2003/10/5号

今週見た映画は、どれもイチ押しにしたいくらい。でも、ホラーファンの私は
やっぱりこの作品がイチ押しです。

フレディ vs ジェイソン  監督:ロニー・ユー  出演:ロバート・イングランド、ケン・カージンガー
Freddy vs Jason  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:10年前、エルム街を恐怖のどん底に陥れた男、フレディ・クルーガー。しかし、今や彼は過去の伝説となり、エルム街の子供たちは彼の存在さえ知らなかった。それは大人たちが夢をコントロールする術を知ったからだった。自己中心的なサイコのフレディにとってそれは耐えられない苦痛だった。そこで彼が思いついたのは、もうひとりの殺人鬼ジェイソン・ボーヒーズを利用することだった。冷たい墓の下で眠っていたジェイソンはフレディによって甦りを果たし、エルム街を恐怖のどん底に陥れる。そしてその事件は人々のフレディの存在をも思い起こさせたのだ。しかし、ジェイソンはフレディの手を離れ、一人暴走を始める。そしてついに夢の世界と現実の世界で、二人の"超"殺人鬼たちが、お互いの存亡を賭け戦いを開始する・・・・。
私評:どうして死なないんだ〜!!!いい加減に死ね!!・・・ついに実現したホラー界の大御所フレディとジェイソンがガチンコ勝負!これはホラー映画ファンなるずとも必見でしょう。オープニングで「エルム街の悪夢のテーマ」が流れた瞬間、嬉しくて鳥肌が立ちました(これは私だけか)。エルム街でジェイソンが暴れているというシーンや、クリスタル・レイクにフレディがいるだけでなんだかワクワクしてしまいました。しかも、今回のジェイソンはかなり凶暴です。いつも大鉈で一撃必殺の彼が、今回はグサグサ。それに引き換え相変わらずコミカルなフレディ(笑)。クライマックス二人の戦いのシーンはすごいです。なんたって、どちらも不死身なんですからね(笑)。お互いに致命傷を負うほどの一発を喰らっても立ち上がってくるんです。もう、笑っちゃうしかないです。しかし、私はやっぱりジェイソンの方が好きだ。そんなわけで映画を見ている間も心の中ではジェイソンを応援していた私。果たして勝負の行方は・・・。今回はフレディ役のロバート・イングランドが火傷を負う前の顔を披露します。監督は「チャッキーの花嫁」のロニー・ユー。めちゃ面白かったよ〜!
ロッカーズ  監督:陣内孝則  出演:中村俊介、玉木宏、上原美佐
Rockers  2003年 日本映画
今週のイチ押し:ロッカーズのボーカル、ジンは家を継がない親不孝者と言われ親父と大喧嘩。しかも、ギターを焼かれてしまったジンは今後、ボーカル一本で行くと宣言する。しかし、4人のバンドはどうしても音が薄い。そこで彼らは新しいギタリストを募集する。そこに登場したのがタニだった。彼のギターはロッカーズに欠けていたパワーを秘めていた。福岡の町で、少しずつ頭角を現してきたロッカーズ。最初はガラガラだったライブハウスも、いつの間にか満席にするほどの人気者になった。(なぜか、ステージにはパンティーが投げ入れられた)彼らはプロを目指し練習に励んでいたが、ついにチャンスが巡ってくる。西日本地区のロックコンテストへの参加だ。ところがタニは目の病を抱えており、手術をすることに。どうしてもコンテストに出場するという谷を断腸の思いでクビにするジン。しかし、タニのいないロッカーズは不安だらけだった。そしてついにコンテストの日がやってくる・・・。
私評:「バンドを作った理由はなんですか??」「世界平和でーす!!」・・・・陣内孝則の自伝的な映画です。それゆえこの物語は全て実話なのです。しかし、あの陣内孝則が監督した作品という事で、技量的にどうか?という疑問があったのですが、映画が始まってすぐにそんな不安は払拭されました。この映画は気持ちが良いくらいの直球勝負の映画です。変な小細工はない。とにかく弾けるような青春映画なのです。しかも、音楽を通した青春ということで、私はめちゃめちゃ彼らの世界に引きずり込まれてしまいました。いや〜!最高でした。しびれました。久々に私のロック魂に火がつきました。そして久々にギターを引っ張り出してしまいました(笑)。主演のジンを演じるのは中村俊介。彼って本当に色々な役ができるんですよね。しかも、カッコ良いでしょう。しかもしかも、この映画の歌は彼自身が歌っているんです。(サントラ買いました!!)そしてタニを演じるのは玉木宏。彼がまたカッコ良いんだ〜!!そして佐藤隆太、塚本高史、玉山鉄二というフレッシュな面子。そして強烈なゲスト陣を見逃すな!小泉今日子、麻生祐未、佐藤浩市、鈴木京香、中井貴一、モト冬樹、八嶋智人、白竜、大杉漣・・・。もちろん、陣内の兄貴もコミカルに登場します。あ〜、こういう映画は大好きです〜!!
サンダーパンツ!  監督 :ピーター・ヒューイット  出演:ルパート・グリント、ブルース・クック
Thunderpants!  2002年 イギリス映画
パトリック・スマッシュはお母さんのお腹から出る時、子宮の中で「オナラ」をしてそのガスの勢いで飛び出した。医者は彼をナイスキャッチした。その時家族は幸せの絶頂だった。しかし、彼の「オナラ」が家族をバラバラにしてしまう。父親は出て行き、母親はアル中になり、姉はぐれてしまう。すべてかれの「オナラ」が原因だった。そんな彼も学校に行く歳になる。しかし、「オナラ」ばかりしている彼はいじめられっ子になってしまう。そんな彼の事を唯一理解してくれるのはアラン。彼は嗅覚がまったくないのでパトリックの「オナラ」も平気だった。パトリックの長年のコンプレックスを解消するため、アランは「オナラ」をランチボックスに吸収する「サンダーパンツ1号」を開発する。そしてアランは「オナラ」のパワーで飛行コンテストでも優勝!しかし、そんなある日、急にアランが姿を消してしまう。落ち込むパトリックの前に現れたのは世界No.2のオペラ歌手。どうしても出すことができない高音をパトリックのオナラが奏でることができるのを知り、パトリックと世界を旅することにしたのだ。パトリックはアランを探しながら旅を続ける・・・・。
私評:今日は僕の人生の中で最高の日・・・・めちゃマンガチックな話です。なんとも朗らかな笑いを提供してくれる映画でした。しかし、この映画はしっかりしたテーマを持っています。それは「人間は個性が必要」だということ。人より秀でるのではなく、個々の個性を生かすことが大切。もしかしたら、その個性というのは自分が一番コンプレックスに感じていることかもしれない・・・。パトリックの場合は「オナラ」をコンプレックスから最強の武器に変え、そしてヒーローになっていくのです。そしてもうひとつのテーマは「友情」ですね。パトリックとアランの友情は、見事に描かれています。パトリックを演じるのは、まったく無名の少年。そしてアランを演じるのは「ハリー・ポッター」シリーズのロン役で有名なルパート・グリント。彼らを追い回すサングラスの男に「デュエット」のポール・ジアマッティ。しかし、長いこと生きてきましたが「オナラ」で感動したのは初めてです。珍しい経験をしました。でもきっと、クライマックスのパトリックの演説で涙する人はたくさんいるはず・・・。
私は「うつ依存症」の女  監督 :エリーク・ショルビャルグ  出演:クリスティーナ・リッチ、ジェシカ・ラング
PROZAC NATION  2001年 アメリカ・ドイツ映画
1986年。リジーはライターになるためハーバード大学に通い始める。魅力的で才能に溢れた彼女はルビーという親友ができ、無事にロスト・バージンも果たし未来は明るく開けていると思えた。しかし、彼女は「うつ」という病気を抱えていた。母親の異常なまでの期待、そして父親との確執などが彼女の心を少しずつ蝕んでいたのだ。順風満帆だった彼女のカレッジライフにも、少しずつ陰りが見え始める。ルビーとの喧嘩、突然の父親の訪問、母親のお節介などが、ふたたび彼女を「うつ」の世界へと誘う。そしてリジーはドラッグへと走ってしまう。身も心もボロボロになったリジーは精神科医のスターリングを訪ねる・・・・。
私評:知的な美女を目指しましょう。華やかでセクシーに・・・素晴らしい映画でした。ひとえにこの映画の良さは出演者の演技です。まずはクリスティーナ・リッチです。自分の中でどんどん壊れていく自分を自覚しながらも、なす術がなく堕落していく主人公を演じているのですが、この演技は凄まじいまでにリアル。そして彼女は自分の周りの人たちまで不幸に巻き込んでいくのです。彼女はどうしても「アダムス・ファミリー」のウェンディーのイメージが強かったのですが、もう大人の女ですね。そして彼女の母親を演じるジェシカ・ラングがまたすごい。彼女も自分の娘の幸せを願いながらも、ままならない自分に対してヒステリックになっていくのですが、その演技たるや壮絶です。対照的なのが冷静な精神科医を演じるアン・ヘッシュ。この3人の演技はまさにアカデミー級です。私はこの映画の原作を読んでいたので、リジーの「うつ」をどうやって映像化するのかに興味を持っていたのですが、これがまた素晴らしかったです。リジーの周りの世界だけが別の動きをしていたり、彼女の輪郭が微妙にピントがずれたりすることによりリジーの微妙な心の動きを表現しています。原題にあるPROZACとは抗うつ剤の名前です。この薬によってリジーは自分を少しずつ取り戻していくのです。この映画も実話なんですよ。
ロボコン  監督:古厩智之  出演:長澤まさみ、小栗旬、伊藤淳史、塚本高史
Robo-Con  2003年 日本映画
里美は工専に通う女子高生。しかし、成績は惨憺たるもので毎日をダラダラと送っていた。これでは1ヶ月居残り確定?しかし、担任の図師先生は里美にロボット部に入ってロボット・コンテスト(略してロボコン)に出場する事を条件に居残りを免除した。彼女の高校には2つのロボット部があったが、彼女が配属になったのは第2ロボット部だった。そこは第1ロボット部からオチこぼれた3人の部だった。しぶしぶ入部をした里美だったが地方大会では初戦で惨敗。第1ロボット部からはバカにされ、里美は悔しさを噛み締めた。しかし、奇跡が起きた。審査員の推薦でなんと第2ロボット部が全国大会への切符を手にしたのだ。しかし、部内のチームワークは最悪。ロボコンまでの3週間で彼らは実績を残せるのか??・・・。
私評:先生、私やります。勝ちたいんです!・・・・青春だね〜。私の高校時代はバスケット部と自分が組んでいたバンドが全てで、毎日がとても忙しかった。でも、振り返ってみるとそれは私の青春時代の最高の思い出なんですね。無我夢中であんなにも好きなことに打ち込めたというのは、とても幸せな事だったと思います。そんな高校時代を思い出させてくれたのが、このロボコンです。まあ、お話はミエミエなのですが私はとても好きな映画。中でも最高に良かったのが主演の長澤まさみちゃんです。彼女を「クロスファイア」で見たときはほんの子供だったですが、すっかり大きくなってしまった。しかも、めちゃ足が長い!!そしてあの笑顔が良いですね〜。私はすっかりファンになってしまいました。そして部員の小栗旬、伊藤淳史、塚本高史がそれぞれすごく良い味を出しています。彼らの心の成長がこの映画のテーマです。そして第1ロボット部のキャプテンの荒川良々が笑わせてくれました。元気が欲しい人にはオススメの映画です。監督は「まぶだち」の古厩智之です。


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