2006/11/19

今回も2週間分です・・・。
イチ押しは純愛を貫くカップルの感動作とお約束のホラー映画。

ユア・マイ・サンシャイン  監督:パク・チンピョ  出演:チョン・ドヨン、ファン・ジョンミン
You're My Sunshine  2005年 韓国映画
今週のイチ押し:農村で暮らす36歳の独身ソクチュンは花嫁募集中。つい最近も、フィリピンの花嫁募集ツアーに参加したばかり。そんなある日、ソクチュンは近所のコーヒーショップ(韓国のデリバリーヘルス)に勤めるウナをひと目見て恋をしてしまう。体を売る商売から足を洗ってもらいたくて必死に彼女に尽くすソクチュン。最初は彼に対して頑なに心を閉ざしていたウナもいつしか彼の優しさに打たれ、彼のプロポーズを受け入れた。幸せいっぱいのふたりの前に、ウナのことを「オップン」と呼ぶ男が現れる。彼はウナの元夫で彼女を追ってここまでやって来たのだ。そしてソクチュンは長年丹精籠めて育ててきた牛を売って、手切れ金を工面した。しかし、彼に降りかかった不幸はそれだけではなかった。彼の職場に保健所の職員が現れウナがエイズであることを告げられる。ウナにはその事を告げられず悩んでいたソクチュンの姿を見たウナは、彼の元を去ってしまう・・・
私評:「死ぬまで愛してくれる?」「死んでも愛します!」・・・この映画は実話です。彼女が体を売る商売をしていても、エイズでも、深く彼女を愛し続けるソクチュン。彼の一途な気持ちには本当に感動。そして映画はこのあとにもう一悶着あるのですが、そんな事をソクチュンは一向に気にせず、機関車のごとくウナを愛し続けるのです。彼の気持ちが爆発し、それに応えるかのようにウナの気持ちも爆発する面会室のシーンは映画史に残る名シーンと言っても過言ではありません。私をはじめ映画館の大半の人たちが涙を流し嗚咽をあげてしまいました。なんとなく暗い映画なのでは?と思っていたのですが、そんな事はありません。むしろポジティブな恋愛にパワーをもらえるかも??この映画の見所は主演のふたりソクチュン役は「甘い人生」の悪役が記憶に新しいファン・ジョンミン。彼はこの映画の撮影中15kg体重を増やし、後半の撮影のため半月で12kg減らすという恐ろしい事をやってのけました。しかも、彼の演技が素晴らしい・・。ウナ役は「スキャンダル」のチョン・ドヨン。彼女って決して美人じゃないのですがソクチュンが惹かれるのも納得の女性を見事に演じています。ふたりはこの演技で2005年度の韓国の映画賞を総なめにしました。(興行も「私の頭の中の消しゴム」を抜いて恋愛映画No.1を樹立)この映画はエンドクレジットの最後まで観ましょう!
テキサス・チェーンソー ビギニング  監督:ジョナサン・リーベスマン  出演:R・リー・アーメイ、ジョルダナー・ブリュースター
The Texas Chainsaw Masscre
The Beginning
 2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1939年。生肉工場でひとりの少年が生まれた。彼は生まれながらの奇形児ですぐにゴミ箱に捨てられてしまうが、ゴミを漁っていた女に拾われる。それ以来、彼はヒューイット家で育てられトーマスと名付けられる。トーマスは少年時代から異常性をきたしていたが生肉工場が閉鎖される日に、ついに彼は工場長を殺してしまう。彼の養父も保安官を殺害し、パトカーと制服を手に入れすっかりこの街の保安官気取り。しかも、死体はその夜のヒューイット家の食卓に並んだ・・。1969年。ベトナム戦争の真っ只中、2組のカップルがテキサスを失踪していた。バイカーの女に銃で脅された4人は事故を起してしまう。そしてそこにパトカーがやってくる。すると、彼はいきなり銃でバイカーを射殺。彼はヒューイットだった。クリッシー以外の3人はヒューイットに拉致され、彼らの家へと連れて行かれる。そこで彼らは想像を絶する恐怖と苦痛を味わうのだった。ただひとり、拉致を免れたクリッシーは3人の救出に向かうが・・
私評:トーマス!少年が大人になるときが来たぞ・・・あのホラー映画の名作「悪魔のいけにえ」が昨年リメイクされ、新たな恐怖映画の誕生を感じさせられたのですが、今回の第2弾はさらにパワーアップ。半端な気持ちで見に行ったらチビッちゃいますよ。今回はとにかくヒューイット家の面々の異常さに唖然。そして彼らの罠に捕まった者たちが次々と残虐な手口で殺されていく。その過激さといい、血の量といい、前作の2倍増しです。これはホラー映画のパート2を作るときの鉄則なのですが、まさにお手本どおりでグッドでした。出演は前作に引き続きヒューイット役のR・リー・アーメイ、そしてレザーフェイス役はアンドリュー・ブリアニスキー。そして被害者側は「パラサイト」のジョルダナー・ブリュースター、「フライトプラン」のマット・ボマー・・などなど。監督は「黒の怨」のジョナサン・リーベスマン。製作は「アルマゲドン」の監督マイケル・ベイです。
氷の微笑2  監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ  出演:シャロン・ストーン、デヴィッド・モリッシー
Basic Instinct 2  2006年 アメリカ映画

ロンドンの町を1台のスポーツカーが疾走する。運転しているのはキャサリン・トラメル。男の手を自らの下半身に導きエクスタシーを感じながら運転を続けるキャサリン。しかし、車は道路を外れ川に落ちてしまう。沈んだ車から助かったのはキャサリンだけだった。ベストセラー作家として名を馳せるキャサリンの周りでは度々犯罪が起こる事でも有名だった。ロンドン警察のロイはキャサリンが以前にLAで殺人事件の容疑者であった事を知り精神医のマイケルに鑑定を依頼した。マイケルはキャサリンをひと目見たときから危険な臭いを察知する。法廷では彼女は「危険中毒」のため放免にするのは危険と説明するが、彼女は証拠不十分で釈放されてしまう。一方、マイケルの別れた妻の恋人で雑誌記者のアダムは彼のスキャンダラスな過去を調べているという。大学での昇進の話が持ち上がっている今、アダムと元妻のデニースは邪魔な存在になってしまう。そんな時、アダムの死体が発見される・・・・

私評:退屈はもっと嫌い・・・・シャロン・ストーンの名を世界中に知らしめたエロチックサスペンスの名作中の名作「氷の微笑」の続編です。舞台はLAからロンドンに移ったものの、物語の主人公はもちろんキャサリン・トラメル。まさにシャロンのはまり役です。当初、この映画の評判がすこぶる悪かったので「シャロン・ストーンのヌードが見られれば良しとしよう!」くらいの軽い気持ちで映画を見たのですが、シナリオも捻ってありミステリーとしてもかなり満足度の高い作品でした。最後は1作目同様、本当はどうだったの??という謎がいっぱい。これもこの手の映画の楽しみ方ですよね。主演は46歳にしていまだナイスバディの持ち主シャロン・ストーン。オールヌードの濡れ場シーンもあるのですが年齢を感じさせません。(でも、あの胸は整形している・・??)マイケル役は「ロビン・フッド」のデヴィッド・モリッシー。ロイ役には「アズカバンの囚人」のデヴィッド・シューリス。そしてマイケルの友人の女医役で「愛の嵐」のシャーロット・ランプリングが登場。なかなかの面子ですよ。監督は「ジャッカル」のマイケル・ケイトン=ジョーンズです。
ソウ3  監督:ダーレン・リン・バウズマン  出演 : トビン・ベル、ショウニー・スミス
SAW 3  2006年 アメリカ映画

殺人現場に呼び出された女刑事ケリーはバラバラに飛び散った被害者の肉片を見て息を呑んだ。皮膚に直接鎖を繋がれた男は皮膚を引きちぎりながら逃げようとしたが爆弾の餌食になってしまう。その夜、ケリーは何者かに誘拐される。目を覚ますと胸に恐ろしい機械が。それを外す鍵は目の前の酸の中に・・・。医師のリンも何者かに誘拐された。目を覚ました彼女は廃工場の一室にいた。そこには今にも死にそうな男が横たわっている。男の名前はジグソウ。そして傍らにはジグソウを崇拝する女アマンダがいた。リンは爆弾つきの首輪を装着され、ジグソウが死ねば彼女の爆弾が爆破するようになっている。ジグソウはもうひとりの男ジェフのゲームを楽しんでいた。そのゲームが終わる前にジグソウが死ねば、ゲームオーバーでリンの命も消える。ジェフは3年前に息子を交通事故で亡くしてから情緒不安定になっている。それ以来ジェフはずっと息子を殺した犯人に復讐する事だけを考えていた・・・・

私評:I wanna Play a game・・・SAWも回を重ねるごとにパワーアップしていきます。しかし、あんな殺し方誰が考えるのだろう??鎖に繋がれた男は「ヘル・レイザー」のパクリっぽいけど、あとはとにかくすごい殺し方ばかり。見ているこっちの方が「いった〜い!!」と声を上げてしまいそうでした。それと詳しくは話せませんが、「豚」のシーンは・・・(> <) そして今回はジグソウとアマンダの心の闇の部分や、1作目2作目のシーンの準備をするふたりの姿などが挿入されて、シリーズを見続けてきた人には思わずとニヤリさせるシーンもあります。そしてラスト15分でジグソウが仕組んだ今回の大きなゲームの内幕が明かされます。今回も「なるほどね!」と唸らせる見事な畳み込み。そして映画はパート4に続く・・・みたいに、ひとつのゲームを残して終わっちゃうんですね。いや〜、面白かったです。出演は全作を通じて登場するジグソウ役にはトビン・ベル、アマンダ役はショウニー・スミス、そして今回惨殺されるケリー役は「スターシップ・トゥルーパーズ」のダイナ・メイヤー。監督は2作目からこのシリーズを手がけるダーレン・リン・バウズマンです。

サッド・ムービー  監督:クォン・ジョングァン  出演:チョン・ウソン、チャ・テヒョン、イム・スジョン
Sad Movie  2006年 韓国映画
手話通訳のアナウンサーのスジョンには消防士のジヌという恋人がいる。幸せいっぱいの2人だったが、スジョンは火の中に果敢に飛び込んでいくジヌが心配。スジョンには耳の不自由な妹スウンがいる。彼女を火災現場から救出したのがジヌだった。スウンはアミューズメントパークで縫いぐるみを着て子供たちを喜ばせていた。そんな彼女が秘かに憧れていたのが絵描きの青年サンギュ。しかし、彼はそんな彼女の視線には気付かない。スーパーのレジの仕事しているスッキョンにはハソクという恋人がいたが、いつまでも子供のハソクに愛想を付かして別れたばかり。しかし、ハソクはそんな状況を認められない。ジュヨンはバリバリのキャリアウーマン。彼女にはフィチャンという息子がいたがまったく目が行き届かない。そんな時ジュヨンは病で入院してしまう・・・そして8人がそれぞれ流す涙。温かい涙、悲しい涙、そして・・・
私評:サイレンの音を聞くたびに心が張り裂けそう・・・韓国の人気俳優8人が「どうだ〜!!」と言わんばかりに泣かせにきます。大事な人との別れを4つのカップル(含む母子)の4つのドラマが同時進行し、後半にドドーンと泣かせに入ります。しかし、恋愛ものはなんだか泣かせてやろうという姑息な手段が見え見えでちょっと冷めてしまったのですが、母子の話は泣けました。これもちょっと変な展開で??なんですけどね・・。出演者は「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソン、「箪笥」のイム・スジョン、「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョン、「火山高」のシン・ミナ、「箪笥」の義母役だったヨム・ジョンア・・・。日本でもお馴染みの面々が1つのドラマを紡ぎあげていきます。あと、この映画で良いのが音楽ですね〜。予告編で流れる「Without You」は日本のプロモーション用なので映画では掛かりません。さあ、あなたはどのエピソードで泣きますか?
ナチョ・リブレ 覆面の神様  監督: ジャレット・ヘス   出演:ジャック・ブラック
Nacho Libre  2006年 アメリカ映画
イグナシオは戒律の厳しい修道院で育てられた。彼はここで料理番を担当しているが貧しい修道院ではまともな食材が買えない。しかし、彼は修道院の子供たちを心から愛していた。そんなある日、彼は買出しに出た町でルチャ・リブレのヒーローラムセスを見つけた。彼の豪華な暮らしぶりを目の当たりにしたイグナシオは、その時偶然目にしたアマチュア大会のポスターに惹かれ大会出場を決意した。彼がパートナーに選んだのは食材のチップスを奪い取った謎のやせ男、スティーブンだった。しかし、ルチャ・リブレは修道院では忌み嫌われていて、着任したばかりの美人のシスターにも否定されてしまう。しかし、子供たちに美味しい物を食べさせたいというイグナシオの気持ちは強く、覆面レスター、ナチョ・リブレとしてスティーブンと一緒にリングに立った。初戦で大敗を喫した彼らだったがその負けっぷりが受けて引き続きリングに上がることに。果たして彼らはリングで勝利をあげる事ができるのか??・・・・
私評:子供たちに尊敬されたいんだ・・・・メチャメチャ笑えて、ちょっと感動できる・・。こういう映画にもってこいのキャラクターがジャック・ブラックでしょう!彼の体を張ったギャグと惚けた演技に終始笑いっぱなし。しかし、ジャックの身体能力の高さにはビックリです。(昔、ジョン・ベルシーが彼に近いキャラだったかな・・??)今回のレスリングシーンも彼はほとんどスタントマンを使わず、自分で演じています。そして子供たちとのやり取りは笑いと感動が・・・。これはプロレス版「スクール・オブ・ロック」かも??しかし、この映画の題材ってどこかで見たことがあると思って、ずっと調べていたのですがジャン・レノの「グランマスクの男」という作品でした。http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=6415 スッキリしました。主演のジャック・ブラックは言わずと知れた天才コメディアン。そしてスティーブンを演じるのは「イノセントボイス」のヘクター・ヒメネス。こいつがまた、めちゃめちゃ面白い。そして紅一点の美人シスター役はアナ・デ・ラ・レグエラ。美しいです・・。監督は「バス男」のジャレット・ヘスです。
7月24日通りのクリスマス  監督:村上正典  出演:中谷美紀、大沢たかお、上野樹里
 2006年 日本映画
地味で目立たない役所の職員サユリは、大好きな少女マンガの世界にドップリ浸かっていて、頭の中では自分が住んでいる長崎をリスボンに置き換えてヒロイン化していた。彼女の自慢は美男子の弟の耕司。しかし、彼が今度恋人に選んだのは地味で冴えない女の子のメグミ。まるで自分を見ているようでイライラしてしまう。サユリには学生時代からの憧れの男性がいた。彼は大学の先輩で、今は照明のスペシャリストとして有名人になっている。しかし、そんな彼と再会を果たし、しかも急速に接近し始める。サユリの中で彼と対等になりたいという気持ちが湧き上がり、オシャレに気を使い日に日に綺麗になっていく。しかし、彼と付き合えば付き合うほど憧れの相手と不釣合いな自分に自信がなくなっていく。そんな時、弟の耕司がメグミとの結婚を宣言する。サユリはふたりの結婚を断固として反対するのだが・・・・
私評:メグミです。メグって呼んでください。グミでもいいです・・・女性には夢物語のようなストーリーなのでしょうね。しかし、どんなにダサい格好をしても髪の毛がボサボサでも中谷美紀がキレイすぎて、説得力がないな〜というのが私の感想。でも、彼女の演技はさすがです。彼女が弟の結婚式でメグミに向かって叫ぶセリフは、彼女が自分に向けて言いたかった事なんでしょうね・・。あのシーンはちょっとグッときてしまった。しかし、私がこの映画を見に行ったのは、相変わらずのミーハー心で上野樹里が目当て。今回彼女はメグミ役で冴えない女の子役。登場シーンも少ないのですがやはり樹里節を出していました。私はかなり満足。憧れの先輩役は出演作が目白押しの大沢たかお。その他の出演者も佐藤隆太、劇団ひとり、川原亜矢子、小日向文世、YOU、阿部力など、個性的な面々が適所に納まっています。この映画はオヤジがひとりで見に行く映画ではないですね・・。劇場でも、私はかなり浮いていました・・(悲)。監督は「電車男」の村上正典。


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