2006/5/5

今回のイチ押しはダントツです。「グッドナイト・・」も普段だったら
絶対イチ押し作品なのですが「レント」は別格です。

レント  監督:クリス・コロンバス  出演:ロザリオ・ドーソン、アダム・パスカル
RENT

2005年 アメリカ映画

今週のイチ押し:1989年、NYイーストビレッジ。古びたロフトで共同生活をしているロジャーとマークは家賃(RENT)を返す当てもない。かつてロジャーは人気ロックバンドのメンバーだったが、恋人がHIVに感染し自殺して以来引きこもりになっていた。マークはドキュメンタリー映像作家を目指していた。彼はカリスマアーティストのモリーンに振られたばかり。しかも、彼女は男の元へではなく女の元になびいて行ったのだ。ロジャーとアダムのところに友人のトム・コリンズが訪れる。到着の電話を入れたその直後、トムは暴漢に襲われてしまう。そんな彼を助けたのがドラッグクイーンのエンジェル。やがて二人は恋に落ちる。ロジャーがひとり部屋にいると、階下に住んでいるミミが蝋燭の火を借りにやってくる・・
私評:エンジェルに会ったの。引き返してロジャーの歌を聴きなさいって言ったわ・・・良い映画はたくさんあるけど、こんな風に一気に私の心に住み着いてしまうくらいの感動をくれる映画は数少ない。「RENT」はそんな映画のひとつです。元々、私はミュージカルが好きなんですね。この映画もオープニングのSeasons Of Loveを聞いた途端に体の芯までしびれてしまった。そしてエンドクレジットが終わるまでの135分間はまさに至福の時間だった。物語は楽しいことばかりじゃない。主役の8人のうち4人はエイズと戦っている。しかし、そんな事実を覆すかのように熱く歌い、踊り、そして泣き笑う彼らの熱い叫びが私の心に響いた。でも、この映画が気に入ったからといって舞台を見ようとは思わない。それはやっぱり私が映画を好きだから。主人公たちのすべてが良いんですよね〜。特にエンジェル役のウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア、モリーン役のイディナ・メンゼルは最高。彼らとロジャー、マーク、コリンズ、そしてロフトのオーナーベニーはオリジナルの舞台のメンバー。ミミ役は「シン・シティ」のロザリオ・ドーソン。彼女もめちゃめちゃ良いです。監督は「ハリー・ポッターシリーズ」のクリス・コロンバス。「レント」の台本、作詞、作曲をしたジョナサン・ラーサンはオリジナルの舞台のプレビュー上映の前夜に急死。結局、彼はこの作品の成功を知ることなくこの世を去ったのです。そんな逸話もすごくドラマチックで私の心に響いたんですよね・・・
グッドナイト&グッドラック  監督・出演:ジョージj・クルーニー  出演:デヴィッド・ストラザーン、ロバート・ダウニー・Jr
Good Night and Good Luck  2005年 アメリカ映画
1953年。共産主義の猛威から国を守るという名目で。マッカーシー議員らが先導する「赤狩り」が全米を恐怖に落とし仕入れた。支持率50%以上を誇るマッカーシーに対してマスコミはだんまりを決め込んでいた。しかし、CBSのニュースキャスター、エド・マローとプロデューサーのフレッド・フレンドリーは彼らの報道番組の中で「それは権力の横暴である」ということを掲げることを決めた。こうしてマローとマッカーシーの戦いは始まった。まず、マローはデトロイトの小さな新聞紙がとりあげた空軍士官の話を取り上げた。彼の家族にコミュニストの疑いがかかり除隊処分になりそうになっているという。マローは彼のような苦しみを抱く人は氷山の一角だと指摘する。放送の後、マローの番組を支持する電話が鳴り続けた。そして翌日大半の新聞はマローをヒーローとして絶賛する。翌週もマローはマッカーシー叩きの番組を送り出すが、ついにマッカーシーが反論に出る。しかし、真実だけを報道するマローの姿勢を崩すことはできなかった・・・・
私評:そうでなければテレビはメカの詰まった“ただの箱だ”。グッドナイト・アンド・グッドラック・・・。実在したニュースキャスター、マローの戦いはきっとこの件だけではなかったでしょう。久○宏や古○伊知郎のような口八丁手八丁なキャスターと違い(ファンの方がいたらすみません)私見を後ろにおいて真実だけを追究し、視聴者に訴えかける彼の姿勢、そして独特のまじめな性格があったからこそ、彼は世論を動かし国民の心をも動かしたのでしょうね。映画の最後の方で当時のアメリカ大統領のアイゼンハワーの「建国以来、この国では全ての人が自由だ」というスピーチが(実際の映像)テレビ越しに流れるのですが、彼のスピーチの軽いのなんのって・・。それはマローの言葉にそれだけの『力』を感じたからなのです。主演はオスカー候補にもなったデヴィッド・ストラザーン。淡々と話すようでいて実は言葉に力を与える彼の話し方は素晴らしかった。フレッドを演じるのは監督も兼ねるジョージ・クルーニー。彼の才能が開花した作品と言って良いでしょうね。演出の上手さと同時に、私は彼の選曲の良さに感動しました。その他、「チャーリー」のロバート・ダウニーJr.、「スピード」のジェフ・ダニエルズ、「ツイン・ピークス」のレン・ワイズなど曲者がいっぱい。面白かった!!
the EYE 3  監督:パン兄弟  出演:チェン・ボーリン、ボンコット・コンマライ
The Eye Infinity  2005年 香港映画
香港の若者タクと従妹のメイ、タクの親友コーファイ、そして彼のGFエイプリルはタイに住む彼らの友人チョンカイの家に遊びに行った。思い切り「青春した」彼らはその日の夜に暇つぶしに怖い話を語りだす。そしてチョンカイが古本屋で見つけた「幽霊を見る10の方法」という本を実践してみることにした。いくつかを試しているうちになんとコーファイが行方不明になってしまう。祈祷師であるチョンカイの母親の奨めでタクとメイは香港に帰るがエイプリルはコーファイの無事を信じタイに残ることにした。香港に戻ったタクとメイはそこで幽霊たちに付きまとわれる。そんな時、チョンカイからエイプリルも行方不明になったと知らされる。全ての謎と呪いを解くためタクとメイは再びタイを訪れるが・・・・
私評:必殺おなら攻撃をすれば良いのよ・・・「EYE」シリーズの3作目。前の2作は怖いのはもちろんですが、不思議な感動も感じられる映画。しかし、今回の作品はアイドルを使ったコメディタッチのホラーになっていました。映画の中で幽霊の見方を10通り試すのですが、お国柄を感じさせる不思議な儀式が登場して面白かったです。中でも十字路で3人分の食事を用意して茶碗を叩いて幽霊を呼ぶ儀式は大爆笑。でも、日本でも似たような儀式があるかもしれませんね。しかし、この映画のオチはなかなか面白かったです。「そう来たか〜!」って感じでした。そしてシリーズの「1」を観ていると「あれ?」と思えるキャラクターが登場します。主演は「藍色夏恋」のチェン・ボーリンと今売り出し中の香港のアイドルたち。そして謎の美女役で「トム・ヤン・クン」でも艶っぽい演技を見せてくれたボンコット・コンマライが出演しています。監督は言わずと知れたパン兄弟。この映画を観た時いつぞやの映画祭で見た「オーメン」を思い出しました。この兄弟監督、アイドルが好きなのかも?? http://hide0323.cside.com/TIFF2003_Invitation.htm
ブラッドレイン  監督:ウーヴェ・ボル  出演:クリスタナ・ローケン、マイケル・マドセン
Blood Rayne  2006年 アメリカ・ドイツ映画

ヴァンパイアが蔓延るルーマニア。「業火の会」というヴァンパイア・ハンターたちが今日も活躍していた。彼らのリーダーのウラジミールの元にあるニュースが舞い込む。サーカスのフリークスたちの中に不思議な女がいる。彼女は体を刻んでも動物の血を飲ませるとたちどころに治ってしまうという。実は彼女はヴァンパイアと人間のハーフだった。彼女の名はレイン。彼女は父親であるヴァンパイアのリーダー、ケイガンによって殺された母の仇を討つチャンスを虎視眈々と狙っていたのだ。ある事件からサーカス団を抜け出したレインはウラジミールらに拾われる。最初は彼女に敵意を抱いていた『業火の会』のメンバーも次第に彼女に心を開き始める。しかし、ケイガンはヴァンパイアを不死身の体をするという「目」「肋骨」そして「心臓」を捜し求めていた。レインはケイガンより先に「目」を手に入れるが・・・・

私評:私は人間は殺さない・・・日活さんが「Go Go ヴァンパイア祭」と称して送り出すヴァンパイ映画の第1弾がこの映画。2500万ドルのバジェットで作成したこの映画ですが、今まで回収したお金は350万ドルという大コケ映画です。この映画には数々の見どころがあります。まずは、実際にルーマニアのペンシルバニアのセットが組まれているのですがこれがすごい。かなり気合が入っています。そして「見どころその2」はキャスティングです。主演は「T3」のクリスタナ・ローケン。デカイです。そして「キル・ビル」のマイケル・マドセン、「SWAT」のミシェル・ロドリゲス、「悪魔のはらわた」「サスペリア」のウド・キアー、「タイタニック」の憎まれ役ビリー・ゼーン、「ストリート・オブ・ファイアー」だけで伝説になったマイケル・パレ、「ロッキー・ホラー・ショー」のミート・ローフ、「ブルー・クラッシュ」のイケ面マシュー・デイヴィス、そしてイギリスの名優にしてオスカー俳優ベン・キングスレイまで登場。見よ!!この最強のキャスティング。しかも、クリスタナ嬢は豪快な濡れ場まであるんですよ。こんなにスゴイ面子なのになんでコケたのでしょう?たぶん、それは監督のせい??監督は「ハウス・オブ・ザ・デッド」のウーヴェ・ボル。そう言えば「ハウス・・」も日活さんでしたね。ある意味、すごいかも??
小さき勇者たち GAMERA  監督 : 田崎竜太  出演:富岡涼、夏帆
GAMERA  2006年 日本映画

33年前、伊勢志摩ではガメラと人食いギャオスの壮絶な戦いが繰り広げられた。複数の敵に苦戦するガメラはついに自爆して敵を倒し、そして人間たちを守ったのだ。そして現代。母親をなくした透は島で赤い石に乗った卵を見つけた。いきなり卵は割れ、中から一匹の亀が這い出てきた。彼は亀に「トト」と名づけ飼うことにした。しかし、亀はすごいスピードで大きくなっていく。家では変えなくなった透はトトを友人と作った秘密基地に移動した。そんなある日、透の住む町に海獣シーダスが現れた。海獣は次々と人々を襲い食べてしまう。そこに現れたのは成長したトトだった。しかし、トトはまだ成長の途中でシーダスの半分にも満たない。なんとかジーダスを海に落としたトトだったが、彼は傷つき倒れてしまう。そして彼は捕獲されてしまう・・・・

私評:これは生きるためにお前にあげるんだ。死ぬためじゃない・・・全編に渡ってかなり無理のある展開で何度もツッコミを入れてしまいましたが、結局最後まで見て、それなりに感動してしまった。一緒に見に行った甥っ子はかなり面白かったらしいのですが、映画が終わった後は私がツッコミを入れたパートの質問攻め。参りました。しかし、面白かったのがガメラとジータスの戦いです。着ぐるみならではの戦いもあるのですが、そこまでやるか!というシーンも。名古屋の街での戦いも駅近辺のビルを上手く使っていました。しかし、正直言ってすごーーく物足りなさを感じました。長年のガメラのファンだからこそ、感じる思いなのかもしれませんが、やはりガメラはガメラらしく・・・。子供たちを使ったいかにも感動しなさいって言うような演出もちょっと・・ね。主演は山田花子に似ている富岡涼君。(ミニラにも似ています)彼の台詞回しは上手すぎでしょう。彼のGF(?)役はTVの「女王の教室」の夏帆ちゃん。透の父役は津田寛治。そして夏帆の父親役は(珍しく毒がない)寺島進。監督は「劇場版 仮面ライダー555」の田崎竜太。


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