2009/2/11

マジで映画が観れていません。週末は風邪ひきだったりして・・
今回のイチ押しは映画館の威力を発揮する宇宙映像と
20世紀のカリスマ映画。

ザ・ムーン  監督:デイヴィッド・シントン  出演:ジム・ラヴェル、バズ・オリドリン
The Moon  2007年 イギリス映画
今週のイチ押し:1960年代、米ソは有人宇宙飛行を競っていた。そして初の宇宙飛行の軍配はソ連に。1961年4月12日にガガーリンが宇宙に飛び出したのだ。その1ヶ月後アメリカのシェパードが宇宙飛行に成功した。その直後、ケネディ大統領はこう演説した「60年代が終わるまでに、アメリカは人類を月に送り無事に帰還させる」。こうしてNASAは「アポロ計画」に着手したのだ。アメリカ中の若いパイロットがNASAの募集に集った。1968年、ついにアポロ8号が月の周回飛行に成功。1969年7月16日に打ち上げられたアポロ11号。そしてついに人類は月に降り立った。つまり、人類は初めて地球以外の天体に降り立ったのだ。以降、アポロ17号まで9機のロケットが月に向かい12人が月に降り立った・・・
私評:一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ・・・以前に、何かの映画の時にも書きましたが、私はアポロ11号が月に降り立った時の様子を親父と一緒にテレビで見ていました。あの空にポッカリ浮かぶ月に人がいるなんて・・。当時もかなりすごいと思いましたが、今でもそれってすごいことですよね。今回のこの映画はNASA秘蔵の映像の数々と関係者たちのインタビューで構成された映画。月面の映像やロケットから撮影した宇宙の映像などが続々と登場。今までに見たこともない映像も見ることができました。しかし、NASAにあるデータはこんなもんじゃないでしょうね・・。最近はビュンビュンと宇宙に向けて人が飛び立ち、宇宙ステーションで働く人もいますが、「月」はアポロ以来、誰も降り立っていない、いわば聖地のような場所。私も一度は行ってみたいですね。映画は当時の映像と最新の映像でアメリカの宇宙史を綴っていきます。この映画を見てしみじみ感じたこと・・。人間って本当にちっぽけな存在なんだ・・。監督はデイヴィッド・シントン。サイエンス映画のパイオニアだそうです。そして提供という肩書きで「ダヴィンチ・コード」のロン・ハワードの名前が・・。
チェ 28歳の革命  監督:スティーブン・ソダーバーグ  出演 : ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム
 2008年 スペイン・フランス・アメリカ映画
今週のイチ押し:1965年、アメリカのメディアのインタビューの答えるチェ・ゲバラの姿があった。「革命家にとって大事なもの・・それは愛だ!」と高らかに答えた。1955年、南米大陸を横断しながら、貧しい人々に手を差し伸べる若い医師がいた。彼の名はエルネスト・ゲバラ。自らも喘息を患っている。そんな旅の途中で、チェはキューバの革命を決意したカストロと出会う。カストロはわずか80人で海を渡り、キューバ軍と戦うという。そんな無謀な戦いにエルネストは参加した。この頃から彼は愛称からチェ・ゲバラと呼ばれ始める。日々鍛錬を怠らず、礼をつくし、女子供には優しく・・。そんな彼を慕う者は日に日に増えていく。そしてついにその統率力がカストロに認められ、チェはキューバの要である大都市サンタクララを分断するという任務を言い渡される・・
私評:キューバは絶対に屈しない・・・チェ・ゲバラについては、私はかなり知識を持っている方だと思います。20代にときに彼のカリスマ性に惹かれ、彼に関する書物を読み漁った。真のリーダーになるには頭ごなしに殴りつけるのではなく、自らが手本になりそしてそれを納得させる技を持っている人。チェにはそういった魅力が溢れていて、老若男女を問わず、彼に魅せられる人は多かったようです。この映画の公開に合わせたかのように世界は大不況に突入。そんな時、誰もが望んでいるのは「真のリーダー」の登場。それゆえにアメリカの新・大統領のオバマをチェ・ゲバラと比較してみてしまうんですね・・。映画の中で描かれているチェは人徳があり、頭もよく、人に優しい。しかし、彼は戦士としての才能がいちばんだったのかも??続編の「チェ 39歳別れの手紙」はどのように転がっていくのでしょう・・。主演はベニチオ・デル・トロ。彼の生涯でも最高の作品に出会えましたね。そしてチェの後の妻となるアレイダ・マルチ役は「コレラの時代の愛」のカタリーナ・サンディノ・モレノ。彼女が実に精悍で美しいです。そしてフィデル・カストロ役のデミアン・ビチルがいい演技をみせます。監督は「オーシャンズ・シリーズ」「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ。
チェ 39歳 別れの手紙  監督: スティーブン・ソダーバーグ  出演:ベニチオ・デル・トロ、フランカ・ポテンテ
 2007年 スペイン・フランス・アメリカ映画 
1965年、チェ・ゲバラは忽然と姿を消す。いろいろな噂が飛び交う中、カストロはキューバ共産党中央委員会でチェからの手紙を読み上げた。「世界はまだ、自分の力を必要としている・・」チェはキューバで確立した地位も名誉もすべてかなぐり捨てて、新たな旅へと出発したのだ。1966年、ラモンという名前でチェはボリビアに入国した。アメリカと結託する大統領の独裁政権下で、農民たちは貧困に喘いでいた。ここでチェは新たな革命を仕掛ける。しかし、ボリビア共産党の協力が断たれ、アメリカ軍も参戦し、チェの軍は食料も弾薬も尽きてしまう。チェの作戦をすべて知っているかのように先手を打たれ、ついにチェは孤立無援の状態に陥ってしまう・・
私評:革命においては勝利か、さまなければ死しかない・・・盛者必衰のことわりの如くチェの快進撃にもついに影が射しはじめる。しかし、運命はどうして彼のように「善」に力を注ぐ者に厳しいのでしょう?出る杭は打たれるのでしょうが、彼の処刑は本当に理不尽な気がして、胸がギューッと締め付けられた。それにしても彼の語録や手紙の内容は本当に胸に沁みます。そういう意味では、彼はアーティストでもあったのでしょうね・・。まあ、チェ・ゲバラファンの私は及第点の映画ですが、やはりチェを知らない人には分かりづらい作品かもしれませんね。今作には前作のキャストに加え「ボーン・アイデンティティ」のフランカ・ポテンテが登場。そして「ラ・バンバ」のルー・フィリップ・ダイヤモンドも。チェ・ゲバラという20世紀のカリスマを知る上では、イイ映画だったのではないでしょうか?? 
20世紀少年 第2章 最後の希望  監督 : 堤幸彦  出演:平愛梨、豊川悦司、
 2008年 日本映画
2000年に起こった「血の大みそか」のテロ事件はケンヂとその仲間たちが行ったものとされ、それを阻止したとされる“ともだち”は世界の救世主として崇められていた。そして“ともだち”は世界の終りを予言した。ケンヂの姪のカンナは高校生になった。行方不明のケンヂの替わりに彼女を育てたのはユキジだった。彼女は新宿の中華店でバイトをしていたが、妙ないきさつでニューハーフを匿うことになった。“ともだち”に対抗心をむき出しにするカンナは学校では問題児扱い。ついに彼女は“ともだちランド”の研修に出されてしまう。友人の小泉響子と共に“ともだちランド”のボーナスステージまで残ったカンナと響子は、そこで1971年、つまりケンヂたちの子供時代のバーチャル世界を見た。そこではふたりは“ともだち”の真相に近づくが・・・。一方、「血の大みそか」以来、なりを潜めていた秘密基地のメンバーは密かに行動を開始していた・・・・
私評:それじゃみんなバッハッハーイ・・・・20世紀少年を見ていて、気持ちが良いのはケンヂたちが私と同年代のためかも?特に1969年辺りの映像は、まさに私のツボ。バッハッハーイのケロヨンなんて、私は大好きでしたからね。少年漫画、駄菓子屋、世界万博なんて、まさに・・ヤバいっす。よくよく考えてみたら原作の浦沢直樹は1960年生まれ、私が62年生まれなので時代がマッチしているのも納得です。映画の内容以外に、そんなところにワクワクしてしまった・・・。そして話の方はどんどん複雑になってきます。私の中で一番の興味は「ともだちって誰なの?」って事。今回は最後に世界中に奇跡を見せつけ己の力を誇示した“ともだち”。第3章は最終戦争なんでしょうね?これを見るまでは原作は読みません。キャストは第1章から唐沢寿明を抜いたメンバーですが、主演はカンナ役の平愛梨です。コミックのイメージを損なうことなく・・というか超えちゃってます。そして小泉響子役の木南晴夏がグッド!サダキヨ役のユースケ・サンタマリア、“ともだち”の部下の高須を演じる小池栄子たちもすご〜く良いです。そして友達の葬儀に参列するアメリカの事務局長に注目!!なんと、スティーブ・マックイーンの息子フレッド・マックイーンです!!
ラーメンガール  監督 : ロバート・アラン・アッカーマン  出演:ブリタニー・マーフィー、西田敏行
The Ramen Girl  2007年 アメリカ映画
恋人のイーサンを追いかけて日本にやってきたアビー。退屈だけど一応、お金がもらえる仕事にも就いた。そんな矢先、イーサンは彼女の元を去ってしまう。悲しみに打ちひしがれた彼女の目に飛び込んできたのは、暖かな赤い光。それはラーメン屋の提灯だった。導かれるように店に飛び込んだアビーは自分の不幸を英語でまくしたてるが、店の主人には全く通じない。そこで出された一杯のラーメンはアビーのお腹も心も満たし、彼女は幸せな気分に・・。そこでアビーはこの店に弟子入りすることを決心する。横暴で口が悪い主人はアビーに無理難題を押し付ける。何度か挫折しそうになるが、アビーは持ち前の明るさで乗り越えていく。ようやく、主人もアビーの熱心さを認めラーメン作りを教えることにしたが、同じ手順で作っても同じ味が出せない。それは彼女のラーメンに魂がないからだというが・・・・
私評:師匠のラーメンは何かが違う。ステキなの・・・これは脚本家が伊丹十三監督の「タンポポ」を見て、インスパイアされて作った映画らしい。それゆえに?最後に山崎勉も出てきます。しかし、この映画を見ていて思ったのが、主演のブリタニー・マーフィーと西田敏行が同じ画面で演技をしているという違和感。でも、その違和感は決して嫌な感じではなくてちょっとくすぐったいような不思議な快感でもあるのです。しかも、ハリウッド娘のブリタニーが日本の小さなラーメン屋で修業・・・なんて、日本人は誰も考えつかないですよね。ところが、彼女のコミカルな面がこの映画にはいっぱい溢れ出していて、西田敏行相手にがちんこ勝負!ふたりの微妙なバランスが良いんですよ。ラーメン好きの私に言わせれば、もっとうまそうなラーメンを出せ!と言いたいところですが・・(笑)。主演の二人の他に、西田敏行の妻役で余貴美子、店の常連役で岡本麗、石田トミコ、前田健が良いわき役を演じています。監督はロバート・アラン・アッカーマン。


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