なんだかレビューが1週間遅れになっているので
もっとタイムリーに書くよう頑張ります。
今回はなんとイチ押しが3作品。全然タイプは違うけどそれぞれ
私は大好きな映画です!!!
イングロリアス・バスターズ | 監督:クエンティ・タランティーノ | 出演:ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ | |||
Ingrourious Basterds | 2009年 アメリカ映画 | ||||
今週のイチ押し:ナチ占領下のフランス。田舎町をドイツ軍のジープが一軒の農場にやってくる。やってきたのはハンス・ランダ大佐。”ユダヤ・ハンター“の異名をとる彼の目的は行方不明になっているユダヤ人の一家の捜索。実はその家の主人が床下に匿っていたのだ。床に向けて一斉射撃が始まる。しかし、娘のひとりショシャナはただ一人逃げ去った・・。ヒトラーは連合軍の特殊部隊”バスターズ“に苛立っていた。彼らはフランスに潜入し、ナチを殺しまくり、しかも頭の皮を剥いでいるという。1944年。ショシャナはパリの映画館主になっていた。そんな彼女に声を掛けてきたひとりの若いドイツ兵がいた。彼はたった一人で250人もの連合軍を殺した戦争のヒーローで、その武勇伝は本人主演で映画化されたばかりだった。彼はその映画のプレミア上映をショシャナの映画館で行いたいと申し出る。当日の護衛の責任者はなんと、ショシャナの一家を皆殺しにしたハンスだった・・ | |||||
私評:これは俺の最高傑作だ・・・・面白かった〜!!相変わらずのタランティーノ節でセリフの洪水なのですが、とにかくその会話が面白すぎる!!そして度肝を抜くどんでん返しの数々。最後の最後まで展開が読めませんでした。そして映画のあちこちに散りばめられたタランティーノの映画愛・・・。エンターテインメント映画という枠では収まりきらない、もう1段階上の楽しみ方ができます。内容がぎっしり詰まった2時間30分は決して長く感じませんでした。なにやら「返金保証」のキャンペーンをやっているらしいけど、この映画の途中で席を立つなんて・・、勿体ないですよ。しかし、タランティーノ作品って意外とインテリジェンスなんですよね〜。バスターズのリーダーにはブラッド・ピット。最近、ちょっとこういう変なキャラ役が多いですが、今回もはまり役です。そしてこの作品でいちばんの衝撃はハンス大佐を演じたクリストフ・ヴァルツ。なんともイヤらしい悪役ですが一番印象に残っています。ショシャナ役はフランスの注目株メラニー・ロマン。そしてドイツの人気女優役は輝くばかりに美しい「ナショナル・トレジャー」のダイアン・クルーガー様・・。バスターズのメンバーで「キャビン・フィーバー」「ホステル」の監督イーライ・ロスも出演。劇中の映画「国家の誇り」は彼の作品です。監督はまさに鬼才と呼ぶにふさわしいクエンティン・タランティーノ。傑作です! | |||||
ディセント2 | 監督 : ジョン・ハリス | 出演 : シャウナ・マクドナルド | |||
The Descent Part 2 | 2009年 イギリス映画 | ||||
今週のイチ押し:アパラチア山脈のふもとの田舎町。ここで6人の女性が行方不明になった。彼女たちの必死の捜索が続いている最中、血まみれの姿で行方不明のひとりサラが発見される。警察は残りの5人の行方を尋ねるが、サラは大きなショックで一時的に記憶を無くしていた。警察はそんなサラを同行させて、レスキュー隊と一緒に洞窟へと向かう。地底深く進んでいく一行。しかし、突然の崩落で退路を塞がれて、バラバラになってしまう。出口を求めて暗黒の道を進む彼らの前に変わり果てた行方不明者の無残な死体と、暗闇の中で蠢く謎の生物が現れる。謎の生物はレスキュー隊員たちを次々と襲い殺してく。そんな絶体絶命の状況の中でサラは記憶を取り戻す。そしてふたたびクリーチャーとの戦いの中に巻き込まれていく・・・ | |||||
私評:静かに・・やつらは目が見えない・・・・前作「ディセント」はとにかく怖い映画だった。私は狭いところが苦手で高いところが苦手(つまり、閉所恐怖症で高所恐怖症)なので、それだけでも息苦しくて怖いのに、真っ暗な中でキモイ怪物が襲ってくるのだから、恐怖は何倍にもなるのです。それから3年の時を経て、その恐怖映画の続編が登場。これがまた、すごい映画でした。とにかく怖いんです。何度息を呑んでスクリーンを凝視した事か・・。この映画ではとにかく「暗闇」が怖いのです。そこに潜んでいる姿なき怪物の不気味な唸り声が映画館に響き渡る。そして出口の分らない洞窟も怖い・・。そのまま進んだら出て来られなくなってしまうんじゃないか?ってくらい狭いところをどんどん進んでいくのです。私には到底無理です。そして驚愕のラストは、思わず呆気にとられてしまいました。やっぱり、ただじゃ終わらない映画です。しかし、これぞホラー映画です!主演は前作に引き続きシャウナ・マクドナルド。そして彼女と地底に同行する子持ちの女性警官役は舞台役者のクリステン・カミングス。その他も有名人はでておりません。監督は前作の編集をしたジョン・ハリス。これが初監督作品だそうです。 | |||||
オーシャンズ | 監督 : ジャック・ぺラン | ドキュメンタリー | |||
Oceans | 2009年 フランス映画 | ||||
今週のイチ押し:海辺を少年たちが走っていく。大きな海を前にして少年は思った。「海って何だろう??」ガラパゴス島のイグアナたちはフランス領ギニアから打ち上げられたロケットを眺めている。人類が宇宙を目指す21世紀。しかし、同じ地球の中の海を私たちはどれだけ知っているのか??南アフリカの海にはイワシの大群が押し寄せている。イルカたちの攻撃で海面近くに追いやられたイワシたちを、カツオドリが空からダイブして狙う。日本は式根島の近く。ビロードのようなムラサキダコが優雅に泳ぐ。アルゼンチンではオタリアが浜辺でくつろいでいた。しかし、一瞬のすきを狙ってシャチが子供のオタリアを襲う。オーストラリア、日本の佐渡島、ポルトガル、アラスカ、フランス、そして北極とカメラは海の神秘を求め追いかける。そして10億年前から変わらず、今日も波は引き、打ち寄せる・・ | |||||
私評:驚きはその先にある・・・ドキュメンタリー映画は大好きな私です。しかし、この映画の映像は本当に驚かされた。実はCGなんじゃないか?と思えるほど、海の生物に接近して、しかも決定的なシーンを見事にカメラに納めている。たとえば、クジラがダイブするシーンなんかは、まさにこれ以上の画は撮れないってくらいすごいシーン。しかし、それらの映像の裏には最新のテクノロジーと、それを可能にするための撮影スタッフたちの苦労があるのです。たとえば、すごいスピードで泳ぐイルカと水中を並走して撮影したり、カメラマンが水中で自由に動けるように水中スクーターを開発したり・・・。そんなこの映画のスタッフたちの情熱が、見た事もないすごいシーンの数々をスクリーンに映し出したのです。しかし、そこに映し出されているものはSFの世界ではなく、私たちを取り巻く海の中で実際に起こっている事。そしてそこに生きている生物たちのリアルな生態なのです。これぞドキュメンタリー映画の真髄です!そんな中でフカヒレ漁の人間がヨシキリザメを捕獲して、ヒレだけを切り取って胴体を捨てるシーンがあるのですが、ここは胸が痛くなりました。監督は「WATARIDORI」の監督としても有名ですが、「ニュー・シネマ・パラダイス」「ジェボーダンの獣」などに出演して、役者としても有名なジャック・ぺラン。 | |||||
なくもんか | 監督 : 水田伸生 | 出演 : 阿部サダヲ、竹内結子、瑛太 | |||
2009年 日本映画 | |||||
祐太は商店街一の人気者。8歳の時に父親に捨てられた彼は善人通りの「デリカの山ちゃん」の夫婦にわが子同然に育てられた。その恩に報いるために祐太は必死に働いた。しかも、商店街の人のため、そしてお客さんのためにわが身を顧みずに・・。つまり、彼は究極のお人よしなのだ。実は彼には弟がいた。弟・祐介は「金城ブラザーズ」というお笑い芸人としてブレイクしていた。ピン芸人としては鳴かず飛ばずだった彼に手を差し出したのは、金城大介。しかし、ふたりは実の兄弟として振舞っていた。大介が書いた嘘を塗り固めた自叙伝もベストセラーになり、彼らが本当の兄弟でない事をひた隠しにしていた。そんなある日、「デリカの山ちゃん」にひとりの美しい女が訪ねてきた。彼女はなんと初代店主の実の娘の徹子だった。デブで不細工だった徹子が別人のようになっていて商店街中がビックリ仰天。ずっと彼女を想っていた祐太は徹子と結婚することになった。結婚のために戸籍謄本を手に入れた祐太は、「金城ブラザーズ」の祐介が自分の実の弟である事を知るが・・・・ | |||||
私評:それ業務用のソースなんだけど・・・・・・「舞妓Haaaan!!!」で大爆笑をした私は、この作品を楽しみにしていました。そして期待通りのドタバタ喜劇に大満足。ちょっとギャグはクドイ感じがあるのですが、まあとにかくハイテンションな展開に終始笑いっぱなし。そして最後にちょっとだけホロリとさせるのが、また良いんですよ。この映画を見ているとめちゃめちゃハムカツが食べたくなります。もちろん、私は映画の後、近所の惣菜屋さんでハムカツを食べました。これぞ体験型映画??主演は誰もこのテンションには追いつけない?阿部サダヲ。彼の弟役は「余命一カ月の花嫁」の瑛太。妻の徹子役は、コメディエンヌとしても最高な「黄泉がえり」「サイドカーに犬」の竹内結子。そして彼女の母役は「日本沈没」のいしだあゆみ。(日本沈没の時の彼女は本当に美しかったけど、すっかりおもろいおばはんになってしまった・・)その他、塚本高史、陣内孝則、井原剛志、鈴木砂羽などなど・・・。脚本は売れっ子の宮藤官九郎。監督は「舞妓Haaaan!!!」「252 生存者あり」の水田伸生。 | |||||
ソウ6 |
監督 : ケヴィン・グルタート |
出演:トビン・ベル、コスタス・マンデラー | |||
SAW 6 | 2009年 アメリカ映画 | ||||
目が覚めると・・・、保険会社に勤めるシモーネとエディは廃墟にいた。そしてジグソーはふたりへのゲームを開始した。「60秒以内に自分の体を多く切り取った者が助かる・・。太っているエディは自分の腹部を自ら絶叫を上げながら切り取っていく。しかし、シモーネは自分の左腕に斧を振り下ろす。果たして勝者は・・??アンブレラ保険では「犬」と呼ばれる敏腕スタッフが保険加入者の“不備”を見つけ出すのに躍起だ。そして“不備”が見つかった者には保険料は支払わない。ハロルドも理不尽な理由で保険金が支払われない事が発覚し、責任者のウィリアムが対応していた。ハロルドはその場から追い返され、その後死んだ。ジグソウの遺志を継いだホフマンは、ジグソウの妻のジルの部屋でジグソウの遺品から5通の封筒を渡される。中に入っていたのはウィリアムの写真だった。「これで最後だ」と言って部屋を出ていくホフマン。しかし、そこには第6の封筒が・・・・ | |||||
私評:さあ、選択をしろ・・・・ソウシリーズはすごいペースで6作目まで作られましたが、じつはもう7作目もできているらしい。(しかも3Dらしい・・)このシリーズは1作目からの数々のエピソードが、謎を解くキーになっていたり、登場人物たちの立場に関わっていたりするので、いきなりこの映画を見ると展開が分からないのですが、今回はご丁寧に1から5までのダイジェスト版が本編の前にありますのでご安心を!しかし、この映画も回を重ねるたびに残酷になっていきます。ジグソウから出される究極の「死のゲーム」を考え付く限り、このシリーズは続いていくのでしょう。前作の時にも「イマイチ」みたいな発言をしたのですが、正直今回もワンパターン感は拭いきれず。残酷なだけでは私のホラー魂を満たすことはできません!!しかし、少なくとも前作よりは面白かったです。出演は1作目からジグソウを演じるトビン・ベル。「ソウ3」から出演のホフマン役のコスタス・マンデラー、そしてジル役のベッツィ・ラッセル。そして今回、究極のゲームに挑戦するウィリアム役は「ランド・オブ・ザ・デッド」のピーター・アウターブリッジ。そして「ソウ3」以来の出演となるアマンダ役はショウニー・スミス。監督はソウ2〜5の編集をしてきたケヴィン・グルタート。 | |||||