2004/1/11

2004年も快調に飛ばしています。今週のイチ押しは
最高のラブ・ストーリー。恋するって素晴らしい〜♪

ラブ・アクチュアリー  監督:リチャード・カーティス  出演:ヒュー・グラント、コリン・ファース、ローラ・リニー
Love Actually  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ダウンニング10番街に1台の車が到着した。車から降りてきたのは若かりし新総理大臣のデヴィッド。彼の初仕事はアメリカの大統領との会談だった。今回は波風立てずに、穏健な会談にしようと心に決めいていた。彼にはちょっと気になる女性がいた。ちょっとドジだけどカワイイ秘書のナタリーだった。執務中も彼女の事が気になって手につかない。そしてついにアメリカ大統領が訪英した。官邸にやってきた大統領は強気の発言を連発。デヴィッドはちょっとビビリ気味。しかし、デヴィッドがちょっと部屋を空けた間になんと大統領はナタリーにちょっかいを出していた。穏健に済ますはずだった記者会見で、デヴィッドはアメリカに向けてガツンと強い指摘をした。国民は大喜びだったが、デヴィッドとナタリーの仲は・・・・
私評:こういう時にはケイトとレオに聞いてみよう・・・上に書いたシノプシスはこの映画の中に描かれたたくさんの物語のたったひとつ。クリスマスを迎えるロンドン、そしてフランスでいくつものラブストーリーが語られます。全てがハッピーなオチではないのですが、エピソードの全てが愛すべき内容で、彼らがここ一番の勝負を賭ける時には、心の中で大声で応援していました。思い切り笑えるし、思い切り泣けるし、そして思い切り感動。映画が終わったあとは誰もがハッピーな気分を持ち帰れる事をお約束します。誰が主演というわけではなく、誰もが主演のこの映画、登場人物は首相役のヒュー・グラント、優しいお父さんのリーアム・ニーソン、ポルトガル人の娘に恋するコリン・ファース、長年の片思いにケリをつけられるか?ローラ・リニー、女性部下に誘惑されたじたじのアラン・リックマン、そしてその妻はエマ・トンプソン、もう絶品の美しさのキーラ・ナイトレイ、初恋のために一直線のトーマス・サングスター、謎の店員役のローワン・アトキンソン、アメリカ大統領はビリー・ボブ、落ちぶれたロックスターのビル・ナイ・・・。こんな贅沢な映画、他にはありません。早くも今年の上位入選確実の映画です!!恋するって、素晴らしい〜♪
ジョゼと虎と魚たち 監督:犬童一心  出演:妻夫木聡、池脇千鶴、
Josee, the tiger and the fish  2003年 日本映画
深夜の雀荘でバイトをする恒夫は、店の客たちの会話を耳にする。謎の老婆がボロボロの乳母車を押して早朝の町を徘徊している。乳母車の中身は一体何なのかで色々な意見が飛び交っていた。その日の朝、恒夫は店長の犬の散歩をしていると、坂道を乳母車がすごいスピードで落ちてきてガードレールに激突した、恐る恐る中を覗き込むと中には一人の少女がいた。そして坂の上には老婆が・・。二人を家まで送り届けた恒夫は朝食をご馳走になった。少女は足が不自由だった。名前を尋ねると「ジョゼ」だという。それは彼女が好きなサガンの小説の主人公の名前だった。世間から身を隠すように生きてきたジョゼに、なんとなく興味を持った恒夫はこの家を頻繁に訪れるようになる。しかし、日中にジョゼを連れ出した事で老婆の怒りを買った恒夫は、もう二度と来るなと釘を刺される。数ヵ月後、就職活動をしていた恒夫は老婆が死に、ジョゼが一人で暮らしていることを知る。居ても立ってもいられなくなった恒夫はジョゼを訪ねるが・・・・
私評:「帰れ!帰れって言われて帰るような奴は、はよ帰れ!!・・・嘘や・・・おって」・・・この変わったタイトルからは想像もつかないような純愛物語でした。ほろ苦い恋愛を経験した事がある人なら、この二人の物語にはまる事を請け負います。恒夫とジョゼの出会い、恋愛中の至福の時、そしてあっけない別れを淡々と描きながらも、なぜかとても愛しく、そして懐かしい思いが心の中にどんどん溢れ出てきた。恒夫の気持ちもジョゼの気持ちも痛いほど理解できるから、嬉しかったり、辛かったり・・。決してハッピーエンドじゃないけど、見終えた後は爽やかな一陣の風が心の中を通り過ぎたようでした。主演の二人はもう、この二人以外は考えられないくらい適役だった妻夫木聡と池脇千鶴。彼らの自然な演技は物語に私を引き込み、釘付けにした。そして二人をとても素晴らしいと思った。特に池脇千鶴は最高でしたね。彼女はやっぱり大阪弁のシュールな女の子が似合う。監督は「金髪の草原」の犬童一心。原作は田辺聖子です。
半落ち 監督:佐々部清  出演:寺尾聰、原田美恵子、柴田恭平、樹木希林
Han ochi  2004年 日本映画
現役の警察官の梶聡一郎が警察に自首してきた。彼はアルツハイマー病の自分の妻を絞殺したという。妻のために刑事を辞め警察学校の指導者として尊敬を集めてきた梶。彼を最初に取り調べたのは志木。妻の殺人ついては認めたものの、犯行から自首まで2日間が経っており、その間のことについては硬く口を閉ざしたままだった。まさに「半落ち」の状態だった。警察の上部は誘導尋問で捏造した事実で取り繕う事を志木に命令する。しかし、捏造された文章は検事の佐瀬に見透かされてしまう。ここで警察と検事局の軋轢が生まれる。そして事件を追う新聞社、梶の弁護を引き受けた植村などが、次々と梶の人生を一皮ずつ剥いていく。7年前に白血病で亡くしたこと、そして愛妻のアルツハイマーの状況。そんな時、梶が新宿の歌舞伎町に行っていたという情報が流れる・・・・
私評:私が殺してといったら、あなたは殺してくれますか??・・・いつだったか、何かの映画のレビューで同じ事を書きましたが、「悪行」と「愛情」って紙一重のときがありますよね。日本では「尊厳死」は認められていないので、この作品では「嘱託殺人」という言われ方をしています。しかし、実際に自分がその立場に立ったときどういう行動をとるだろうか?この作品の中で犯人の梶が裁判で「妻が壊れていく」という表現をしたとき、判事の吉岡秀隆が「人間が壊れるというのはどういうことですか!?」と問い返すシーンがあるのですが、何ともやるせない気分になった。「アルツハイマー病」ってまさに人間を壊す病気なんですね。自分の愛している妻が目の前で壊れていく。「せめて人間であるうちに死にたい」とせがまれたら・・・。私はどういう行動に出るか分かりません。悪いと分かっていても・・・。この映画を見ながら、考えてみてください。しかし、この物語の梶はただ殺しただけではないのです。それは映画、または原作でお確かめください。犯人役の梶は、もうこの人以外は考えられない寺尾聰。完璧です。そして柴田恭平、原田美恵子、鶴田真由、井原剛志、國村隼、樹木希林など、鉄壁の演技陣。原作とはちょっと違ったアプローチになっている箇所が多々ありますが、それは映画用ということで・・・。
アンテナ 監督:熊切和嘉  出演:加瀬亮、小林明実、麻丘めぐみ
Antenna  2004年 日本映画
大学生の祐一郎は幼い頃に妹の真里江が失踪したという過去を持っていた。いまだに彼女は行方不明のままであった。そんなある日、テレビのニュースが監禁されていた少女が助けられたという事件を報道した。真里江の失踪以来、アヤシイ宗教にのめり込み情緒も不安定だった母親は「あれは真里江に違いない!」と狂喜乱舞。しかし、それは別の事件だった。時を同じくして祐一郎の弟の祐弥が「真里江が帰ってくる」と言い出し狂ったように暴れだした。病院に監禁された弟は回復をしていくが、退院時に自分は今後、真里江として生きると告げ、母親が買い集めていた女の子の服に着替えた。一方、祐一郎は真里江の失踪の責任の一端が自分にあることに対して、長年にわたって苦しみ続けていた。そして今回の事件は更に彼の心を掻き回す。しかし、大学の研究のためにと訪れたSMクラブの女王ナオミの前で、彼は身も心も裸にされてしまう。そしてずっと心に溜めていた鬱積が一気に吐き出される・・・
私評:お兄ちゃんのアンテナも伸びてきたみたいだね・・・。この映画を見ようと思った一番の理由は原作が田口ランディだからだ。彼女の長編第2作目にあたるこの作品は、すでに小説を読んでいたのですが、あまりに突拍子もない物語をどう映像化するのか、とても楽しみでした。しかし、監督の熊切和嘉はすごく上手に物語をまとめ上げていました。しかし、基本的には原作とはテーマが違う。精神の開放という部分は原作のとおりなのですが、兄弟の精神的な成長みたいな部分は映画独特の演出でした。それにしても祐一郎がナオミの前で辱めを受けながら、徐々に内面の闇を曝け出すところの演出は見事だった。祐一郎を演じるのは加瀬亮。彼の血管がぶち切れそうな叫びは印象的でした。そしてナオミを演じるのが小林明実。(「パーティ7」のねーちゃん)彼女ってめちゃめちゃキレイです。あんな美女に調教されてみたい〜・・(嘘です)。そしてとても美しいと思えたのが祐弥役の木崎大輔。ソプラノボイスの少年はなんだか作り物のようだった。そして母親役は元アイドル麻丘めぐみ。そして昔の失踪事件からこの家族を追うリポーター役は宇崎竜童という渋〜い配役。最後にこの映画の「アンテナ」とは「人間が持つ、真実を知るための力」みたいなもの。特殊能力ですね。
アイデン&ティティ 監督:田口トモロヲ  出演:峯田和信、麻生久美子、中村獅童
Iden & Tity  2003年 日本映画
「悪魔とドライブ」というヒット曲が出て、めでたくメジャー入りしたロックバンドの「Speed Way」。しかし、一曲のヒットだけで、彼らの生活が変わることはなかった。しかも、ロックブームが去り彼らが音楽の世界でひとり立ちするのは極めて難しい状況。そんな中でもバンドの中心人物、ギターの中島はロックのスピリッツをしっかりと心に植えつけていた。しかし、彼はいつも「売れる音楽」と「やりたい音楽」の狭間で悩んでいた。そんな時、中島の前に「(ボブ)・ディラン」の幻が現れる。そして彼の心に問いかけてくる。バンド仲間との確執、レコード会社との対立などで、Speed Wayはほとんど崩壊状態。しかも、ボーカルのジョニーが別れた女に刺されてしまう。自分自身を見失いそうになった中島を支えたのは恋人の「彼女」だった。そんな時、TV出演の仕事が舞い込んでくる。それはブームが去ったロックを懐かしむ番組で、ブームの中で脚光浴びたバンドが揃った。しかし、中島には当時のヒット曲「悪魔とドライブ」を歌う気持ちはまったくなかった・・
私評:こんなのロックじゃねーよ!!・・・・・好きな事をいつまでもやりとおす事は幸せな事でしょう。この映画の題材は「ロック」だけど、音楽でも、スポーツでも、その他の趣味でも、自分の好きな事で飯を食っている人は本当に一握り。私も音楽をやっていたけど、いつしかミュージシャンの道を諦め、社会に流されるようにサラリーマンになった。でも、当時の仲間でいまだに音楽家になる夢を追いながら頑張っているヤツもいます。羨ましい気持ちもあるのですが、自分の中ではそういう物ってどこかを境に「趣味」に置き換えなければいけないものだという考えがあるんですよ。もちろん、いつまでも夢を追える人はそれでいい。でも、私はそういう部分ではオチこぼれた。この映画を見ていてバンドを解散した時の事を思い出しました。あの時はみんなで「青春は終わった!」って泣きながら酒を呑んだっけ・・。Speed Wayの4人は峯田和信、中村獅童、大森南朋、マギーの4人。彼は良い感じでした〜。しかし、私の目を釘付けにしたのは「彼女」役の麻生久美子。シュールな女を好演!!脚本は超売れっ子の宮藤官九郎。相変わらず「熱いセリフ」が多いです。そして監督はあの曲者役者田口トモロヲ。熱いロック魂を奮い立たせろ!!
タイムライン  監督 : リチャード・ドナー  出演:ポール・ウォーカー、フランシス・オコナー
Timeline  2003年 アメリカ映画
ニューメキシコで一人の男が発見された。病院に担ぎ込まれたが彼は死亡。しかし、彼は体中の臓器が「ずれて」いた。そんな彼を引き取りにきたのは巨大企業ITCの男。証拠を残すなという指示に従い・・・。時を同じくしてフランス南西部で発掘をする一行があった。彼らが発見した部屋から驚くべきものが発見された。それはHELPと書かれたメモとメガネ。しかし、そこは600年前の遺跡だった。しかも、それはつい先日ITCに出かけた歴史学者であり、この発掘チームを率いていた教授のものだった。ITCに連絡を取るとさっそく迎えがやってきて、チームのメンバーをITCの研究所へと招いた。そこで彼らが見たのは巨大な転送装置だった。物質を他の場所に転送する装置が偶然時間のねじれ(ワームホール)を発見し、その穴は600年前のフランスへと繋がっていたのだ。教授は600年前のフランスで助けを求めている。発掘チームのメンバーは教授を助けるために自ら時間を遡る旅に出た・・・・
私評:行け〜、俺はこの時代に生きる・・・・タイムトラベルもののアクションってなんとなく話も見えそうで、しかもアメリカでの評判も流れてこなかったので、不安をいっぱい抱えて見に行ったのですが、さすがはマイケル・クライトン!彼が原作を書いただけあって、かなりリアルな映画になっていました。まず、タイムマシーンの原理が面白い。偶然の産物だったとはいえ、その理論はすごく面白かったです。そして100年戦争の真っ只中のフランスに注目したのも正解でしたね。フランス軍とイギリス軍の戦いはすごい迫力で、アクション映画としてもすごく面白かったです。「投石器」なんかすごくリアルだった。しかし、ストーリーはどこかで見たことのあるような内容で、帰還時間との戦いがあったり、時を越えた恋愛があったりするのですが、なんとなくオチは見えてしまう。でも、そんな粗を差し置いても十分楽しめる作品でした。2時間の上映時間中、ひと時もスクリーンから目が離せませんでした。主演は「ワイルド・スピード」のポール・ウォーカー。そして「A.I.」のお母さん役が印象的だったフランシス・オコナー。監督はアクション映画ならお任せの「リーサル・ウエポン」シリーズのリチャード・ドナー。損はさせません!!
ドラキュリア2 監督:パトリック・ルシエ  出演:ジェイソン・スコット・リー、ジェイソン・ロンドン
Dracurlea 2  2002年 アメリカ映画
前作で朝日に晒され燃え尽きたドラキュリアの遺体が医大の死体安置所に運ばれてきた。医学生のエリザベスはさっそく遺体を解剖するが、不思議なことに内臓が真っ白。もしかしてヴァンパイア?そう思った彼女は牙を確かめようとする。すると、鋭い犬歯が彼女の指に突き刺さった。そして彼女の血が遺体の皮膚に垂れると、その部分だけが活性化し始める。エリザベスは恋人のロウル教授にその事を告げると、彼は実験をするので、彼の叔父の持ち物である廃墟に遺体を運ぶよう支持する。医学生たちが集まり、遺体を血液の風呂につけると、なんと死んだはずのドラキュリアが復活を果たした。しかし、そこに現れた謎の男の持つ「太陽光線」により捕らえられ、銀の鎖で繋がれる。ロウルは彼の血液から不死の薬を作ろうとしていたのだ。時を同じくしてヨーロッパから一人男がこの町に現れた。彼の名はユフィジ神父。彼の使命はヴァンパイアの撲滅だった。しかし、ドラキュリアは徐々に力を回復しつつあった・・・・・
私評:これは救済なのだ・・・・前作「ドラキュリア」の続編ではあるのですが、この映画単体でも面白いのでは??途中がちょっとダルイのですが、なかなかのホラー映画でした。とにかく今回は血の量が多い。まあ、ドラキュラ映画なので仕方ないか・・。そして今回の見所はヴァンパイア・ハンターとドラキュリアの戦いです。ご存知のとおり、ヴァンパイアに噛まれると、その人もヴァンパイアになってしまうので、敵がどんどん増えていく。それらと戦う神父役はジェイソン・スコット・リー。彼のアクションは迫力がありました。そして彼の師匠役の枢機卿役で登場するのがロイ・シャイダー。すっかりおじいさんになってしまった・・・。しかし、「ドラキュリア」は全部で3作になるそうです。つまり、次が完結編。パート2がヒットしてないのに、パート3はできるのでしょうか?


前回の記事も読んでね〜!



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