2008/5/7

5月7日号の第2弾。こちらのイチ押しは文芸超大作と
元気をもらえるラブストーリー。

つぐない  監督:ジョー・ライト  出演:ジェームズ・マカヴォイ、キーラ・ナイトレイ
Atonement  2007年 イギリス映画
今週のイチ押し:1935年、イギリス。裕福な家庭で育ったブライオニーは将来、作家を夢見る活発な女の子。ある週末、ブライオニーの姉セシリアと庭師の息子ロビーは口論をして花瓶を噴水に落としてしまいそれを拾うためにセシリアは水の中に飛び込んだ。そしてあらわな姿でロビーの前に立ちすくむセシリアを、偶然ブライオニーは見てしまう。セシリアに惹かれていたロビーはその時の事を反省し、一通の手紙をブライオニーに託すが、彼女はその手紙を読んでしまう。しかも、その中の文章は彼の堪えきれない欲望が生々しく書かれていた。しかし、ロビーは手紙をブライオニーに託したことを詫びるためセシリアに会いに行き、この機会が元でふたりは図書室の暗がりで愛し合う。ところがその現場をまたしてもブライオニーに見られてしまう。しかも、ブライオニーはロビーがセシリアを犯していたと勘違いして、彼に対する嫌悪感はピークに達していた。そんな時事件は起こった。家出をした従兄弟の双子を探していた彼らの姉ローラが何者かに襲われたのだ。ブライオニーはその犯人はロビーだと捜査官に証言した。数時間後、家出をしていた双子を見つけたロビーが戻ってくるとそこで待っていたのは警察官だった・・
私評:戻ってきて・・・・上に書いたシノプシスは4部構成になっているこの映画の第1部です。しかも、一夜の出来事。この夜の事件がフックになり、それぞれの登場人物たちの人生に影響を及ぼすのです。しかし、たった一夜の、それもたった一言の虚言によって人生の最後まで狂わされてしまうなんて・・。この映画の主人公であるブライオニーの心がピュアであったからこそ、彼女は生涯その秘密を胸に苦しみぬかなければならなかったのでしょうね・・。私だったらさっさと忘れてしまうかも???そして時代は第2次世界大戦を迎え、さらに彼らの運命を狂わせて行く。そして最後に語られる衝撃の事実にショックを上塗りされかなりブルーになってしまいましたが、この映画の原作のすごさを思い知らされました。これぞ深い人間ドラマです。しかも、これが見事に映像化されているところがまた、すごいです。アカデミー賞作品賞にノミネートされていましたが納得です。セシリア役はこういうシリアスな演技もできるキーラ・ナイトレイ。彼女って美人ではないのですが、存在感がありますね。ロビー役は↓の「ペネロピ」にも出ているジェームズ・マカヴォイ。そして幼いブライオニーを演じたのはオスカー候補になったシアーシャ・ローナンちゃん。彼女の演技もすごいです!監督は「プライドと偏見」のジョー・ライト。
ペネロピ  監督 : マーク・パランスキー  出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ
Penelope  2006年 イギリス映画
今週のイチ押し:社交界でも注目を浴びるウィルハーン家に待望の女の子が産まれた。しかし、彼女は生まれるとすぐに「死んだことに」なり葬儀まで行われた。その理由は・・・、彼女がブタの鼻と耳を持っていたからだった。彼女の名前はペネロピ。実は5代前のラルフ・ウィルハーンは根っからの女好きで使用人の女クララに手を出し身篭らせてしまったのだ。しかし、彼は彼女を捨てて別の女と一緒になった。クララは傷心して自殺。クララの母親は魔女になりウィルハーン家に呪いをかけたのだ。「今度、生まれてくる女の子は・・・」幸い?ウィルハーン家はこれまで男ばかりが産まれていたのだが、5代目にして呪いは引き継がれたのだ。お年頃になったペネロピだったがそんな容姿のため、外を出歩くことはできない。しかし、彼女の呪いを説く唯一の方法は人間の男がペネロピに永遠の愛を誓うことだった・・
私評:ありのままの自分を愛せたら・・・・最初はどうも食指が動かなかったのですが、ネットの評判を見て映画館に足を運びました。ところがこれがうれしい誤算でめちゃめちゃ面白い映画でした。ここまでブタ鼻だとちょっとすごいですが、人間は容姿ではありません。心の寛容さです。私も容姿に自身があるわけではないので、この映画を見終えた後は「ありのままの自分で良いじゃないか!」というなんとも言えない爽快な気分で映画館を後にしました(ある意味、開き直りでもあるのですが・・)ありのままの自分でなければ楽しくないし、生きている意味もないのです。女の子には男以上に訴えるものがあると思いますよ。主演はクリスティーナ・リッチ。ブタの鼻を持っているため鼻から下を隠しているシーンが多いのですが、彼女は目が大きいので、逆にインパクトがあるんですね。そして彼女に助言する不思議な女性役はこの映画の製作もしているオスカー女優、リース・ウィザースプーン。その他「ナルニア国物語」のジェームズ・マカヴォイ、「ホーム・アローン」のキャサリン・オハラらが脇を固めます。監督はこれが長編デビューのマーク・パランスキー。 
スパイダーウィックの謎  監督: マーク・ウォーターズ  出演:フレディ・ハイモア、メアリー・ルイーズ・パーカー
The Spiderwick Chronicles  2008年 アメリカ映画 
森の中の一軒家に一人の男が駆け込んでくる。そして彼は自分が書いた本を急いで封印した・・・。それから80年後、その家に4人家族が越してくる。双子の兄弟ジャレッド、サイモン、姉のマロリー、そして母親のヘレンはこの家の持ち主のアーサー・スパイダーウィックの子孫で、都会を離れ心機一転この森の中の家に越してきたのだ。家にやってきたその日、彼らは壁の中から変な音がするのに気付いた。壁を壊してみるとなんと天井に繋がる穴があり、そこにはアーサーの秘密の部屋があった。ジャレッドはそこにあった怪しい本を見つけた。その表紙には「絶対に開けてはいけない」と書かれていたが、ジャレッドは何のためらいもなく本を開いてしまう。そこにはアーサーが長年にわたって調べ上げた妖精についての記述があり、知りすぎると恐ろしい事が起こると警告が書かれていた。次の日ジャレッドは家に住んでいる妖精のシンブルタックと出会う。彼はその本を開けてしまった事を激怒。すると、醜い妖精”ゴブリン“が彼らの家を襲い始めた・・・・
私評:小鳥を食べたいよ〜・・・GWの超大作の中でちょっと地味な展開をしているのがこの映画。しかし、この映画はめちゃめちゃ面白かったです。ファンタジーでもあり、冒険アドベンチャーでもあるこの映画はどこを切っても面白い。しかも(最近私がよく良い映画の例として取り上げる)上映時間が96分とコンパクトで良いです。そして妖精たちのCGは驚きです。そのファンタスティックな容姿にビックリでした。そしてこの映画はキャスティングも良いんですね〜。主演でしかも双子の2役を演じるのは「チャリチョコ」「ネバーランド」のフレディ・ハイモア。彼は今、最高の子役の一人でしょう!母親役は久々にスクリーンで見たメアリー・ルイーズ・パーカー、アーサー役は「グッドナイト&グッドラック」のデヴィッド・ストラザーン。そして悪の権化マルガラス役はなんとニック・ノルティという超豪華な顔ぶれです。監督はあのリンジー・ローハンの映画を2本も撮った(笑)マーク・ウォーターズ。
名探偵コナン 戦慄の楽譜  監督:山本泰一郎  声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、林原めぐみ
 2008年 日本映画
堂本音楽アカデミーの練習室で、アカデミーの1期生のチェロ奏者とピアノ奏者が美しい旋律を奏でていた。ふたりの演奏を聴いていた川辺奏子が携帯の送信ボタンを押した瞬間爆弾が爆発した。かろうじて奏子だけは命を取り留めるが・・。数日後、コナンは事件現場にいた。そこで彼は飛び散ったピアノの鍵盤を拾う男を見つける。その時、蘭から新一の携帯に電話が入る。新一の声で対応するコナン。それは堂本ホールの柿落としコンサートへの誘いだった。ドイツから移送された由緒あるパイプオルガンを備えた施設で、バイオリンの名器「ストラティバリウス」の演奏も聴けるという。リハーサルに訪れたコナン一行は、バイオリンを弾くはずだった奏子に替わり演奏することになった紫音、そしてソプラノ歌手の秋庭怜子、そしてピアノからパイプオルガンに転向した堂本一揮に出会う。そこで目暮警部は現場でフルートの3つのパートのひとつが見つかった事を話す。しかし、残りの2つの部品が連続殺人の現場に残される事になるとは、誰も気付かなかった・・・・
私評:それに・・彼のことを信用しているから・・・・コナンもついに12作目。今年のGWも他の作品を寄せ付けず、ぶっちぎりの1位を独走中。今回の映画も実に良くできています。ミステリーとしては動機が弱いような気もするのですが、登場人物たちの描き方、そして今回はクラシック音楽との融合が見事に描かれています。まさに、子供から大人まで存分に楽しめる内容でした。最後の謎解きもなかなかのもんです。私的にツボだったのが(私の好きなキャラクターの)灰原愛とコナンの連係プレイ。思わずガッツポーズが出そうでした。()そして忘れてはいけないのが今回の主題歌を歌ったZARDの存在。昨年、惜しくも他界したZARDはコナンのTVシリーズで6曲、映画では3曲の主題歌を提供していました。今回の曲もしみじみとした良い曲でした。監督は第8作目から連投の山本泰一郎。
少林少女  監督 : 本広克行  出演 : 柴咲コウ、仲村トオル、原田佳奈
Shaolin Girl  2008年 日本映画
中国の少林寺で免許皆伝となった少女たちの中に、日本人の凛の姿があった。しかし、師匠たちは彼女の中に秘められた恐るべき力を危惧していた。日本に戻った凛は地元に帰ったが、彼女の祖父が作った道場は荒れ放題。昔、道場に通っていた門下生たちも少林拳を捨ててそれぞれの道を歩んでいた。凛は祖父の門下生で彼女の先生でもある岩井の元を訪ねた。彼も今では中華料理屋のおやじで昔の面影もない。日本で少林拳を普及させたいと望む凛に声を掛けたのは、店で働く中国からの留学生のaaだった。彼女は大学のラクロスを一緒にやることを条件に少林拳を凛から習うことにした。超人的な力を発揮する凛だったが、彼女の異常なパワーは空回り。そう、彼女はチームプレイができないのだ。そんな彼女の力を感じ取ったのは大学の学長の大場。常に最強であることを信念にする彼にとって久々の獲物が現れたのだ・・・・
私評:俺が教えているのは少林の心だ・・・・柴咲コウXチャウ・シンチーX本広監督のトリオで映画ができると聞いて期待度をマックスにして望んだこの映画。しかし、期待度が高すぎたせいかイマイチ乗れなかった私です。決して面白くない映画ではないのですが、期待度200%に対して150%くらいの出来だったような・・・。演出もアクションシーンと本広監督得意の笑いがなんだか噛みあっていなくて・・・。でも、この映画の一番の見所は柴咲コウでしょう!彼女を見られただけで、けっこう大満足なんですよね。しかも、今回はすごいアクションシーンの連続で、しかも彼女自身が演じているのが、またすごい!やはり、彼女はスクリーンで輝く女優ですね。そして仲村トオル、江口洋介、岡村隆史もアクションシーンを披露してくれます。そして私個人が注目したのは(私の仕事でもちょっとお付き合いがある)原田佳奈。凛の大学のラクロス部の一員です。(背番号3)これはまったく個人的な思い入れですが・・。そしてチャウ・シンチー映画の常連ティン・カイマン、ラム・チーチョンはなんだか無駄なキャスティングだったような・・・。あとは、この映画の中でブルース・リーの映画のオマージュ的な映像が多数出てきますので、彼のファンは2度おいしいかも??
クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ
金矛(きんぽこ)の勇者
 監督:本郷みつる  出演:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治
 2008年 日本映画
闇の世界「ドン・クラーイ」では、地球と「ドン・クラーイ」の扉を選ばれし者に開けさせ地球を闇で覆いつくす計画が進んでいた。しんのすけはテレビで見たアクション仮面の新しい武器「アクションソード」のおもちゃを買ってもらいご機嫌。しかし、家に帰って箱を開けるとなんと中身は物差し・・。次の日、しんのすけはシロにそっくりの黒い犬を見つける。なんとか家で飼ってもらうことになった。その夜、しんのすけは夜中に目を覚ました。外に出てみると景色は一変していた。そして怪しい男が声を掛けてきたが、なんとかしんのすけはダッシュで家に逃げ帰った。次の日の夜はきれいなおねいさんが扉の前に立っていた。きれいでボインのおねいさんのお願いを聞いて、レンタルビデオ屋の扉のボタンを押すと・・・、そこにあったはず店もおねいさんも消えていた。それはドン・クラーイと地球の扉のボタンだったのだ・・・・
私評:ふーいん・ふーいん・ボイン・ボイン〜!!・・・・クレヨンしんちゃんの映画もついに16作品目。8年間連続で、劇場で見ています。(もちろん甥っ子と一緒)しかし、今回の作品はイマイチでした。話もイマイチ、ギャグもイマイチ。普段だと私が見ていても結構笑えるのですが、今回は2−3回クスリと笑えただけ。それと私的には野原家以外のメンバーの活躍が少なかった事も不満かな。まさお君にはもう少し役を与えてほしかったです。()しかし・・、ラストのしんのすけの活躍でポイントアップ!!ちょっとだけ感動しました。今回の特別ゲストは小島よしお。ちょっと旬を過ぎてしまいましたよね・・。今ならエドはるみでしょう!そしていつも気になるエンドクレジットの歌はなんと!DJオズマ!!例の紅白歌合戦の事件以来鳴りを潜めていた彼が・・・。これが結構良い曲なんですよ。監督は1−4作目の監督で久々に復帰した本郷みつる。


前回の記事も読んでね〜!



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