは?? 深作監督らしいテンポの良い演出、そして活きの良い若者たちが画面狭しと大暴れする様は気持ちが良いです。 ただ、原作を先に読んでいた私は、期待していたシーンが映画ではカットされていたりしてちょっと残念な点もあります。 また、それとは逆にビートたけし演じる教師キタノに、新しいキャラを付加して味わい深い大人になってます。 やっぱりこの作品は見るしかないでしょう!! |
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ホワット・ライズ・ビニース | 監督:ロバート・ゼメキス | 主演 : ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー | |
What Lies Beneath | 2000年 アメリカ映画 | ||
私評:アメリカでもスマッシュヒットを飛ばしているこの作品。果たしてホラーか?ヴァーモントの美しい湖のほとりに住むノーマンとクレア。最近愛娘を大学の寮に入れ、クレアは淋しい思いをしていた。そんな時彼らの家の中で怪しげな現象が起き始める。家の中で聞こえる何者かの囁き声。勝手に開くドア・・。 隣の家に住む夫婦にも、何やら不穏な空気が。そんなある日、クレアは家の中で若い女性の姿を見てしまう。幽霊? やがて彼女の正体が明らかになった時、新たな事件が・・。 ロバート・ゼメキスがヒッチコックの手法を用いて描いたホラー??映画のいたる所にヒッチの手法が使われている。ヒッチファンは思わずニヤリとしてしまうでしょう。 特に「裏窓」「サイコ」はあらかじめ見ておいてもイイかも?? この映画の主演はハリソン・フォードではなくミシェル・ファイファーですね。 彼女の演技がこの映画を否応なく盛り上げて行く。 彼女と一緒に恐怖を存分に味わいましょう。そして夫役のハリソン・フォードが・・・。 まさか?の演技にちょっとビックリ。 こんなハリソン・フォードは初めて見た。 映画自体は一種独特の「間」と、舐めるようなカメラワークがなんとも快感。 久々に本格的なホラーを見た感じがしました。 私的には怖さは物足りなかった・・。 | |||
ボディ・ショット | 監督 : マイケル・クリストファー | 主演 : ショーン・パトリック・フラナリー、ジュリー・オコネル | |
Body Shots | 1999年 アメリカ映画 | ||
私評:若者たちが夜毎集うL.A.のナイトクラブ。そこで振舞われる過激なカクテルの名前が「ボディ・ショット」だ。今日も出会いを求めて8人の男女が店に集う。気ままなセックスを求める者たち。心の隙間を埋めようとする者たち。そして本当の愛との出会いを求める者たち。そんなカップルの一組サラとマイクは、息投合し店を出るが彼女はマイクにレイプされたと友達の家に助けを求めて飛び込んできた・・・。いわゆるカジュアルセックスがメインの映画ではあるのですが、決して否定も肯定もしていない。これだけインフォメーションが溢れ、どこで何をしても一つ繋がり合えるような現代であっても、一人一人は孤独なのかもしれない。主人公の8人がとても個性的で、イイですね。彼らが映画の中で恋愛感について、そしてセックスへの考え方をカメラに向かって語りながら映画は進んで行きます。果たして見る側がどういう受け止め方をするのか? 私個人はとても楽しめた映画です。性への欲望、愛への欲望。人それぞれ求める物は違っても、それらの根底にあるのはいつも孤独と言う2文字。きっとこの8人の誰かに自分を投射できるのではないでしょうか? すごくストレートな表現も、ある意味過激ではあるけれどこれが真実なのでは? しかし、この映画も入りが悪いですね〜・・。 | |||
初恋のきた道 | 監督 : チャン・イーモウ | 主演 : チェン・ツィイー、チョン・ハオ | |
The Road Home | 2000年 アメリカ・中国合作映画 | ||
私評:「あの子を探して」のチャン・イーモウが、また新たな感動を運んできてくれました。それはあまりにピュアで自分が恥ずかしくなるくらいの衝撃? 父親の葬儀のために久々に家に戻ったルオ。彼の母親は父を昔ながらの方法で担いで家に運ぼうとしていた。しかし、人手もなくルオは母を説得しようとする。父と母は40年前、この地で出会った。都会から教員として赴任してきた父に母は一目ボレし、彼の心を惹くため愛情を込めて料理を作り、彼に届けた・・。チェン・ツィイーは本当に可愛い。 彼女のはにかむような笑顔はドキドキするくらい素敵だ。まあ今回の映画の目的の半分以上は彼女見たさだったのですが、そんな期待でテンションが200%くらいに達していたにも関わらず、私の目は彼女に釘漬けだった。 そして中国の田舎町の秋から冬にかけて変わって行く風景の美しいのなんのって・・。 とても言葉では言い表わせない。 そんな村だからこそ、そして昔ながらのしきたりがあるからこそ育まれる純粋な愛情があるんですね。そんな純粋さに心を洗われ、何故か心の中の深いところを刺激された、私は涙が溢れてきた。これは清冽すぎるラブ・ストーリーです。そして二人が育んだ物はお互いの間の愛情だけではなく、村人、教え子、そして息子へと着実にバトンタッチされて行く。そんな様もわざとらしくなくてとても好き。皆でこの映画を見て心の洗濯をしましょう! | |||
ダイナソー | 監督:ラルフ・ゾンダッグ、エリック・レイトン | 声の出演:D・B・スウィニー、アルフル・ウッダード | |
Dinosaur | 2000年 アメリカ映画 | ||
私評:ディズニーが総力を結集して20世紀の最後に贈る巨編「ダイナソー」。まさにそんなキャッチがピッタリの映画でした。奇蹟的に助かった恐竜の卵。それは巡り巡って本土を離れ、キツネ猿の群に運ばれた。そこで生まれた恐竜のアラダーは猿に育てられた。しかし、宇宙から降ってきた隕石群により平和な楽園は一瞬にして火の海と化した。やっとの思いで逃げ延び、本土に渡ったアラダーとキツネ猿の家族は、そこでどこかにあるという奇蹟の楽園「生命の大地」を目指す、草食恐竜たちの群れに合流する・・・。この映画の見所は実写とCGの合成により作られたスピーディーで、そしてリアルな映像です。本当に生きているかのような恐竜たちがすごいです。しかも、ディズニーの映画なので夢と希望と、そして冒険がいっぱいで見ている者は、ドキドキしながらも、顔は笑顔。 しかも、上映時間が82分というお手軽さ。 この辺りは実に上手いですね。しかし、この映画はどうしてもスピルバーグの「ジュラシックパーク」と比較されてしまうと思う。 私が初めて「ジュラシック・パーク」を見たときの興奮には、遥かに及ばなかったのは残念ですが、致し方のない事ですね。 でも、視点を変えて子供の目でこの映画を見れば、こんなファンタジックな映画はないかもしれない。 コミカルな部分もたくさんあって、子どもたちでも楽しんで見れる映画ですね。 | |||
シャンヌのパリ そしてアメリカ | 監督: ジェイムズ・アイボリー | 主演:クリス・クリストファーソン、リリー・ソビエスキー | |
A Soldier's Daughter Never Cries | 1998年 イギリス映画 | ||
私評:「眺めのいい部屋」「日の名残り」などで有名な、イギリスの叙情監督ジェームズ・アイボリーがちょっと毛色の違う映画を作りました。2年前に作られたこの映画が何故今頃まで、公開されなかったのだろうか??ウィリス一家に養子の男の子が到着した。彼の名前はブノワ。姉になるシャンヌは突然の弟の出現に嫉妬し、彼を苛めてばかり。しかし、ある夜オネショをして落ち込んでいるブノワにシャンヌは優しく語りかけた・・。思春期になったシャンヌはフランソワと言う少年と仲良くなる。アメリカ出身でオペラが大好きなフランソワとの楽しい日々。しかし彼女が初潮を迎え性的に成長を遂げた時二人の間には不穏な空気が・・。そしてウィリス一家がアメリカに移る事になり、二人は離れ離れになる。アメリカに移った兄弟は学校に馴染めずにいた。そして投遣りになって行く二人。そんな時二人を襲った悲しい知らせとは・・。 私はクリス・クリストファーソンが好きなんですよ。彼の「ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯」は本当に大好き。自分も21歳で死のうとまで思った。(でも、もう倍近くになってる・・) その鮮烈なイメージとは打って変って、優しい父親役がまた板に付いている。やはりカッコイイんですよ。そして母親役は「ワールド・アパート」のバーバラ・ハーシー、フランソワの母親はエレン・バーキン、ブノワの母親は「ザ・ビーチ」のヴィルジーニ・ルドワイヤン、そして主役のシャンヌを演じるのは今、もっとも注目されている若手の一人、リリー・ソビエスキー・・、なんて贅沢なキャスティング! お話自体は家族の絆、シャンヌの成長を淡々と描いた良い内容ではあるのですが、ちょっと退屈かな?? 60年代から70年代にかけてのドラマの背景がなかなか楽しいですよ。白黒のTVに映るなつかしのドラマ。 古臭いステレオ。(もちろんレコード) そしてファッション。 懐かしさとおかしさが・・・。 | |||