すっかりレビューを溜めてしまったので週の途中ですが
アップします。今回はフランス映画の勢いがすごい!
イチ押しは「ゾンビ猛ダッシュ!」
ザ・ホード 死霊の大群 | 監督:ヤニック・ダアン、ベンジャミン・ロシェ | 出演:クロード・ペロン、ジャン=ピエール・マルタンス | |||
THE HORDE | 2008年 フランス映画 | ||||
今週のイチ押し:パリ。刑事の惨殺死体が発見された。彼を殺したのはギャングの兄弟。刑事の同僚たちは復讐を誓いギャング団が身を隠す古いビルに乗り込んだ。部屋に辿り着いた刑事たちは静かに行動を起こすが、その場に現れたアホな管理人の行動が原因で銃撃戦になり、刑事たちはギャング団に取り押さえられてしまう。部屋には別の男が縛り付けられていたが、無残にもハチの巣にされてしまう。しかし・・・、死んだはずの男はゾンビとして蘇り、信じられない力で暴れ出す。ギャング団はありったけの銃弾を男の体に撃ちこむが・・・。そして廊下では撃ち殺された管理人までもがゾンビになり、彼らに襲いかかった。ビルの外を見るとおぞましい数のゾンビが全力疾走でビルに向かってくる。刑事とギャングはお互いの立場をとりあえず忘れ、手を組んで窮地からの脱出を試みる。階下に住んでいた戦争帰りのオヤジも仲間に加わり、壮絶な戦いが続く・・ | |||||
私評:心臓麻痺でなんか死なない・・・すごい!フランス版ゾンビはとにかくすごい数で、しかも狭い廊下を波のように襲ってくる。殺しても殺しても次から次へとやってくるんですよ。最初の15分くらいは???な展開だったのですが、映画は急転し、すごい加速で最後まで突っ走って行きます。しかし、人間側も武器は豊富でランボーがぶっ放していたマシンガンから手榴弾まで使ってゾンビをぶっ飛ばします。ところがこの映画ではゾンビと素手で戦うシーンもあるんですよ。一般的なゾンビと違い動きが早いフレンチゾンビは蹴ってもぶん殴っても叩きつけても、ガンガン起き上がって襲ってくるんです。その迫力たるや・・・。めちゃ面白かったです。そして究極は鉈を使って・・・???もう、言えません。しかし、一言だけ言いたい!「ゾンビは頭を撃て!!」(爆)出演者は知らない人ばかりですが、かなり濃い面子。女性刑事オーロラ役のクロード・ペロンは「マトリックス」のトリニティっぽくてカッコいいです。監督はヤニック・ダアンとベンジャミン・ロシェのふたり。ふたりともこの作品がデビュー作です。 | |||||
オーケストラ! | 監督:ラミュ・ミレイレアニュ | 出演:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン | |||
Le Concert | 2009年 フランス映画 | ||||
ロシアのボリショイ劇場で清掃係をしているアンドレイは、かつて天才と謳われた伝説の指揮者。しかし、80年にブレジネフ政権が行ったユダヤ人に対する迫害に反対した彼は楽団を解雇されてしまったのだ。ある夜、アンドレイが支配人室を掃除しているとパリのシャトレ座からファックスが届いた。2週間後に予定していたアメリカの楽団の公演がキャンセルになったため出演して欲しいという。その時、アンドレイの頭の中で何かが閃いた!それはかつての仲間を集めてボリショイ楽団の名を語り、パリに乗り込むというとんでもないアイデアだった。さっそくチェロ奏者だった親友のサーシャに話を持ちかける。アンドレイの熱意の押されたサーシャは商売道具の救急車を走らせ仲間集めに奔走する。まずはフランス語ができるマネージャーが必要!アンドレイが選んだのはかつてユダヤ人追放の旗振りをした元ボリショイのマネージャーのイワン。なんとかメンバーをかき集めパリに乗り込む一行。そしてソリストに選ばれたのは実力、人気とも抜群の若手女性ソリストのアンヌ=マリーだった・・・・ | |||||
私評:楽曲は・・・チャイコフスキー バイオリン協奏曲。この曲しかない・・・イイです、この映画。フランスではマイケル・ジャクソンの「This Is It」を抑えて1位を獲得!ちょっと気分が落ち込んでいた私にめちゃめちゃ元気をくれた映画です。まあ、話の展開はうまく行きすぎるのですが、ちっちゃい事は気にしないで良いんです。紆余曲折の末、最後に奏でるチャイコフスキー。12分間にも及ぶ演奏シーンは鳥肌が立ちっぱなしでした。やっぱり音楽って良いな〜!!そしてクライマックスに辿り着くまでは笑いもいっぱいで楽しかったです!そしてちょっぴり涙も・・・。主演はポーランド生まれのロシア俳優アレクセイ・グシュコブ、若き女性バイオリニストには「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロラン。美しいです!!彼女のマネージャー役はフランスの名女優「輝ける女たち」のミュウミュウ。フランスとロシアの名優たちが集いました。監督はラミュ・ミレイレアニュ。 | |||||
レギオン | 監督 : スコット・スチュワート | 出演:ポール・ベタニー、デニス・クエイド | |||
Legion | 2010年 アメリカ映画 | ||||
その夜、空から男は降りてきた。そして背中に生えた翼をねじ切った・・・携帯も通じない砂漠のダイナー「パラダイス・フォールズ」。経営者のボブ、相棒のパーシー、妊娠中のウエイトレスのチャーリーは、まだこの世に何が起こっているのかを知らなかった。カイルは電話を借りるため店に立ち寄ったが電話は途中で不通になってしまう。テレビもラジオも受信しなくなったその時、ひとりの老婆が来店した。陽気にステーキを食べていた老女は突如豹変し、客のひとりに噛みつき重傷を負わせる。人間とは思えない早さで天井にしがみついた老女にボブが発砲するが当たらない。ようやく彼女を仕留めたのはカイルの銃だった。カイルは怪我をした男とその妻と娘を乗せて病院を目指すが、虫の大群に阻まれてしまう。その時、店にやってきたのは大量の武器を携えた男、ミカエル。彼は神が人間を見限り、人類を駆除するための戦いを始めたという。敵は「悪魔」より恐ろしい「天使」たち。そして人類の唯一の希望はチャーリーのお腹の子供だというが・・・・ | |||||
私評:もう、神など信じない・・・天使というと人間の味方というイメージだったのですが、この映画では人類を駆除するという黒いソルジャーたち。そんな中でただひとり(?)反旗を翻したのが大天使ミカエル。すごい発想ですよね〜。そして天使に操られたクリーチャー(というか、ほとんどゾンビ)と「ミカエル&人間」の壮絶な戦いが始まります。しかし、この映画のラストにはとんでもないどんでん返しが待っています。まさか、そりゃないぜ!って感じです。私を含めあの映画館で「ガクッ!」とした人はいっぱいいるでしょうね。まあ、言いかえれば「あっと驚く大どんでん返し」でもあるのですが・・。私はそこまでの展開が面白かっただけにちょっと物足りなかった。ミカエル役は「ダ・ヴィンチ・コード」のポール・ベタニー。ボブ役は「デイ・アフター・トゥモロー」のデニス・クエイド。パーシー役は「ワイルド・スピード TOKYO DRIFT」のルーカス・ブラック。その他にも良い脇役が揃っています!監督はこれが長編映画デビューとなるスコット・スチュワート。 | |||||
ボックス! | 監督 :李闘士男 | 出演:市原隼人、高良健吾、谷村美月 | |||
2010年 日本映画 | |||||
恵美須高校1年生のユウキは、勉強はできるが大人しく気弱な青年。ある日、教師の耀子と電車に乗っていたユウキはチンピラに絡まれるが、ひとりの男に助けられる。彼はユウキの幼なじみのカブだった。ボクシング部に所属するカブはユウキに部に入ることを勧めた。天才的なボクシングセンスを持つカブは試合を重ねるが連戦連勝。怠け者だがボクシングはピカイチだった。そんなカブの姿を見ながら真面目なユウキはメキメキと頭角を現す。そんなふたりを見守っていたのはマネージャーの丸野。彼女はカブに憧れてボクシング部に入ったのだ。しかし、丸野は体調を崩し入院してしまう。選抜高校大会に出場したカブは超高校級のボクサー稲村と対戦をするが完敗。ショックからカブはボクシング部を去り、荒れた生活するようになっていく。一方、ユウキは新人戦で優勝する。そんな時、入退院を繰り返していたマネージャーの丸野が死んでしまう・・・・ | |||||
私評:ユウちゃんの仇打ちか・・負けるわけにいかへんなぁ・・百田尚樹のベストセラーが映画化された。熱い青春物語です。とにかくボクシングのシーンの迫力がすごい。キャストの面々はすごい練習をしてきたらしいのですが、その辺りが映像からビンビン伝わってきました。特にすごいのが1Rをワンショットで撮影した試合のシーン。興奮しました。しかし、なんとなく話がぶつ切りになっていて、感動がとぎれとぎれになってしまった感がありましたね。主演は話題作が続く「ROOKIES 卒業」の市原隼人。彼の演技は本当にパワフルで好きです。だけど、彼の大阪弁・・どうなんでしょう??ユウキ役は「ソラニン」「BANDAGE」の高良健吾。彼は市原隼人と好対照でイイ感じです。その他、谷村美月、香椎由宇、筧利夫など。ちょっとビックリしたのが、市原の母親役の大阪のオバハンを演じている宝生舞。あの可愛かった彼女が・・・・。監督は「デトロイト・メタルシティ」の李闘士男。 | |||||
座頭市 The Last | 監督 : 阪本順治 | 出演:香取慎吾、反町隆史、倍賞千恵子 | |||
2010年 日本映画 | |||||
やっとの思いで結ばれた座頭市とタネ。市はタネに「これが最後の戦い」と言って走り出す。満身創痍で敵を斬りつづける市。次の瞬間、何者かが市に向って刃を向けた。しかし、男と市の間に滑り込んだのはタネ。「出会えてよかった」という言葉を残してタネは息を引き取った。タネとの最後の約束を守って、もう人は斬らないと誓った市は故郷に帰り、かつて親友の柳司のもとに身を寄せる。そして彼はここで平和な人生を過ごすと誓った。しかし、この村は非道なやくざの天道によって牛耳られていた。しかも、天道は百姓のことを人間扱いせず、逆らうものは皆殺しにしていた。あまりに酷い天道の仕打ちにも、市はじっと耐えていたが、ついに置いたはずの仕込み杖を振り回すときがくる。そして柳司のたっての願いで上申書をおかみに届ける事になった市。しかし、そこにはある陰謀が・・・・ | |||||
私評:どうして許しちゃくれないんです?・・・・座頭市と言えば勝新太郎が一世風靡をした人気キャラクター。盲目のヤクザで居あい抜きの名人。勝新太郎亡き後に、北野武が映画化し、最近では女版座頭市「Ichi」を綾瀬はるかが演じた。この2本はけっこうお気に入りなんです。今回はどうだったかというと、結果はまあまあ。見所は市を取り巻く豪華な役者陣の競演です。それゆえに稚拙な演技の主演:香取慎吾が可哀相なくらい下手に見えてしまいました・・・。悪役の天道には黒澤作品の重鎮・仲代達也。あの目力!!すごいです。百姓の柳司役はイケメン俳優「交渉人 The Movie」「男たちの大和」の反町隆史、タネ役は「包帯クラブ」の石原さとみ、柳司の母役に『ホノカアボーイ』の倍賞千恵子、その他こども店長加藤清四郎くん、岩城滉一、寺島進、工藤夕貴、高岡蒼輔、ARATA、原田芳雄、中村勘三郎・・・という超豪華な顔ぶれです。監督は「亡国のイージス」「闇の子供たち」の阪本順治。 | |||||