2006/6/18

続々と映画が公開されていくのですが、全然追いつかない。
観たい映画がまだまだてんこ盛りです。今回のイチ押しは
ピクサーの新作とあの昭和の大事件を基にした日本映画です。

カーズ  監督:ジョン・ラセター  出演:オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン
Cars  2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:天才レーサー、ライトニング・マックィーンはピストンカップの優勝候補として最終戦まで残っていた。彼は絶大なる人気を誇っていたが自信過剰で、自分以外を見下しているため真の友人はひとりもいない。レースの最終戦で3台の車が同時にゴールするという前代未聞の結果になったため、再度3台だけで決勝が行われることになった。次のレース場への移動中マックィーンはトレーラーから落ちて迷っているうちに、寂れた町ラジエーター・スプリングスに辿り着く。しかも、街の道路を破壊してしまった彼はその町で足止めを食ってしまう。ラジエーター・スプリングスもかつては賑やかな町だったが、近くにハイウェイができて以来、誰も寄り付かなくなってしまったのだ。その町で出合った不思議な魅力の車たちは、いつしかマックィーンの心にある感情を芽生えさせるのだった・・
私評:カチャー!!・・・私はピクサーの映画が大好きで、この映画もかなり期待していたのですが、ハッキリ申し上げて・・・・「今までのピクサー作品の中でも最高!!」でした。どちらかというと題材が『車』ということもあり男の子寄りに作られた映画なので、万年少年の私にはピッタリの映画だったみたいです。ディズニーのアニメにしては長い2時間くらいの映画なのですが、まったく飽きません。そして登場する車たちにどんどん感情移入していく。主人公のマックィーン以外の車のキャラもすごく面白いです。声優陣はオーウェン・ウィルソン、ボニー・ハント、チーチ・マリン、そして大御所ポール・ニューマン。ここでストーリーに関係ないネタばれをひとつ。私が映画を見た当日、監督の舞台挨拶があり、彼の親友でもあり尊敬する宮崎駿に関連するキャラクターを映画に盛り込んでいます。ヒントは「ルパンV世カリオストロの城」です! 監督は「トイ・ストーリー」のジョン・ラセター。エンドクレジットは最後まで観ましょう!
初恋  監督:塙幸成  出演:宮崎あおい、小出恵介
 2006年 日本映画
1960年代。高校生のみすずは両親に捨てられ、親戚の家に預けられている。そこでも邪魔者扱いのみすずは当然のように学校でも孤独な少女だった。ある日彼女が歩いていたのは新宿の繁華街。「B」という名のネオン看板の前で彼女は誰かを待っていた。実は数日前、彼女の母親と別れて以来の兄と再会をしたのだ。そして彼女にジャズ喫茶「B」のマッチを手渡したのだ。そこで彼女は運命の出会いを果たす。ランボーの小説に目を落とし彼女を子ども扱いした東大生の岸。その日以来、「B」はみすずの棲み家のようになってしまう。そして岸に対して切ない感情が芽生える。そんなある日、みすずは岸から呼び出され相談を持ちかけられる、それは現金輸送車から3億円を強奪する計画だった・・・・
私評:おまえが必要なんだ・・・1968年に起こった「3億円強奪事件」。当時はまだ幼かった私もこのニュースは鮮明に頭に残っている。そしてしばらく経つと、出かける先々の地の交番や先頭でヘルメットを被った男の指名手配の写真を眼にした。その事件の犯人が高校生の、しかも女の子だったら??この物語の切り込みはとんでもなく意表を突いているが、映画を観て「これは架空の物語ではなく実話なのかも?」と思えるほどのリアルを感じた。それはこの映画が醸し出す1960年代の加熱した東京の描き方の上手さや、主人公たちのインパクトのある演技がそう思わせるのだ。そしてオリジナルの小説の持つ『力』なのです。映画自体もすごく良くできていて、ストーリー・テリングの上手さを感じさせる映画になっていました。主演のみすずを演じるのは人気絶頂の宮崎あおい、そしてみすずの兄役は、あおいちゃんの実兄の宮崎将。岸を演じるのは「パッチギ」の小出恵介。監督は林海象監督の助監督として腕を磨いた塙幸成。
デスノート  監督:金子修介  出演:藤原竜也、松山ケンイチ
Death Note  2006年 日本映画

世界各地で犯罪者が次々と心臓麻痺で死ぬという怪事件が続発する。警察は事件として扱うがどうやって彼らを殺したのかは、誰にも解明できない謎だった。ある事件の犯人が裁判の結果無罪となり公の場に姿を現した。彼の映像が渋谷の街の大画面に映し出される。その映像を見ながら、一人の青年が犯人の名前をノートに書いた。その40秒後LIVE映像の向こうで犯人は心臓麻痺で死亡した。青年の名は夜神月(ライト)。彼はある日、退屈な死神が落とした「デスノート」を手に入れたのだ。そのノートに名前を書くと、その相手は40秒後に死んでしまう。月は次々と悪人たちを葬り去っていく。やがて彼はネット上で「キラ」という名を付けられ、「救世主」と崇められる。しかし、そんな「キラ」の前に「L」という天才が立ち塞がる。彼はICOPがこの事件の解決のために送り込んできた切り札だった。「L」はじわじわと「キラ」を追い詰めていくが・・・・

私評:これは革命なんだ・・・大人気コミックの『デスノート』が完全映画化された。しかも、今回は『前編』と『後編』を分けて公開するという離れ業に挑んでいる。今回私が見た『前編』は原作のテイストを十分に残して『キラ』と『L』のバトルを見事に描いている。そして盛り上げるだけ盛り上げて、『後編』へとバトンタッチをした。最後の最後に振られたふたつのネタが後半でどうなるのかが今から楽しみ。というのも『後編』は原作とは違うのです・・。死神のリュークのCGのショボイところや、瀬戸朝香の演技のヘタさなどは気に掛けず演出と主人公たちの演技をじっくり見てください。『月=キラ』を演じるのは、演技力は太鼓判の藤原竜也。そして『L』を演じるのは松山ケンイチ。最初はどうも取っ付きづらかったふたりですが、私的にはかなりのはまり役だと思います。そして原作にはない月の恋人詩織役は香椎由宇。月の父親役は加賀丈史、ワタリ役はこれまたピッタリの藤村俊二という顔ぶれ。後編で唯一不安なのが、物語の大きな役割を果たすであろうミサミサ役の戸田恵梨香。彼女の演技で大丈夫だろうか・・・。監督は名作中の名作「平成ガメラシリーズ」の金子修介。早く11月にならないかな〜・・。
タイヨウの歌  監督:小泉徳広  出演:YUI、塚本高史、岸谷五郎

A Song to the Sun

 2006年 日本映画

16歳の薫は学校には行かず、夜になるとギターを抱えて駅前で歌っている。彼女はXPという太陽には当たることができない体だった。しかし、彼女には彼女を心から愛してくれる両親と音楽がある。だから彼女は笑っていられた。そんな彼女が恋をした。日の出前の午前4時に、サーフボードを抱えた青年を見つけたのだ。そして彼女はライブの最中にギターを放り投げて青年に告白をした。彼の名前は孝治。彼は夏休みになったら薫のライブを見に行くと約束する。そして初めての横浜でのデート。そこでライブを始めた薫はたくさんのギャラリーを集め大喝采を浴びた。孝治も彼女のライブに感動をしてしまう。しかし孝治は彼女の病気のことを知ってしまう。薫は孝治との恋を諦め部屋に閉じこもってしまうが、孝治は薫のためにアルバイトを始めた。それは薫の歌をCDにすること・・・・

私評:私、歌うから・・・YUIというミュージシャンの歌を初めて聞いたのは昨年のTV番組の「不機嫌なジーン」の主題歌だった。その迫力にビックリして速攻でCDを買った。そして映画「HINOKIO」の主題歌の”Tomorrow’s Way”はかなりのお気に入り。そんな彼女の主演映画がこの作品。けっこう前から映画館で何回も予告編を見ていて、やっと公開された感じ。映画はめちゃめちゃ良い話で、キャラクターも最高で、音楽も良くて・・・、しかし一番の問題は予告編がこの映画のほとんどを見せてしまっているところ。何度も予告を見た私はそれに本編が肉付けされただけで、あまり目新しさを感じられませんでした。だけど、そんな部分を差し置いても映画は良いできになっています。特に主演のYUIの魅力爆発!!もう、私は彼女に首ったけ・・(笑)そしてこの映画は脇役も実に良いです。孝治役の塚本高史、両親役の岸谷五郎、麻木久仁子のふたりもすごく良かった。そして劇中でYUIが歌う曲のどれもが印象的でした。監督は新人の小泉徳広。

トランスポーター2  監督:ルイ・レテリエ  出演:ジェイスン・ステイサム、ケイト・ノタ
Le Transporteur 2  2006年 フランス映画
プロの運び屋(トランスポーター)のフランクは高額な報酬と引き換えにどんな依頼品でも確実に目的地まで送り届ける。しかし、彼は危険な仕事から身を引いて今は金持ちの子供ジャックの学校への送り迎えをしている。堅物のフランクもジャックには心を開いていた。そんなある日、ジャックを定期健診に連れて行ったフランクは、病院で銃撃戦に巻き込まれてしまう。相手のターゲットはジャックだった。間一髪ジャックを連れ出し家へと戻ったフランクの携帯が鳴る。「子供の命が大事なら、その女の指示に従え」。フランクの車にマシンガンを抱えた冷徹な殺し屋ローラが乗り込んで来る。そしてジャックはまんまと相手に誘拐されてしまう。ジャックの救出に向かうフランク。しかし、ジャックはなぜか無事に保護される。果たして犯人の真の目的は何なのか??・・・・
私評:ルールNo.4、守れない約束はしない・・・クールだけどホット(??)なトランスポーター、フランク・マーチンが戻ってきた。今回の積荷は幼い少年。しかし、事件の黒幕はもっと大きな目論見を持っているのです。これはネタばれになるので言えませんが・・、「それはね〜だろ〜!」とツッコミを入れてあげてください。しかし、この映画にはそんな些細なツッコミは必要なし。見どころはアクション、アクション、そしてアクション。壮絶なカーチェイスの体感速度は時速300km。この迫力は大画面で味あわなくちゃ!!そしてジェイスン・ステイサムのマーシャル・アーツも見所のひとつ。彼は以外と小柄なのですが、格闘のセンスは抜群。(彼とウェズリー・スナイプスの戦いを見たい!)そして彼の宿敵にはアレッサンドロ・ガスマン、フランクに密かに心を寄せる人妻?に「最後の恋のはじめ方」のアンバー・ヴァレッタ。そして超インパクトの女殺し屋にはモデル出身のケイト・ノタ(リュック・ベッソンが好きそうな女です・・)、そして久しぶりに見たマシュー・モディーンも登場。監督は前作に続きルイ・レテリエ。脚本製作はリュック・ベッソン。
オーメン  監督:ジョン・ムーア  出演:ジュリア・スタイルズ、リーブ・シュレイバー
The Omen  2006年 アメリカ映画
若き外交官ロバートはローマの病院に駆け込んだ。妻が産んだ赤ん坊は死亡したと聞かされショックを受けたロバートは、死んだ子供と同じ日時刻、6月6日6時に生まれ子供を引き取ることを決めた。ロバートはその経緯を妻には告げず、子供にはダミアンという名をつけた。両親の愛に恵まれダミアンはすくすくと育っていく。そんなある日、ロバートは駐英大使に任命される。しかし、その栄転の裏にも悪の力が働いていたのだ。新天地のロンドンでダミアンの5歳のパーティを行っている最中、ダミアンの乳母が屋敷の屋上から首を吊って死亡した。そんな時、ロバートの元にひとりの神父が訪れる。彼はダミアンを悪魔の子供だという。しかも、彼はローマの病院でダミアンの出産に立ち会ったという。やがてダミアンの周りで恐ろしい事件が次々と起こる・・・・
私評:私はサイテーの母親。ダミアンが怖いの・・・1976年。日本はオカルト映画ブームの真っ只中。そんな中で異色を放っていたのが「オーメン」。「エクソシスト」に始まったこのブームの中で20世紀フォックスが「A級映画」として作ったのが『オーメン』だった。その映画が30年の時を経て2006年6月6日に公開された。映画の内容はオリジナルとほとんど同じだけど、変わったのは特撮技術を駆使した殺害シーン。特にジュリア・スタイルズ演じる母親の落下シーンは素晴らしい映像でした。しかし、ここまで同じだとホラー映画としての楽しみは半減してしまいます。何かもうひと捻り欲しかったですね。出演者はなぜかクレジットが一番先に出るジュリア・スタイルズ、「スクリーム」シリーズの悪人顔のリーヴ・シュレイバー、不気味な役ならお手の物、「父に祈りを」のピート・ポスルウェイト、そして「ローズマリーの赤ちゃん」のミア・ファロー。監督は「フライト・オブ・フェニックス」のジョン・ムーア。


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