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忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1989年 イタリア・フランス合作映画
監督 : ジョゼッペ・トルナトーレ
主演 : フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ
戦後間もない、イタリアはシチリアの村。 この村の唯一の娯楽の場はパラダイス座の
映画館。 サルバトーレ少年はイタリアの喜劇王にちなんでトトと呼ばれていた。
彼も映画館の常連だったが、彼の心を魅了したのは映写室と映写技師のアルフレード
だった。 司祭の検閲にあいカットされたキスシーンのフィルムはトトの宝物だった。
やがて、二人には深い友情が芽生える。 しかし、映写室の火災によりアルフレードは
大怪我を負い失明してしまう。 再建された映画館の新しい映写技師は少年トトだった。
可燃性の高かったフィルムは燃えないものになり、映画も時代とともに変わって行った。
青年になったトトはエレナと言う少女に恋をする。 8mmを回して彼女を撮るトト。
そして若い二人はお互いに愛し合うようになる。 しかし、エレナの父の猛反対に遭い
結局は実らぬ恋となった。 アルフレードの勧めによりシチリアを後にしたトトは、以来
30年間故郷には戻らなかった。 そして今日、アルフレードの葬儀の為に久しぶりに
故郷に戻ってきたのだった。
私評: 映画がみんなの娯楽だった時代。 こんな時代に生まれてみんなでワイワイ映画を見たかった。
私の母は若い頃映画館に勤めていて、まさに日本のニュー・シネマ・パラダイスを目の当たりにした。
映画館は週に4本の新作をかけていたという。 劇場には人が入りきれなくて、ロビーの電気を消して
ドアを開けて見させたこともあるという。 また、切符をもぎりすぎて指が腫れたこともあるという。
それに比べて今の日本の映画界はどうだ。 悲しい現状です。
また、この映画の楽しみの一つはスゴイ数の名画のワンシーンを見れる事。 私も思わず映画の中で
映画を見ている人たちと「おー!」と声をあげてしまった。 しかし、ブリジット・バルドーのセクシーな肢体は、
当時の人たちには生唾ゴックン物だったんでしょうね。 また、この映画にはロングバージョンがあります。
青年トトが別れてしまったエレナと、大人になってから再会するシーンが挿入されています。
これは不用かもしれない?? 有名なラストのキスシーンを繋ぎ合わせたフィルムのシーンは最高ですね。
涙・涙でした。
1953年 アメリカ映画
監督 : ジョージ・スティーブンス
主演 : アラン・ラッド、ジーン・アーサー、ジャック・パランス
ワイオミングの高原に一人の男がやってきた。 彼の名はシェーン。
牧場を営むスターレッド家族に水を一杯求めた。 晩の夕食にひき止められた
彼は牧場主のライカ−によって追いたてられている事を知らされる。 そのまま
牧場にとどまる事にしたシェ−ンに対し牧場主の嫌がらせが始まった。
最初は無視していたシェーンもついに彼らを叩きのめしてしまう。それを知った牧場主は
名うての殺し屋ウィルソンを呼び寄せる。 彼は農民たちの目の前で一人を血祭りに上げる。
すっかりスターレッド家に懐いたシェーンに、主人のジョーはここでいっしょに働く事を勧める。
妻のマリアンも最初は怖がっていたシェーンに対し密かな恋心さえ抱いていた。
しかし、シェーンは皆に別れを告げ、一人ウィルソンとの戦いに向かうのだった。
私評 : シェーン! カムバーック!!のラストはあまりに有名ですが、意外と映画自体を見てない人が
多いみたいです。 本当に異色の西部劇ですよね。 スゴイ腕を持ったガンマンなのに、野良仕事に
汗を流し、村のお祭りでダンスを踊ったりと多才な男です。 しかも、女子供にも好かれる最高のキャラクターです。
そして、本当にカッコ良いんだ。 ラストのウィルソンとの戦いの早撃ちは伝説です。 0.5秒とも言われる
ガンさばきは神業です。 娯楽要素のたくさん詰まった、おいしい作品です。