2009/6/13

最近は2週間に1回がぺーすになってるレビューですが、
ちゃんと書き続けていきます。今回のイチ押しはタイの痛快アクションと
上級のサスペンス。まったく正反対の作品ですが・・

チョコレート・ファイター  監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ  出演:ヤーニン・ウィサミタナン、阿部寛
CHOCOLATE  2008年 タイ映画
今週のイチ押し:日本のやくざとタイのマフィアの抗争が激化するなか、日本のやくざのマサシはマフィアのボス:ナンバー8の女、ジンと恋に落ちる。ふたりは結ばれるが、マサシの身の危険を感じたジンは彼に日本に帰る事を勧めた。しかし、その時、ジンはマサシの子供を宿していた。マサシの帰国後、ジンはひとりで娘を産み育てていた。彼女の名前はゼン。彼女はすくすくと育っていくが脳に障害を持っていた。しかし、彼女は並はずれた身体能力を持っていた。そんなある日、ジンは白血病に侵されている事が発覚。治療には多額の費用を要するが、そんな大金をゼンには用意できない。そんな時、ゼンの幼馴染のムンはかつてジンが金を貸した人間のリストを見つける。ムンとゼンは彼らの元を訪ね、返金を迫るが簡単には返してくれない。手荒いまねで追い出されそうになったときゼンの中に眠っていた武術の心得が解放される。次々とお金を回収してまわるふたりはいつしかナンバー8に目を付けられてしまう・・・・
私評:ママのお金〜。返して〜。・・・タイからやってきた究極のアクション映画。タイ映画と言えばジョニー・トーの「マッハ!」の国。その監督、スタッフが次に選んだのはなんと見た目は細くてとっても可愛い女の子。ところが彼女が強烈なハイキックを連発。大の男たちをバッタバッタと薙ぎ倒していく。強烈な肘!膝蹴り!・・そして高い位置からの延髄蹴り!!効果音もプラスするとマジですごい威力に見えるんです。しかも。相変わらずノーCG、ノースタント。見せ場はいくつもあるのですが、極めつけはラストのビルの壁面での戦い。スタントマンが3階から落ちていく。そして狭い足場での壮絶な戦い。これは必見です。映画の最後にNG集があるのですが、これがまた強烈。死人が出なくて良かったね・・。主演はキュートだけど最強の女の子ジージャーことヤーニン・ウィサミタナン。今まで数々の女優が格闘アクションをしてきましたが、おそらく最強でしょう!?そして彼女の父親役はなんと阿部寛!彼も刀を振り回したり銃をぶっ放したりとアクションシーン満載です。監督は「マッハ!」のプラッチャヤー・ピンゲーオ。
ダイアナの選択  監督 : ヴァディム・パールマン  出演 : ユマ・サーマン、エヴァン・レイチェル・ウッド
The Life Before Her Eyes  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:32歳のダイアナは優しい夫と、生意気だけど可愛い一人娘のエマと幸せな人生を送っている。しかし、あの事件は彼女の脳裏から消えたことがない。それは15年前の出来事・・17歳のダイアナは退屈な田舎町で自分の生き方を探してもがいている。シングルマザーの母親のように、ずっとこの町に縛られて生きていくのか?そんな鬱憤が彼女を反抗的にして、学校でも不良のレッテルを貼られている。しかし、そんな彼女にも親友と呼べる存在が現れる。品行方正でおとなしい、ダイアナとは正反対のモーリーン。ふたりは強い絆で結ばれていく。しかし、事件は起こった始業前にトイレにいたふたりの前にマシンガンを持った同級生が現れる。そしてふたりに問いかけた「どちらか一人を殺す。死ぬのはどっちだ?」「殺すなら私にして・・」とモーリーンは答える。その言葉を聞いたダイアナは驚きと感動で彼女の手をギュッと握りしめる。そしてダイアナは・・・
私評:いつ始まるの?私の人生・・・この映画もすっかりレビューが遅れてしまいました・・。映画の内容はすべて邦題の「ダイアナの選択」という言葉に集約されている。17歳のダイアナと32歳のダイアナの生活が交互に描かれていく。しかし、彼女の人生の大きなターニングポイントが学校での銃乱射事件。親友と自分に銃を向けられたとき、彼女はどう選択をしたのか?その答えが最後に明かされるのですが、とんでもない捻りが利いています。そして映画のあちこちに散りばめられた数々の伏線が一気に繋がって、驚愕の事実を知る事になります。たぶん、多くの人が予想を裏切られる事でしょう。そして先日、再度この映画を見てきたのですが、ラストを知っていながら見ると、また新たな発見がありました。私はこういう作品、好きです。そしてこういうストーリーテリングが好きです・・。美しい映像も要チェックです!32歳のダイアナを演じるのは「キル・ビル」のユマ・サーマン。そして驚くべきは17歳のダイアナを演じる「アクロース・ザ・ユニバース」のエヴァン・レイチェル・ウッド。彼女の存在感、そして美貌・・。これからが楽しみな女優です。監督は「砂と霧の家」のヴァディム・パールマン。
消されたヘッドライン  監督 : ケヴィン・マクドナルド  出演 : ラッセル・クロウ、ベン・アフレック
State Of Play  2009年 アメリカ映画 
アメリカの首都ワシントンで二つの事件が起こる。ひとつはドラッグ中毒の黒人の少年スタッグが射殺されたのだ。偶然、現場を通りかかったピザの配達人のサンドも撃たれ重傷を負ったのだ。その翌朝、ソニアという若い女性が地下鉄で死亡。彼女は新進気鋭の連邦議会議員のコリンズの元で働いていて、コリンズとは不倫関係にあった。メディアはすかさずこのスキャンダルを取り上げた。地元新聞社に勤めるマカフリーは、その報道を特別な目で見ていた。コリンズはマカフリーの大学時代からの友人で、コリンズの妻のアンとも親交があった。自宅を家宅捜査に入られたコリンズはマカフリーの部屋を訪ね、ソニアの死因は自殺と報道されているが、そうではないと告げた。スタッグの事件を取材していたマカフリーは、スタッグの遺品の携帯電話の履歴を見て愕然とする。何と彼は死ぬ直前にソニアに電話をしていたのだ。また、スタッグの恋人という少女からもソニアに関する証拠品が出てくる。果たしてこのふたつの事件の関わりは??・・・
私評:これは記事じゃない、事件だ!!・・・巨大な陰謀VSメディアという構図の作品は今までけっこうありましたね。代表的なのが「大統領の陰謀」。こちらは実際に起きたウォーターゲート事件を描いた作品ですが、「消されたヘッドライン」はオリジナルのストーリー。しかし、この作品のベースはイギリスのBBCが制作したサスペンスドラマがベースになっているそうです。今回は黒幕が誰だか分からないまま、事件は23転してラストはとんでもない人物が、実は陰で糸を引いていたというオチが付いています。これについてはご意見も色々とあると思いますが、私は・・・ちょっと強引すぎるのではないかと思いました。しかし、事件の核心の徐々に迫る主人公たちの独自の調査、そして意外なところが綻びを見せる展開はとてもテンポが良くて、しかもリアルで面白かったです。マカフリー役はオスカー俳優ラッセル・クロウ。彼も本当に幅広い演技ができる役者ですね。コリンズ議員役はいちだんと顔が長くなったベン・アフレック。(エリートには絶対に見えない・・)そしてマカフリーとコンビを組む若手女性記者役のレイチェル・マクアダムスが良い演技を見せます。その他、ヘレン・ミレン、ロビン・ライト・ペン、ジェフ・ダニエルズなど渋い役者が揃っています。監督はドキュメンタリー出身、「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド。
ひとりかくれんぼ  監督:山田雅史  出演:川村ゆきえ、河北麻友子
 2009年 日本映画
深夜に行われる降霊術「ひとりかくれんぼ」は若者の間で密かなブームになっている。それを行うと様々な怪奇現象が起こるという。涼子は高校の教師。彼女の受け持ちのクラスの生徒・りつ子も両親が離婚したという孤独から「ひとりかくれんぼ」にはまっていく。夜な夜なネット上にある掲示板「ひとりかくれんぼ集会所」を訪れていた、りつ子はそこで「ルールを守れば人を呪い殺すこともできる」という書き込みを見つけた。早速彼女はクラスメイトで父親を殺したいと言っていた相川に声を掛ける。ふたりでゲームを開始するが相川はルールを破り、途中でその場から帰ってしまう。そしてその翌日、りつ子は失踪してしまう。りつ子を心配して彼女の家を訪ねた涼子はそこで、りつ子が書いた「ひとりかくれんぼ」のメモを発見する。そして涼子自身も「ひとりかくれんぼ」の恐怖を体験する・・・・・
私評:つぎはあなたが鬼・・・これは流行の「都市伝説」をモチーフに作ったホラー映画です。私が子供の時に流行った「こっくりさん」にも似ている。また、こういう儀式的な物には数々のルールがあってそれを破ると悪い事が起こる・・・。誰が流布したネタかは知りませんが、こういう「都市伝説」っていつの時代にもありますね・・。映画の方はいい感じでジワリジワリと恐怖を感じさせる作品。しかし、最後に「貞子」「伽耶子」みたいなのが出てくるんですね。今回はぐっしょりと濡れた黒髪の女。動き方も「呪怨」の伽耶子そっくりでなんだか笑っちゃいました。しかし、映画館で見るとドキッとさせるショッキングシーンの恐怖は倍増します。主演の涼子役はグラビアアイドルとしてCMやドラマで活躍する川村ゆきえ。セクシーさを封印して恐怖におののく女教師を熱演。りつ子役は「国民的美少女コンテスト」出身の河北麻友子。そして相川役はD-BOYS出身の碓井将大。監督は山田雅史。
スピリット  監督 : フランク・ミラー  出演:ガブリエル・マクト、サミュエル・L・ジャクソン
The Sprit  2008年 アメリカ映画
セントラルシティをこよなく愛し、町の平和のために戦う男「スピリット」。彼は強烈な武器ももたず、力持ちという訳でもない。彼の唯一の武器は「決して死なない体」だった。彼は元々デニー・コルトという警官だった。一度は死んだ彼だったが、墓場から帰還したのだ。ある夜、彼は怪しげな取引が行われているという情報入手する。現場に駆け付けたスピリットの前に現れたのは彼の宿敵、超サディストのオクトパスだった。ふたりはボロボロになっても戦い続けている。その隙を突いてオクトパスのパートナーのシルケン・フロストはひとつの箱を手に入れる。しかし、その現場にはもうひとりの女がいた。彼女の名前はサンド・サレフ。彼女はスピリットの初恋の女性だった。彼女とはある悲劇が原因で別れてしまった。そして彼女は2度とこの街には戻らないと誓ったはず・・。スピリットはサンドを探し始める。一方、オクトパスもサンドを追っていた。サンドはオクトパスが望む、ある物を持っていたのだ・・・・・
私評:あいつは本当に不死身なのか??・・・・「300」「シン・シティ」のフランク・ミラー監督作品なのに、なぜか地味に公開されているこの映画。話題性も、出演者も超一流なのになぜだ!?配給元のワーナーが手抜きをしたのか??色々と憶測があったこの映画ですが・・・。相変わらず劇画+動画のようなスタイリッシュな画面。これは「シン・シティ」の別バージョン?オープニングからワクワクさせるような展開。そして私が何としてもこの映画を観たかったのは、このそうそうたる顔触れの女優陣です。セクシー系の女優がどんどん登場。これは見逃せません。そんな彼女たちが豪快なアクションも見せてくれます。しかし、ストーリーはあまり捻りが利いていないような気がします。主演のスピリット役は「グッド・シェパード」のガブリエル・マクト。すごい俳優たちの中で彼は目立たぬ男になってしまいました。オクトパス役は(ピッタリの役柄の)サミュエル・L・ジャクソン。大暴れです!そして女優陣は「ゴースト・ライダー」のエヴァ・メンデス、「007/慰めの報酬」のスタナ・カティック、そしてわが愛しのスカーレット・ヨハンソン嬢という豪華な顔ぶれ。(スカ子嬢は今回メガネっ子でこれがまたセクシー!!)しかしこの映画、観終わった後は、スカ子のセクシー以外は何も残っていませんでした!


前回の記事も読んでね〜!



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