夏休みも終わりましたが、社会人の私には関係ありません。
今回は良い作品ばかりでどれもイチ押し候補ばかり・・。
中でも今回は素敵な音楽がいっぱいの映画と人気コミックの完結編!
キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語 | 監督:ダーネル・マーティン | 出演:エイドリアン・ブロディ、ビヨンセ・ノウルズ | |
Cadillac Records | 2008年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:農夫のマディ・ウォーターズの元に都会からふたりの男がやってきた。彼らは南部のカントリーソングを「録音」しにやってきたのだ。初めて聞く自分の歌。そしてマディはギターを一本抱えて、シカゴを目指した。そこで彼は抜群のハーモニカ演奏をする若者、リトル・ウォルターと出会う。ふたりは意気投合し、ブルースバンドを結成した。ふたりの演奏を見に来ていたのはポーランド移民のレナード・チェス。彼はシカゴでナイトクラブを経営していたが、ふたりの演奏を聴き、音楽にビジネスチャンスを見出した。そしてレナードはマディをレコーディングに誘い『チェスレコード』を立ち上げた。まだまだ人種差別が残るアメリカで白人のレナードと黒人のマディは奇異に映ったが、世間の思惑を他所にレコードは大ヒット。彼らは富を手に入れた。やがて、チェスレコードにはウィリー・ディクソン、ハウリン・ウルフ、そしてチャック・ベリーが加入し、彼らは「音楽・キャデラック・女・人生」を謳歌するが、リトル・ウォルターはドラッグに溺れ、チャック・ベリーは未成年の少女との不適切な関係で投獄されてしまったりと、一筋縄ではなかった。そんな折、レナードは歌姫エタ・ジェイムズを発掘する・・ | |||
私評:褒美として君にキャデラックをやろう・・・新たな音楽の歴史が生まれる瞬間。アメリカのシカゴに集った、アメリカ音楽界のスターたち。いきなり、アメリカ南部のブルースを、スチールギターを掻き鳴らしながら唸るマディ・ウォーターズの歌のカッコいいのなんのって・・。そして続々と登場するチェスレコードのシンガーたち。映画のストーリー、キャラクターの素晴らしさをさらなる場所に誘うのが全編にちりばめられた珠玉の音楽。なんとも心地良い時間を過ごしました。しかも、それらの歌はオリジナルの音源ではなく、出演者たちが自ら演じているのです。レナード・チェス役は「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ、マディ・ウォーターズを演じるのは「ブッシュ」のジェフリー・ライト、チャック・ベリー役は「僕の未来へ逆回転」のモス・デフ、そして渾身の演技でエタ・ジェイムズを演じるのは、この映画の製作総指揮も兼ねる歌姫ビヨンセ・ノウルズ。監督はダーネル・マーティン。 | |||
20世紀少年 第3章 ぼくらの旗 | 監督:堤幸彦 | 出演 :唐沢寿明、豊川悦司、平愛梨 | |
2009年 日本映画 | |||
今週のイチ押し:西暦が終わり「ともだち歴」になって3年が経ち、ともだちは世界大統領となっていた。2015年の殺人ウィルスのテロによって人口は激減。東京は高い壁に囲まれて周囲を寄せ付けなかった。そんな中でともだちは新たな予言を発する。「8月20日に人類は宇宙人によって滅ぼされる・・。」ヨシツネはケンジ一派を率いて、そしてカンナは氷の女王という異名のもとともだちに対して武力で蜂起を企てていた。暴走していくカンナはオッチョから大衆の間で流行している歌がケンジの物だと聞かされ、人々を救うためにコンサートを行う事を決意した。そしてその会場には「あの歌の歌手」も来ると宣言した。一方、国民的な歌手「春波夫」のマネージャーになったマルオはケンジの姉、キリコの居所を突き止める。そこでキリコを匿っていたのは、ケンジたちの小学校時代の友人のひとりケロヨン。そこでキリコは新たなウィルスに対する薬を開発していた・・・ | |||
私評:♪グータラーラ スーダララ・・・20世紀少年3部作の最終章。今回は原作と違うオチがあるということだったのですが、私は原作を読んでいなかったので原作と比較する必要はありませんでした。それにしても圧倒的な力によって地球を制圧しようとするともだちに対して「音楽」で抵抗をするケンジがとにかくカッコ良かったです。そして映画を見た後に(すでに大人買いをしておいた)原作を読んだのですが、正直言って映画のほうが数段面白かったです。それにしてもこの映画の登場人物は原作にそっくりで、オリジナルのキャラクターと比較してみるのも面白い見方かもしれません??エンドクレジットの後に、10分以上のシーンが残っているので、くれぐれも劇場の明かりがつくまで席を立たないように!!出演は唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之、平愛梨、石塚英彦・・・。特に漫画のキャラクターにそっくりなのが高須役の小池栄子、そして小泉響子役の木南晴夏、そして春浪夫役の古田新太!似すぎです!監督はもちろん堤幸彦。 | |||
宇宙へ。 | 監督 : リチャード・デイル | 出演: | |
Rocket Men | 2009年 イギリス映画 | ||
アメリカが宇宙にかけた50年間の情熱。ソ連との宇宙競争が始まった1950年台。史上初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」に集った7人の男たち。(この男たちの話は映画「ライトスタッフ」で有名・・)1961年にソ連がガガーリンを宇宙へ送り出し、アメリカは先を越されてしまう。しかし、1958年に設立されたNASAは、さらなる大きな計画を進めていた。それは人類を月に送ること。JFKの決断に端を発したアポロ計画だった。1969年7月20日。人類はついに月面に降り立った。その後、アポロ計画で10人の男たちが月面に降り立った。やがてロケットに時代は終わり、スペースシャトルの時代が訪れる。その登場は宇宙旅行を劇的に変えた。しかし、宇宙への旅は常に危険と隣り合わせだ。1986年1月28日。スペースシャトル『チャレンジャー号』は打ち上げから73秒後に爆発した・・・・ | |||
私評:「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」・・・これはご存じのとおりアームストロング船長が月面に立った時に発した言葉。(「20世紀少年」でもこのセリフは引用されていましたね)宇宙は私も少年時代からずっと夢見ている世界。いつか宇宙に行ってみたい!いつか宇宙から地球を見てみたい!この映画を見てそんな私の夢が再び胸によみがえってきました。今回、この映画のためにNASAに保管されていた未公開映像がゾロゾロ出てきます。それらをデジタルの映像で大画面に映し出されるのですが、その美しさたるや・・・。私は言葉を失いました。青い地球の遥か上空にぽっかり浮かぶ宇宙ステーション。地球の青と宇宙の黒の見事なコントラスト。そして宇宙から見える星たちもさらなる美しさを放つのです。この映画を見るときっと夜空を見上げたくなりますよ。私は日本語版を見たのですが、宮迫博之のナレーションは素晴らしかったです。監督はBBCでドキュメンタリー番組を多数手がけたリチャード・デイル。 | |||
ぼくはうみがみたくなりました | 監督 : 福田是久 | 出演 : 大塚ちひろ、伊藤裕貴 | |
2009年 日本映画 | |||
明日美は看護学校に通う女学生。だけど血が苦手で自分は向いていないと思っている。彼女は高校時代の憧れの人との辛い思い出を引きずり、心に張り合いもない毎日を送っていた。そんなある日、彼女のステップワゴンを不思議な眼差しで見つめる青年に出会う。雨も降りだし、明日美は彼に「ドライブ行かない?」と誘ってみた。彼の名前は淳一。不思議な淳一は楽しそうでもない、話もしない・・。そんな時、ふたりは老夫婦に声を掛けられる。老夫婦はふたりを姉弟だと信じ込んでいた。城ケ島まで行くという老夫婦を車で送ると明日美は申し出る。そして明日美は淳一が自閉症であることを知る。そして老夫婦は淳一の通っていた幼稚園の園長だった・・・ | |||
私評:海だね〜!海だよ〜!海だか〜!海だの〜!!・・・・kaoruさんのおすすめ作品を観てきました。この話は実際に自閉症の子供を持つ山下久仁明氏が書き下ろした小説。彼自身がこの小説の映画化のためにネットで製作費のカンパを求めていたのですが、その矢先に息子さんは事故で他界してしまう。2年の歳月を経て1000を超える団体や企業が協賛し、この映画は歩き始め遂に完成をしたのです。インデペンデント作品のお手本です。映画の中では自閉症の淳一がパニックを起こしたり、宿泊先の客から心ない言葉を掛けられたりと見ていて辛くなりシーンもあるのですが爽やかで、不思議な感慨を残す作品です。過度な演出はなくてある意味、すごくシンプルな作品ですがそれが逆に良いのです。そしてこの映画は「自閉症に対する知識を持ってほしい」という意図の「社会的に意義ある」映画でもあるのです。しかし、それは押しつけではなくてちゃんとした映画としてのエンターテインメントに仕上がっています。そのバランスの良さもこの映画の魅力ですね。主演は平成ゴジラシリーズで長澤まさみと一緒にモスラに仕える小美人を演じた大塚ちひろ。淳一役はオーディションで500人の中から選ばれた伊藤裕貴。そして老夫婦役で秋野大作、大森暁美が良いわき役を演じます。監督は福田是久。 | |||
バラッド 名もなき恋のうた | 監督 : 山崎貴 | 出演 : 草g剛、新垣結衣、大沢たかお | |
Ballad | 2009年 日本映画 | ||
小学生の真一は毎日、湖のほとりで必死に祈りをささげる美しい女性の夢を見ていた。そんなある日、彼は天正2年の戦国時代にタイムスリップしてしまう。真一はひょんなことで命を救うことになった侍・井尻又兵衛と出会った。彼は小国・春日の侍大将だった。又兵衛と一緒に城に入った真一の前に、この国の姫・廉が姿を現した。彼女こそ真一の夢に出てきた女性だった。真一から夢の話を聞いた廉は又兵衛に真一の世話をするよう命令する。そんなある日、春日城に北関東の大名大倉井高虎が廉に婚儀の申し込みにきたのだ。小国の春日にとってはまたとない良縁談であったが、たがいに恋心を抱いている又兵衛と廉は複雑な思いを抱いていた。しかし、城主の康経は廉姫と高虎の縁談を断った。それに激怒した高虎は春日に軍を送り込む。真一を追ってタイムスリップしてきた真一の両親を交え、ついに戦は始まった・・・・ | |||
私評:お前が生きて帰ってくれれば、自由に生きよう。お前と・・・人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画の中でも特に評価が高い「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」が実写化された。オリジナルのコミカルな部分は削除され、戦国時代の侍と姫の身分を超えた恋愛物語がメインになっている。それゆえか・・・、アニメ版を見ている私は号泣とまではいきませんでした。しかし、オリジナルのストーリーが良いので、「涙・涙・・」の箇所が多々あり、劇場のあちこちですすり泣く声が聞こえてきました。そんな中で私が注目したのはVFXの素晴らしさです。合戦のリアルな感じは多数のエキストラを使った事ももちろんなのですが、絶妙な特撮が威力を発揮しているのです。主演はSMAPの草g剛。この映画の撮影の後に「例の全裸事件」があったので、この映画が公開されるのかどうか?という心配もあったのですが、無事に公開されて良かったですね。廉姫役は「フレフレ少女」の新垣結衣。彼女のお姫様はサイコーです。敵将には「GOEMON」の大沢たかお。その他、夏川結衣、筒井道隆、武井証、斉藤由貴、吹越満などなど・・・。監督は「ALWAYS三丁目の夕日」の山崎貴。 | |||
ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 | 監督 : 佐藤信介 | 出演 : 綾瀬はるか、沢城みゆき | |
2009年 日本映画 | |||
遥は元気いっぱいの女子校生。彼女は幼い頃に母親を亡くしていた。父親は仕事ばかりだし、冷蔵庫にキープしておいたジンジャーエールも飲んでしまい、遥は腹を立てていた。そんなある日、遥は祖母が住む武蔵野を訪ねとある神社を見つけた。そこで彼女は不思議なお面をかぶった動物を発見!あとを付けていくと不思議な世界に迷い込んでしまう。そこは「ホッタラケの島」。そこは人間たちがほったらかしにした物(ホッタラケ)でできた町だった。遥は遠い昔に母から貰った手鏡がほったらかしになり行方がわからなくなっていることに気づく。そこで遥はそこの住人のテオを仲間に引き込み、鏡を探し始めるが・・・ | |||
私評:あんたらがホッタラケにしたものをもらっているだけだ・・・・アニメ全盛期の今日この頃、アメリカの3D映画が続々と公開される中で、なんとなく目立たない存在になっているこの映画。だけど、やっぱり日本のアニメはすごい。この映画のキャラクターはなんとなくお人形っぽいツルツルした感じなのです、背景は水彩画のような淡い色調。その中にリアルな『ホッタラケ』の物たちが存在している。そしてそんな中ですごいスピードで物語は転がっていきます。とにかくあっという間の100分でした。そして押しつけではない子供たちへのメッセージも良い感じで織り込まれていました。遥の声を演じるのは、出演作が目白押しの綾瀬はるか。あまり期待してなかったのですが、彼女の声優ぶりはたいしたもんです!その他、人気声優の沢城みゆき、戸田菜穂、大森南朋、谷村美月。監督は「いぬのえいが」の佐藤信介。 | |||
サブウェイ123 激突 | 監督 : トニー・スコット | 出演 : デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ | |
The Talking Of Pelham 123 | 2009年 アメリカ映画 | ||
ニューヨーク、午後2時。地下鉄のぺラム123号は急に停車した。運行指令室で指示を出していたガーバーは無線で呼びかけるが返事がない。この時、ぺラム123号は4人のハイジャック犯に制圧され、先頭の1車両を残して切り離し、19人の人質をとっていた。やがて、犯人から無線連絡が入る。ライダーと名乗る男は1時間以内に1000万ドルを用意しろと命令する。また、時間に間に合わなければ、1分すぎるごとに一人ずつ射殺すると・・・市長の命令で連邦準備銀行で1000万ドルが用意され、現金輸送車が現場に向かう。しかし、ニューヨークの渋滞は容赦ない。一方、乗客の一人の青年がGFとしていたビデオチャットから社内の様子がネット配信され、犯人の一人が元地下鉄運転手であることが判明する。時間が切れてライダーは乗客のひとりを射殺。しかし、ニューヨークと市長に個人的な恨みを持つライダーの狙いは別にあった・・・・ | |||
私評:お前は俺とおんなじ人間だ・・・・この作品は1974年の『サブウェイ・パニック』のリメイク。しかし、タイトルこそ同じだけど、中身はかなり違う作品になっている。オリジナル版はとにかく随所にユーモアが溢れていて、サスペンスだけで終わらない憎い演出で名作と謳われている作品。それに対して新作はスピード感あふれるアクション&サスペンスでグイグイ押してくる映画です。それゆえに前作との比較はしないほうが良いですね。監督がトニー・スコットなので、さながら音楽のPVのようなノリの良さと、すごいカット割りの多さで目がチカチカしてきました。そしてニューヨークのど真ん中ですごいカーアクションをする辺りがこの監督のすごさですね。ガーバーを演じるのは「アメリカン・ギャングスター」のデンゼル・ワシントン。そして凶悪犯ライダー役は「ビー・クール」のジョン・トラボルタ。このふたりの対決がこの映画の一番の見どころでしょうね。そしてアヤシイ警察の人質救出班役はジョン・タトゥーロ。そして市長役はTVシリーズ「ザ・ソプラノズ」で有名なジェームズ・ガンドルフィーニ。監督はトニー・スコット。 | |||