2002/4/5号

今回のイチ押しの「パニック・ルーム」は情報をシャットアウトした方が楽しめると思ったので
背景と同色にして,文字を隠しました。この映画は人の感想も見ないで臨んだ方が
楽しめると思いますよ。どうしても見たい人はどうぞ(笑)。

パニック・ルーム  監督 : デヴィッド・フィンチャー  出演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー
Panic Room  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ドラッグしてご覧下さい。メグと娘のサラはNYの大富豪が残した邸宅へと移り住んだ。二人で暮らすには広すぎる家の中には特殊な空間があった。それは「パニック・ルーム」と呼ばれる小部屋で、強盗などから身を守るために作られた「外側からは絶対に開かない部屋」。引っ越したその日、3人組の男たちが家に侵入してくる。彼らに気付いたメグとサラはとっさに「パニック・ルーム」へと逃げ込んだ。しかし、男たちの目的の品も「パニック・ルーム」の中にあったのだ。メグと男たちの息詰まるやり取りが始まる・・・
私評:ネタバレはありませんが、映画を観てから読まれることをお薦めします。読まれる方はドラッグして下さい。TThere are 3 ・・・・・デヴィッド・フィンチャー+ジョディ・フォスター!!この取り合わせで面白くないはずがない!しかし、期待以上に楽しめた映画でした。ある意味、この映画には思いきり裏切られたのです。あのぶっ飛んだ「ファイトクラブ」のフィンチャーが実にきっちりした正統派ミステリーにしたからです。映画を見ている最中は、いつぶっ飛んだシーンが出てくるかとワクワクしていたのですが、実にスムーズに、そして普通の展開。「あれ?」これは監督の狙いなのでしょうか?しかし、そんな作品でもフィンチャーの匂いをプンプン嗅ぎつける事ができます。さすが!そしてジョディ・フォスターがはまり役でしたね。インテリで気が強い、そして心から娘を愛している母親。でも、こんなジョディが見たかった!!当初はニコール・キッドマンがヒロインだったのが、彼女が撮影中に怪我をして急遽、ジョディに白羽の矢が立ったらしいですね。(私はちょっとニコール版も見たい気がしますが・・)強盗の一人フォレスト・ウィテカーもピッタリの配役でした。しかし、この映画には謎が・・・警官とジョディのやり取りには要注目です。
スリープレス  監督 :ダリオ・アルジェント  出演:マックス・フォン・シドー、ステファノ・ディオニジ
Sleepless  2001年 イタリア映画
17年前、イタリアのトリノで連続殺人事件が発生する。事件を担当したモレッティは被害者の息子であり、母親が惨殺される現場を目の当たりにしたジャコモに「犯人は必ず捕まえると約束する」。そして現代。娼婦が怪しい男の部屋から間違って青いファイルを持ち出してしまう。そして彼女は電車の中で、おまけに迎えに来た友人までもが車の中で惨殺される。その日から、17年前の事件の続きが始まる。マザーグースの歌をなぞった悲惨な殺人事件が続発する。すでに現役を引退したモレッティはジャコモと出会い事件の真相を追う・・・。

私評:いまこそこの映画を見て心いやされましょう(by 吉本ばなな)・・・それはあなただけです、ばななさん(笑)。久々にスクリーンで見たイタリアホラー映画界の鬼才、ダリオ・アルジェントの新作映画。音楽にはゴブリンが返り咲きし、しかも主演は「エクソシスト」で老神父を演じたマックス・フォン・シドー。これが期待せずにいられるだろうか!?オープニングのクレジットで、いきなりゴブリン独特の音楽を聴いて気分は最高潮・・・。しかし、何かが物足りない。「サスペリア」「フェノミナ」「インフェルノ」の時のドキドキ感がないのです。これはもしかしたら、ただ単に私のホラーに対する感性が年齢と共に鈍ったせいかもしれません。それにしても彼得意の「生理的に痛〜い」シーンは健在。それについては、今は伏せておきましょう。そして今回、ショックだったのはヒロイン。ダリオ・アルジェントの作品ではいつもカワイイヒロインが付き物なのですが、今回はそれも楽しめなった。ホラー映画orダリオ・アルジェント初心者には面白いかも?? クライマックスで「エクソシスト」を髣髴させるシーンが・・・??
とらばいゆ  監督:大谷健太郎  主演:瀬戸朝香、市川実日子、塚本晋也、村上淳
Travail  2002年 日本映画
女流棋士の麻美は、敗戦が続きイライラが頂点に達していた。自分への怒りのはけ口を夫の和哉にぶちまける毎日で、夫婦生活の危機に。麻美の妹、里奈も女流棋士。つまり、仕事では二人はライバルなのだ。里奈は新しいボーイフレンド弘樹に元彼とのデートがばれ険悪状態に。そんな中、麻美は弘樹に、そして里奈は和哉に心を開いていく。しかし、麻美のスランプは続き、ついにはB級クラスを落ちる寸前に追いこまれる。しかも、最後の相手は今大会絶好調の妹、里奈だった・・・・

私評:私は和哉さんの方が好き。私だって弘樹君の方が。じゃあ取替えッこしよう・・・今でこそ男女均等雇用法のせいで「女性専用求人誌」はなくなりましたが、ちょっと前は「とらばーゆ」が、その主流でしたね。まさに、この映画は働く女性の映画。しかし、麻美は収入では完全に和哉に頼っているのですが、いわゆる家庭におさまる主婦にはなりたくない。「私は主婦じゃない!働く女なのよ!」そんなツッパリ姉に対して、将棋の仕事をしながら無収入の男を食わせているしっかり者の妹。この二人の考え方はまったく正反対なのですが、世の女性の考えもこの二人のどちらかに充てはまるのでは??でも、可哀相なのはこの気の強い姉妹に振りまわされる男たち。特に和哉役の塚本晋也が意地らしくて・・。きっと、この映画は女性は麻美、里奈の姉妹に、そして男性は和哉、弘樹に自分を投影してしまうのでは?お気楽なコメディのノリなのですが、けっこう痛いところを突かれる作品ですね。主演の瀬戸朝香と市川実日子、塚本晋也、村上淳がそれぞれ適材適所で実力を発揮。いや〜、面白かった! 
アニマルマン  監督:ルーク・グリーンフィールド  主演:ロブ・シュナイダー、コリーン・ハスケル
The Animal  2001年 アメリカ映画
父のような立派な警官になりたいと願う青年マーヴィンは、ドジでのろまなのでみんなからバカにされている。今日の警官昇格試験も見事に不合格・・。そんなある日、彼は交通事故に遭い瀕死の重傷を負ってしまう。そんな彼を助けたのはアヤシイ動物学者だった。しかも、彼の体は他の動物たちのパーツが移植され、それぞれの動物の優れた能力を身につけた。次の日から彼はスーパーコップに大変身するが・・・・

私評:大丈夫、今回はちびってないよ。え〜!!・・・突然公開になったこの映画は、あっという間に始まりあっという間に終わってしまうのでしょう。でも、アメリカのおバカ映画は大好き。この映画の主演ロブ・シュナイダーは、アメリカのコメディアンの登竜門、サタデー・ナイト・ライブ出身だけあってめっちゃおかしい。各種、動物の物まねも最高でした。しかし、こういう映画が日本ではウケないんですよね〜。かなりIQが低い映画なので、私にはピッタリなんだけど・・。ヒロインのコリーン・ハスケルは、私のお気に入り。笑うと目がなくなっちゃうところや、スレンダーでキュートな佇まいは、若い頃のエレン・バーキンのよう。今後が楽しみな女優です。製作総指揮のアダム・サンドラーが「こんなのあり?」のシーンでしっかり登場。お見逃しなく! 
D-TOX  監督:ジム・ギレンスビー  主演:シルベスタ・スタローン、トム・ベレンジャー
D-TOX  2002年 アメリカ映画
警察官の連続殺人事件が起こる。犠牲者は9人にも及んだ。FBIの捜査官マロイも、必死になって犯人を追うが、犯人の手掛かりひとつ見つけ出す事ができなかった。しかも、犯人の次のターゲットはマロイの恋人だった。愛するものを失い、失意のどん底に落ちた彼は、酒浸りの日々を送る。そして彼は警察官のための秘密施設”D−TOX”に送られる。そこは彼のような警察官が立ち直るための施設。しかし、この施設でも連続殺人犯による犯行が行われる。雪に閉ざされた陸の孤島は今や,殺戮の舞台となってしまう。果たして犯人は??・・・

私評:I・C・U・・I SEE YOU・・・・・・なにやら本国アメリカではお蔵入りになってしまったらしいこの映画。しかし、スタローン、トム・ベレンジャー、チャールズ・S・ダットン、クリス・クリストファーソン、ショーン・パトリック・フラナリー、ロバート・パトリック・・という、すごい布陣の映画なのに。しかも、監督は「ラストサマー」のジム・ギレスピーなんですよ。その理由を求め、試写会に乗り込んだ私でした。なんだか,すごくもったいない作りの映画でした。スタローン以外の役者の使われ方はひどいし、吹雪や夜のシーンが多いので、誰が誰だか分からないし、しかも登場人物が多い割に紹介が適当なので、顔と名前とが一致しなくて・・。映画の設定や役者がすごく良いだけに,本当にもったいないです。殺しのシーンも0.3秒くらいしか映らないので,動体視力が鈍い人は見落としてしまうかも??来年のラジー賞候補間違いなしです(笑)。あ〜,誉め言葉が見つからない・・・
ドラえもん のび太のロボット王国  監督:芝山務  声の出演:大山のぶ代、小原乃梨子、たてかべ和也
Doraemon  2002年 日本映画
のび太とドラえもんの前に現れたロボットのポコ。彼は違う星からやってきたロボットだった。故障してしまったポコを助けるため、のび太、ドラえもん、しずか、ジャイアン、そしてスネ夫はポコが生まれた星へと向かう。そこは人間とロボットが共存する星だった。しかし、ワガママな女王によってロボットの心は消されてしまっていた。同じロボットであるドラえもんには許せない事態だった。 同時公開「のび太のぼくが生まれた日」「ザ・ドラえもんズ ゴール!ゴール!ゴール!!」・・

私評:ボク,ドラえもん・・・・ドラえもんはビデオでは観ていましたが,劇場で見たのは初めて。しかも、普段なら甥っ子を連れて行くのですが今回は一人で行ってしまった・・。大画面,大音響で見るとやっぱり一味違いますね。お話はほとんどワンパターンなのですが、やっぱり面白い。でも、やっぱり併映の「のび太のぼくの生まれた日」が良かったな〜。普通のお話なんだけど、けっこうラストではウルウルしてしまった。まあ、今後は「ドラえもん」を劇場で見ることはないかも知れないけど、良い経験をしました。「ザ・ドラえもんズ・・」は爆睡でした(笑)。あと,忘れてならないのが「ぼくの生まれた日」の主題歌。なんと、あの名曲「あなた」を歌っていた懐かしい小坂明子でした。また「ロボット王国」の方はKONISHIKIのレゲー調の歌。これもなかなかグッドでしたよ!! 


前回の記事も読んでね〜!



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