2005/4/24

GWは見たい映画が多すぎます。今回は6作品を観ましたが、
本当にどれをイチ押しにしても良いくらい面白い映画ばかりでした。

さよなら、さよならハリウッド  監督・出演:ウディ・アレン  出演:ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ
Hollywood Ending  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:映画プロデューサーのエリーは、新作映画の監督に元夫のヴァルを強く推薦していた。製作会社のオーナーはエリーの恋人だが、ヴァルの起用にはなかなか首を縦に振らない。ヴァルもかつては2回もオスカーを受賞した名監督だったが、最近は神経をやられているという噂が絶えない。事実、前作の映画は未完のまま、製作が中止になってしまったのだ。しかし、エリーの必死の説得が伝わり、映画監督はヴァルに決定した。このニュースに驚いたのはヴァル自身。しかも、自分を捨てた女とそのボーイフレンドが自分を雇ったのだから、彼もイマイチ気分が乗らない。しかし、多額のギャラと素晴らしい作品のため背に腹は変えられず、仕事を引き受けることに。順調に映画制作が進み、キャスト、スタッフも揃ったある日、なんとヴァルは目が見えなくなってしまう。エージェントのアルに相談したヴァルは、ふたりでこの事実を隠蔽しようとする。しかし、目の見えない映画監督の作品は??・・・・
私評:世の中の夫はみんな一度失明するべきだ・・・ウディ・アレンの3年ぶりの新作がやって来た。と言っても、この映画がアメリカで公開されたのは2002年。なんで、こんなに遅いんでしょう・・??しかし、3年間、待たせただけの事はあります。いつもながらのセリフと愚痴の洪水はまさにウディの真骨頂。笑えます。そして今回のヒロインであるティア・レオーニとの息もピッタリ。このふたりが紡ぎだす会話の面白いのなんのって・・。しかし、シナリオのベースは取ってつけたみたいな陳腐な題材なんです。それをウディ・アレンが捏ねくりまわして、天下一品の作品に仕上げている。まさに天才の仕事です。そして映画の端々で、NYの美しい街並みが描かれる。NYを愛してやまないウディらしい演出ですね。そしていつも通り、ジャズを中心にしたステキな音楽のチョイスもサイコー。まさにウディ・アレン印の安心映画です。その他共演は「ザ・グリード」のトリート・ウィリアムズ、そして「ドラキュラ、都へ行く」のジョージ・ハミルトン。まさに、大人の映画。楽しみました!
ハイド・アンド・シーク 
暗闇のかくれんぼ
 監督 :ジョン・ポルソン  出演:ロバート・デ・ニーロ、ダコタ・ファンニング
Hide and Seek  2005年 アメリカ映画
ニューヨークのマンハッタン。その夜も、いつものように母親のアリソンは娘のエミリーの寝室で娘を抱きしめ、心から彼女を愛していると告げた。ところが、その夜アリソンは風呂の中で手首を切って死んでしまう。現場を見てしまったエミリーはすっかり心を閉ざしてしまう。父親のデヴィッドは娘のことを考えて郊外の静かな町に移り住んだ。しかし、エミリーはそこの生活にも順応できず、「見えない友だち」のチャーリーと遊ぶようになる。しかし、チャーリーはただの遊び仲間ではなかった。ある夜、目を覚ましたデヴィッドは風呂場に明かりが点いている事を不審に思い調べてみると、エミリーのクレヨンで「彼女を殺したのはお前だ!」と殴り書きされていた。エミリーを問いただすが、彼女はチャーリーの仕業だと言う。さらに、飼っていた猫のセバスチャンが殺され、この街で知り合ったエリザベスも、チャーリーに狙われてしまう。そしてついにデヴィッドはチャーリーの正体を暴き出す。しかし、それは新たな恐怖の始まりでもあった・・・・・
私評:もう、チャーリーはいや!パパ、私を置いていかないで・・・・久々に心からドキドキさせてくれるホラー映画と出会いました。ところが最後の15分間でこの映画はガラリと雰囲気が変わります。それまでのじわりじわりと真綿で首を絞めるような恐怖が一転し、視覚な恐怖に変わるのです。このネタは絶対に書けないのですが、この部分がいちばん語りたい部分なんですよね・・・。この映画を観て、またしてもダコタ・ファンニングのすごさに驚かされました。なんたって今回の相手は、あのロバート・デ・ニーロですよ!もう、名優中の名優の彼を向こうに回しても、一歩もひけをとらない。それどころかデ・ニーロを食ってます。今までもショーン・ペン、シャリーズ・セロン、デンゼル・ワシントンと言ったオスカー俳優と共演を果たしてきたダコタちゃんですが、今回の演技を見て本当に彼女のすごさが分かりました。次は「宇宙戦争」でトム・クルーズも食っちゃってください(笑)。しかし、デ・ニーロもさすがの演技を見せてくれます。ラストは某有名なホラー映画にソックリのシーンがあったのですが、あれはその映画の主演男優への挑戦に見えたのは私だけでしょうか??その他、エリザベス・シュ−、ファムケ・ヤンセン、エイミー・アービングという豪華な脇役もこの映画の見所。監督は「プール」のジョン・ポルソン。
シャル・ウイ・ダンス?  監督:ピーター・チェルソム  出演:リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス
Shall we dance?  2004年 アメリカ映画
シカゴの弁護士のジョンは、穏やかな人柄で仕事場でも人気者。そして家に帰れば妻と娘を心から愛する100点満点の男。しかし、彼はそんな自分になんとなく疑問を抱いていた。そんなある日、彼は電車の外をぼんやり眺めているとダンス教室の窓辺に佇む、美しい女性を見つけた。何ともいえない衝動に駆られたジョンは電車を飛び降り、いつしかダンス教室に向かっていた。窓辺に立っていたのはポリーナという名前の女性だった。彼女に惹かれたジョンは、その場でダンス教室に入る決心をした。ダンス教室では楽しい仲間もでき、ジョン自身もダンスの楽しさにのめりこんで行く。下心で入所したダンスが、彼をどんどん変えていく。そしてついにジョンはダンス選手権に出場するまでの腕前になっていた。そんなジョンの変化に気付いた妻のビヴァリーは探偵を雇って、ジョンの動向を調べさせるが・・・・・
私評:Would you dance with me?? ・・・・周防正行監督の名作「Shall we dance ??」のハリウッド・リメイク版です。映画に登場するメンバーや特徴まで、ほとんど日本版と一緒なのですが、随所にアメリカというお国柄が見えてきます。しかし、日本版を見た人にも、そんな事は何の障害にもならない。オリジナル版が大好きな人には、本当に心から楽しむ事ができる映画だと思いますよ。この映画ってラブ・ストーリーでもあり、ひとりの男の人生の新しい光の話でもあり、そしてダンスという物の楽しさを教えてくれる映画でもあります。私は踊りはまったくできませんが、この映画を見ているとなんだか体が動き出しちゃうんですよね。そんなテンションもこの映画の面白さです。主演はリチャード・ギア。彼のキャスティングは正解でしたね!!人柄の良さや、カッコ良さももちろんなのですが、やはりダンスの上手さを感じました。そしてヒロインのジェニファー・ロペスも素晴らしかった!!(私は今まで彼女が出演している作品で、ほとんどハズレがないのです。)そしてこの映画の中のジェニファーは本当に美しかった・・。ジョンの妻役はスーザン・サランドン。日本版の原日出子は専業主婦だったけど、スーザンはバリバリのキャリア・ウーマン。この辺りの演出も上手い!そして脇を固める役者たちも本当に適材適所で、見事なアンサンブル。最近、ちょっとブルーになる事が多かったのですが、なんだかスッキリ爽やかな気分になれました。監督は「セレンディピティ」のピーター・チェルソムです。
キャビン・フィーバー  監督:イーライ・ロス  出演: ライダー・ストロング、ジョーダン・ラッド
Cabin Fever  2002年 アメリカ映画
学生生活最後に夏休みを楽しもうと、ポール、カレン、ジェフ、マーシー、そしてバートの5人は森の小屋を借りた。仲間内だけで酒とドラッグとセックスを満喫しようと考えていた。しかし、彼らの前に血だらけの男が助けを求めて来た事から事態は一転する。男の皮膚はただれ、見るからに悪い病気を抱えているのが分かる。とにかく、彼を追い払ったが男はなんと彼らの車を盗もうとした。しかも、車の中に血を吐きまくる。仕方なく実力行使に出たポールが振り回した炎が男に引火して、男は火だるまになって森に消えていった。翌日カレンが体調の不良を訴えた。そしてみるみる彼女の体は赤く腫れあがり、爛れた皮膚から血と膿が噴出してくる。自分への伝染を恐れた仲間たちはカレンを納屋に隔離する事にした。しかし、残りのメンバーも感染していないとは限らない。誰もが疑いを抱き始め、彼らは心のバランスを失い始める・・・・・
私評:水が・・・水が・・・・。2002年、アメリカで公開され低予算映画ながら大ヒットを飛ばしたこの映画。異色なホラー映画ですが、本当に強烈なインパクトを残す映画です。この映画のテイストはまさに「悪魔のいけにえ」でした。レザー・フェイスを病原菌に置き換えた感じですね。しかも、舞台が人里はなれた森の中で、彼らが孤立してしまうところが怖い。もちろん、携帯も圏外。そして仲良しの友人たちがそれぞれ暴走していくシーンもすごくリアルです。それに輪をかけて森の近くに住むアヤシイ住民たちや野犬が彼らを襲う。物語はどんどん加速度をつけて行くのです。それにしてもこの映画を観ていて、私は体が痒くなってしまいました。それは感染した人間の発疹。そしてその感染源の水が・・(おっと、ネタバレ禁止モード)。この映画を観た後は、水道の水は飲めないですよ・・。この映画の5人の主人公たちはほとんど無名の新人たち。ところが、彼らが見事に恐怖を表現しています。また、こういう映画にはお約束のちょっとエッチなシーンも盛り込まれていてOK!(笑)監督はデヴィッド・リンチのサポートをしてきて、この映画が長編デビューとなるイーライ・ロス。最近流行のJ−ホラーにアメリカが対抗するには、こういう作風のホラーしかないでしょう!?
ブレイド3  監督 :デヴィッド・S・ゴイヤー  出演:ウェズリー・スナイプス、ジェシカ・ピール
Brade Trinity  2004年 アメリカ映画
夜の街を徘徊するヴァンパイアたちを相手に、ブレイドは今日もひとりで戦っていた。しかし、彼を憎むヴァンパイアの女ボス、ダニカ・トロスらによって吸血鬼のオリジナルであり、最強のヴァンパイアのドレイクが目を覚ます。そんなある日、いつものようにヴァンパイアを追っていたブレイドは、ヴァンパイアの奴隷の「人間」を殺してしまう。(ヴァンパイアは殺すと灰になるので、跡が残らない) 指名手配となったブレイドを追ってアジトにやって来たFBIと交戦し、ブレイドの唯一の理解者であるウィスラーが命を落としてしまう。しかし、FBIに逮捕されたブレイドをウィスラーの娘のアビゲイルとハンニバル・キングという男が救出に現れる。彼らは「ナイト・ウォーカー」という秘密組織で、ヴァンパイアと戦っていたのだ。彼らを味方にしたブレイドはドレイクとヴァンパイア軍団に、再び戦いを挑んでいく・・・・・
私評:ブレイド、お前にも仲間が必要だ・・・・ブレイドの最終章と言うことで、今までのこの映画の面白さが随所に盛り込まれた面白い映画になっていました。しかも、今回の敵は今まで以上に強い。しかも、前2作で一緒に戦ってきたウィスラーを失い、ブレイドは絶体絶命。もしかして、最後だからブレイドが・・??なんて考えながら、ずっと映画を観ていました。(どうなったかは、ここでは言えません)相変わらず、マーシャルアーツの戦いはウェズリー・スナイプスの独壇場。彼の動きは本当に美しく、無駄がない。そしてヴァンパイアをやっつけるための武器も、新しいものがたくさん出てきます。これがまた、面白いんですよ。そして今回ブレイドと共に戦う女戦死アビゲイルを演じるのは「テキサス・チェーンソー」のジェシカ・ピール。彼女のアクションはスゴイです。素手の戦いでもスタントなしで挑んでいる。もちろん、衣装はタンクトップ!!(笑)ハンニバル・キングを演じるのは「セイブ・ザ・ワールド」のライアン・レイノルズ。女ヴァンパイア、ダニカ・トロスを演じるのが「クリスティーナの好きなこと」のパーカー・ポージー。彼女がめっちゃイヤらしくてステキ・・。ウィスラー役はもちろん、クリス・クリストファーソン。監督は3部作を全てを手掛けたデヴィッド・S・ゴイヤーです。ブレイド・シリーズここに完結・・・??
英語完全征服  監督:キム・ソンス  出演:イ・ナヨン、チャン・ヒョク
Please Teach Me English  2003年 韓国映画
妄想癖の固まりの地方公務員ヨンジュは、夢の中では男にモテモテだが現実は・・・。ある日、彼女の勤める役所に外国人の男がやってきて英語で話しかけてきた。しかし、役所の中にひとりも英語を話せる人がいない。そこで所長はくじで負けた者に英語を習わせることにした。負けたのはもちろんヨンジュ。いやいや英会話学校に入学したヨンジュは、同じクラスのムンスに出会い、一目惚れをしてしまう。しかし、彼は天性の女たらしで今日も金髪の先生を口説きまくっている。ムンスは恋人ができた時に「アイ・ラブ・ユー」とプロポーズするのが目的だという。ヨンジュはあの手この手でムンスの気を引こうとするが、まったく効果なし。しかし、なんとか彼の話し相手にはなれた感じ。そんなこんなでふたりの仲は少しずつ近づいていく。ムンスもヨンジュの事を放っておけない女として感じ始めていた。しかし、ヨンジュはムンスの財布の中に入っていた美しい女の写真を見つけてしまう。彼女はアメリカに住む弁護士らしい。彼の英語の勉強の目的は、実は彼女のためだったのだ・・・・・
私評:やっぱり韓国語がいい・・・韓国映画、恐るべし。またしても韓国のラブ・コメディにメロメロです。題材も面白いのですが、今回はふたりの主役と、そしてシナリオの良さにやられました!とにかく、この映画に登場する韓国人は英語がヘタ。そのヘタさで、まずは大爆笑!そしてなんと言ってもヒロインがイイ!ヨンジュを演じるイ・ナヨンを私は初めて見たのですが、めちゃめちゃ可愛い。しかもあのおバカぶりがまたカワイイのです。笑わせてくれます。ムンスを演じるチャン・ヒョクは「僕の彼女を紹介します」の時とは別人のように、超ハイ・テンションでお調子者の男を好演。とにかくこの主演のふたりが最初から最後まで、思い切り笑わせくれます。そしてコメディだけじゃない、ちょっとセンチなシーンもウマイ具合に取り入れられているんですね。また、ヨンジュの気持ちを表すのに、アニメを使う手法も私は大好き。それにしても韓国映画のヒット率の高さは本当に異常なほど。もしかして、私にはあちらの血が流れているのでは??と思うほどです。(笑)監督は「武士 MUSA」のキム・ソンシ。「MUSA」とは全然違うタイプの映画なのに、どちらも私は大好きな映画。この監督の今後も注目です!


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