08/26/2002
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
サブウェイ・パニック | 監督:ジョセフ・サージェント | 出演:ウォルター・マッソー、ロバート・ショー | |
The Talking to Pelham One Two Three | 1974年 アメリカ映画 | ||
NYの地下鉄が占拠された。犯人は武装した4人組。そして身代金として要求された額は100万ドル。タイムリミットは1時間。地下鉄公安局、警察と犯人の息詰まる駆け引き、そして犯人グループの中でも仲間割れが起こる。やっとの思いで現金を用意した警察は約束の場所に向かってひた走る。そしてついに現金の受け渡しが行われる・・・・・・。 | |||
私評:God bless you!! ・・・・シノプシスは書こうと思えば、ガンガン書けるのですが(と言うか、これから先が面白くなるんだけど・・)ネタバレはできないので、この辺りで止めておきます。この映画は1974年の映画。私は旧丸の内東宝で見ました。これが地下にある映画館で、この映画の雰囲気にピッタリだった。バリバリのサスペンス映画だと思って見に行った私は、主演のウォルター・マッソーのひょうきんな演技に終始笑いっぱなし。しかし、事件が起こると彼は事件解決の中心人物となり、大活躍します。このギャップが最高!犯人のリーダーはロバート・ショー。実は私はこの映画で彼を初めて見たのですが、めちゃカッコ良くて大好きになってしまいました。次に彼を見たのは『ジョーズ』ですね!そしてもう一人の犯人のマーチン・バルサムが、良いんですよ・・。この映画のラストは数ある名作の中でも屈指のエンディング。思わず、ニヤリとさせますよ。そしてこの映画に登場する変な日本人も要チェック。当時、日本人ってこんな風に思われていたんですね・・・(笑) 原題は地下鉄の車両の名前「ペラム123号」から来ています。 |
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トト・ザ・ヒーロー | 監督 :アーサー・ペン | 出演:ミシェル・ブーケ、トマ・ゴケ | |
Toto Le Heros | 1991年 ベルギー・フランス・ドイツ映画 | ||
トトはいつもC・トレネのシャンソン"ブン"を陽気に歌ってくれる飛行士の父と、優しい母、大好きな姉のアリス、そして可愛くてちょっとおつむの弱い弟のセレスタンと幸福な五人暮らし。しかし、トトは向かいの裕福なカント家の、同じ誕生日のアルフレッドと、産院の火事騒ぎで取り違えられたと思い込んでいる。嵐の夜、カント氏の注文で英国にジャムの仕入れに飛んだ父は行方不明に……。以来、不幸続きの一家。少年は名探偵トト・ザ・ヒーローになって父を救い出すと姉に誓う。ところが、アリスはアルフレッドと交際し始める。激怒するトトに対し彼女は、カント氏の巨大スーパーマーケットに火を放ち、自らも炎に包まれ焼け死んでしまう。それが彼女のトトへの愛の証しだった. そして今や老齢に達したトト。今日、まさにアルフレッドを殺すべく銃を携えて・・・・ |
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私評:この映画は年老いたトトが少年時代の回想が大半を占めている。しかし、それが年老いたトトのとる行動の引き鉄になります。すごく明るい感じの映画なのですが、実はすごく陰惨な話でもあります。トトが生涯憎みつづけた男アルフレッドに復讐を果たそうとするのですが・・。人生の最後の最後で、少年時代を振り返り、そして自分の憧れだったヒーローを夢見る。そして楽しく送れたであろう人生を悔やむのです。こんな悲しい事があるでしょうか? そして最後にトトがとる行動とは??このシーンの後は、しばらくショックで開いた口が塞がらなかった。ところが、こんな映画の中でかかる、シャンソン"ブン"がすごく効果的に使われています。しかし、この映画でイチバンの"私的な"見どころは、アリスを演じるサンドリーヌ・ブランクです。天使のようでもあり小悪魔のようでも彼女がすごく印象的でした。彼女は翌年の「カサノバ最後の恋」を最後にスクリーンを去っています。実にもったいない。この映画の主人公は彼女に限らず、どことなく不思議な(言い方を替えると変な)人がたくさん出てきます。しかし、どこか悲しげなんですね。 | |||