2008/2/11

今回のイチ押しはとにかく泣けます。
みじめな主人公たちに思わず拍手。
こういう映画、大好きです!

陰日向に咲く  監督:平川雄一朗  出演:岡田准一、宮崎あおい、西田敏行
 2007年 日本映画
今週のイチ押し:バス会社に勤めるシンヤはギャンブルが元で借金を抱えている。彼を信頼する会社の上司を裏切り、シンヤはまたパチンコに手を出してしまう。そしてまた積み重なる借金。取り立てに来た怖いお兄さんの指示を受け、シンヤはオレオレ詐欺に加担することに。しかし、電話先の老女はシンヤを本当の息子だと信じ話し始める・・。そんなある日、シンヤは浅草で寿子と出会う。彼女は母親の初恋の人を探しているという。彼女の母はいち時期浅草で、カップル漫才で舞台に立っていたのだ。新宿では妻を失い、息子も家を飛び出してしまったエリートサラリーマンのリュウタロウがいた。彼は歩道橋から駆け下りてくるホームレスをみて思わず「モーゼ!」と叫ぶ。リュウタロウはモーゼの元でホームレスになろうとする。ここ秋葉原では崖ぷちアイドルのみゃー子こと、武田みやこのイベントが行われていた。彼女の大ファンのゆうすけは会場に駆けつけるが、なんと観客は3人だけだった・・・
私評:あなたのことを・・聞かせてください・・・・劇団ひとりが書いたベストセラー小説の映画化です。映画の勢いが後押しして、小説もまた売れて、ついにミリオンセラー。すごいです。それにしてもこの映画は本当に構成がうまい。もちろん原作でキャラクターはしっかりできているのでしょうが、彼らが実に上手に物語を構成していくのです。そして運命の糸に手繰り寄せられる彼ら。主人公となる9人のキャラクターがみんな、一般ピープルで私たちと等身大なこともあり、私はほとんどのキャラクターに感情移入してしまい、彼らが泣くたびに私も大粒の涙をボロボロ流して泣いてしまいました。特に後半の『手紙のシーン』は本当に強烈でした。きっと多くの人たちが本来はこんなみっともなくて・・、でも、輝く瞬間をもっているんですよね。出演者は岡田准一、宮崎あおい、西田敏行、三浦友和、伊藤淳史、緒川たまき、平山あや、塚本高史。監督は「そのときは彼によろしく」の平川雄一朗。この機会に、私も原作を読んでみようと思います。
アメリカン・ギャングスター  監督:リドリー・スコット  出演:ラッセル・クロウ、デンゼル・ワシントン
American Gangster  2007年 アメリカ映画
1 ハーレムで黒人に慕われていたバンピーが心臓発作で急死した。長年、彼に仕えてビジネスのいろはを教え込まれたフランクは、彼の葬儀の席で複雑な思いを抱いていた。バンピーの功績は確かに偉大であったが、黒人であったバンピーは常に白人の恩恵に携わっていたのだ。フランクはそんな常識を覆すべく、ヘロインを白人から入手するのではなく、独自のルートでアジアから、直接手に入れることに成功する。そして彼は純度の高いヘロインを安い料金で売りさばき、あっという間に闇ビジネスで成功を収めてしまう。ニュージャージーの警察に勤めるリッチーは離婚裁判で頭を悩ましていた、そんなある日、彼は容疑者のトランクから100万ドルのキャッシュを発見。当時の警察官の慣例であれば、こっそりいただいてしまうはずが、彼はそれを警察署に持ち帰り、逆に同僚たちから白い目で見られてしまう。そんな彼に新たに設立された麻薬捜査班の責任者に抜擢される。リッチーの必死の捜査上にやがて、フランクが浮かび上がるが・・
私評:お前が弟でなかったら、頭をぶち抜いてるところだ・・・・この映画って実話なのですね。これはかなり面白い映画でした。その面白さはもちろんストーリーでもあるのですが、このストーリーを紡ぎあげていくふたりのオスカー俳優の演技に他ならない。しかし、映画の中でふたりが面と向かうのは本当に最後のほうで、それまではそれぞれの身上を語るのです。そしてこのふたりが実に「人間臭い」んです。片や己と家族にために成り上がろうとするマフィアで、片や正義のために身の振りも考えず突き進む刑事という違うキャラクターのガチンコ勝負は見ものです!!主演はデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウ。このふたり、エンドクレジットで2回名前が出るのですが、1回目はラッセルが、2回目はデンゼルが先になっています。脇役の中ではいやらしいNYの刑事を演じるジョシュ・ブローリンが印象的でした。監督は名匠リドリー・スコット。2時間40分の長尺ですが、一気に見れますよ!ところでエンドクレジットの後で、銃を持って登場する男は誰??
L  Change The World  監督:中田秀夫  出演:松山ケンイチ、福田麻由子、工藤夕貴
 2008年 日本映画
デス・ノートに自らの名前を書き込み、ついに事件を解決に導いたL。彼に残された命はあと23日。しかし、彼は手を緩めることなく、世界中の事件解決に当たっていた。そんな時、タイにいた「F」から死んだワタリに電話が入る。しかし、電話の相手はFではなく少年だった。彼はタイで起きたウィルス兵器による大量虐殺の唯一の生き残りだった。彼を引き取ることにしたLは、Fからの重要なメッセージを受け取った。一方、ブルーシップという地球環境保護グループ内で、あやしい動きが起こっていた。実は、ウィルス兵器を製造したのは彼らだった。しかし、ウィルスを抑える抗ウィルスを持たない彼らが頼ったのは優秀な科学者の二階堂。しかし、彼はブルーシップの策略を知り、完成したばかりの抗ウィルスを自らの体を犠牲にして闇に葬ってしまう。こうしてこの「死神」のようなウィルスが独り歩きを始める・・・・
私評:背筋を伸ばしたほうがいいよ・・・「デス・ノート」からスピンアウトして作られたのがこの映画。「デス・ノート」での天才・夜神月(ライト)VS天才Lの対決はめちゃめちゃ面白かったのですが、今回Lの前に立ちふさがるのが「K」という、元々はワタリの元で育った天才。しかし・・・・、やはりオリジナルには適いませんでした。でも、Lのキャラクターが変な方に変わっていくのが、私は面白かったです。これがけっこう笑える・・。(ところが一緒に映画を見た甥っ子は憤慨しておりました) あまり期待していなかったせいもあると思いますが、その余裕がこの映画を楽しく見られた要因かも??主演のL役はもちろん松山ケンイチ。彼のキャラクターは見事!Lと逃亡をする秘密を持った少女役は「日本沈没」の福田麻由子ちゃん。悪役には工藤夕貴、高島政伸・・。ちょっとだけの出演ですがワタリ役の藤村俊二、弥海砂役の戸田恵理香、南空なおみ役で瀬戸朝香が登場するのは、前作ファンにはうれしい演出です。監督は「リング」の中田秀夫。


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る