2002/4/22号

今週はアニメが4作品。別に拘りがあるわけじゃないのですが
なぜか集中してしまいました。イチ押しは・・・・・・

名探偵コナン ベイカー街の亡霊  監督:こだま兼嗣  声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明
The Phantom of Baker Street  2002年 日本映画
今週のイチ押し:最新体感ゲーム「コクーン」の発表会の席に、コナンたちも訪れた。日本のゲーム会社とアメリカのシンドラー・カンパニーによるこのゲームにはコナンの父、工藤優作も協力していた。このゲームのシナリオの一つ、100年前のロンドンを舞台にしたゲームのシナリオを書いたのだ。ゲーム機に乗り込む50人の選ばれし子どもたち。しかし、「コクーン」は暴走をはじめる。2年前に死んだ天才少年ヒロキ・サワダの作り上げた人工知能「ノアズ・アーク」に機能を乗っ取られたのだ。サバイバル・シュミレーションゲームの中で誰かが生き残らなければ、全員の脳が破壊されてしまう。しかも、会場では何者かによって、「コクーン」の製作者樫村が殺害される・・・・
私評:我が目的は日本という国のリセットだ・・・・・今回も非常に練られたストーリーでハラハラドキドキ。しかも、今回コナンが挑むのは、最新バーチャルリアリティ・ゲーム。ゲームの舞台は100年前のロンドン。そこで切り裂きジャックを捕まえることが,ゲームのミッションだ。江戸川コナン=コナン・ドイル=シャ−ロック・ホームズという繋がりで,今回は原点に戻った内容と言えるかも??しかも、ゲームの中ではコナンが、ゲーム会場では工藤優作がそれぞれ活躍するという、父子の競演も見物の一つです。また、シャーロック・ホームズのファンならご存知の、ホームズの最愛の女性アイリーン・アドラー、悪の天才ジェームズ・モリアーティも登場。この辺りに作者のこだわりが見えますね。また、舞台となるロンドンの景色もアニメとは思えないくらい見事に描かれています。映画の最後に「シリーズ第7作目も決定!」というクレジットが出ました。次回作も楽しみです! 
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ
アッパレ戦国大合戦
 監督:原恵一  声の主演:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治
Crayon Shin-chan  2002年 日本映画
野原家の家族全員が同じ夢を見た。それは美しい女性が水面で溜息をついているシーン。しかも、彼女は着物姿で・・。翌日、シロが庭で穴を掘り始める。しんのすけが覗き込むとなんと、しんのすけ自身が両親に宛てた手紙が出てくる。ビックリするしんのすけだったが,次の瞬間彼は見た事もない場所に立っていた。そこは戦国時代。彼は不思議な力によりタイムスリップしてしまったのだ。足軽鉄砲隊が標的にしていた又兵衛を助けたしんのすけは,城に招かれる。そこにいたのはなんと夢の中に出てきた美女!しかも、彼女はこの城のお姫様!!現代のひろしとみさえは、しんのすけがいなくなって大騒ぎ。しかし、庭から出てきたしんのすけの手紙を見て、二人は彼が戦国時代に行った事を知り,後を追う・・・。

私評:春日部住人、野原一家、義によって助太刀致〜す!!・・・・今回も「愛」がテーマになってましたね〜。しかも、又兵衛と蘭姫のラブストーリーにしんのすけが,手を貸したりして・・。もちろん、野原一家の固い絆もこの映画の大切なテーマ。ケンカばかりしていても、本当に仲が良いのです。今回もひろし、みさえの二人の台詞にはジーンとさせられた。「しんのすけがいないこの世に何の未練がある???」そして戦を目の当たりにして、現代人のひろしが逃げ惑いながらも、「義」を果たすシーンは最高!!そうなんです。今回の映画の中では父親のひろしが実に素晴らしいキャラクターなんですね。もちろん、しんのすけの下ネタギャグも炸裂。そして風間君,マサオ君、ボーちゃん&ねねちゃんの先祖が・・・(爆笑)。ラストは意外な結末だったけど・・・・こういう終わり方って,この映画のシリーズでは初めてだよね。ただ、私的には前作の「オトナ帝国の逆襲」が素晴らし過ぎた・・。この映画も面白いんだけどね〜・・。次回作はもっともっと期待しちゃうね。
光の旅人 K−PAX  監督:イアン・ソフトリー  主演:ケビン・スペイシー、ジェフ・ブリッジス
K-PAX  2001年 アメリカ映画
初夏のNY、雑踏に包まれた駅で不思議な光の中から一人の男が現れた。挙動不審な彼はすぐに逮捕され、精神病院に入れられてしまう。彼の名はプロート。自分は宇宙人でK−PAX星からきたと言う。そして彼は医師のパウエルと出会う。妄想とは思えない理路整然とした彼の説、そして不思議な魅力で彼の周りの人々に力を与えて行くプロートに、パウエルは一方ならぬ興味を持ち始める。そんなある日、プロートはK−PAX星に帰ると言い出す・・・・。

私評:青い鳥を見つける事、それがプロートからのミッション・・・・。なんて、仄々した気分になれる映画なんだろう。非現実的な話ではあるのですが、この主人公のプロートは,その辺に居そうなキャラなんですね。サングラスで隠した目にはどんな表情が浮かんでいるのか計り知れない。ちょっと変なヤツだけど、周りを和ませ、そして受け入れられる。これがプルートだ。そんな彼の魅力に一番引きこまれてしまったのが、パウエル。医者と言う立場上、彼のキャラクターを否定しなければいけないはずなのに・・・。こんな二人の間の微妙な関係が私はめちゃめちゃ楽しめました。そして観客の心を和ませるもう一つのファクターが映像。外の撮影では真っ青な空、光り輝く緑を思いきり強調させ、暗めシーンでは不思議な光使いと美しいシルエットを見せてくれる。こう言った演出もすごく良いです。主演のケビン・スペイシーは本当にどんな役でもできるのですね〜。先日の「シッピング・ニュース」のときの一風呂浴びたような(?)キャラとはまったく違う異星人(?)が、妙にピッタリで・・。また、ジェフ・ブリッジスが又、良いんですよ。いかにも善人っぽくてね・・。この映画は「癒し系」映画と言われていますが、まさにそんな言葉がピッタリ。不思議な魅力のある映画でした。
愛しのローズマリー  監督:ボビー&ピーター・ファレリー  主演:ジャック・ブラック、グウィネス・パルトロウ
Shallow Hal  2001年 アメリカ映画
少年のハルは臨終の床の父親から「女は見かけだぞ。選ぶならイイ女を選べ」と言われ、それ以来女性は上辺の美しさだけで選んできた。ある日、彼は会社のエレベーターの事故に遭遇し、閉じ込められてしまう。たまたま、同じエレベーターに居あわせたのは、有名な心理療法の大家。彼に洗脳(?)されたハルはその時以来、心の美しい女性が外見も美しく見えるようになる。たとえ,外見は美しくても心がキレイでないとみんなブスに見えてしまうのだ。そんなある日、ハルはローズマリ−という女性と出会う。ローズマリーをひと目見て恋に落ちたハル。しかし、彼女は136キロの巨漢。周りはなぜ,ハルが彼女を美しいと言うのかが理解できない。しかし、ローズマリーが社長の娘だと言う事を知り、変な憶測をする輩まで現れる。 ついにハルとローズマリーはお互いに愛し始める。そんな、ある日ハルの悪友により暗示が解かれてしまう・・・・

私評:悪魔よ去れ〜!!!! 面白かった〜。とにかく,この映画はグウィネス・パルトロウに尽きると思います。だって、めっちゃ可愛いんだもん。彼女は1歩間違えると,タカビーでイヤな女になってしまいそうなんだけど,この映画の彼女は初めてまともな恋を知り、その恋を大事にしようと必死になる意地らしい女の子。今まではコンプレックスの塊だっただけに・・・。グウィネスってこんな役もできるのですね〜。しかも、今回はカワイイ水着姿、そして椅子でコケてのパンチラ・ショット!などなど、サービス映像もふんだんにあります(笑)。ハル役は「ハイ・フィデリティー」ですごいインパクトを残したジャック・ブラック。今回はやや控えめなテンション。でも、はちゃめちゃな彼が演じるからこそ、この映画のテーマである「人は見掛けより心」が生きてくるのです。監督は「メリーに首ったけ」「二人の男と一人の女」のファレリー兄弟。今回も毒がいっぱいの演出です。でも,最終的にはきっと誰もが、この二人の恋を応援したくなるでしょう。
アイス・エイジ  監督:クリス・ウェッジ  声の出演:レイ・マローノ、ジョン・レグイザモ
Ice Age  2002年 アメリカ映画
二万年前の地球。これからまさに氷河期を迎えようとしている。動物たちはみんな南へと移動を開始するが、マンモスのマニーはなぜか、北を目指していた。ナマケモノのシドは仲間に見捨てられ、ひょんな事からマニーと行動を共にする事に。そんな時,サーベルタイガーの群れが人間たちを狙っていた。サーベルタイガーの毛皮を剥ぎ、身に纏っている人間に復讐をする為に。そして彼らは赤ん坊のロシャンを狙って襲いかかる。間一髪母親がロシャンを抱いて逃げるが、彼女は川に転落してしまう。やっとの思いで川を泳ぎきった母親の前にいたのはシド。母親は子供をシドに託すと力尽きてしまう。マニーとシドは仕方なく人間に赤ん坊を返す事にする。そこにサーベルタイガーのディエゴがやってくる。彼は人間たちの所まで道案内をすると言うのだが・・・。こうして3匹と赤ん坊の旅が始まった・・・・。

私評:「なぜ,俺を助けた?」「だって、俺たちは旅の仲間じゃないか」・・・・。20世紀フォックスのアニメと言えばちょぼちょぼしかヒットしなかった「アナスターシア」そして大コケの「タイタンAE」とどうも印象が悪い。それゆえフルCGのアニメについては、かなり勇気が必要だったと思います。しかも、アメリカでは昨年「シュレック」「モンスターズ・インク」という素晴らしい作品が出た後だけに,プレッシャーも半端じゃなかったはず。でも、フォックスは作ったのですね〜。でも,どうしても「シュレック」と「モンスターズ・インク」の二番煎じと言う感が拭い切れない。キャラクターもけっこうカブってしまった。しかしながら、この映画もすごくクオリティーが高いし、展開もスピーディーで面白いです。漫才コンビみたいな3匹の動物、そして大自然の驚異との戦いを強いられるスリル、そしてちょっとベタだけど感動のシーンも・・。CGもやはり「シュレック」「モンスターズ・・」を意識したのか、人形っぽいリアリティ(?)で描かれていました。でも、映像のクオリティーは太鼓版を押します!この映画の主人公は左の写真のリスみたいな動物ではなく、遥か彼方に(アイス・エイジがやってくるのエとイのした辺りに小さく)映っている動物たちが主人公です(笑)。でも,このリスが笑わせてくれました! 
WXV 機動警察パトレイバー  監督:遠藤卓司  声の主演:綿引勝彦、平田広明、田中敦子
Patlabor The Movie 3  2002年 日本映画
東京湾一帯で次々とレイバーが襲われ,破壊される。城南署の刑事久住と秦は捜査を続けるが,まったく事件の糸口は見つからない。そんな時、二人は次々と人間を食い殺す怪物と遭遇する。今までのレイバーを破壊していたのもこの怪物だったのだ。必死の攻防の末、怪物は東京湾へと逃げ帰るが、肉片を手に入れることに成功する。その肉片の分析から、恐るべき物質が検出される。果たしてこの怪物の正体とは?そしてついにこの怪物を殺すために、パトレイバーが出動する・・・・。

私評:あなたに娘を失った母親の気持ちが分かるの??・・・・・・・機動警察パトレイバーとは名ばかりで,前2作のようないわゆる「パトレイバー」、そして特車2課はほとんど登場しない。これは「パトレイバー外伝」とでも言うべきか。ストーリーはすごく緻密で、しかも情感たっぷり。主人公の久住、秦の人間性もこの映画の中で詳しく語られる。そして秦が恋をする女、冴子の悲しい過去。これらの人間ドラマと東京湾に突如登場した「怪物」の話が見事に融合し、そして切なく悲しい物語が語られる。それゆえ,前作までのギャグ満載のお笑い。そして迫力満点のアクションシーンを期待していると、肩透かしにあってしまうかも・・。宣伝にもあったとおり「レイバー史上,空前の悲劇」の映画なのです。映像のクオリティーは素晴らしいです。特に町並みの描き方がとても好きです。同時上映は「ミニパト」。3本の作品を各地の映画館でシャッフルして上映しているのだそうです。と言う事は、この映画を3本とも見るためには3回映画館に通わなければならないのだ。でも、3回通っている人がいるんだろうな〜・・・。 


前回の記事も読んでね〜!



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