2006/9/3

あっという間に9月になってしまいましたが、思うように映画館に行けません。
まだまだ、見たい映画がいっぱいあるのですが・・・。今回のイチ押しは
ウディ・アレンの渾身作と、お約束のホラー映画です。

マッチポイント  監督:ウディ・アレン  出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン
Match Point  2005年 イギリス・アメリカ映画
今週のイチ押し:クリスは元はプロテニスプレイヤーだったが、今はレッスンプロ。しかし、彼には「幸運」が味方していた。新しいテニスクラブで彼は大金持ちのトムと仲良しになる。そしてトムの妹クロエと出会い恋に落ち、そして結婚。トムの父親の会社に就職して、幹部候補になったクリスはまさに人生の最高の時間を過ごしていた。しかし、彼の中で気になる存在がトムの婚約者のノラだった。一目会った時から、彼女に惹かれていた。そしてついにノラと関係を持ってしまう。トムとの婚約を解消して一度は姿を消したノラだったが、運命は再びふたりを巡り会わせる。再会でブレーキが利かなくなったクリスは彼女との愛欲の日々に溺れていく。しかし、妻のクロエにも愛情を感じているクリスは「愛」と「愛欲」の狭間でもがき苦しむ。しかし、ノラの妊娠が明らかになりクリスは人生を左右する大きな計画を実行することに・・・
私評:私って男を夢中にさせる女。決して後悔させない・・・ウディ・アレンの新作はいつものユーモアがほとんどない、かなりシリアスなラブ・ストーリーです。順風満帆な人生で図に乗った若者が、その勢いで自分を追い込んでしまう。そんな彼をゲームのマッチポイントで待ち受けていたものは??とにかく最初から最後まで計算され尽くした作品です。会話の妙はウディならではという感じですが、主要の4人のキャラクターが見事なまでに役と合っていました。主演のジョナサン・リース・マイヤーズはまさに完璧。若さゆえか、おいしいふたつの料理に同時に手を出してトラブルを抱え込んでしまうキャラクターの苦悩を見事に演じています。そして「セックスの女神」に見えたスカーレット・ヨハンソン!!彼女は演技力もお墨付きですが、とにかくセクシー。ウディ・アレンが惚れるのも無理ないか??そしてクロエ役は「スクリーム3」(DVDを見て彼女を確認しました!)のエミリー・モーティマ。スカーレット嬢とは対極のお嬢様役で目を惹きつけます。ウディ・アレンの映画は当たりハズレが大きいのですが、これは大当たり映画。やはり彼が出演品映画の方が、良い映画のような気がするのですが・・・。
 監督:ウォン・シニョン  出演:チェ・ミンソ、ユソン
 2005年 韓国映画
今週のイチ押し:不治の病で死期が迫っているスヒョンは科学治療のために髪の毛が全て抜け落ちてしまう。そんな妹を思って姉のジヒョンは長髪の鬘(かつら)をプレゼントする。しかし、その鬘には不思議な力が宿っていた。鬘を着けたスヒョンは別人のように魅惑的で美しい女性に変身するのだ。しかも、治らないと思っていた病も鬘をつけている間は嘘のように改善してしまう。信じられないくらい豹変してしまう妹に、動揺を隠せないジヒョン。しかも、スヒョンはかつてのジヒョンの恋人を誘惑し始める。そんな時、ジヒョンは交通事故に遭い声を失ってしまう。妹の異変の原因が、自分の送った鬘にあるということに気付いたジヒョンは鬘の秘密を探りはじめる。そこにはあまり悲しい過去があった。しかも、そこには鬘とスヒョンの意外な因果が・・
私評:そんなに私が怖い??・・・韓国ホラーは妙にリアルで好きですね〜。しかも、韓国映画特有の大袈裟な演出がホラーにはピッタリなのです。今回の題材になっている「鬘」ってなんだか怖いですよね。日本映画でもよく題材として使われる髪の毛ですが、今回は訳ありの鬘が人を惑わし操るというなんとも恐ろしい話。これは男性用かつらだとコメディになりそうですが女性の話しとなると、めちゃめちゃ怖い。「髪は女の命」というしね・・。この映画では貞子や伽耶子みたいなキャラも出てくるのですが、いちばん怖いのは鬘を着けて豹変するスヒョン・・。そのスヒョンを演じるのは「亡国のイージス」の女戦士を演じたチェ・ミンソ。この映画のためにスキンヘッドにして挑みました。そして姉役はユソン。途中から声が出なくなる彼女は、声を出さずに悲しみや恐怖を演じるシーンが多いのですが見事に演じています。この姉妹の愛情もこの映画の見所。けっこうグッと来ちゃいました。監督はこの映画が長編デビューのウォン・シニョン。
時をかける少女  監督:細田守  声の出演:仲里依紗、石田卓也
 2006年 日本映画

高校2年生の真琴はごく普通の女の子。変わっているところといえばふたりの親友が千昭、功介という男の子だということ。彼女は3人で遊ぶのが大好きだった。そんなある日、彼女はブレーキの壊れた自転車で踏み切りに突っ込み、あわや電車とぶつかりそうになるが、その瞬間過去にジャンプしてしまう。そして何事もなかったかのように、もう一度同じ時間を過ごしていく。叔母に相談するとそれは「タイムリープ」といい年頃の女の子にはよくある事だという・・。半信半疑だった真琴もその力の使い方を憶えると、なんども過去にジャンプして自分の失敗を修正したり楽しい時間を何倍も過ごしたりした。そんな時、親友の千昭、功介との関係に変化が現れる。なんと千昭から告白をされたのだ。しかし、真琴はタイムリープを使って、その告白をなかったことにしてしまう。タイムリープを使えば使うほど、状況がややこしくなってしくのだが・・・

私評:ないないないない!そんなの絶対普通じゃないって!・・・「時をかける少女」といえば私の中では原田知世版がいちばんだと思っていたので、アニメ版は遠慮していたのですが、巷のすごい評価を耳にして映画館に行ってきました。すると平日だというのに(夜ですが)映画館は満席!ビックリでしたが、映画を見て納得しました。アニメ版は筒井康隆の原作とは違う作品なのですが、これがまた実に面白いシナリオ。まずは、主人公のキャラクターが全然違うんですね。アニメ版は元気いっぱいのお転婆な女の子。(しかし、原作版の主人公の和子が真琴の叔母役で登場しています。オリジナル版で未来から来た恋人と別れた彼女がどうなったのかは知りたいところですよね!?)途中まではハイテンションで、笑いもいっぱいだったのですが、後半はセンチメンタルなシーンで涙がボロボロ・・。アニメだからこそ描けるシーンも多いので、アニメ版として映画化したのは正解でしたね。それにしてもこの映画を映画館で見れて良かったです。
花田少年史 幽霊と秘密のトンネル  監督:水田信生  出演:須賀健太、篠原涼子、西村雅彦
 2006年 日本映画

小さな港町のワンパク少年花田一路は、友人の壮太と遊んでいる最中にトラックに跳ねられ危篤状態になってしまう。その時壮太は幽体離脱をして天から降り注ぐ不思議な光に向かって飛んでいこうとするが、セーラー服の少女に地上に連れ戻される。九死に一生を得た一路はその時以来、不思議な力を身につけてしまう。それは幽霊の姿が見えるという欲しくない力だった。一路を救った少女の香取聖子も幽霊のひとりだった。一路の近所に住むばあさんも死ぬ間際に彼に犬の世話を依頼しにやってきた。そのばあさんの通夜の席で一路の父親は漁師たちと口論を始めた。父親の過去にあった事とはいったい??そして自分を一路の父親だと名乗る幽霊も現れる。ますます父親に不審を抱く一路。そして一路はスリルいっぱいのひと夏を送ることに・・・

私評:これがポルターガイストよ・・・予告編に魅せられ劇場に行った私ですが、これがまた面白かった!かなりコメディ色が強い作品なのですが、ホロリとさせるシーンもあってまさに日本映画の王道を行く作品でした。しかし、この映画のいちばんの見所は一路を演じる須賀健太君の演技です。「Always3丁目の夕日」で印象的な演技を見せた彼が元気いっぱいの少年を好演。マンガのキャラクターともピッタリなんですよ。とんでもない悪戯もするけど、どこか憎めない。かつて男の子だったおじさんたちも納得の「健康優良児」ですね。そしてビックリしたのが彼の母親役の篠原涼子!最近よくスクリーンで見る彼女ですが、この映画のぶっ飛び母親役は本当にはまり役でした。その他、西村雅彦、北村一輝、安藤希、もたいまさこなどなど個性的な役者が良い感じでスクリーンに溶け込んでいます。夏休みに家族みんなで楽しめる。そんな映画でした。監督は『池中玄太80キロ』の水田信生。

UDON  監督:本広克行  出演:ユースケ・サンタマリア、小西真奈美
 2006年 日本映画
うどん製麺所の息子の香助は家業を継ぐことを拒んで単身NYでコメディアンを目指すが、結果は散々。借金を背負って故郷へと帰ってきた。そんな彼を故郷の人たちは優しく迎え入れた。しかし、彼の父親だけは香助をはねつけた。そんなある日、母親の墓参りに出かけた香助は霧の中でガス欠になって立ち往生してしまうが、偶然通りかかった地元情報誌の新人編集者の恭子と出会う。方向音痴の彼女も道に迷っていたのだ。彼女の車に乗り込んだ香助だったが、なんと彼女の車は崖から真っ逆さま!幸い命拾いしたふたりは歩いて帰路を探すが、方向音痴の恭子のナビでますます深みに・・。なんとか家屋を見つけた二人を出迎えたのはうどん屋のおばあちゃんだった。そこでふたりは「UDON」という食材の、底知れない美味しさと一緒に感動も食するのだった。香助は友人の章介の紹介でタウン誌の職を得る。そこで彼は地元香川の名物であるうどんの紹介をするコラムを思いつくが、これが大ヒットとなる。彼らの紹介するうどんを求めて、日本各地から続々と人が集まり始めた・・・・
私評:終わらない祭りはあらへんからな・・・踊る大走査線のスタッフが再集結し作ったのがこの映画。うどんというなんとも地味ながらも日本人の誰もが知っている食材を、ドラマチックにとりあげ一本の映画にしている。とにかくこの映画を見るとうどんが食べたくなります。映画に出てくるうどんが美味そうなのなんのって・・・。まさにこの映画はうどんのプロモーション映画。うどんがブームになって盛り上がる辺りまではめちゃめちゃ面白かったのですが、途中からなんとも在り来たりな展開になってしまいちょっと残念でした。「踊るシリーズ」ではお決まりの「某映画のパクリシーン」は今回も健在。ぜひ、見つけ出してください。主演は「交渉人 真下正義」のユースケ・サンタマリア。バラエティの彼は嫌いなのですが、本広監督作品の彼は良い味を出します!ヒロインにはテレビに映画に大活躍の小西真奈美。ちょっと「ブリッ子」(死語ですか??)すぎる彼女に退いてしまったのは私だけでしょうか??そしてウルフルズのトータス松本が予想外に良い芝居をしています。その他鈴木京香、小日向文世、要潤などが脇を固めます。暇つぶしにはもってこいの映画かもしれません??
スーパーマン リターンズ  監督:ブライアン・シンガー  出演:ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース
Superman Returns  2006年 アメリカ映画
自分探しの旅に出ていたスーパーマンこと、クラーク・ケントが5年ぶりに地球に戻ってきた。地球での育ての親マーサはそんなクラークを優しく迎え入れた。そして再びデイリープラネット社に戻ったクラークはそこで最愛の女性、ロイス・レインと再会を果たす。しかし、彼女はすでに婚約者がいてふたりの間に子供がいた。彼が不在の間に地球には犯罪が溢れ、彼が捕まえた宿敵レックス・ルーサーはまんまと脱獄に成功していた。再び、地球所での犯罪の撲滅、そして人命救助に立ち上がったスーパーマンだったが、レックス・ルーサーはスーパーマンのルーツを辿り、とんでもない計画を進めていた。そして全人類を脅かす事件が起こった時、彼は空からやってきた・・・・
私評:世界にヒーローは要らない。私にも・・・あのテーマ曲に乗ってスーパーマンが帰ってきた。今作はその続編になります。そのため前作も最低でも「1」だけは観ておきましょう。(できれば「2」も・・。「3」は私的には超がつくほどの駄作なので・・・)。前作では描ききれなかったすごい映像も、21世紀のCG技術が加わりさらにパワーアップ。そして宿敵レックス・ルーサーが仕掛ける罠も超度級です。2時間30分の長い映画ですが、その間私はワクワクしっぱなし。スーパーマンを再び大画面で見れたことが、すごく嬉しかったです。スーパーマン役は新人のブランドン・ラウス。今は亡き、前スーパーマン役のクリストファー・リーブ同様、無名の新人を起用したことが今回も良い方に作用したみたいです。ロイス・レイン役は「ブルークラッシュ」「ビヨンド・the・シー」のケイト・ボスワース。彼女はどんな役でも見事に演じきりますね。そして彼女の婚約者リチャード役は「Xメン」シリーズのサイクロプスで有名なジェイムズ・マーズデン。そしてレックス・ルーサー役はなんと、あのケビン・スペイシー!スキンヘッドが気にならなかったのは私だけ??コミカルさと迫力を両方持つ悪役なのですが、ケビンの演技には脱帽です。そして監督は「Xメン」の最終シリーズを蹴ってまでこの作品を選んだブライアン・シンガー。アメリカでは大ヒットでしたが、日本は寂しい数字になってしまいましたね・・。


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る