2005/3/8

今回も思わぬ伏兵がイチ押し。やはり映画は見てみないと
分かりません!

Uボート 最後の決断  監督:トニー・ジグリオ  出演:ウィリアム・H・メイシー、ティル・シュヴァイガー
In EnemyHnads  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:第2次世界大戦下、ドイツ軍が誇るUボートは連合軍にとって脅威だった。アメリカ軍の潜水艦ソードフィッシュ号は、ドイツ軍のUボートと交戦中ダメージを受け乗組員は艦を捨てて脱出をした。その時通りかかったもう1隻のUボートに救出され、乗組員は捕虜となった。しかし、アメリカ軍の兵士がUボート内に感染性のある病気を持ち込んだため、Uボート内にウィルスが蔓延。しかも、米軍の攻撃により長い航行ができなくなってしまう。Uボートの艦長ヨナスは艦を動かすための人手も欠いてしまったため、やむをえず米軍の捕虜にUボートを動かすために働くことを申し出る。そしてヨナスは米軍のリーダーのネイト航海長にとんでもない提案を持ちかけた。それはお互いが生き延びるための、掟破りの手段だった・・・
私評:艦長は狂っている・・・・・Uボートの映画というのはけっこうたくさんありますが、アメリカ兵とドイツ兵が同じ艦に乗り込んで、国境を超え、そして敵味方という障壁を超えて交流するという設定は初めてではないでしょうか? しかも、あの密閉された空間の中で伝染病が蔓延るという、潜水艦ならではの息苦しさに追い討ちがかかります。クライマックスでは絶体絶命のピンチでドキドキさせられましたが、最後は男同士の心の交流に感動までさせられた。(私はこの映画の中で反発しあっていた双方の兵が、艦を動かすための共同作業で、心を通わせるシーンがすごく好きです。)この映画もかなり地味に公開されていますが、とても良くできた映画だと思いました。こんな小さな扱いの作品でも「ローレライ」よりCGは遥かに高度だというのもなんだか皮肉な感じがします・・・。主演は最近ヒーロー役が多いウィリアム・H・メイシー。決してハンサムとは言えない彼がめちゃめちゃカッコ良く見えました。そしてドイツ軍の艦長は「ドリブン」のティル・シュヴァイガー。そして祖国でネイトを待つ妻役は「タービュランス 乱気流」のローレン・ホリーが演じています。それにしても潜水艦映画というのは本当にハズレが少ない。今回も予想以上の出来ばえに大満足でした。監督は「サッカー・ドッグ」(この映画見てみたい・・。しかし、「サッカー・ドッグ」の監督がいきなり「Uボート」と言うのもすごいですね)のトニー・ジグリオ
アナコンダ2  監督 :ドゥワイト・リトル  出演:ジョニー・メスナー、カディ・ストリックランド
Anacondas  2004年 アメリカ映画
NYの科学者たちが、ある新薬の開発に躍起になっていた。それはボルネオのジャングルに7年に1回だけ(しかも2週間)花をつける蘭がもたらす、若さを持続する薬。スポンサーを口説き落とした一行はさっそく現地へと向かった。しかし、雨季のジャングルに近づく船が見つからず、ようやく見つけたオンボロ船はこの土地に在住のアメリカ人、ジョンソンだけだった。現地に辿りつく途中で、一行は巨大ワニに遭遇したり滝で船を失くしたりと波乱続き。しかし、極めつけはジャングルを徘徊する巨大なアナコンダとの遭遇だった。人間もひと飲みにしてしまう巨大な蛇が彼らを襲う。なんとかジャングルからの脱出を試みるが、仲間から裏切り者が現れる。逃げ惑う彼らにアナコンダたちは執拗なまでに追いすがる・・・・・
私評:今はアナコンダたちの産卵期。つまり、雌の蛇に複数の雄が集まるのさ・・・私は蛇が嫌いです。中学生の時に自転車で蛇を踏みつけたことがトラウマになり、いまだにホンモノの蛇と遭遇すると血が凍り、動けなくなってしまいます。ところがこういう映画になってしまうと全然OKなんですね。しかも、このシリーズはジャングルでの戦いとなるので、人間にとってはまさにアウェイの戦い。これがこのシリーズの面白さでもあるのです。しかも、今回は複数のアナコンダが出てきます。そのサイズは前作以上。そして今回は「なぜ、そんなにデカイのか?」も説明があります。極めつけはアナコンダの群れ・・。鳥肌が立ちました・・・。ジョンソン役には「ティアーズ・オブ・ザ・サン」のジョニー・メスナー。渋いです。そしてヒロインの一人、サム役には「ステップフォード・ワイフ」「ザ・呪怨」のガディ・ストリックランド。監督はホラー映画畑で腕を磨いたドゥワイト・リトル。私がこの映画でいちばん肝を冷やしたのは蛇のシーンでも、ワニのシーンでもないのです。それは・・・???
ナショナル・トレジャー  監督 : ジョン・タートルトーブ  出演:ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー
National Treasure  2005年 アメリカ映画
太古の昔より、その伝説の秘宝は実在した。紀元前2000年のファラオの墓、エルサレムの神殿、そして宝は巡り巡って独立記念日のアメリカに辿りついた。そしてその宝は忽然と姿を消してしまったのだ。2005年。歴史の闇に葬り去られた秘宝を、何者かが探していると言うニュースを、歴史学者のゲイツが知る。ゲイツ家は代々この宝の秘密を守り続けてきた由緒ある家柄だった。ゲイツは悪の組織より先に宝を見つける事にした。そしてゲイツは宝の場所を示す謎が「アメリカ独立宣言書」に隠されていることを知る。やっとの思いで「独立宣言書」を拝借したゲイツは、またしても不可解なキーワードを発見する。ゲイツは彼の相棒で天才的なハッカーでもあるライリーと美しい博士アビゲイルとともに、宝の謎を追う。しかし、悪の組織の一員、イアンが彼らを追う。そしてFBIまでが彼らを追うことに・・・・・・
私評:「一体どうするんだ!?」「今、考えているよ」・・・・こういうトレジャー・ハンター映画というのは、やっぱりハリウッドの真骨頂。「インディー・ジョーンズ」シリーズも「トゥーム・レイダー」シリーズも大好きな私は、この映画も存分に楽しみました。今回はアクションはもちろんなのですが、ひとつの謎を解くと、また次に謎が、そしてまた・・と最初から最後まで謎続き。それらの謎解きもこの映画の醍醐味。そして大作請負人のジェリー・ブラッカイマーが手掛けただけに、作品のスケールがでかい!とにかく金のつぎ込み方が違います・・。まあ、ところどころ「あれっ?」って思うシーンもありますが、その辺りはご愛嬌・・と言うことで。主演はアクション・スターには到底見えないニコラス・ケイジ。彼のとぼけた演技がこの映画には思い切りフィットしています。そしてヒロイン役は、「今、ハリウッドで一番美しいのでは?」と思っているダイアン・クルーガー。彼女を見ているだけでもけっこう幸せだったりして・・。そして彼らを追う悪役には「LOTR」のショーン・ビーン、不思議なFBI捜査官にハーヴェイ・カイテルという豪華なメンバーが揃いました。監督は「クール・ランニング」のジョン・タートルトーブ。
ローレライ  監督:樋口真嗣  出演:役所広司、妻夫木聡、香椎由宇
Lorelei  2005年 日本映画
第2次世界大戦末期。広島への原爆投下、そして同盟国のドイツの降伏が相次ぎ、日本も瀬戸際に立たされていた。日本海軍はドイツから最新の潜水艦を手に入れた。その名は「イ507」。この潜水艦は「鋼鉄の魔女」と呼ばれ連合軍からも恐れられていた。この艦の艦長に選ばれた絹見は、若い乗組員と海原に飛び出した。彼らの最大の目的は「2度と原爆を投下させないこと」だった。この潜水艦には「ローレライ」と呼ばれる恐るべき特殊機能が備わっていた。そしてイ507艦は単独で太平洋の米国艦隊ディフェンスラインを突破すると言う無謀とも思える作戦に出た。特殊潜航艇N式の乗員、折笠はそこで一人の少女を発見する。美しいその少女が「ローレライ」システムの大きな鍵だった・・・・・
私評:俺たちは祖国の最後の希望だ・・・この映画は第2次世界大戦下で"3発目の原爆"をめぐる日本潜水艦の熾烈な戦いを描いた福井晴敏の小説の映画化だ。私はこの映画の内容をまったく知らずに観に行ったのですが、「ローレライ」システムの発想はすごく面白かった。そしてその戦い方も興味深かったです。しかし、この映画を観て思い知らされたのが日本の特撮技術のチープさ。特に洋上の連合艦隊の駆逐艦群は、いかにも"CGで描きました"と言う感じで、実物の迫力がない。たぶん、アメリカがこれに携わればすごい映像になったはず。まあ、バジェットの部分でも厳しいとは思いますが・・。しかし、そのCGの部分を抜かせば、私は十分楽しめる内容でした。クライマックスでローレライ・システムを駆使して連合軍と交戦するシーンはかなりの迫力でした。演技陣は役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、石黒賢、堤真一、伊武雅刀らと、紅一点の果椎由宇。監督はこの映画が長編デビュー作となる樋口真嗣。 


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