2009/12/6

インフルエンザで週末だというのに映画館に行けない私・・。
たまったレビューを放出です。
イチ押しは松本清張ミステリーの傑作

ゼロの焦点  監督:犬童一心  出演:広末涼子、中谷美紀、木村多江
 2009年 日本映画
今週のイチ押し:鵜原禎子は仕事で金沢に向かう夫の憲一を駅で見送った。禎子と憲一は1週間前に結婚したばかり。しかし、謎が多い憲一にはまだまだ知らない部分がたくさんあった。しかし、帰宅の予定日を過ぎても憲一は帰ってこなかった。金沢から送られてきた荷物に入っていた2枚の写真。単身、金沢に向かった禎子は夫の勤め先の本多と憲一の足跡を追う事に。しかし、彼が住んでいた下宿は1年半前に引き払われていた。次にふたりは憲一が懇意にしていたという室田耐火煉瓦会社の社長の室田を訪ねた。そこで禎子はスラング交じりの英語を話す受付嬢に違和感を抱く。そして室田の妻、佐知子とも出会う。彼女は女性初の市長候補を支援する快活な女性だった。彼女の屋敷に招待された禎子は、憲一から送られてきた1枚の写真がこの屋敷の写真である事に気付く。そして禎子を追って金沢に来た憲一の兄、宗太郎が何者かによって毒殺されてしまう・・
私評:あなたは私の夢を奪った・・・・松本清張は日本を代表するミステリー作家のひとり。彼のミステリーはトリックやアリバイ崩しも楽しいのですが、その中に深く刻み込まれた人間ドラマが秀逸です。名作「砂の器」や「点と線」、そして昨年TVドラマで話題になった「黒革の手帳」などは、私の大好きなミステリーです。そして今回は「松本清張生誕100年」という事でこの作品が作られた。原作は高校生の時に読了。このミステリーの質の高さをどれだけ映像化できるかが、私の「焦点」でした。正直、あまり期待していなかったのですが、これが素晴らしい展開。とにかく3人の主演女優が、まさに「火花を散らす」競演をしているのです。鵜原禎子役は「おくりびと」の広末涼子、佐知子役は「嫌われ松子の生涯「自虐の詩」の中谷美紀、そして受付嬢の田沼久子役は「ぐるりのこと。」の木村多江という超豪華な顔ぶれ。この3人が3様に女のドラマを魅せます!!もちろん、ミステリーとしても心行くまで堪能できます。共演陣は西島秀俊、加賀丈史。監督は「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心。
ニュームーン/トワイライト・サーガ  監督 : クリス・ワイツ  出演 : クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン
The Twilight Saga : New Moon  2009年 アメリカ映画
ある日、ベラはヴァンパイアの恋人エドワードの家に呼ばれた。その席でプレゼントの封を切ろうとしたベラは指を切ってしまう。滴る血にヴァンパイア一族のジャスパーが理性を失い、ベラに襲いかかるが間一髪、エドワードによって彼女は守られた。しかし、その事件はエドワードに大きな衝撃を与えた。そしてベラのために、彼女の元を去る事を決意する。エドワードを失ったベラは抜け殻のようになってしまい、寝ても覚めても彼の幻を追ってしまう。そんな彼女に優しく接してくれたのは友人のジェイコブだった。彼の励ましで少しずつ元気を取り戻していくベラ。しかし、ジェイコブの身にとんでもない事が起きてしまう。彼はヴァンパイアの宿敵、オオカミ族の末裔だったのだ。一方、エドワードは断崖から飛び降りたベラが死んだと勘違いし、自らの命を断とうとするが・・・・
私評:バカな事をしないと誓ってくれ・・・この映画の原作は世界中でベストセラーになっている「恋愛小説のバイブル」的な作品。それゆえに熱狂的なファンも多く、アメリカでは初日の売り上げが、あの「ダークナイト」を越えてしまったというのだからすごい!しかし・・、日本はそれほどヒートアップした感はなく、私が見た2日目の日曜日も空席が目立っていた。1作目の「トワイライト/初恋」が公開されたとき、私はヴァンパイア映画という事でホラー的な内容を期待していたのですが、これはラブストーリーです。しかも、今までの常識を覆した「種族を越えた愛」。ある意味、究極の障害がベラとエドワードの前には立ち塞がっているのですが・・・・。そして今回、ヴァンパイアの宿敵の狼男が登場。しかも、その両種族の男に愛されてしまうベラって・・・??主演は前作に引き続き「ゴーストハウス」「パニック・ルーム」のクリステン・スチュワートソン、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のロバート・パティンソン、「シャークボーイ&マグマガール」のテイラー・ロートナー、そして「宇宙戦争」のダコタ・ファンニング。その他にも若手の注目株が続々登場。中でも、私が注目しているのがアリス役のアシュレイ・グリーンです。監督は「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のクリス・ワイツ。
曲がれ!スプーン  監督 : 本広克行  出演:長澤まさみ、三宅弘城、諏訪雅
 2009年 日本映画 
クリスマス・イヴの京都。そこにひっそりと営業している「カフェ・De・念力」と喫茶店に次々と男たちが集まってくる。なんと、彼らはみんなエスパーでここに超能力を持っていた。そして年に1度の集いで心行くまでその力を披露しあうエスパー・パーティーが開かれるのだ。そこに神田というひとりの男がやってくる。彼はエスパーではなく、狭いところを通り抜けられる、ただの「細い男」だった。しかも、彼は超常現象バラエティ番組のADの桜井米とこの喫茶店で待ち合わせをしていたのだ。エスパーたちは自分たちの力がばれないように、右往左往の大パニック。そんな時、透視能力を持つ男が米の名刺入れの中でクモを発見。それはどうやら、この取材の前に寄った男のところで使った猛毒を持つクモのようだ。しかし、透視で発見したとは口が裂けても言えない。男たちはあの手この手で米の名刺入れを手に入れようとするが・・・・
私評:エスパレッソって・・誤植にしか見えないでしょう・・・・ヨーロッパ企画の人気舞台ドラマが映画化された。彼らのもう一つの舞台「サマー・タイムマシーン・ブルース」も映画化されたけど、この作品ともちょっとシンクロしているところがあるので、「サマー・・」を見た事がある人はちょっと笑えるかも??実は私、けっこう「サマー・タイムマシーン・ブルース」が好きなんですよ・・。舞台のドラマだけあって、ストーリーの大半がカフェの中で進んでいきます。そしてなんとも愛らしいエスパーたちが笑わせてくれます!!空いている映画館の中で私の笑い声がこだましてしまいました。ラストの展開はちょっと無理があったけど、まあ良いでしょう!?クリスマスを前に、こんなゆるいファンタジー作品もグッドです!とにかくこの映画はキャスティングが最高です!主演はドジでキュートなAD役を溌剌と演じる「世界の中心で愛をさけぶ」の長澤まさみ。いや〜、可愛いです!!エスパー軍団を演じるのは小劇団で活躍を続ける男たち。彼らの演技&リアクションがとにかく笑えます。その他に、脇役で寺島進、ユースケ・サンタマリア、平田満、甲本雅裕らが登場。監督は「踊る大捜査線 the Movie」の「UDON」の本広克行。
ビッグ・バグズ・パニック  監督 : カイル・ランキン  出演 : クリス・マークエット、レイ・ワイズ
Big Bugs Panic  2009年 アメリカ映画
グータラ社員のクーパーはその日、上司から首を言い渡された。その直後、耳をつんざく不快な音が・・・。気が付くとクーパーは繭にすっぽり包まれていた。なんとか、外に出たクーパーはその目を疑った。会社の同僚はみんな繭に包まれてしまっていた。女上司を繭から救出すると、彼女は娘のサラが迎えに来ているという。サラを救出したクーパーの目の前で、上司は巨大な羽虫に連れ去られてしまう。建物に戻り、繭に包まれた同僚を何人か救出したふたりは、仲間たちと地下シェルターがあるというクーパーの実家に向かう事に。その途中で寄った金髪美女シンディの家で、彼らはとんでもない物をみてしまう。それは体から、昆虫の脚を生やしたシンディの兄の変わり果てた姿だった。道中でサラに恋心をいただき始めたクーパー。しかし、今度はサラが羽虫に連れ去られてしまう・・
私評:ちょっとチビっちゃった・・・・こういうB級映画大好きです。昆虫がいっぱい出てきますが、大きいとあまりグロテスクに見えないから虫嫌いの方もご安心を??しかし、この映画の面白いところは予告編でほとんど見る事が出来ます(笑)。プラスαで楽しみたい方は劇場にGO!しかし、この映画はパニックサスペンスというよりはコメディ映画です。そしてこういう映画にはお決まりのタンクトップの巨乳美女(しかも、ヌード付き)も楽しめます。これは予告編にはありませんので・・(笑)主演は「フレディVSジェイソン」等で脇役を重ねるクリス・マークエット、サラ役はTVシリーズ「4400」のブルック・ネヴィン、そしてクーパーの父親役で「ツイン・ピークス」のローラ・パーマーの父親を演じたレイ・ワイズが出演しています。監督はカイル・ランキン。
笑う警官

 監督 : 角川春樹

 出演:大森南朋、松雪泰子、宮迫博之
 2009年 日本映画
札幌市内で女性の他殺体が発見された。現場に向かったのは所轄の刑事町田と岩井は通報によって現場に駆け付け、被害者が北海道警の水村巡査であることを確認する。しかし、その直後北海道警らキャリア組が続々と現場に到着。しかし、あまりに早い動きに町田と岩井は不信感を抱いた。通報からわずか5時間後、道警は水村殺害の被疑者が、彼女の元恋人である津久井巡査部長と断定。しかも、津久井に対しては逮捕命令ではなく射殺命令が下される。一連の道警の動きに不審を抱いた佐伯は、署の有志を近場のバー「ブラックバード」に召集した。実は翌日、北海道警が組織ぐるみで架空の領収書を偽装し、捜査費や報償費の大部分を裏金化しているという疑惑に対し、現役警官が証言台に立つ「百条委員会」が行われることになっていた。その証人はなんと津久井だった。津久井の無実を信じる刑事たちは独自の調査を開始。ふたたび、被害者宅を訪ねた町田とベテラン刑事の植村は、部屋から液晶テレビがなくなっている事を突き止める。やがて、テレビを盗んだ犯人は特定されるが・・・・
私評:どう考えても早すぎる・・・佐々木譲のベストセラー小説が映画化された。実はこの作品もすでに小説を読んでいました。ところが、映画っていうのは小説にない粋なフレイバーを加味できるのです。それは「JAZZ」。映画の作り自体がハードボイルドな「カサブランカ」みたいな雰囲気の作品。作品はタイムリミットがある、ドキドキの展開なのですが、その中にうまく音楽が取り入れられているのです。しかし、ラストシーンはあまりにカッコつけすぎで、私は引いてしまいました。(どんなシーンかはお確かめください)主演は原作者のお墨付き、「ヴァイブレータ」の大森南朋、彼と行動を共にする女性刑事役は「フラガール」の松雪泰子、津久井役は“雨上がり決死隊”の宮迫博之、若い刑事役で忍成修吾。監督は久々にメガホンをとった「男たちの大和」の角川春樹。映画に出たがりの角川氏は今回も役者としても出演しています。うまくはありませんが・・


前回の記事も読んでね〜!



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