さあ、2009年も今日で折り返しです。とりあえず、5作品をアップします。
イチ押しは原作も大好きな世界的ベストセラーと日本映画の底力を
世界に見せつける名作映画!
愛を読むひと | 監督:スティーブン・ダルドリー | 出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ | |
The Reader | 2008年 アメリカ・ドイツ映画 | ||
今週のイチ押し:15歳の少年マイケルは、土砂降りの学校帰りに具合が悪くなり座り込んでしまう。そんな彼を強引に家まで送ってくれたのは、美しい中年女性のハンナだった。病床からようやく復帰したマイケルは彼女の部屋にお礼のために訪問。やがてふたりは深い関係に落ちてしまう。ある日、マイケルはハンナに自分が持っていた本を読んで聞かせる。その日以来、セックスの前には朗読をする事になった。しかし、2人の関係は急に終わってしまう。ある日、ハンナは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を探すマイケル。しかし、彼女の居所はわからなかった。年月がすぎ、マイケルは法科の大学へと進んだ。夏期講習で偶然訪ねた法廷で、彼は目を疑った。その法廷の被告席に立っていたのはハンナだった・・ | |||
私評:それを話すために今日はここに来た・・・・ 私はこの原作が大好き。10年前に私のホームページでも絶賛しております。原作に思い入れがあると映像になったときにギャップを感じてしまう事が多々あるのですが、この映画は素晴らしかった。青年期の男が憧れる年上の女性。そして次第に愛欲の日々に溺れていく。しかし、彼女が去ったときから彼の中には大きな穴がポッカリと空いてしまうのですが、そんな彼の心情の描き方は極上!そのショックは彼を変えてしまう・・。そして真面目でプライドが高いがゆえに知らぬ間にナチスに加担をしていたハンナ・・。ハンナを演じられるのはケイト・ウィンスレットを置いて他にはいません!あの微妙にお肉がついた躰がめちゃめちゃ艶めかしい。そして青年時代のマイケルを演じるのは大抜擢されたデヴィッド・クロス。彼の純な感じが良いです。そして大人になったマイケルはレイフ・ファインズ。その他、「ヒトラー最期の12日間」のブルーノ・ガンツ、「蜘蛛女」のレナ・オリンが登場。監督は「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー。 | |||
剱岳 点の記 | 監督:木村大作 | 出演 :浅野忠信、香川照之、松田龍平 | |
2009年 日本映画 | |||
今週のイチ押し:陸軍陸地測量部の柴崎芳太郎は、日本地図最後の空白地点を埋めるため剱岳の登頂を言い渡される。しかし、その登頂は日本で最初の登頂という、もうひとつの陸軍の威信をかけた登山だった。富山に向かった柴崎は、案内人の宇治長次郎と剱岳の調査に入るが、登山は困難を極め、登頂への手掛かりすら掴めなかった。翌明治40年、測量隊総勢7人で剣岳周辺に三角点を設置。そしてついに剱岳への登山を開始する。しかしガレキだらけの尾根、雪崩や暴風雨に続く困難に次ぐ困難が、測量隊の行く手を阻む。一方、日本山岳会も小島烏水らが最新の登山道具を揃え、剣岳山頂を目指していた。危険極まりないチャレンジに何の意味があるのか?隊員たちの心に疑念が生まれる・・ | |||
私評:誰かが行かなければ道はできない・・・・CG全盛期のこの時代に、敢えて人力で実際に山に登り、ありのままの自然とそれに挑む男たちを真正面から描いた作品です。明治時代という設定もありまさに、体一つで前人未到の大自然に挑む男たちはめちゃめちゃカッコ良かったです。そしてこの映画が描き出す大自然の映像はまさに圧巻。人の目線で映像を撮るため空撮はなし。つまり、スタッフ・キャストは歩いて歩いて、歩き続けてこの映画を完成させたのです。しかも、この映画のために実際に雪崩まで起こしたというからすごいです!主演は生真面目で冷静な柴崎役がピッタリの、「鈍獣」とはま逆のキャラの浅野忠信。やはり生真面目でとにかく登山を成功させることだけに執着する長次郎を演じるのは「キサラギ」の香川照之。その他、松田龍平、仲村トオル、役所広司、そして紅一点の宮崎あおいという超豪華メンバーです。監督は日本が世界に誇るカメラマン、木村大作。これが彼の初監督作品です。 | |||
ブッシュ | 監督 : オリバー・ストーン | 出演:ジョシュ・ブローリン、エリザベス・バンクス | |
W | 2008年 アメリカ映画 | ||
偉大な祖父と父を持ち、40歳になってもやりたい放題の生活をしているジョージ・W・ブッシュ。(以下、W)父に与えられた仕事も長続きせず、何をやっても中途半端。そんな彼に転機が訪れた。父のジョージ・H・W・ブッシュ(パパブッシュ)が大統領選挙に出馬する事になり、彼はその手伝いを言い渡されたのだ。パパブッシュは見事に当選。しかし、Wにとってパパブッシュは更に大きな存在になってしまう。やがて、パパブッシュに最大の試練が訪れる。それは「湾岸戦争」。サダム・フセイン相手に戦争を仕掛け早期に終結させたことにパパブッシュはニンマリ。しかし、Wにしてみれば不満だらけの結果だった。次の大統領選挙では、パパブッシュはクリントンに惨敗・・。一方のWは周りの反対を押し切りテキサス州知事選に出馬し、見事に当選。少しはパパブッシュを見返したような気分でいた。しかし、Wには更なる目論みがあった。神のお告げだとWはいう。それはアメリカ大統領になることだった・・・・ | |||
私評:ジュニア・・お前には本当に失望した・・・・アメリカ史上でも屈指の悪名高き大統領?ジョージ・W・ブッシュ。私は彼をバッシングする内容の映画だと思って見に行ったのですが、ところがどっこい、この映画のブッシュはなんとも人間臭い奴です。なんてったって彼のお父さんも大統領。それゆえに彼は生粋のボンボンなんですね。そんな生活に甘えて育った彼を戦う男に変えたのは、パパブッシュ。これはブッシュ家の宿命だったのでしょうか?映画の中のセリフで、自分たちを「ケネディ家」と比較するところがあるのですが、その受け答えは最高でした。しかし、この男、どことなく憎めない・・。ブッシュ役は「ノーカントリー」のジョシュ・ブローリン。彼の演技の幅も広い!脇役陣は、パパ役は「グリーン・マイル」のジェームズ・クロムウエル、ママ役は「エクソシスト」のエレン・バースティン、チェイニー副大統領役は「ジョーズ」のリチャード・ドレイファス、ラムズフェルド国防長官役は「羊たちの沈黙」のスコット・グレン、パウエル国務長官は「バスキア」のジェフリー・ライト、ライス大統領補佐官役は「MI:2」のタンディ・ニュートン、ローブ次席補佐官役は「ミスト」のトビー・ジョーンズ・・・という超豪華なキャスティング。監督は「ニクソン」「JFK」のオリバー・ストーン。 | |||
トランスフォーマー リベンジ | 監督 : マイケル・ベイ | 出演 : シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス | |
Transfomer Revenge of the Fallen | 2009年 アメリカ映画 | ||
オートボットとディセプティコンの戦いを終えて、普通の生活に戻っていたサム。彼は晴れて大学生になりキャンパスライフを楽しみにしていた。そんなある日、サムはメガトロンを倒したキューブのかけらを見つける。その小さなかけらは、家中の金属機器がトランスフォームしてしまうほどの威力を持っていて、しかも「ある情報」がサムの内部にインプットされてしまう。一方、世界中に散らばったディセプティコンを討伐するために、軍隊とオートボットがチームを組んだNESTは、世界中で活躍をしていた。しかし、国家安全顧問は「ディセプティコンが襲ってくるのはオートボットのせいでは?」と異論を唱えるのだった。やがて、サムの脳裏には次々と幻覚が浮かび始める。そしてその幻覚こそ、ディセプティコンが狙っている情報だった・・・・ | |||
私評:「これはボクの戦いじゃない」「いや、やがてそうなる」・・・・とにかくこの映画は動体視力が試される。正直、字幕版なんて見ていたら画面を追えません。これは吹き替え版で行きましょう!しかも、後方の席でね。映画の方は前作を遥かに上回る映像マジックで溢れています。とにかくあの機械たちがトランスフォームする映像は圧巻。そして今回のクライマックスはエジプトのピラミッドでの壮絶な決闘シーン。これがまたすごいです。まあ、頭の堅い輩からは酷評も飛び交っているようですが、面白ければいいじゃないですか!私は120%楽しみました。そして日本から1週間遅れて公開されたアメリカではとんでもない数字をあげているようです・・。主演は前作に引き続きシャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、そしてジョシュ・デュアメルが再登場。製作総指揮はS・スピルバーグ、そして監督は「アルマゲドン」のマイケル・ベイです。余談ですが、この映画のパンフレット500円でした!最近しょうもない内容で高いパンフレットが多いので、これは嬉しい!! | |||
ガマの油 | 監督・主演 : 役所広司 | 出演 : 瑛太、小林聡美、 | |
2009年 日本映画 | |||
田園調布の大豪邸に住む矢沢一家。父親の拓郎はトレーダーで毎日インターネットと顔を突き合わせているはちゃめちゃな男。そんな夫をいつも冷静にそして優しく見つめている妻。そしてひとり息子の拓也は父が反面教師になったのか、まじめな青年。その日は拓也の友人のサブローが少年院から出所する日だった。恋人の光を置いて、サブローを迎えに行った拓也は交通事故に遭い、意識不明になってしまう。病院のベッドでひたすら眠り続ける拓也を見守る両親とサブロー。そんな時、拓也の携帯電話に光から電話が入る。思わず電話を取った拓郎は事実を伝えられず、拓也の振りをして光と話をしてしまう。拓也がこうなったのは自分のせいだと落ち込むサブローは夜な夜な拓也に話しかけていた。やがて、彼らをさらなる不幸が襲う・・・・ | |||
私評:うさぎは?ピョン!カエルも?ピョン!拓也は?なるへそ!光は?太陽・・・・役所広司の初監督作品。役者としては日本映画界の重鎮に登りつめた人ですが、監督のとしての技量は・・?正直、映画の出来は個人的にはイマイチでした。彼のあまりに高いテンションがどうも鼻についてしまいました。しかも、話もイマイチ分かりづらい。しかし、そんな演出をぶっ飛ばすのが絶妙なキャスティングです。(役所広司は抜かして・・)彼の妻役は、私の大好きな「めがね」の小林聡美。彼女の飄々とした演技は相変わらず冴えています!息子役は出演作が目白押しの「余命1ヶ月の花嫁」の瑛太。彼は爽やかでいいですね〜。そして意外なキャスティングなのがサブロー役の澤屋敷純一。K1でジェロム・レバンナを倒した、あの格闘家です。彼がまた良い芝居をするんですよ。光役はこれがスクリーンデビューの二階堂ふみ。彼女の溌剌とした演技もグッドです。その他、益岡徹、八千草薫が登場します。役所さん、これからは役者に専念してください。 | |||