2002/2/17号

これから春休みに掛けて、またまた注目作が目白押し。3/2公開のハリウッドのヒット映画。
私はこちらに軍配を上げました。

モンスターズ・インク  監督:ピート・ドクター  声の出演:ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル
Monsters, Inc.  2001年 アメリカ映画
モンスター・シティの大企業,モンスター・インクは今日も大忙し。彼らのビジネスは世界中の子どもたちを恐がらせ、その時の悲鳴をエネルギーに変え供給していた。この会社のNo.1はサリーとマイクのコンビ。夜な夜なクロゼットのドアから子供部屋に侵入し,子どもたちを脅かしていた。しかし・・・、本当はモンスターたちもすごく恐がりだった。そして向こうの世界から何かを持ち帰る事は厳禁!ところが、向こうの世界からなんと女の子がこちらの世界に来てしまったから、さあタイヘン!!・・・
私評:ブーってなんだ??イヤ,この子のニックネームさ・・・。 ディズニー映画の大ヒット作。子供にはタイムリーな、そして大人には懐かしい映画でしょう。子供の時に真っ暗な部屋の隅っこが恐かった事ってありますよね。もし,そこに何かがいたら??でも、そこにいる何かがこちらを恐がっていたら??弱虫で恐がりな子どもたちには勇気を与える映画ですね。私もそんな恐がりな子供の時にこの映画を見たかった・・。とにかく「ブー」がめっちゃ可愛くて・・。あの子だからサリーとマイクの心を開いたんでしょうね。映像は、もう文句のつけようがないです。CGも行きつく所まで行っちゃったって感じ。サリーの体毛のフワフワ感やマイクの体のツルツル感まで伝わってくる。そしてクライマックスのドア・チェイスは最高の見所。あのスピード感はすごいですね。そして曲者揃いの声優陣も要チェック。ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタルはもう最高!!そして悪役はS・ブシェミー、マイクの彼女がジェニファー・ティリー、そしてモンスターズ・インクの社長がジェームズ・コバーン。ディズニーも,前作の「アトランティス」の汚名を挽回しましたね!
友へ チング  監督:クァク・キョンテク  主演:ユ・オソン、チャン・ドンゴン
 2001年 韓国映画
1976年、プサン。ヤクザの息子ジュンソク、葬儀屋の息子ドンス、優等生のサンテク、そしてひょうきん者のジュンホは,いつも一緒に遊んでいる仲良し4人組。中学は別々だったものの,高校ではまた4人が一緒になる。しかし、4人は確実に違う未来へと進んでいた。そして、ある暴力事件が元でジュンソクとドンスは高校を退学になってしまう。そして二人は裏社会へと足を踏み入れて行く。しかし、4人の友情は続いていく。そしてまた年月が過ぎ、サンテクは海外へと留学を決意、ジュンホは結婚をする。同じ頃、ジュンソクとドンスは敵対する組織にそれぞれ属していた・・・・。
私評:俺はお前を怨んでなんかいない。俺たちは命令に従うだけだ・・・。「チング」とは韓国語で「親旧」と書き、長く親しい友という意味。これは「義」を重んじる韓国というお国柄がすごく出ている映画だと思った。友情も、すなわち「義」なのでは?友情って私の中では「自分が選んだ奴なら,首を締められても良い」といつも思っています。この映画の4人はまさに、そんな感じがした。しかし、この映画の展開はあまりに悲しい。「チング」のためになにもできない悔しさ、そしてあまりに無力な自分を思い知らされる。片や、時代の流れ、そして社会に馴染めず、行き付くところまで行ってしまったという悔しさを思い知らされるのです。少年時代のあのキラキラしていた毎日。友と過ごした楽しい思い出が多ければ多いほど、この映画のラストは涙が溢れてくるでしょう。そして最近ご無沙汰の昔の友達に電話の一本でも掛けたくなるかも??主演の4人はそれぞれが,すごく良かった。でも、チラシでもHpでも、どの役者がどのキャラクターって書いてないんです・・。特にヤクザになった二人(ジュンソクとドンス)を演じた二人がすごく良かったです。この映画は韓国では「シュリ」「JSA」を抜いたという。
 ロード・オブ・ザ・リング  監督:ピーター・ジャクソン  主演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン
The Load Of The Rings  2001年 アメリカ映画
遥か昔・闇の王サウロンは密かにひつとの指輪を作り出した。その指輪は強大で邪悪な力を秘めていた。しかし、その指輪は1度サウロンの手から離れ、様々な人々の手に渡るが、時を経てついにサウロンはその指輪の居所を突き止めた。彼がふたたび指輪を手にすれば世界は彼の手に落ちてしまうだろう。それを阻止するには「滅びの亀裂」の火口に指輪を投げ込み、破壊する以外に方法はなかった。そして指輪はホビット族の青年、フロドの手に渡る。指輪の恐るべき力を知ったフロドは、8人の仲間と一緒に滅びの亀裂への旅にでる。しかし、サウロンは次々と刺客を送り込むのだった・・・・

私評:ボクが行くよ。この指輪はボクが葬り去る・・・。製作費340億円!!「タイタニック」や「パールハーバー」の倍くらい金が掛かっているんですね〜。まさに、ハリウッドが全世界にその力を見せつけた映画ですね。CGもすごいけど、エキストラの人たち、そして世界中でのロケーション、戦闘シーンも迫力満点!エンターテイメントの粋を集めた作品と言えるでしょう。しかし、前半の説明部分が、かなり駆け足で進み,展開を追いづらい部分があったのですが、これだけの壮大なお話をまとめるには致し方ないか??それにしてもこれだけの濃い内容で3時間をしっかり見させるのだから、やっぱりこの映画はすごい。この映画を一言で言うとRPG映画。「ドラクエ」や「FFシリーズ」のように、次々と敵が現れ最終ダンジョンにはボスキャラがいて・・。いつかはこんな映画のスクリーンでRPGゲームが出切るようになるかな??主演のイライジャ・ウッドは,超はまり役でしたね。そしてイアン・マッケランがまた、素晴らしい!!ちょっとドジでしたが・・・。リヴ・タイラー、ケイト・ブランシェットは共にチョイ役だけど印象的でした。 監督はスプラッターホラー映画の傑作「ブレイン・デッド」、そして若きケイト・ウィンスレットが印象的だった「乙女の祈り」のピーター・ジャクソン!!しかし、物語はまだ1/3しか終わってません。次回作は来年の「2つの塔」,そして3作目は2004年の「王の帰還」です。いまから楽しみです。
コンセント  監督:中原俊  主演:市川実和子、村上淳、つみきみほ、夏八木勲
Concent  2001年 日本映画
株式のフリーライターをしているユキの元に,兄の死を知らせる連絡が入る。しかも,死因は餓死で発見時には体がドロドロに溶けてしまっていた。早速兄の住んでいたアパートに赴くと、そこにはなぜかコンセントが繋がったままの掃除機が・・。その日からユキ自身に変化が起き始める。死んだはずの兄の影が見えたり、そして死期の近い人の匂いを嗅ぎつけるという特殊能力が備わる。そして兄と一緒に見た「世界残酷物語」の中のコンセントが繋がった時だけ動き出すという少年の話を思い出す。ギリギリの精神状態の中で、助けを求め歩くユキ。そしてついに彼女が見つけた答えとは・・・・

私評:自分は自分で治せるって。人の心にはそれだけの力がある・・・。霊現象、精神世界などのバーチャルな世界と、病理、男と女、親子、そして社会というリアルな世界が映画の中で,映像としてすごく上手く融合されている。ちょっと前に本屋に行くといつも平積みにされていた原作本の存在は知っていましたが、内容はまったく知らずに見に行きました。今回,この映画を見ようとしたきっかけは、もちろん原作者の田口ランディに興味があった事、そして監督が「櫻の園」「12人のやさしい日本人」の中原俊であること、そして「アナザ・ヘブン」ですごくい印象的だった市川実和子が主演だったからだ。しかし、映画自体がすごく面白かった。それはこの映画の独特な雰囲気であり、そして市川実和子の魅力。市川実和子って決して美人じゃないけど、(ちょっと魚類っぽい)印象的な演技をするんですよ。それは彼女自身が持つ独特なオーラのようなものかもしれない。アディエマスの不思議なテーマ音楽も耳に残ります。
無問題2  監督: チン・ガーロウ  主演:岡村隆史、ユン・ピョウ、サム・リー、キャンディ・ロー
Moumantai 2  2001年 香港映画
香港映画大好きの健介は、なんとパチンコ屋のプレゼントで香港旅行をゲット。さっそく,やってきた香港で大はしゃぎの健介だったが、殺し屋の無敵と間違われて、いきなりトラブルに巻き込まれる。武術の達人兄弟には殴られ、香港の大企業の遺産相続人の美女由美子に人目ボレしてと大忙し。しかし、その由美子が何者かに誘拐されてしまう。必死に彼女を助けようとした健介だったが,自分の力のなさを思い知らされるのだった・・・・

私評:鳩が飛ぶ、二丁拳銃、宙を舞う、そしてカメハメ〜波〜!!前作の「無問題」は笑いより、ちょっとシリアスさが表に出てしまって,全然面白くなかったのですが、今回は完全にエンターテイメントに徹し見所も満載。香港映画のファンならずとも楽しめるツボがいっぱいありましたよ〜。オープニングから某アクション映画のパクリでJ・〇ー監督が見たら怒りそう。そして香港映画に留まらず,ハリウッド映画までパクリ倒す!岡村は香港映画のテンションにピッタリで、すごく面白かった。運動神経抜群な彼なのでアクションシーンも、けっこう自ら演じています。共演がなんとあのユン・ピョウ!ジャッキー・チェン、サモハン・キンポーと並び香港映画のひと時代を築いたトップスターが、なんでこんな映画に??(失礼・・)しかもけっこうおバカな役なんです・・。日本からヒロインは酒井若菜。しかし、この子って人気があるの??私はどうも・・・???それに引き換え香港側のキャンディ・ローは魅力的でした。まあ、こういう映画は多くを求めなければ,それなりに楽しめるのではないでしょうか?私は2時間近い映画でしたが,最後まで飽きずに楽しめました。
ミスター・ルーキー  監督:井坂聡  主演:長嶋一茂、鶴田真由、橋爪功
Mr. Rookie  2000年 日本映画
200X年、甲子園球場は興奮の坩堝に達していた。最終回の阪神タイガースのピンチにマウンドに上がったのは謎の覆面投手ミスター・ルーキー。強敵東京ガリバーズの4番打者武藤を、予告フォークで三振に切ってとった。しかし、ミスター・ルーキーの素性はまったく分からず、しかも甲子園のマウンドにしか上がらないのだ。実は彼の正体は大原幸嗣。昼は普通のサラリーマンで、妻子と幸せに暮らしていた。しかし,彼は高校時代に肩を壊し野球の夢を1度は捨てた男だった。ところが謎のマッサージ師・楊の治療で肩は回復したのだ。勤務中の仕事の事や妻子の事を考えた上の苦肉の策が、覆面投手だったのだ。彼の活躍で阪神の優勝が見えてきた。果たして結末は・・・・

私評:それなら好きなようにやらせてもらいます。俺は・・・・・!! 阪神ファンが長年夢見ている「優勝」のふた文字。それを映画の中でとはいえ味わえるのだったら、タイガースファンにはタマラナイ映画でしょう。しかし、その助太刀をするのが、ミスター・ジャイアンツの息子,一茂というのは、阪神ファンにとってはどうなんでしょう?巨人ファンの私は映画の中の話なのでなんとも思いませんでしたが・・。実際に甲子園球場をいっぱいにするほどの、エキストラを集めた。(ノーギャラ、弁当なし、交通費も自前というのに・・)この辺りに阪神ファンの底知れぬパワーを感じましたね〜。これで3万人は映画を見に行くでしょう(笑)。主演の一茂が実に良かったです。台詞も上手いし、なにより自然な感じが良いです。そして彼の妻役がなんと鶴田真由。小学生の子供がいる母親役なんです。彼女もそんな役を演じるようになったんですね・・。一人浮いてしまっているのが竹中直人。彼の大阪弁は東京人の私が聞いていても恥ずかしくなるくらい下手でした〜(笑)。監督は「破線のマリス」の井坂聡。これまた,全然違うタイプの映画に挑んだんですね。もしかして,監督自身がタイガースファンなのか??


前回の記事も読んでね〜!



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