3週間ぶりの新作アップ。最近あまり見ていないな〜・・・。
しかし、今回はイチ押しにしたい作品が目白押しです。
スパイダーマン2 | 監督:サム・ライミ | 出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト | |
Spider-man 2 | 2004年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:スパイダーマンとして正義のために日夜、大活躍のピーター・パーカー。しかし、正義の仕事の比重が大きすぎて、ピーター自身の時間がまったく取れない。しかも、自分の敵がピーターの身近な人たちに危害を及ぼす事を恐れ、心から愛しているMJにも気持ちを告げられずにいた。そんな精神的なプレッシャーが彼の体に異変を起こし始める。そんな時、ピーターも敬愛する科学者、ドクター・オクタヴィウスによる核融合実験のデモンストレーションが行われる。しかし、実験は失敗しオクタヴィウスは知能を備えた4本の金属アームを体に付けたまま病院に担ぎ込まれる。そしてそのアームに脳を支配されてしまう。また、オクタヴィウスの実験に莫大な金額を注ぎ込んでいた、ピーターの友人、ハリーは父を殺した張本人スパイダーマンを抹殺するため、オクタヴィウスとある取引をする・・・ | |||
私評:あなたにも守ってくれる人が必要なのよ。これからはふたりで・・・ついに、あのヒーローが帰ってきた。しかし、スパイダーマンのキャラクターの良さって、普通の青年だっていうところですよね。そして今回はスパイダーマンが、ヒーローであるが故の苦悩を抱え、悩み苦しむシーンが切々と語られます。その伏線が最後の大活劇の原動力となるという展開もさすがです。そして最愛の女性MJとのロマンスと葛藤、友人ハリーとの微妙な関係、そして叔母とのやりとりなど、人間ドラマとして秀作です。特撮、アクションシーンは前作以上。(なんたって映画史上、最高の制作費を次ぎこんだ作品ですからね)もう、文句のつけようがありません。そして今回の宿敵ドック・オクがまた、すごいんです・・。そしてこの上ない最高のエンディング。あ〜、本当に至福の2時間でした。監督は前作同様サム・ライミ。早くパート3が観たいです・・。 | |||
スチームボーイ | 監督 :大友克洋 | 出演:鈴木杏、小西真奈美 | |
Steamboy | 2004年 日本映画 | ||
今週のイチ押し:19世紀の後半。世界初の万博に盛り上がるロンドン。発明好きな少年レイは、祖父からの小包を受け取る。その中には祖父の発明品「スチームボール」が入っていた。ちょうどその時、レイの父と祖父の勤める財団の男たちが、荷物を受け取りにやってくる。しかし、祖父の手紙には「スチームボール」はスチーブンス以外の、誰にも渡してはならないと書かれていた。その場から逃げ出したレイだったが、財団に捕まってしまう。レイは財団が万博に向けて作り上げたスチーム城で軟禁される。そしてそこで彼は父親のエディと再開する。科学の偉大さを説くエディは、祖父のロイドが発明した「スチームボール」について語り始める。その偉大な力は世界を変えるという。そんな時、レイはこっそりと城に忍び込んできた祖父のロイドと出会う。ロイドはエディとは違う「科学」の効用を語る。そして、財団が仕掛けた恐ろしいシナリオを聞かされる・・・・ | |||
私評:科学は力だ・・・・大友克弘といえば「AKIRA」で世界的に有名ですね。その「AKIRA」とこの「スチームボーイ」の共通点は「大きな力」を手に入れた人々の葛藤。それこそ世界をも掌握できるほどの偉大な力を持ったら果たして、人間はどんな行動を起こすのでしょうか?世界のために、人々のために思っていても、ちょっとベクトルが狂うとそれはとんでもない暴走を始めるのです。「スチームボーイ」でも、そんな権力の魅力に取りかれた人々が、偉大な発明品「スチームボール」を間違った方向に使ってしまうのです。そしてそれを阻止せんと立ち向かう少年。もう、私は物語の最初から主人公のレイの大冒険に大興奮。しかも、登場する人物、機械、背景から建物が全てリアルなんです。また、今日のIT文化の中で、敢えて「蒸気」を題材に使ったところが憎い!めちゃめちゃ面白かったです。主人公のレイの声は、あの鈴木杏ちゃん。彼女の少年ぽい感じが、レイとピッタリ。しかも、感情の入れ方が巧いです。そしてレイと出会うお転婆で我侭な財団のお嬢様スカーレット役は、小西真奈美。なんとなく実際の彼女のイメージとはすごくかけ離れているのですが、すごく合っていましたよ。いや〜、冒険好きにはタマラン映画です。 | |||
ブラザーフッド | 監督 : カン・ジェギュ | 出演:チャン・ドンゴン、ウォンビン | |
Brotherhood | 2004年 韓国映画 | ||
今週のイチ押し:ソウルの路地裏でジンテは、父亡きあと家族の生計を、靴磨きをしながら支え懸命に生きている。生活は苦しいが、愛する女性がいて誇りに思っている弟ジンソクがいる。しかし、そんな幸せを打ち砕く運命の日がやってきた。朝鮮戦争が勃発したのだ。避難列車に乗るためにたどり着いた大邱の駅で、ジンテとジンソクは軍人たちにより強制徴用され、軍用列車に乗せられる。そして二人は戦争の最前線に送り出されてしまう。ジンソクを守るため、必死になって戦うジンテはいつしか、韓国軍のヒーローとなっていく。しかし、そんなジンテの行動は、ジンソクには過保護に思えた。洛東江の防御線を守るのに成功した韓国軍は、ついに北進を開始した。そんな中、ただ弟の生存を願うという理由だけでジンテは敢えて危険な任務を遂行し続けるが、そんな兄を理解できないジンソク。二人の溝が徐々に深まっていく・・・ | |||
私評:どちらかが家に帰らなければ・・。二人で帰れないのなら、その時はお前が帰れ・・・・朝鮮戦争が終わって50年。そのメモリアル作品としても、韓国では大きな意味を持つ作品です。日本人も戦争は体験していますが、大陸の国ならではの戦い方が一線を隔しています。この映画は韓国映画ですが製作はハリウッドのユニバーサル映画が行っている。それくらいこの映画はすごいのです。スタッフ・キャストが韓国人であること以外、映画の迫力(それは火薬の量や人海術)はまさにハリウッド映画並み(いや、それ以上!?)。とにかく、最初から最後までドンパチの戦闘シーンが次から次へと登場します。また、そのシーンのすごいのなんのって・・。そして敵軍との戦い以外にも、自国での赤狩りシーンなどすごくリアルに描かれていました。このシーンはかなり辛い・・・。もちろん、タイトルにあるとおり二人の兄弟の物語も素晴らしいです。主演は「チング」のチャン・ドンゴン。ジンテ役は、彼しかいないでしょう!カッコ良かったです。そしてジンソク役は若手の人気No.1、ウォビン。監督は「シュリ」のカン・ジェギュ。いや〜、韓国映画ってどこまで行っちゃうの??しかし、この映画は日本では作れませんね・・ | |||
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | 監督:アルフォンソ・キュアロン | 出演:ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン | |
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban | 2004年 アメリカ映画 | ||
13歳になったハリー・ポッターは、学校が始まるまで叔父叔母の家でいつものように苛めに耐えていた。しかし、ついに彼の怒りは頂点に達した。それは両親の悪口を言われたからだ。ハリーは人間に向けて魔法を使ってしまう。それは禁じられていることだった。その夜、一人家を出たハリーは不思議なバスに拾われる。ロンドンの街を疾走するバスの中で、彼はシリアス・ブラックと言う男がアズカバン刑務所を脱獄した事を知る。しかも、彼はハリーを追っているという。ホグワーツ行きの列車の中でハリーは親友のロン、ハーマイオニーと再会する。そして彼らにはシリアス・ブラックの事を話して聞かせた。列車がホグワーツに近づくと、ディメンダー(吸魂鬼)が列車に乗り込んでくる。彼らはシリアスを追うためアズカバンが放ったのだ。 ホグワーツに到着すると、校内は異常な雰囲気に包まれていた。シリアスが刻々と学校に迫っていたからだ。ハリーはシリアスが両親の死に関わっていることを知るが・・・ | |||
私評:エクスペクト・パトローナム!!・・・・・ハリー・ポッターシリーズも今回で3作目。私は原作をずっと読んでいるのですが、この『アズカバンの囚人」がイチバン好きです。ということもあり、映画への期待は高まる一方。しかも、今回から監督がアルフォンソ・キュアロンに変わったこともあり、どんな映画になるのかが本当に楽しみでした。映画はすごくリズム良く展開して、2時間20分を飽きさせない作りになっていました。後半がちょっと駆け足になった感はありますが、全体のハリー・ポッターシリーズの中でも、ハリーの急速な心の成長と、ロン、ハーマイオニーらとの友情を深める展開が見事に描かれていました。もちろん、ハリポタシリーズならではのファンタスティックな映像も随所に見られ、ハリポタ映画のファンも大満足でしょう。ただ、シリーズの中でも一番ダークな話ではあるので、全体的に暗い感jじがしてしまうのは仕方ないですよね・・・。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人はすっかり成長してました。しかも、3人とも本当に演技がうまい。そして今回からの新たなキャラクターとしてシリアス・ブラック役のゲイリー・オールドマン、ルパート先生役にデイビット・シューリス、そしてトレローニ先生役でエマ・トンプソンが登場。2作目まで校長を演じたリチャード・ハリスに代わり、新校長はマイケル・ガンボンが登場。ちょっと若返った気がしますね。それにしてもこの「ハリー・ポッター」シリーズは本当に大好き。次回作「炎のゴブレット」も期待しています。 | |||
セイブ・ザ・ワールド | 監督 :アンドリュー・フレミング | 出演:マイケル・ダグラス、アルバート・ブルックス | |
In-Laws | 2003年 アメリカ映画 | ||
コピー機のセールスマン、スティーブは世界中を飛び回る仕事男。しかし、それは表向きの顔で、実は彼の本業はCIAの潜入捜査官。彼はプラハでロシアマフィアの家に入り込み、原始力潜水艦の取り引きを聞き出すことに成功する。しかし、スティーブにはもうひとつの大事なミッションがあった。それは大事な一人息子の結婚式に出席する事だった。相手の両親にもやっと会うことができ、スティーブの提案で、レストランで食事をしていると、そこでもスティーブは本業の捜査に乗り出す。ところが、そんな彼の仕事を花嫁の父親ジェリーに見つかってしまう。しかも、スティーブの後を追っていたFBIが乱入し、ジェリーもスティーブの仲間と間違えられてしまう。仕方なくスティーブと行動を共にする事になったジェリーだったが、彼は根っからのイン・ドア男。果たしてふたりはマフィアの陰謀を打ち砕く事ができるか??・・・ | |||
私評:これが私の希望していたビーチ・ウエディング・・・・マイケル・ダグラスとアルバート・ブルックスのコンビが、めちゃめちゃ笑わせてくれます。彼らの掛けあいを観ているだけでも面白いのですが、アクションシーンもタップリ盛り込まれています。これぞエンターテイメント映画の決定版です!?特にアルバート・ブルックスがどんどん危険に巻き込まれていく展開が最高。マイケル・ダグラスもノリノリの演技を見せてくれます。また、音楽の使われ方が良いんですよ。オープニングのプラハのカーアクションのシーンではポール・マッカートニーの"Live and Let Die"。そしてクライマックスで「雨にぬれても」がかかるシーンは・・・(ネタバレ禁止モード)。絶対に大爆笑です。スティーブの助手役は「バーティカル・リミット」のロビン・タニー。彼女が色っぽくて良いんです〜。そしてスティーブの妻役は、キャンディス・バーゲン!!昔の清楚な感じの彼女が好きな私はちょっと微妙なんですけど・・・。この映画はリメイクなんですね。オリジナル版では、マイケル・ダグラスの役をピーター・フォークが演じていたそうです。こちらもぜひ、観てみたいです。 | |||
アメリカン・スプレンダー | 監督 :シャリ・スプリンガー・バーマン | 出演:ポール・ジアマッティ、ホープ・デイヴィス | |
American Splendor | 2003年 アメリカ映画 | ||
オハイオの田舎町の病院で、書類整理の仕事をしているハービー・ピーカーは2番目の妻に逃げられ失意のどん底。外見も冴えないが、生き方も不器用な彼はある日、自分の身の回りに起こる、様々な出来事を自分の目線でコミックを作ることに。(彼はアイデアと脚本だけで、絵の作家は別にいる)ところが、彼の醒めた目線で描くシュールなマンガ「アメリカン・スプレンデッド」は大ヒット。彼の生活も変わるかと思われたが、相変わらずの病院勤務。そんなある日、彼のマンガの熱狂的なファンであるという一人の女性から、ファンレターが届く。彼はさっそく彼女に電話を掛け、地元で会う算段を。そしてその日のうちに結婚を約束する。彼女の名前はジョイス。二人の出会いはハービーにとって最高のものだった。ハービーはジョイスのためにとマンガの執筆はもちろん、テレビの出演も果たし、(しかし、相変わらずの病院の書類整理係)順風満帆のように思えた矢先、彼は自分の体にシコリを発見する・・・。・・・ | |||
私評:私たち、今すぐ結婚するべきだと思うわ・・・自らの冴えない人生をコミックにした男と彼を取り巻く人々の、ちょっと変わっているけど心温まる物語。しかも、彼のマンガと実際のシーンが何度も重なり合って、そのエピソードがすごく面白いのです。しかも、ハービー・パーカー本人も登場して、彼を演じているポール・ジアマッティと入れ替わったり・・。低予算ながら、随所に面白いアイデアをたくさん盛り込んでいるのも、この映画の魅力です。また、この映画には美男も美女も出てきません。本当に冴えないやつらばかりが登場するのですが、誰かさんの超ハッピーな話より、彼らのプチ・ハッピーな話のほうが、何倍も楽しくて、何倍もうれしく感じられました。主演のハービーを演じるのは、脇役専門のポール・ジアマッティ。彼の満を持しての初主演作がこの映画です。彼はルックスもハービーに似てるし・・。そしてジョイスを演じるのは「アバウト・シュミット」のホープ・デイビス。今回は大きなメガネに、いかにも自分で切りましたと言わんばかりの前髪が、不思議に似合う妙な女を好演していました。そしてハービー&ジョイス本人も登場します。 |
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テッセラクト | 監督 :オキサイド・パン | 出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ、サスキア・リーブス | |
The Tesseract | 2003年 イギリス・タイ・日本映画 | ||
バンコクの寂れたホテルの一室。緊張で落ち着かないイギリス人ショーンがいた。彼は大口のドラッグの売買に携わっている。そんな彼の緊張にダメを押すかのように停電が・・。居ても立ってもいられなくなった彼はホテルを飛び出し、地元のクラブに繰り出す。酔って部屋に戻ると取引先からのメモが・・・。ホテルで雑用係をしている少年ウィットは、客の荷物から金目のものを盗んでは闇で捌いていた。ある日、金持ち風の女性がチェックインするのを見た彼はすかさず彼女に目をつけた。そして彼女の部屋に忍び込みビデオカメラを盗もうとするが、偶然彼女は部屋に戻ってくる。彼女は児童心理学の教授で、この狡賢く、しかも非常に頭のいいウィットを研究材料にする。ウィットは偶然清掃で入ったショーンの部屋で大量の麻薬を発見し、こっそりと持ち出すことに成功する。彼らに麻薬組織、組織から麻薬を盗み出そうとする殺し屋が絡み、怒涛のクライマックスへとなだれ込む・・・・・ | |||
私評:それは運命と同じさ。ドアの向こうに何があるかは分からない。だけど、開けてみなくちゃ・・・オキサイド・パンがまたしてもスタイリッシュな作品を作り上げた。「テッセラクト」とは4次元立方体のこと。つまり、同系列の時間枠に起こる、複数の人間のドラマを描くのです。それぞれのドラマはどこかのシーンでしっかりリンクしていて、しかも彼ら全てが不思議な運命に導かれあい塗れて行く。かなり、複雑な展開を見せる作品です。しかし、最後の最後に「なるほど・・( -_-)…」というなんとも簡潔な締めくくりになっています。この映画は正直言ってストーリーなんてどうでも良い。それぞれのドラマを絡ませる演出と、オキサイド・パン得意のトリッキーで、しかもカッコいい映像を楽しむ映画です。出演は薬の運び屋にジョナサン・リース・マイヤーズ、児童心理学者役は「ハート」で強烈な演技を見せたサスキア・リーヴス、めっちゃカッコいい女殺し屋には、タイのスーパー・モデルのレナ・クリステンセン。そしてウィット役は(タイのハーレイ・ジョエル・オスメント?)アレクサンダー・レンデル。英語とタイ語のバイリンガル少年は、今後の活躍が楽しみです。 | |||