2008/11/3 

全然映画が見れていません・・。近年、最低本数です。
そんな中で今回もキラリと光る邦画が2本、イチ押しです。

トウキョウソナタ  監督:黒澤清  出演:香川照之、小泉今日子
Tokyo Sonata  2008年 日本映画
今週のイチ押し:健康機メーカーの総務課に勤める佐々木竜平は、その日会社からリストラを言い渡される。妻の恵にはその事が言い出せず、翌日も竜平はスーツ姿で家を出て行く。ハローワクーで仕事を探すが良い仕事には出会えない。竜平の長男の貴は大学生で夜中のバイトに明け暮れている。そして次男の健二は学校の帰り道でピアノ教室の前を通りかかる。彼は両親にピアノ教室に通いたいと告げるが竜平は許さなかった。竜平は公園でボランティアが配給する食事を食べていた。そこに高校時代の同級生の黒須が通りかかる。彼は仕事が忙しい振りをしていたが、竜平同様リストラにあっていた。しかし、あくまでも外面だけはリストラにあっていることを微塵も見せない黒須に、竜平は驚きを隠せなかった。ピアノを習いたい健二は給食費を月謝に当てて教室に通い始める。すると、彼は驚くべき才能を開花させる。また、貴は恵にアメリカ軍への入隊を打ち明ける。平行線を描き続ける佐々木家には不協和音が溢れていた・・
私評:どうやったらやり直せる!?・・・・人生は紆余曲折の繰り返し。いい事ばかりの人なんていません・・、と言われても、自分だけが不幸を背負い込んでいるように思えるのはみんな同じ。しかも、そういったストレスは仕事で背負い込むことが多いですよね。それなのに家に帰っても不協和音だったら、いったいどこで息を抜けば良いのでしょう?その点、一人暮らしの私は気楽なものです??この映画では家族がそれぞれの道でジタバタして、それを黙りとおすのですが、実はそれらが静かに生活に影響を及ぼしていく。少しずつ壊れていくんですね。それを静かに見つめていた妻の恵が最後の砦だったのですが・・・。しかし、そんなものは一度とことんぶっ壊してしまえば良いんです。そして最終的にこの家族を救っていたのが、何度も登場する「食卓」なのです。家族で一緒に飯を食うというのはごく当たり前の姿ですが、そんな当たり前ができるのが家族なのでは??そしてラストの発表会のシーンは鳥肌が立ちました。感動しました。主演は香川照之、そして小泉今日子。このふたりはサイコーです。そして次男役の井之脇海くんの演技が抜群にうまいです。そしてこの監督作品には欠かすことのできない役所広司がとんでもない役で登場。しかし、さすがの演技で物語を締めます。その他、津田寛治、井川遥がいい感じで脇を固めています。監督はこういう映画も撮れるんですね〜と感心した黒澤清。
ICHI  監督:曽利文彦  出演 : 綾瀬はるか、大沢たかお、窪塚洋介
 2008年 日本映画
今週のイチ押し:三味線を担ぎ一人旅をする盲目の旅芸人「市」は瞥女。人との関わりを避けて生きる彼女はある男を追って旅を続けていた。ある日、市は男たちに絡まれるが、その場に居合わせた侍・十馬が仲裁に入る。しかし、彼は刀を抜くことができなかった。その瞬間、市の仕込み杖が一閃!あっという間に男たちを切り殺してしまう。とある、町に辿り着いた十馬は市の力を借りて賭場で一儲けするが、その帰り道で賭場のチンピラに因縁をつけられてしまう。どうしても刀を抜くことができない十馬を救ったのは、またしても市だった。あっという間に5人の男を叩き斬る。その男たちはこの宿場を荒らしている万鬼という男の手下たちで、町を仕切る白川組の2代目の虎次は十馬が彼らを殺したと勘違いし、十馬を用心棒に雇い入れる。一方、万鬼は手下の死体の切り口を見て、かつて戦った事のある、居合い斬りの名手と同じ太刀である事に気づく・・
私評:なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ・・・勝新太郎の名作「座頭市」の女版。しかも、この作品は昔の正統派のチャンバラ映画の良い所をふんだんに取り入れたエンターテインメント作品です。宿場の中でのふたつの組の戦いシーンなどは、黒澤映画やマカロニ・ウエスタンなどの雰囲気がプンプン臭ってきます。そんな泥臭い、男っ気たっぷりの作品に美人瞥女が太刀を振るう・・。このシチュエーションだけでも私は萌えました!しかも、アクションシーンは本当に迫力満点です。しかし、この映画の最大の見所は主演の綾瀬はるかです。陰のある女役って実は彼女に一番合うのかもしれません。そして居合い抜きの格闘シーンは堂に入っています。十馬役は本当に出演作が多い大沢たかお。刀は抜けない・だけど実は・・?という役は彼に合っていました。そして万鬼役は中村獅童。このいやらしさは本物です。そして「ピンポン」でも監督と組んだ窪塚洋介がイイ演技をします。彼もこれで完全復帰か??監督は「ピンポン」「ベクシル2077」の曽利文彦。

ハロウィン

 監督: ロブ・ゾンビ  出演:マルコム・マクダウェル、シェリー・ムーン・ゾンビ
Haloween  2007年 アメリカ映画 
アメリカの小さな田舎町。マイケル・マイヤーズ少年は孤独に苛まれていた。しかし、ペットを惨殺するなど彼の異常さは顕著に現れていた。そして1031日の夜、ついに彼のたがが外れた・・。母親の恋人、姉、そして姉のボーイフレンドを惨殺。しかも、その前に彼はいじめっ子のクラスメートを撲殺していたのだ。しかし、マイケルも赤ん坊の妹だけは手を掛けなかった。そしてマイケルは精神病院に収容され、厳重な警備の下で成長していく。17年後。マイケルは異常なくらいな巨体になっていた。しかも、彼は病院のスタッフを殺し脱走をしてしまう。すぐに、彼の魔性を少年時代から追い続けていた小児行動学者のルーミス医師の元に連絡が入る。そして彼の指摘どおり、マイケルは彼の故郷に姿を現す。折りしもハロウィンの夜、イリノイ州のハドンフィールドは絶叫に包まれる・・・・
私評:何で私にその写真を見せるの??・・・・あのホラー映画の名作「ハロウィン」のリメイクです。しかし、今回は殺人鬼のマイケル・マイヤーズの少年時代もしっかり描かれていて、いい感じで映画はスタート。その後は、もうマイケルの惨殺オンパレード。100分の映画の中でマイケルに殺された人間はなんと20人(*自殺者、未確認含む)。とにかく殺して殺して殺しまくります。ここまでやってくれると「痛快」です。(笑)殺しの手口もさまざまなのですが、オリジナル版の私の好きな殺し方がそのまま再現されているのも嬉しかったっす。きっと、これはオリジナル版の監督、ジョン・カーペンターへのリスペクトですね。そしてもちろん、あのテーマ曲はそのまんま使われています。これがないと「ハロウィン」じゃないですからね!出演者は「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェルが医師役で出演。そしてマイケルの母親役は監督の愛妻でもある「マーダー・ライドショー」のシェリー・ムーン・ゾンビ。警官役で登場するのは「チャイルド・プレイ」のチャッキーの声優としてホラーファンの間では超有名なブラッド・ドゥリーフ。監督はデス・メタルの超有名ミュージシャンでもあるロブ・ゾンビ。
センター・オブ・ジ・アース  監督:エリック・ブレヴィグ  出演:ブレンダン・フレイザー、ジョシュ・ハッチャーソン
Journey to the Center of the Earth  2008年 アメリカ映画
大学教授のトレバーは兄のマックスの遺志を継ぎ地球内部のマントルの裂け目の存在を証明する研究をしている。しかし、大学から研究室の閉鎖を言い渡されてしまう。ちょうどその時、甥っ子のショーンをしばらく預かることになったマックスは、その時渡された兄の遺品の中にジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を見つける。そこには兄のメモが残されていた。何気なく世界各地の地震センサーを見たトレバーは、10年前にマックスが書き残した数字と現在のセンサーの数字が一致していることを発見。さっそく、アイスランドへの調査旅行へと出かけた。もちろん、同行してきたショーン、そして山岳ガイドのハンナとともにセンサーがある山を目指すトレバー。しかし、突然の落雷で3人は洞窟に閉じ込められてしまう。出口を探して歩き回っていた3人は地中へと続く深い穴に落ちてしまう。どこまで落ちても底に辿り着かないくらいの深い竪穴に・・。なんとか底に辿り着いた3人が、そこで見たものは「地底旅行」に描かれていた世界そのものだった・・・・
私評:皆さん。ここが地球の底です・・・・この映画の売りはなんと言っても3D映像。入場料も割り増しで2000円ですが、お暇がある方はぜひともこのスーパーアトラクションを体験してもらいたいです。(普通の2D映画もあります)3Dと言うと「見づらい」というイメージがあったのですが、こちらの技術も格段に進み90分間ずっと3Dで見ても全然OKでした。そしてそのクオリティの高さにビックリしました。画面から飛び出してくる恐竜、美しい光る鳥たち、人喰い魚・・・。そのたびにビックリして椅子から飛び上がってしまいました。まだまだ、改善の余地はありますが今後は3D映画もどんどんできてきます。注目したいですね。ストーリーもファンタジーな内容で子供から大人まで楽しめます。主演は「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザー。こういう映画にはピッタリのキャラクターですね。ショーン役は「ザスーラ」「テラビシアにかける橋」のジョシュ・ハッチャーソン。(彼のアクションはちょっとドンくさい)そしてヒロインにはアニタ・ブリエム。監督は長年にわたり視覚効果の仕事をしてきたエリック・ブレヴィク。今まで手がけた作品は「キャプテンEO」「アビス」「デイ・アフター・トゥモロー」「MIB」「パールハーバー」とそうそうたるラインナップ。彼の初監督作品です。
ゲット・スマート  監督 : ピーター・シーガル  出演:スティーブ・カレル、アン・ハサウェイ
Get Smart  2008年 アメリカ映画
国際犯罪組織の撲滅のためにアメリカの某諜報機関で分析仕事に励む男、マックスウェル・スマートはいつかデスクワークから離れ、現場で腕を振るいたいと思っていた。そんなある日、諜報機関の本部が襲撃され敵にエージェントたちの情報が漏れてしまう。今まで現場で働いていたエージェントに替わり、スマートが現場に昇格することになった。晴れてエージェント86になったスマートは整形手術をしたため敵に顔が知れていないエージェント99とチームを組むことになった。超美人でセクシーな99はかなり凶暴な性格でスマートはたじたじ。しかし、ふたりは力を合わせ敵の組織の大物・シーグフリードに近づき、ついに彼らの恐るべき計画を知ることに。果たして即席凸凹コンビは組織を叩き潰すことができるのか??・・・・
私評:防音シールドを頼む・・・「@チョ〜うれしい〜!!!」・・・伝説のTVシリーズ「それいけスマート」の映画版との事ですが、オリジナル版はまったく知りませんでした。しかし、この映画の予告編がたまらなくそそられる内容だったので即効で見に行ってきました。しかし、アメリカのコメディ映画のこういうギャグって日本人は笑いづらいです・・。どうも笑いのポイントがずれているんです。しかも、後半はけっこうシリアスな作りで意外や意外、ドキドキハラハラの展開でした。この映画をコメディという枠に納めてしまうのは勿体ないです。それが良いか悪いかは別にしてですが・・。主演は「リトル・ミス・サンシャイン」の演技が印象的だったスティーブ・カレル。彼の笑いが日本で受け入れられるか??そしてセクシーなエージェント99を演じるのはダイナマイトボディのアン・ハサウェイ。「プリティ・プリンセス」がこんなに色っぽくなっちゃいました。(そういえばこの二人、今年のアカデミー賞で一緒にプレゼンターをしていましたね)エージェント23役はザ・ロック改めドウェイン・ジョンソン。その他にもアラン・アーキン、テレンス・スタンプ、ジェームズ・カーンという往年の映画ファンにはとっても美味しい役者が出ています。監督は「ロンゲスト・ヤード」のピーター・シーガル。
イーグル・アイ  監督 : D・J・カルーソ  出演 : シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン
Eagle Eye  2008年 アメリカ映画
ペンタゴンの長官ジェフ・カリスターは重大な決断を迫られていた。指名手配中のテロ容疑者を爆撃するか?しかし、身元の照合が100%ではない。大統領の命令は「GO」。ジェフは葬儀中の参列者たちの中心を狙撃した・・・。シカゴのコピーショップで働くジェリーに電話が入る。彼の双子の兄が交通事故で亡くなったのだ。バイト生活をしているジェリーとは違い、兄のイーサンは家族の誇りだった。その頃、レイチェルは一人息子のサムをワシントンで行われるコンサートに送り出していた。その夜、彼女の携帯に知らない女から着信を受ける。向かいの街頭モニターに息子の顔が映し出される。「命令に従わなければ息子は死ぬ」と女の声が告げる。ジェフが自宅に戻ると見覚えのない軍事用品が山積みになっていた。そして彼の元にもレイチェルと同じ女の声で着信が入る。しかし、その直後に彼はFBIに逮捕されてしまう。しかし、ふたたびジェリーの元に入った電話で彼は脱出に成功。しかしその後も、ジェリーはその声に従うしかなかった。やがて電話の主の声に導かれ乗り込んだポルシェにはレイチェルが乗っていた。なぜ、ふたりが??・・・・
私評:すぐにそこを出なさい。あと10秒、9,8,7・・・・唐突にドラマは始まり、正体不明の声に振り回されるふたり。とにかく、前半は「なぜ??」の連続なのですが徐々に謎の正体が明らかになっていく。そしてついに登場する「イーグル・アイ」とは??正直、これにはビックリした。しかし、テクノロジーが進化すればするほどこういう事って起こりうるかも知れない。その確信についてはとんでもない「ネタばれ」になってしまうので言いませんが・・。作品はスピルバーグが絡んでいるだけあって、すごい勢いで転がっていくまさにジェットコースタームービー。訳も分からず巨大な陰謀にはまっていくという、まさにヒッチコック映画のような「巻き込まれ型」の映画です。主演は「インディ・ジョーンズ」「トランスフォーマー」等でスピルバーグのお気に入りシャイア・ラブーフ、そして「M:I:V」「ボーン・スプレマシー」のミシェル・モナハンという旬なふたりが主演。脇にはビリー・ボブ・ソーントン、「レント」のロザリオ・ドーソン、そして「ファンタスティック・フォー」のマイケル・チクリス。監督は「テイキング・ライブス」のD・J・カルーソ。


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