相変わらずレビューをためてしまったのでまたまた一気に放出。
まだアップしていない作品もなんとかGW中に・・・。今回のイチ押しは
オスカー獲得も納得の大女優の演技が光る作品と身も心もウキウキになれる
ラブコメディです。
クイーン | 監督:スティーブン・フリアーズ | 出演:ヘレン・ミレン | |
The Queen | 2006年 イギリス映画 | ||
今週のイチ押し:1997年5月。イギリス総選挙の当日。今世紀最年少の首相候補として名乗りを挙げたトニー・ブレアがテレビに映し出される。そしてエリザベス2世は自分に投票権がないことを皮肉った。翌日、どの新聞の見出しもブレアの大勝利で埋め尽くされた。やがて女王の承認を得るためブレアは宮殿にやってきた。表面的な会話だけで、儀式は15分で終了した。8月30日、パリのホテル・リッツの前にはパパラッチが屯していた。彼らのターゲットはダイアナと当時の恋人ドデイ・アルファイド。ホテルの裏口から車に乗り込んだダイアナは逃げるように走り去った。そしてあの悲劇は起こった・・。翌日の早朝、ロイヤルファミリーにダイアナの死が知らされた。取り乱すチャールズ。クイーンはダイアナの遺体を王室機で運べば、国民から浪費と騒がれると提言するが、やがてイギリスの国王となる皇太子の母親なのだと諭されしぶしぶ承諾。そんなクイーンの頑なな態度に痺れを切らしたブレアは声明文を発表。この中のフレーズが民衆の心に響き、彼の人気は急上昇。しかし、宮殿に弔意を示す半旗が掲げられていないことで国民の怒りを買ってしまう・・・ | |||
私評:「お花を置いてあげましょうか?」「いいえ、これはあなたに」・・・ダイアナが死んで、今年で10年。あの日のことはすごく良く覚えています。悲しみに打ちひしがれ終始うつむき加減だったチャールズとその横で涙する2人の息子たち。そして多くの花が捧げられたバッキンガム宮殿の前で車を降り、民衆の前に姿を現したシーンはテレビでも何度も放送されました。しかし、その裏でこの映画のような数々の駆引きがあったことなど知る由もなし。また、常にヴェールで隠されているクイーンの事もほとんど知らなかったので、この映画はある意味、良い勉強になりました。しかし、それだけではないのがこの作品。娯楽映画としても十分過ぎるくらい楽しめる作品なのです。この映画でアカデミー主演女優賞を獲得したヘレン・ミレンの演技はまさに完璧。クイーンの苦悩を見事に演じています。ブレア役は「ブラッド・ダイヤモンド」のマイケル・シーン。彼の演技も素晴らしいです。フィリップ殿下役はジェイムズ・クロムウェル、皇太后役は「ポセイドン」のシルヴィア・シムズ。彼女の凛とした演技も良いです。監督は「ハイ・フィデリティ」「堕天使のパスポート」のスティーブン・フリアーズです。 | |||
ラブソングができるまで | 監督:マーク・ローレンス | 出演:ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア | |
Music and Lyrics | 2007年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:1980年代に爆発的な人気を博したバンドPop!メンバーのコリンはソロでも成功し、活躍の場を映画にまで広げ、ついには「ナイト」の称号まで得た。一方、アレックスは・・?ソロ・アルバムはまったく売れず、今では「あの人は今」的な番組のネタにされている。80年代を懐かしむ“元・ギャル”たちの集まるイベントで生計を立ててきたが、そんな仕事もジリ貧だ。そんな彼にも運命の女神が微笑んだ。飛ぶ鳥を落とすほどの勢いでカリスマ的な人気を誇るスーパースター、コーラ・コーマンからアレックスに新曲を書いて欲しいというオファーが入ったのだ。新曲のタイトルは「愛に戻る道」。コンサートが始まるまでの2週間が期限だ。10年ぶりに曲を作り始めたアレックスだが、彼は作詞の才能がゼロ!そんな時、アレックスの部屋の植物の世話にやってきたアルバイトの女性が素晴らしいフレーズを口ずさんだ。彼女の名前はソフィー。心の痛手から何も掛けなくなっていたソフィーはアレックスの依頼を拒否するが・・ |
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私評:♪愛に戻る道を見つけたいだけ、愛がなければ生きる意味もない・・・主演のふたりの名前を見ただけで、絶対に見たくなった作品。コメディセンス抜群のヒュー・グラントと今やラブコメディの女王の座に君臨するドリュー・バリモア。このコンビの映画が面白くないわけがない!?なんたってオープニングの「Pop!」のPVだけで「この映画を見に来て良かった!」と思いました。バリバリの80’sファッションで魅惑の腰振りダンスを見せるヒュー様サイコー!そして今や落ちぶれてしまった“元スター”という役が彼にはなんともピッタリの配役なのです。そして天真爛漫だけど、ちょっと気が小さい女性をドリューが好演!めちゃめちゃ可愛かったです。そしてクライマックスのコンサートシーンは泣けた〜。ヒュー・グラントが歌う「Don’t Write Me Off」という曲で涙がドバー・・。サントラ買います。その他、カリスマのコーラ役はこれが映画デビューのヘイリー・ベネット(可愛い〜!!)アレックスのマネージャー役は「ナイトミュージアム」のブラッド・ギャレット。監督は「デンジャラス・ビューティ」「トゥー・ウィークス・ノーティス」のマーク・ローレンス。 | |||
デ・ジャヴ | 監督:トニー・スコット | 出演:デンゼル・ワシントン、ヴァル・キルマー | |
De Ja Vu | 2007年 アメリカ映画 | ||
2006年2月28日、アメリカ・ニューオリンズではカーニバルが行われ海軍基地の500人を越える水兵とその家族たちがフェリーに乗り込んだ。どこからともなく聞こえてくるビーチボーイズの曲。そして・・船上の車の1台が大爆発を起こした。フェリー全体に炎が回り大惨事となってしまう。事件後まもなくATFの捜査官のダグが現場に到着した。天才的な頭脳を持つ彼は現場の証拠品を次々と発見していく。事務所に戻ったダグは監視カメラに写る不審人物を見つける。やがて現場近くで若い女性の死体が発見される。爆破事件の1時間前に発見された彼女は、爆破事件の被害者と擬装されて殺されたのでは?遺体を見たダグは、初めて会ったはずの彼女に対してデジャブを感じた。捜査のために彼女の家を訪ねたダグは爆破に使われた車と同じ物を彼女が売りに出していたことを知る。そして彼女の家の留守電には、信じられないことにダグ自身の声のメッセージが残されていた・・・・ |
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私評:クレア・・彼女は美しい・・・・映画の冒頭でのすごい爆破シーン、そしてダグの科学的な捜査で、私はすっかりクライムサスペンスだと思ったのですが、映画は途中からまったく違うベクトルで進行し始める。FBIが密かに開発した衛星を使用した驚異的な映像システム。それはターゲットのエリア内であれば、衛星からの映像をマルチアングルで映し出せるもの。しかし、それは4日と6時間前の映像。この機械を使ってダグは死んだ女性・クレアの生前の姿をずっと追うことに・・。こうなるとSF的な要素も含まれ、話がどんどん膨らんでいくのですが映画は見事なエンディングで締めくくられます。この奇想天外な話に真実味を持たせる演出は「素晴らしい!」の一言。ストーリーも感動でしたが、演出はそれ以上に感動でした。主演はオスカー俳優デンゼル・ワシントン。今回も素晴らしい演技を見せてくれました。そしてクレア役は「最後の恋のはじめ方」でキュートな演技を見せたポーラ・パットン。そして恐ろしいほど太ったヴァル・キルマー!!監督は刻み映像の天才トニー・スコット。今回も10秒以上長いシーンはないのでは?? |
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恋しくて | 監督:中江裕司 | 出演:石田法嗣、山入端佳美 | |
2007年 日本映画 | |||
高校生になった加那子は久しぶりに幼馴染の栄順と再会した。そんなある日、加那子の兄のセイリョウのひと声でバンドをやることになった。栄順はボーカル、セイリョウはドラム、そしてやはり加那子の幼馴染のマコトがギター。バンド名は「セイリョウズ」で文化祭を目指して猛特訓が始まった。最初は歌うことに抵抗があった栄順だったが、だんだんと歌う喜びに目覚めていく。やがて栄順と加那子は2年生に、留年したセイリョウはもう一回3年生をすることに。気がつけば栄順と加那子はいつも一緒にいた。「1人だと歌えないからずっと一緒にいてほしい」それが栄順の愛の告白だった。ついに文化祭のオーディションが始まるがセイリョウズはあっさり落選。文化祭の夜、セイリョウは学校を辞めて旅に出てしまう・・・・ | |||
私評:バンミカスヨー!ティ・タァ・ミィ・ユゥ・・・歌は心を伝えるツールでもあります。石垣島の真っ青な空と海をバックに若者たちが青春を謳歌。バンド活動に没頭し、恋に心をときめかせ・・・。また、この映画は舞台が沖縄だから良いんですよね〜。沖縄の映画が最近多かったですよね。(「涙、そうそう」「チェケラッチョ」などなど)でも、この映画はそんな沖縄映画の真骨頂。なんたって主演の少年たちはセイリョウを演じる石田法嗣(「カナリア」「戦国自衛隊1549」)以外は、地元沖縄のオーディションで選ばれた新人さん。それゆえ本物の沖縄っ子の味が出ているのですね。そして沖縄映画には欠かせない平良とみさん、沖縄を代表するジャズボーカリストの与世山澄子、奄美民謡の一人者武下和平など、沖縄を代表するアーティストも勢ぞろい。極めつけはこの映画の原案も手がけたBEGINも登場。しかも、監督は「ナヴィの恋」「ホテル・ハイビスカス」の中江裕司。来月、石垣島に行く私には良いガイド映画にもなりました。 | |||
かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート | 監督:ウィルソン・イップ | 出演:ドニー・イェン、ニコラス・ツェー | |
Dragon Tiger Gate | 2006年 香港映画 | ||
身寄りのない子供たちが流れ着く道場「龍虎門」ここで育ったタイガーは幼い頃に大好きだった兄と別れ別れになっていた。ある日、仲間たちと食事をしていたタイガーはひょんな事から秘密結社「江湖」のチンピラと喧嘩になってしまう強烈な勢いでチンピラを薙ぎ倒したタイガーだったが、最後の一人ドラゴンは異常なまでに強かった。数日後、またしても争いに巻き込まれたタイガー。この戦いに巻き込まれたヌンチャク使いのターボも加勢するが、敵の数は尋常ではない。ところがこの戦いに加勢をしてきたのは敵だと思っていたドラゴンだった。ドラゴンが去ったあと、残っていた翡翠のペンダントからタイガーはドラゴンが別れた兄だと知る。ドラゴンは義理から悪の手下として働いていたが、その事にずっと葛藤を抱いていたのだ・・・・ | |||
私評:この数珠をすべて拾うのじゃ・・・香港映画のアクションはやっぱりこうでなくちゃ!ワイヤー、CG使いまくりですが、それ以上にすごい迫力の生身のアクション!!格闘シーンのすごいのなんのって・・、早回しをしているのでは?と見間違うほどパンチもキックもヌンチャクも早い!!いや〜、久々に本格アクション映画を見て、手に汗を握りまくりました。冒頭の階段に溢れる敵を片っ端から蹴りまくるニコラス・ツェー(香港国際警察)はすごい!そして超高速ヌンチャクを操るのは「頭文字D」「インファナル・アフェア」のショーン・ユー。そしてそしてドラゴン役は最強のカンフースタードニー・イェン!!とにかくこの3人のアクションはすごいの一言。映画を見終えた後、あまりの興奮にグッタリと疲れてしまいました。しかし、これは良いアクション映画の証拠です。ヒロインも「天上の恋人」のドン・ジエ、そして今回初めて見たのですが大人の魅力溢れるリー・シャオラン。監督は「狼よ静かに死ね」のウィルソン・イップ。 | |||
サンシャイン 2057 | 監督:ダニー・ボイル | 出演:キリアン・マーフィ、真田広之 | |
Sunshine | 2007年 アメリカ映画 | ||
太陽の異状により、地球は壊滅の危機に瀕していた。人類に残された可能性は有人宇宙船で太陽に近づき、核を打ち込んで太陽を再生すること。全人類の希望を背に8人のクルーを乗せたイカロス2号は着々と太陽に近づいていた。水星の軌道に近づいたとき彼らは7年前に同様のミッションに失敗したイカロス1号からの救助信号を受け取った。1号に接触する事になった2号は急遽ルートを変更。これが大事故への引き金になってしまう。航海士が軌道修正の操作を誤り、船体が大きなダメージを受けてしまう。船外での作業は死と隣り合わせの危険な作業。犠牲者を出しながらも宇宙船は平静を取り戻した。しかし、今回の災害で大量の酸素を失い、彼らの帰還は絶望的になる。しかし、地球の命運がかかったミッションは遂行せねばならなかった・・・・ | |||
私評:紳士淑女諸君、これが水星です・・・ダニー・ボイル監督といえば「トレイン・スポッティング」のイメージがあるのですが、色んなジャンルの映画を撮っているんですよね。なんたって前作はホラーだったし・・(28日後)。そんな監督がSF作品を撮ったというので、いそいそと初日に映画館に足を運びました。正直、作品自体はそんなにインパクトがるわけでもないのですが、私が注目したのは凝りに凝ったセットです。宇宙船の内部なんか細部にいたるまでリアルに作られています。そんなセットを一気にぶっ壊すシーンはなんとも痛快。そして宇宙の映像もとてもリアルで、そして美しかった・・。出演は「パニック・フライト」のキリアン・マーフィ、「セルラー」のクリス・エヴァンス、「トロイ」のローズ・バーン、香港の名女優ミシェル・ヨー、そして我らが真田広之というインターナショナルな面子。ポスターだと真田が真ん中で主演みたいなのですが・・?? | |||