2005/4/17

今回も面白い映画揃い。どれもイチ押しにしたいくらいです。
しかし、日本映画の面白さがハリウッド作品を押さえてイチ押しになりました。

阿修羅城の瞳  監督:滝田洋二郎  出演:市川染五郎、宮沢りえ、樋口可南子
 2005年 日本映画
今週のイチ押し:江戸時代。江戸の町は暗闇を跋扈する鬼たちが蔓延り、人々は不安を抱えていた。そんな中で「鬼御門」と呼ばれる鬼の征伐隊が組まれた。彼らは容赦なく鬼を斬りまくっていた。「鬼御門」の首領国成延行とその腹心邪空はある日尼僧姿の女鬼、美惨(びさん)と出会う。彼女はまもなく鬼の王「阿修羅」が復活すると予告する。「鬼御門」の一員であった出門(いずも)は今や、江戸の歌舞伎役者として大人気。しかし、彼は5年前の「ある事件」がいつも心を痛めていた。そんなある日、出門は江戸の町を騒がす盗賊団の一員つばきと出会う。この出会いに運命を感じた出門。そしてつばきも出門と出合った日に肩に大きな痣ができ、不思議な縁を感じていた。つばきの肩の痣の事を知った美惨は、大きな野望を抱く邪空をたぶらかし、彼につばきを捕らえよと命ずる。果たしてつばきの正体とは?そして出門との不思議な縁は江戸の町がひっくり返るほどの大事件へと繋がっていく・・
私評:恋をすると鬼になる。それこそ阿修羅・・・・日本映画にハリウッドのSFXを足したような摩訶不思議な世界がこの映画の楽しみ。しかも、日本映画らしい巨大な江戸の町のセットが素晴らしい!そして映画の中に盛り込まれた「鬼」「歌舞伎」はまさに日本の文化。こういう題材がとても好きですね。そして鬼退治のシーンは、「ゾンビ」対「侍」の様相。蛍光色の血飛沫を上げながら、「鬼御門」が鬼たちを斬りまくるところはホラーファンの私も嬉しくなってしまった。しかし、この映画の何よりの見所は市川染五郎と宮沢りえの演技でしょう!染五郎は歌舞伎で培った表現力で、すごい存在感。殺陣のシーンも上手いし、何より台詞回しが素晴らしい。そして今や日本のトップ女優のひとり宮沢りえは、お転婆な少女、恋する妖女、そして神々しいまでの聖女と色々な顔を見せてくれます。本当にすばらしかったです。そして鬼の女を演じる樋口可南子、鬼娘の韓英恵、邪空役の渡辺篤郎、国成役は内藤剛志、そして芝居作家の鶴屋南北役の小日向文世となんともすばらしい面子。監督は「陰陽師」の滝田洋二郎。私は「陰陽師」より遥かに面白かったです!
コンスタンティン  監督 :フランシス・ローレンス  出演:キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ
Constantin  2005年 アメリカ映画
ヘネシー神父の依頼でひとりの男があるアパートにやってきた。彼の名はジョン・コンスタンティン。鬼のような形相で天井にしがみついていた少女。彼女には悪魔がとり憑いていた。壮絶な悪魔払いで、少女から悪霊を退散させたが、ジョンは何か不吉なものを感じ取っていた。彼は少年の頃から黄泉の世界を覗く事ができ、しかもこの世の悪霊を見分ける事もできた。しかし、彼は長年の喫煙が元でガンに冒され余命幾許もなかった。そんなある日、一人の女がビルの屋上から身を投げた。その女の双子の姉妹アンジェラは妹の死を察知していた。そして妹が死ぬ前に監視カメラが押さえた映像を見て、アンジェラはジョンの存在を知る。ジョンは独自の調査で天国と地獄にそれぞれ住む天使と悪魔の間の、ある協定が何者かによって破られようとしている事に気付く。そしてこの世に悪魔を蔓延らせるために、アンジェラを悪魔が狙っていることも。ボロボロになった体をひきずり、悪魔との最後の戦いに出かける。そしてジョンは「裏切り者」の姿に愕然とする・・・・・
私評:神と悪魔が何を賭けたと思う?全人類の魂だ・・・・久々に超ド級のホラーを観ました。今までのホラー映画のテイストをたくさんパクリつつ、一級のエンターテイメント作品に作り上げている。「エクソシスト」「ホワット・ライズ・ビニース」「ゾンビ」「ブレイド」などを見た人はすぐに分かると思いますよ。しかし、今回のストーリーで面白いのが天国と地獄、天使と悪魔の設定です。お互いが「協定」によりこの世への直接の関与を行わない事にしているが、裏切り者が出て、そのバランスが崩れてしまう。ダンテの「神曲」の世界ですよね。そしてやはり「神曲」に登場する悪魔サタン、ルシフェル、そして大天使のガブリエルなどが、登場するのも私的にはすごく面白かった。そしてすごいのが強烈な映像です。中でも虫と蛇で作られた怪物の映像と、予告編でも見られるレイチェル・ワイズが壁を突き破って飛んでいくシーンはすごかったです。主演はどうしても「マトリックス」のネオに見えてしまうキアヌ・リーブス。そしてアンジェラ役は「ハムナプトラ・シリーズ」のレイチェル・ワイズ。そしてルシフェル役でピーター・ストーメアが登場。監督はこれがデビューになるフランシス・ローレンスです。この映画はエンドクレジットのあとに、ステキなシーンがありますので、明かりが点くまで席を立たないように!
ドッジボール  監督:ローソン・マーシャル・サーバー  出演:ヴィンス・ヴォーン、ベン・スティーラー
Dodge Ball: A True Underdog Story  2005年 アメリカ映画
ピーターが営業する「アベレージ・ジョー・スポーツクラブ」は倒産寸前。というのも、ピーターのジムの通りを挟んだ向かいにある、最新鋭の「グロボ・ジム」にお客を根こそぎ獲られてしまったからだ。しかも、グロボ・ジムの経営者のホワイトは「アベレージ・ジョー」の乗っ取りを画策していた。「アベレージ・ジョー」は長年の不払いが祟って、5万ドルの負債を抱えてしまい30日以内の支払いを命ぜられた。ピーターはジムの顧客であり友人でもある仲間たちとなんとか金の工面をしようと、全米ドッジボール大会への出場を決めた。その大会の賞金はちょうど5万ドルだったのだ。奇跡的に地区予選を勝ち残ったピーター一行は、全国大会が行われるラスベガスへと向かった。しかし、そこで彼らの前に立ち塞がったのは、またしてもホワイト。なんと彼は最強のメンバーを従え、コネを使ってこの大会にエントリーしたのだ。そしてピーターの野望を打ち砕き、一気にピーターのジムを乗っ取るつもりだった。しかし、ピーターたちも「ドッジボール会の伝説的プレイヤー」をコーチにして戦いに挑むが・・・・・
私評:こういう映画はハッピー・エンディングで良いんだよ・・・・いまや、全米で大流行らしいドッジボール。私が小学生時代にやっていたドッジボールとはちょっとばかりルールが違うけれど、ボールを相手にぶつけるというのは同じ。こういう題材って大概はスポ根的な作りになってしまうのですが、この映画は全てギャグ。特訓もギャグなら勝負もギャグ。しかし、これでイイのだ!とにかく笑い飛ばしてしまうのです。この映画でマジなのはピーター役のヴィンス・ボーンだけ。あとの面子は全員で笑いを取りに来ます。中でも強烈なのがベン・スティーラー。彼のギャグは本当にドぎついしキワドイネタが多いのですが、これがもう、最高。そしてピーターの仲間たちも変なヤツらばかり。唯一、ホワイトが送った計理士でいつしかピーターのチームに入るクリステリン・テイラーはまとも?ですが、彼女もイイ味出しています。(彼女はベン・スティーラーの奥さん。彼女にあんな事をするなんて・・??)そしてあっと驚く(?)隠れゲストがたくさんいるのでお見逃しなく。いや〜、面白かった!!こういう映画、大好きです!!この映画も最後の最後にベン・スティーラーの強烈なメッセージがあります。
クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ
3分ポッキリ大進撃
 監督:ムトウユージ  声の出演: 矢島晶子、ならはしみき
Creyon Shinchan  2005年 日本映画
野原家に遥か未来からミライマンがやってきた。彼の仕事は時空調整。彼がここに派遣されたのはまもなく地球が滅んでしまうから。時空の歪みから怪獣が何体も現れ、このままでは怪獣が全てを破壊してしまう。ミライマンは野原家のメンバーを3分前の世界に誘い、彼らが望む姿に変身させ怪獣退治をする事にした。しかし、3分以内に怪獣を退治しなければならないのだ。最初は調子に乗って怪獣退治を楽しんでいた野原一家だったが、相手は徐々に強くなっていく。そしてついにはボスキャラの怪獣が・・。すっかり、尻込みをしてしまったひろしとみさえ。しかし、しんのすけは真の正義を貫き通すためにひとり最強の怪獣との戦いに挑んでいく。そしてそんなしんのすけの姿を見て家族全員が立ち上がる。「野原一家ファイアー!」・・・
私評:「アクション仮面!正義ってなーに??」「その答えは自分で出すものだ」・・・クレヨンしんちゃんも毎年恒例で観る映画になっていますが、この映画も毎回楽しませてもらっています。いつもながら「家族愛」を表に出しながら、今回は野原一家が「正義」に目覚めていく。しかし、その「正義」って実は自分の大事な人たちを、そしてその人たちの未来を守るための戦いに繋がっていくのです。つまり、自分の周りの家族や子供を守れない人間に正義なんか守れるわけがないって言うのがこの映画の中心で語られている。けっこう奥が深いんですよ。今回、野原家のみんなは自分たちの理想の正義のヒーローに姿を変え海獣たちと戦うのですが、それぞれのキャラがめちゃ笑えます。ひろしは「マッチョでモッコリ」のヒーローだし、みさえは「キャピキャピでボイン」、そしてひまわり、シロまで・・。果たして彼らの必殺技は???そして今回の特別ゲストは坂井真紀と「ギター侍」こと波太陽区。まあ、多くは語るまい・・。私が今回ビックリしたのはエンドクレジットの歌をR&Bの歌姫AIが歌っていた事。さすがはしんちゃん。おげれつネタも満載です。
MUSK 2  監督:ローレンス・グーターマン  出演:ジェイミー・ケネディ、アラン・カミング
Son Of The Musk  2005年 アメリカ映画
エッジシティの博物館にアヤシイ男が現れた。彼は底に展示してあった「マスク」を手にするがそれは模型。実は彼こそあの「マスク」を作った張本人、災いの神ロキだった。しかし、彼の父親であり最高神であるオーディンの命令により、彼は「マスク」の回収のため、ここにやって来たのだ。エッジシティの郊外に住むティムは愛する妻のトーニャと二人暮し。子供を欲しがるトーニャに今日も迫れたが、アニメーターとして芽が出ない自分は父親にはなれないと、今日も逃げてしまった。ハロウィンの夜、ティムは愛犬のオーティスがどこからか持ってきた緑の「マスク」を着けてしまう。すると彼は、緑色のハイテンション男に変身して、一躍パーティのヒーローになる。そのまま家に帰ったティムはトーニャと熱い夜を過ごしめでたくご懐妊。しかも、トーニャの卵子にたどり着いたのは何やら緑色の精子だった。10ヵ月後、トーニャは玉のような男の子を出産。しかし、この子はトンでもないパワーを秘めていた。そしてロキも彼を追ってやってくる・・・・・
私評:ぼくは君を育てたい・・・・私はジム・キャリーの「マスク」が大好き。また、この役は彼意外にはできないと思っていました。しかも、前作はキャメロン・ディアスの出世作でもあるしね。そんな映画が10年の時を経てスクリーンに帰ってきた。しかも、今回は子供でも楽しめるような作りの映画でした。「性教育」に一躍買っているかも??(甥っ子に質問をされてちょっと困ってしまいました・・)先に述べたように、緑のマスクマン役はどうやってもジム・キャリーには敵わない。ところがこの映画で大活躍するのは「赤ちゃん」!!この赤ん坊がILMの特撮でとんでもない動きをするのですが、それが面白いんです。特撮の技術もここまで来たんですね〜・・。役者陣で名が知れているのはロキ役のアラン・カミングだけ。ちょっとスパイキッズの時の彼とキャラが被りましたが、やはり個性的な役者ですね。ティム役は「スクリーム」シリーズのランディ役が有名なジェイミー・ケネディ。そしてトーニャ役は39歳には到底見えないトレイラー・ハワード。監督は「キャッツ&ドッグス」のローレンス・グーターマン。私が見たのは吹き替え版だったのですが、ココリコの2人とベッキーの吹き替えはなかなかグッドでしたよ!


前回の記事も読んでね〜!



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