2007/11/25

書き溜めていたレビューを一気放出?
今回の一押しは私の大好きなコミックの映画化。
ホロリときます・・

自虐の詩  監督:堤幸彦  出演:中谷美紀、阿部寛、西田敏行
 2007年 日本映画
今週のイチ押し:大阪通天閣の近くの古びたアパートに住むイサオと幸江の夫婦。今日もイサオがちゃぶ台をひっくり返す音が響く。イサオは無口な乱暴者で大酒飲みで、しかもギャンブル狂。彼らの隣に住んでいる大家のおばちゃんから別れを勧められるし、幸江が勤めている食堂のマスターからはプロポーズされるが幸江はイサオと一緒にいられるだけで幸せだった。そんな時、塀の向こうから幸江の父親が帰ってくる。ソープランドで食堂のマスターと知り合ったのを縁に食堂に居候することになった父親。しかし、彼もどうしようもない男だった。そんなある日、幸江は妊娠していることを知る。喜んでイサオに報告する幸江。しかし、イサオは黙って家を出て行ってしまう・・
私評:あんた〜!!・・・・「自虐の歌」は元々4コマ漫画。しかし、これがめちゃめちゃ感動的なんです。どんなに虐げられても、金をふんだくられても・・、幸江の強烈な「愛」に圧倒されっぱなし。しかし、そんな気持ちをイサオもちゃんと分かっているんですね。私はこの漫画が大好きで何度か読み返しています。それが実写化されると聞いてかなり期待していました。唯一、的外れだったのが幸江を演じる中谷美紀が美人すぎる事。(でも、彼女の演技は最高でした・・)私の中の幸江は「ハリセンボン」の箕輪タイプなんですよね〜。しかし、残りのキャラクターはピッタリでした。中でもイサオ役の阿部寛(結婚おめでとう!)はオリジナルのキャラ以上に素晴らしかった!!そして原作の中で私が好きなエピソードである幸江の学生時代の熊本さんというぶっ細工な女の子との友情が、映画では見事に描かれていて嬉しかったです。大人になった熊本さんをアジャ・コングが、これまたピッタリ。その他の共演はカルーセル麻紀、西田敏行、遠藤憲一、竜雷太。監督はやっぱり天才の堤幸彦。
ALWAYS 続・三丁目の夕日  監督:山崎貴  出演:吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子
 2007年 日本映画
昭和34年の東京。黙って去っていったヒロミの事を想い続ける茶川は淳之介とふたりで何とか暮らしていた。しかし、彼の元にふたたび実の父親である川渕が訪れる。人並みの生活を約束した茶川は一念奮起して芥川賞を狙うべく小説を書き始める。そして彼の作品がなんと最終選考に残った・・・。鈴木オートには美加という少女がやってくる。裕福な家庭に育った彼女だったが父親の事業が失敗。父親の仕事が一段落するまで鈴木オートに居候することになったのだ。しかし、ブルジョワ育ちの彼女に一般市民の生活は・・。六子の元に一緒に上京してきた武雄がやってくる。彼はコックになるために修行をしているはずだったがどうやら危ない稼業に足を踏み入れたらしいが・・。そしてついに芥川賞の発表に日がやってきた・・・・
私評:一番うれしいときに、誰に隣にいて欲しいんだ・・・今回はこの映画を母と見に行きました。昭和34年と言えば母はまだ独身で、自由が丘の映画館に勤務していた。そして東京タワーにも幼い妹を2人連れてなんとハイヒールで階段を登ったそうです。映画を見終えた後、当時の東京の話で母は大興奮。良い親孝行になりました??映画の方は相変わらず「懐かしさ」と一緒に、何とも言えないほのぼのした雰囲気を運んできてくれました。東京にもまだこんなに「土」があったんだ・・なんて、変な感動もしてしまった。しかし、私的には正直1作目の方が面白かった。1作目の流れでなんとなくストーリーが読めてしまうというのが今回の作品の弱さかもしれません。しかし、それがど真ん中の直球勝負で、不覚にも2回も泣いてしまった私。隣に母がいたからけっこう気張ったつもりなんですけど・・。出演は前作同様、堤真一、吉岡秀隆、堀北真希、薬師丸ひろ子、もたいまさこ、三浦友和、小日向文世、そして小雪。せっかくだから私が生まれた昭和37年版も作って欲しいと思います(笑)監督も前作同様山崎貴。
モーテル  監督:ニムロッド・アーントル  出演:ケイト・ベッキンセール、ルーク・ウィルソン
Vacancy  2007年 アメリカ映画
夜中の道路を疾走する1台の車。運転席のデビッドと助手席のエイミーは離婚を控えた夫婦。彼らは最愛の一人息子をなくして以来、歯車が狂ってしまったのだ。日ごろの鬱憤ばかりが溢れる車内。しかも、車は変な音を立て始める。偶然目に入ったガソリンスタンドに立ち寄ると気の良い店員がチェックをしてくれた。しかし、そこから数キロ先で車はついに止まってしまう。やむなくガソリンスタンドのとなりにあったモーテルを訪ねる。チェックインすると、いきなり隣の部屋から壁を叩く音が・・・。しかも、何気なくビデオテープを再生してデビッドは凍りつく。画面では女たちがなぶり殺されるシーンが映っていたのだが、なんとその場所が自分たちのいるこの部屋。カメラのアングルから部屋を探ってみると、そこにはカメラが隠されていた・・・・
私評:早くくたばれ〜!!ホラー映画です。変質者がモーテルに来る人を殺しては撮影して売り捌く。先日、DVDで久々に見た「悪魔の沼」や「地獄のモーテル」など70年代のホラー映画の雰囲気を漂わせる映画です。しかも、かなり低予算で作っているため特撮もない。登場人物も少ない。でも、ホラー映画ってこれで良いんですよね!?しかし、(BBSにも書きましたが)この映画はホラー映画の「お約束」を無視している部分が多々あります。「来るぞ来るぞ・・・!!」と期待していると来ないんです。殺人鬼は最後には・・・、これもないんです。(あまり言うとネタばれになるのでこの辺で)しかし、こんなB級チックな映画もルーク・ウィルソン&ケイト・ベッキンセールという売れっ子ふたりが出るだけでA級っぽく見えてしまうから不思議。ケイトはやっぱりちょっとしたアクションを見せてくれます。監督はこれが始めての作品となるニムロッド・アーントル。
ボーン・アルティメイタム  監督:ポール・グリーングラス  主演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ
The Bourne Ultimatam  2007年 アメリカ映画
CIAの極秘プロジェクト「トレッドストーン計画」で洗脳され究極の暗殺者となったジェイソン・ボーン。しかし、彼は記憶をなくし暗殺者である過去も忘れ、安息を求めていた。しかし、忌まわしい過去から逃げ出すことはできず組織が送りこんだ暗殺者によって平和な時間は引き裂かれた。ボーンはモスクワで警官に追われていた。その時、彼の脳裏に記憶の断片が過ぎる。それは何か重要な手掛かりのようだが・・。そしてロンドンでは大手新聞社の記者・ロスがCIAの内部告発から「ブラックライアー」という言葉の意味を探っていた。しかし、すぐにCIAは彼の行動を察知する。一方、ボーンも彼の記事を目にしてロンドンに向かい、彼を呼び出すことに成功する。しかし、ロスは頭を打ちぬかれ死んでしまう。次にボーンはマドリッドに飛びニッキーと再会。ボーンは自分の正体を探るべくモロッコ、そしてニューヨークを訪ねる・・・・
私評:あなたの名前は・・・ジェイソン・ボーンのシリーズもついに完結。彼が関わっていた陰謀もついに明かされ、そして彼の本名も明かされる。その辺りの展開はすごく面白い。しかし、私が面食らってしまったのが余りに細かいカット割り。カット割が多い監督と言えばトニー・スコット監督がいますが、彼の2倍くらいのカット割をするのです。格闘シーンなんかあまりにカメラのアングルが変わるので目が回っちゃいました。まあ、アクションを際立たせる効果にはなっているのですが、物には限度が・・・。そして前2作では完璧なまでな強さを誇っていたボーンに、野獣のような相手が・・。これがまたすごいシーンでした。私的には前2作の方が面白かったかな〜・・。主演はまさにはまり役のマット・デイモン。共演はジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、ジョアン・アレン。完璧な布陣です。監督は「ボーン・アイデンティティ」に続いてポール・グリーングラス。


前回の記事も読んでね〜!



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