2010/1/31

2010年はロケットスタートでした。1月は19本の映画を観ました。
このペースなら年間200本もいけそう!?今回のイチ押しは
伊坂幸太郎の超ベストセラー作品とおバカなフラッシュアニメです。

ゴールデン・スランバー  監督:中村義洋  出演:堺雅人、竹内結子、香川照之
 2010年 日本映画
今週のイチ押し:青柳は久々に友人の森田と会う約束をしていた。学校を卒業して青柳は仙台運送の配達員をしていた。2年前、偶然配達に行った先で強盗に襲われたアイドル凛子を救い、一躍時の人になった・・。車の中で話をしているふたりの後方では、仙台出身の総理大臣の凱旋パレードが行われていた。そして突然の爆発・・・。その直前に森田は青柳に「お前、オズワルドにされるぞ」という警告をしていた。借金で首が回らない森田は何者かに青柳をここに連れて来るよう指示されていたのだ。しかも、爆発の直後、今度は森田の乗った車が火を噴いた。その場にいた警官に追われて無我夢中で逃げる青柳。漫画喫茶で知り合った小梅からの電話で、彼女の家を訪ねたが彼女は不在。テレビをつけて見ると総理大臣の死亡が告げられていた。しかも、爆破された車の近くをラジコンヘリが飛んでいる映像が流れている。そして小梅の部屋には事件で使用されたのと同じラジコンが・・。青柳は小梅とラジコンを使って遊んだ事があった。警察は犯人を青柳と断定し町を封鎖。青柳は袋の鼠状態になってしまう・・
私評:だと思った・・・・ベストセラー作家・伊坂幸太郎の超人気作が映画化された。私は昨年原作を読んで、かなりはまってしまいました。ここ2-3年でどんどん映像化されている伊坂作品ですが、彼の作品って映画向きなんですよね〜。この作品はヒッチコック作品のように主人公が事件に巻き込まれてしまうという展開。逃げ惑いながら出会った人、昔の友人たちを巻き込んで事件はどんどんあらぬ方向へと進んでいく。とにかく展開が早いので、物語がどんどん転がっていき息つく暇もありません。そして所々にまき散らされたユーモアもこの作品の良いところです。いや〜、面白かったです。そして原作を読んだ人には気になるところだと思いますが、ラストの展開は・・・ここでは言えません!!主演は「南極料理人」「クライマーズ・ハイ」の堺雅人。彼はこういう「いかにもイイ人」が似合います。彼の元カノの晴子を演じるのは「黄泉がえり」「サイドカーに犬」の竹内結子、その他、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、柄本明、相武紗季、貫地谷しほりなどなど・・・。監督は「ジェネラル・ルージュの凱旋」「フィッシュ・ストーリー。」の中村義洋
秘密結社鷹の爪 The Movie 3  監督 : FLOGMAN  出演:FLOGMAN、川村ゆきえ、もう中学生
 2010年 日本映画
今週のイチ押し:前作の映画のヒットでリフレッシュ休暇を取った鷹の爪団。しかし、なぜかレオナルド博士だけが戻ってこない。レオナルド博士に液晶テレビを作らせて家賃を払おうと思っていた総統は、団員たちを率いて博士の故郷であるアメリカのテキサス州へと向かった。その頃アメリカのオババ大統領は核と軍事力の放棄を宣言。世界各国で混乱を招いた。レオナルドは故郷でジュリエットという女性と再会を果たしていた。しかし、彼女の後ろには兵器関連の会社の経営者ウォルター・サルドストーンがいた。そして博士は南洋に浮かぶサルドストーンの秘密基地がある孤島へと連れて行かれる。一方の鷹の爪団はテキサスでジョン・ジョロリンという人物と出会う。彼はTTTT(テロ特別対策ったい・・なぜか博多弁??)のエージェント。彼によればサルドストーンは核に替わる兵器を博士に作らせオババ政権の転覆を図っているというが・・・
私評:あいつウンコしておいて、水流してませんよ・・・巷では「アバター」が世界記録を塗り替え、映画業界は3D映画が持て囃されているなか、ベタベタの2Dで、しかもフラッシュアニメという真逆の映画を観てきました。私は「鷹の爪」が好きなんですよね〜。特に戦闘主任の吉田君の大ファンです。今回も遠慮レスで限度レスな悪乗りギャグのオンパレード。笑いました!!そして今回の見所の一つは、こんなフラッシュアニメの中に「Always三丁目の夕日」の監督山崎貴と彼が率いるVFX映像軍団の「白組」が参加。いきなりリアルなCG映像が挿入されたりして、まさに遊び心のオンパレードです。(なんと山崎監督が「鷹の爪」に大ファンなんだそうです)もうひとつの見所は「鷹の爪」ファン約1万人が声優として登場!?(全員による「たーかーのーつーめー」の大合唱)これぞまさに新しい映画の試み、双方向エンターテインメント??おまけにエンドクレジットの歌はイギリスの公開オーディション番組で発掘され話題になった、あのスーザン・ボイルなんです。いや〜、遊び心もここまでくれば「すごい」の一言。監督・脚本・キャラクターデザイン・録音・FLASH・編集・声の出演はFLOGMAN
パラノーマル・アクティビティ  監督 : オーレン・ペリ  出演:ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
The Paranormal Activity  2009年 アメリカ映画
一軒家に住むカップル、ケイティとミカ。しかし、ふたりはこの家の中で何かが起きている事に気付いていた。元々、ケイティの周りでは幼少の頃から不可思議な事が起きている。そこでミカはここで起こっている不可思議な事象を暴くため、私生活のすべてをカメラに収めることにした。肌身離さず執拗にカメラを回し続けるミカ。一方、その事が原因でさらなるおかしなことが起こるのでは?と不安を募らせるケイティ。ケイティはなぜか、そこにいる「何か」は撮影されている事を嫌っているという気がしたのだ。ケイティの忠告に全く耳を貸さないミカは、ふたりの寝室にもカメラを設置し、すべてを録画し続ける。そしてそこには説明のつかない不可思議な映像が映っていた・・・・
私評:もう、カメラを止めて!!・・・製作費わずか135万円で、興行収入1億ドルを稼ぎ出したという話題作。ドキュメンタリータッチの作風はさながら「ブレアウィッチ・プロジェクト」を彷彿させます。実態を見せない何者かが映像の中に見え隠れする。そしてついに・・・。怖いというよりも、お化け屋敷的なドッキリで驚かせる映画です。静寂が続く映像が急に「ドーン!」という大音響で引き裂かれる。ありきたりと言えばありきたりなのですが、低予算の中でなんとか驚かせてやろうというアイデアがたくさん詰まった映画です。しかし、リアリティに欠ける展開はいかにも作り物っぽくて、私はあまり怖さを感じませんでした。特に3本指の足跡は笑いをこらえるのに必死でした。しかし、この映画にはあと2バージョンのエンディングがあるらしいです。きっとDVDには収録されるのでしょうね。出演はまったく無名のふたり。ケイティ役はケイティ・フェザーストーン、そしてミカ役はミカ・スロート。監督はイスラエル出身のオーレン・ペリ。
ラブリーボーン  監督 : ピーター・ジャクソン  出演:シアーシャ・ローナン、マーク・ウォルバーグ
The Lovely Bones  2010年 アメリカ・イギリス・ニュージーランド映画 
14歳の少女、スーザン・サーモンは両親、祖母と妹・弟の6人家族。同じ学校に通うレイに恋をするごく普通の女の子。そんなある日、彼女は学校の帰り道に近所に住むハーヴェイに声を掛けられた。地下に掘られた不思議な空間に魅せられたスーザンは、その中に入っていく。しかし、ハーヴェイは豹変しスーザンを殺害した。そしてスーザンは不思議な世界へと辿り着く。ここが天国なのだろうか?その世界では望みは何でも叶えられる。そしてスーザンはそこから家族の様子を垣間見る。警察はサーモン家を訪れ、殺害現場で発見された毛糸の帽子を差し出す。それはスーザンが行方不明になった朝に、母親のアビゲイルが渡したものだった。そしてその帽子からはおびただしい量の血液が・・。娘を失ったショックから父親のジャックは犯人捜しに奔走、そしてアビゲイルは娘を守れなかった罪悪感から極度の心身症になってしまう。天国で知り合った少女ホーリーに、この世との決別を促されるが、スーザンは遣り残したことを叶えたいと強く念じる・・・・
私評:みんな、お幸せに・・・・世界中で1000万部を売り上げたベストセラーがスティーブン・スピルバーグが製作総指揮、監督は「ロード・オブ・ザ・リング」「キング・コング」のピーター・ジャクソンという夢のようなタッグで映画化された。、私はかなり前からこの映画に期待を寄せていました。美しい天国の映像はファンタジー映画が得意なジャクソン監督の真骨頂。しかし、地上では残酷な映像が繰り広げられる。これは天国に行ってから、さらに精神的な成長を遂げる少女と家族を繋ぐ愛の物語。だけど・・・、確かに面白い映画ではあるのですが、何か物足りない。ガツンとくる衝撃や感動がないまま、だらだらと物語は淡々と進んでいきます。そしてなんとも呆気ないラスト・・。期待しすぎたかな〜・・・。主演は「つぐない」でわずか13歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネートされた期待の新人シアーシャ・ローナン。この映画の中で最大の輝きを見せてくれます。父親役は「ハプニング」のマーク・ウォルバーグ、そして母親役は「コンスタンティン」「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ。おばあちゃん役は「エリザベスタウン」のスーザン・サランドンという超豪華な家族編成。しかし、私が一番注目したのは猟奇殺人犯役のスタンリー・トゥッチ。「プラダを着た悪魔」や「ジュリー&ジュリア」で見せたあのホンワカした役とはまったく異なる恐ろしい殺人鬼を演じます。これが最高の演技でした。
おとうと  監督 : 山田洋次  出演:吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優
 2010年 日本映画 
夫を亡くした吟子は小さな薬局を営みながら、女手一つで娘の小春を育て上げた。そして小春は今日、結婚式を迎える。幸せいっぱいの家族の結婚式に、大阪から吟子の弟の鉄郎がやってくる。彼は役者を目指し小さな旅周りの劇団にいながら破天荒な人生を歩んできた。しかも、かれは小春の名付け親でもあった。しかし、鉄郎は吟子の夫の13回忌の席で酒を飲み過ぎて大暴れをした経緯があった。吟子の兄の庄平から「絶対に酒は飲むな!」と固く言い渡されたにもかかわらず、鉄郎は酒を浴びるように飲んで小春の披露宴をめちゃくちゃにしてしまう。翌日、鉄郎はひっそりと大阪に帰った。その事も要因になり小春は早々に離婚をして家に戻ってきてしまう。そんなある日。大阪から鉄郎の恋人だという女が吟子を訪ねてやってくる。彼女は鉄郎に130万円を貸しているという。仕方なく預金を切り崩して彼女に返金をする吟子。ほどなく、鉄郎が吟子の元へとやってくる。吟子の態度から事の真相を知った鉄郎は2度と会わないと捨て台詞を吐いて家を出ていく。しかし、顔色も悪く咳き込んでいた鉄郎を吟子は気にかけていた・・・・
私評:お姉ちゃん、おおきに・・・・山田洋次監督の久々の現代劇。家族の愛の物語です。どうしようもない弟であっても、血を分けた家族。しかも、吟子は鉄郎の姉であると同時に母親代わりでもあったので、どうしても鉄郎を放り投げる事ができないのですね。映画の中でだけのきれいごとなのかもしれませんが、映画の後半には鉄郎の愚行をすべて許してあげたくなってしまいました。私はこのままだと、家族の誰にも看取られずにこの世を去っていきそうなので、せめて妹と甥っ子には優しくしようと考えてしまいました・・(笑)そして私が心を打たれたのが、生き倒れになった鉄郎が担ぎ込まれる民間のホスピスの人たち。下町人情のようなお話ですが、舞台は大阪の通天閣の近く。山田監督はこんな所で社会への問題定義をしているのでしょうね・・。主演は日本を代表する名女優「母べえ」「北の零年」の吉永小百合。相変わらず美しいです・・。鉄郎役は「ディア・ドクター」「私は貝になりたい」の笑福亭鶴瓶。彼は良い役者ですよね〜。小春役は「百万円と苦虫女」「フラガール」の蒼井優、そして小春の再婚相手に「プール」「それでもボクはやってない」の加瀬亮。その他、ホスピスの職員で小日向文世と石田ゆり子、コミカルなおばあちゃん役で加藤治子らが脇を固めます。監督は「武士の一分」の山田洋次。


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