2010/5/16

レビューが遅れがちですが・・。今回のイチ押しは
期待の若手監督の元気いっぱいコメディ。大好きです!
しかし、パンフレットのビジュアルがイマイチだと思いませんか・・?・

川の底からこんにちは  監督:石井裕也  出演:満島ひかり、相原綺羅
 2010年 日本映画
今週のイチ押し:佐和子は上京して5年。5つめの職場で5人の彼氏と付き合っているOL。相手は同じ会社の上司でバツイチ子持ちの健一。そんな佐和子の日常は無気力ですべてに妥協して生きている。そんなある日、佐和子は叔父の信夫から、父親が病に倒れて入院したという連絡を受ける。故郷でしじみ工場を経営している父親に替わり、佐和子に後を継ぐように話す信夫だったが、佐和子には実家に帰れない、ある事情があった。しかし、健一は佐和子に黙って会社を辞め、佐和子と一緒にしじみ工場を継ぎたいと言い出す。それぞれおの思いを胸に3人は佐和子の故郷へと辿り着いた・・。父親が経営する「木村水産」は従業員のおばさんたちが牛耳っていた。初出勤をした佐和子はおばさんたちに完全に無視されてしまう。そしてやはりそこに働いている佐和子の幼なじみの友美は、健一がいる前で佐和子の過去を口走ってしまう。実は佐和子は駆け落ちをしてここを去っていたのだ。駆け落ちについて開き直った佐和子にショックを受けた健一は佐和子と娘を置いて、友美と浮気をして、やがて家を出て行ってしまう・・
私評:どうせ私なんか、中の下なんだから・・・これは超掘り出し物の映画でした。ピア・フィルム・フェスティバル(PFF)でスカラシップを獲った若干26歳の監督のバイタリティ溢れる作品です。登場人物がみんな負い目を持っていて、スーパーヒーローはひとりもいない。主人公ダメぶりを思い切り暴露する前半。しかし、そんなダメ女が「人生頑張るしかない!」と開き直る事で人生に立ち向かっていく姿がなんとも痛快で気持ち良かったです。基本的には「コメディ」なので随所に笑いがあるのですが、なんだか心の奥が温かくなるような素敵なセリフもたくさんあって、私は大満足。そして“木村水産 新社歌”はテンションが上がりました!主演は「愛のむき出し」「クヒオ大佐」でその実力を見せつけた満島ひかり。可愛い彼女が思いっきりダメ女を演じているのがとっても可愛くて・・・。父親役は「曲がれ!スプーン」の志賀廣太郎、叔父の信夫役は「亀は意外と速く泳ぐ」の岩松了、そしてめちゃめちゃ可愛い加代子役は「花より男子ファイナル」の相原綺羅ちゃん。監督は石井裕也。彼の次の作品が楽しみです!
プレシャス  監督:リー・ダニエルズ  出演:ガボレィ・シディベ、モニーク
Preciou  2009年 アメリカ映画
1987年・・。スラムに住むプレシャスは極度の肥満で読み書きもまともにできない16歳の女の子。なんとか学校には通っていたが、彼女はふたりめの子供を妊娠し停学になってしまう。プレシャスの家庭環境は最悪だった。失業中の母親はプレシャスに容赦ない虐待を続ける。しかも、プレシャスの子供はどちらも父親のレイプが元だった。一番目の子はダウン症で、祖母の家に預けられていたが、プレシャスはその子もいつかは引き取ろうと思っていた。そんなプレシャスの数学の力に気付いていた校長は、プレシャスにフリースクール(Each One Teach One) に通うよう勧めた。そこで彼女は熱心な女性教師のレインと出会う。彼女の教育でプレシャスは読み書きを覚え、未来に光を見出す。母親と喧嘩をして家を飛び出したプレシャスの住む場所を探してくれたのもレイン先生だった。しかし、更なる残酷な運命がプレシャスを襲う・・・・
私評:愛なんて残酷なだけ・・・ 今年のアカデミー賞で話題になった作品を見てきました。見ている方が辛くなるくらい悲惨な環境で育ったプレシャス。特に母親の虐待シーンがとにかくリアルで怖いくらいでした。しかし、それを当たり前のように生きてきた少女が生きる目的を見出し、キラキラと輝き始めるのですが・・・。この作品の原作者のリー・ダニエルズは詩人なのですが、実際にスラムでプレシャスのような子たちに教育を施してきた人物。それゆえこの作品に描かれているのは、妥協のない真実の姿なのです。そんなショッキングな作品を真正面から映像化したこの作品には、心に突き刺さる強烈なメッセージがたくさん込められています。目を背けたくなるようなシーンも多々あるので覚悟して見てください。プレシャスを演じるのは新人のガボレイ・シディベ。この役は彼女でなくては演じられなかったかもしれませんが、この後、彼女がどのような活躍をするのかが楽しみ。恐ろしい母親役はアカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得した人気コメディエンヌのモニーク。しかし、この作品で私がいちばん惹かれのが、ミズ・レインを演じた「デジャブ」「ミラーズ」のポーラ・パットン。彼女の力強い演技は最高でした。そして女性ソーシャルワーカー役で歌姫マライア・キャリーが、そして病院の看護師役で最高のロックミュージシャン、レニー・クラビッツが登場。ふたりとも演技がうまい!監督はリー・ダニエルズ。
ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲  監督 : 三池崇  出演:哀川翔、仲里衣紗
 2010年 日本映画 
2010年、全人類をエイリアンから救ったゼブラーマンこと市川新市。しかし、それ以後、彼はゼブラーマンに変身できなくなっていた。2025年、新市は突如目を覚ました。そこには見たこともない高い建物・・、そして怪しい仮面をつけた男たち、ゼブラポリスが銃を持って追いかけてくる。そして新市はゼブラポリスの銃撃の的になってしまう。しかし、彼は死ななかった。彼はある組織「白い馬」に助けられる。真一はそこで、新都市ゼブラシティの実情を聞かされた。犯罪抑止に効果があるとして、新都知事によって朝夕の5分間だけ無法地帯と化すゼブラタイムという制度が導入されていた。そして新しい都市の新たな象徴となっていたのが、ゼブラクイーンこと都知事の娘のゆいだった。「白い馬」のリーダーの浅野は、かつて新市の教え子だった。しかし、新市は浅野のことだけではなく、過去の記憶を失くしていた。やがて、ゆいはある野望を遂げるため、動き出す・・・・
私評:5分だけ、5分だけ、すっきりしたいわ〜♪・・・前作の「ゼブラーマン」は私のお気に入り。冴えない教師が夜な夜なコスプレをしていると、本物のヒーローになってしまうと言う展開が気に入ったんですよね。しかし、今回はスケールこそ大きくなったけど話事態はけっこうしょぼい展開。時々、挿入されるギャグがどうにも寒〜い内容で客席からは失笑が沸いておりました・・。脚本が官九郎なのですが、彼のギャグってけっこう滑っていませんか??そんな中で男性客が釘付けになっていたのがゼブラクイーンを演じる「時をかける少女」の仲里衣沙。エロくてかっこ良くて、そして超がつくほどのドSキャラがタマリマセン!!思わず「踏んでくださ〜い!!」と言いたくなってしまいました??劇中のPVもかなりエロかったので、「ゼブラクイーン」のCDを買っちゃいました。主演はアニキこと哀川翔。今回は完全に仲里衣紗に食われちゃいましたね。なんだかクライマックスの展開はかわいそうになっちゃいました・・。しかし、あのさむ〜い逆を一生懸命頑張るアニキは、良い人なんだろうな〜・・。その他、阿部力、田中直樹、井上正大。監督は「ヤッターマン」の三池崇。彼の作品って本当に当りと外れの差が激しいですね・・。


前回の記事も読んでね〜!



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