2009/1/4

みなさま、明けましておめでとうございます!!本年もよろしくお願いいたします。
2009年も大好きなホラー映画で幕を開けました。はたして今年は何本の
映画を見ることができるのでしょうか???

ミラーズ  監督:アレクサンドル・アジャ  出演:キーファー・サザーランド
Mirrors  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:NYPDのベンは今、最悪の時を過ごしていた。1年前に誤って同僚を撃ち殺してしまいアルコールに溺れ、妻エイミーと子供とは別居中。なんとか妹のアンジェらの家に転がり込んで世話になっている。そんな彼もようやく更生のスタートを切ろうとしていた。彼はメイフラワー・デパートの焼け跡を巡回する警備の仕事に就くことになった。焼け焦げたデパートは事故の時のままで異様な雰囲気。しかも、そこにそびえるように立っている巨大な鏡は、ベンを引き寄せるのだった。しかも、巡回中のベンは有り得ない怪奇現象を目の当たりにする。その時以来、ベンは常に誰かに見られているような不安を抱くようになり、その視線が鏡の中から送られている事に気付く。しかも、彼の前任者はデパート火災に関する記事をベンに送り、謎の死を遂げていた。検視官をしているエイミーの協力で前任者の検視ファイルを見たベンは不思議な事に気付く。しかもその直後、妹のアンジェラが悲惨な状態で発見される・・・
私評:家族を守りたいんだ・・協力してくれ・・・・新年1発目は大好きなホラー映画でスタート。しかも、すごく面白かったです。なんたって、監督は「ハイテンション」「ヒルズ・ハブ・アイズ」でホラー映画の定番ながら、独自の恐怖演出でホラーを盛り上げているアレクサンドル・アジャ。今回もなんとなく見たことがあるような演出なのですが、観ている間中私をドキドキさせてくれました。今回、パクッているのは(たぶん)「さまよう魂たち」「エクソシスト」「13ゴースト」あたりでしょうか?(笑)でも、あの口を○○して殺すシーンは凄かった!!しかも、主演は映画よりTVドラマですっかり有名人になった「24」のキーファー・サザーランド。彼が銃を構えるシーンのたびに、「これはジャック・バウワーだ!」と思ったのは私だけではないはず・・。しかし、最後はどんでん返しの連続でめちゃめちゃ面白かったです!!
ファニーゲーム U.S.A.  監督:ミヒャエル・ハネケ  出演:ナオミ・ワッツ、ティム・ロス
Funny Game US 2007年 アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツ
湖畔の別荘で休日を過ごすために3人の親子ジョージ、アン、そして二人の息子がやってきた。仲の良い隣人の家の前で彼らに声をかけるが、なぜか余所余所しい。そして彼らの傍らには白いシャツに半ズボンの若者が立っていた。隣人は仕事仲間の息子だというポールという青年を連れてやってきた。ポールはヨットを湖に出す手伝いをはじめた。一方、キッチンにいたアンの所へはもう一人の青年ピーターが訪れる。低姿勢ながらもなぜか不快感を煽るピーターに対して、ついにアンはキレてしまう。仲裁に入ったジョージも、あまりに図々しい態度のふたりと口論になり、思わず青年の頬を殴ってしまう。すると次に瞬間、ピーターは近くにあったゴルフのクラブでジョージの足を殴りつけた。ついに青年たちの残忍で冷酷な本性が現れた・・
私評:あと1時間あるじゃないか・・・・この作品の監督ミヒャエル・ハネケは実に不思議な監督です。彼の作品を見るたびに何とも言えない不快感を味わうのですが、次の作品が来ると観に行ってしまう。そしてまた、不快感を土産に劇場を出るのです。しかし、その不快感はとても説得力のある不快で、ただ単に生理的に嫌いというのではないのです。うまく説明ができないのですが・・・。あと、彼の作品を2回は見たくない・・。この作品は1997年にハネケ自身が監督した作品のリメイクです。(しかも、そっくりに作ってあります)それゆえに2回目のトライになるのですが、今回私を動かしたのはエグゼクティブ・プロデューサーにまで名を連ね、この作品の主演も務めるナオミ・ワッツです。彼女の演技力は言うまでもありませんが、今回は本当に体当たりの演技。すごかったです。(彼女は本当に“リメイク作品”によく出ますよね〜。)夫役は曲者役者のティム・ロス。彼が一番普通に見えてしまうのも不思議な感じ。そして「時計じかけのオレンジ」を彷彿させる最狂の青年コンビは「シルク」のマイケル・ピットと「サンダーバード」のブラティ・コーベット。やはり今回も、いや〜な物が心に残りました。これが快感になりそうで怖いです・・。
私は貝になりたい  監督:福澤克雄  出演:中居正広、仲間由紀恵
 2008年 日本映画 
清水豊松は高知の漁港で理髪店を営んでいる。妻の房江と息子の健一の三人で豊かではないが幸せな生活を送っていた。そんな彼の元に召集令状=赤紙が届く。豊松が配属されたのは本土防衛の部隊。彼はそこで過酷な命令を受ける・・。やがて終戦を迎えて、豊松は家族の元に戻る。そして彼は二人目の子供を授かる。そんなある日、豊松は従軍中の事件の戦犯としてMPに逮捕されてしまう。彼は無実を主張するが極めて重い判決が下る。豊松は収監された先の巣鴨プリズンで、囚人たちと交流を持つが、彼らも次々と刑が執行されていく。無実を主張し続ける豊松は同房の囚人の西沢の協力を得てアメリカ大統領に宛てた嘆願書を書き始める。やがて結ばれる共和条約の際に釈放される事を信じながら・・
私評:「帰りたいなー。みんなと一緒に土佐へ」・・・ご存知の方も多いと思いますが、この作品は1958年のテレビシリーズ(1959年に映画化)のリメイクです。もちろんリアルタイムではありませんが、私は映画版を見ていて、強烈なインパクトが残っています。理不尽な力によって死を決定づけられた男。彼が一縷の希望を抱きながら、家族とふたたび暮す事を夢見ながら静かな戦いを続けていく。この作品がオリジナル版の脚本を手がけた橋本忍の手によって、再び21世紀に帰ってきました。まあ、とにかく泣けます。そして虚しさを心に抱きながら劇場を後にしました・・・。主演はSMAPの中居正広。演技は中の下くらいですが、豊松のまっすぐな性格がいい感じで出ていたような気がします。房江役はすっかり演技派女優になった仲間由紀恵。母親役もしっかりこなしています。そして驚きの演技を見せるのが笑福亭鶴瓶。そして憎々しい上官を演じる六平直政が印象的でした。監督はこれが映画デビュー作となる福澤克雄。ラストの手紙は分かっていても号泣です。
チェチェンへ アレクサンドラの旅  監督 :アレクサンドル・ソクローフ  出演:ガリーナ・ヴィシエネツスカヤ
Alexandra  2008年 ロシア映画
ロシア軍の駐屯地に一人の老いた女性が訪れる。この場所には全く不似合な彼女の名はアレクサンドラ。将校としてここに勤務する孫のデニスを訪ねて、ここにやってきたのだ。蒸し暑く、埃っぽいこの駐屯地には若い兵士がたくさん住んでいた。アレクサンドラはいちだんと逞しくなったデニスを愛おしくも思ったが、もし、彼が除隊したら人を殺すこと以外に何ができるのか?と心配になってしまう。じっとしていられない性分のアレクサンドラは駐屯地を歩き回り、そして 外の市場にも足を運んだ。そこで彼女はロシア語が上手なチェチェン人のマリカと出会う。具合が悪くなったアレクサンドラをマリカは優しく労わってくれた。駐屯地に戻ったアレクサンドラはデニスに心の内をすべて吐き出し、涙を見せてしまう・・・・
私評:破壊ばかりで建設はいつ学ぶの??・・・この作品は戦争映画だが、戦闘シーンはまったくない。駐屯地にやってきた異分子のおばあちゃんが、そこで見る物、そして聞く物を淡々と描いた作品です。しかし、この映画には本当に強い反戦のメッセージが込められている。長続きする戦争は何も生み出すことはない。そして破壊されるのは建物やしぜんだけではなく、そこで戦う青年たちの心をも壊していくのだと・・。チェチェンの内紛は今もまだ、続いているのです。主演はロシアの伝説的なオペラ・ソプラノ歌手ガリーナ・ヴィネシネフスカヤ。彼女の短いけれど心に残る印象的なセリフがたくさん登場しますよ。そして監督は日本でも大ヒットした昭和天皇を描いた「太陽」のアレクサンドル・ソクローフ。ロシア人監督の作品はなかなか見る機会がないのですが、彼はドキュメンタリー作品を中心に多くの作品を手掛けています。平和な日本で過ごす私たちには戦争は遠くの国のものですが、今も戦い続けている若者がたちがいる事は忘れてはいけません。
悪夢探偵2  監督 : 塚本晋也  出演:松田龍平、三浦由衣、市川実日子
Nightmare Detectve 2  2008年 日本映画
人の夢に入り込むという特殊能力を持っている影沼京一は「悪夢探偵」と呼ばれている。ある日、彼のもとに雪絵という女子学生がやってくる。彼女は友人の睦美、アキ子と一緒にイタズラのつもりで同級生の菊川夕子を体育館の倉庫に閉じ込めてしまい、その日以来夕子は不登校になっているのだ。その日から雪絵の夢に夕子が現れるのだという。京一は悪いと思うならちゃんと謝れば良いというが・・。一方、京一も彼が子供の時に死んだ母親の夢に悩まされていた。母は極端な怖がりで、自分を取り囲むすべての世界に恐怖を感じていたのだ。彼女はまた、人の心が透けて見えてしまうという能力を持っていたのだ。雪絵の説得で夕子の家にやってきた京一はそこで夕子が描いた絵を発見する。暗黒の闇を思わせるその絵は、京一の母を思わせた。菊川は母親に似ている!そう直感的に思った京一はついに雪絵の夢の中に入る決心をするが・・・・・
私評:あなたを産んでしまってごめんなさい・・・・相変わらずいやだいやだと言いながらも事件に巻き込まれていく悪夢探偵。しかも、今回は彼がどうやって悪夢探偵になっていったかが描かれている。1作目を見た人は必見ですね。しかも、今回の作品は前作より恐怖度が50%増しになっています。でも、この作品の演出なのですが、わざとカメラをすごく揺らすんですよ。あれが私はどうも苦手です。主演はいつまで経っても演技がうまくならない松田龍平。しかし、今回は二人の女優が恐怖を盛り上げてくれます。ひとりは京一の母親役の市川実日子。彼女が怖がるシーンはすごい迫力。しかも・・・??そして雪絵役の三浦由衣ちゃん。ふたりともなんとなく顔も似ているんです。恐怖女優顔??(あまり褒めていないようですが、私は絶賛しているんですよ)そして出番こそ少ないのですが夕子役の韓英恵がいい演技を見せます。そして雪絵の母役で作家の内田春菊が登場。彼女が不思議な存在感を醸し出します。監督は塚本晋也。


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