2010/6/27

いよいよ今週、千葉県に引っ越しです。会社帰りに
映画を見るのもたいへんになりますが、頑張って通います。
今回のイチ押しは、ずっと見たかったホラー映画。

4匹の蝿  監督:ダリオ・アルジェント  出演:マイケル・ブランドン、ミムジー・ファーマー
4 Mosche Di Velluto Grigio  1971年 イタリア映画
今週のイチ押し:ロックバンドのドラマー、ロベルトは正体不明の黒ずくめの男に付き纏われていた。ある夜、ロベルトは男を発見し無人の劇場に足を踏み入れた。そこで男を追い詰めたロベルトは男が出したナイフを奪い、逆に男を刺殺してしまう。その瞬間、劇場の2階席に不気味な仮面をつけた男が現れ、ロベルトの殺人現場を写真におさめた・・。その日以来、ロベルトの周りで不可解な事件が続く。無言電話、殺人現場の写真が送り付けられ、そしてついに彼の家の家政婦が殺害される。ロベルトは親友のティオに助言を求めると、ディオは探偵のアロージオを紹介した。ところがアロージオは、ゲイで今まで事件を一つも解決したことがない探偵だった。アロージオは独自の“ゲイ”のネットワークで捜査を進め、核心に近付くが彼も犯人の毒牙にかかり殺されてしまう。そしてロベルトが殺したと思っていた黒衣の男が、実は死んでいなかった事が判明。しかし、彼まで犯人の毒牙に・・
私評:この眼球に映っている4つは蝿じゃないか??・・・・私の大好きな映画監督のひとり、ダリオ・アルジェントの作品です。実はこの映画1971年の映画なのですが(日本公開は73年)複雑な権利上の問題でなかなかソフト化されずにいました。その作品がようやくリバイバル公開されたのです。前々からこの映画に興味を持っていた私ですが、劇場公開されている事に全く気付かずにいました。それが↓のハロウィンUの劇場でモーニングとレイトでだけ上映されていたので、すかさず↓の後に鑑賞しました。しかし、この監督の恐怖演出は実に面白いです。光るナイフに歪んで映る犯人らしき人物、どこからともなく感じる”視線“・・・、そして極めつけはラストのスローモーションシーン!これぞダリオ・アルジェントが70年代に掲げた”恐怖の美学“!このラストシーンはとにかく印象的でした。しかも、この映画怖いだけじゃなくて、けっこう笑えるシーンもあるんですよ。もう一つの注目は映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの甘美な音楽。最高です。主演はアメリカのTV界で活躍したマイケル・ブランドン、ゲイの探偵役は「ダ・ヴィンチ・コード」で最初に殺されるルーブルの館長を演じたジャン・ピエール・マリエール。そして美しいミムジー・ファーマー!!彼女の70年代の映画「危険旅行」「炎のいけにえ」は大好き!監督は「サスペリア」「フェノミナ」のダリオ・アルジェント。最近作はどうもパワー不足ですが、70年代の彼の作品はどれも名作ぞろい。もちろん、「4匹の蝿」も素晴らしい作品でした
闇の列車、光の旅  監督:キャリー・ジョージ・フクナガ  出演:バウリーナ・ガイタン、エドガー・フロレス
Sin No Mabre  2009年 アメリカ・メキシコ映画
ホンジュラスに暮らす少女サイラの元に別居していた父親が戻ってくる。彼はアメリカに渡り、家族を持ったが強制送還されたのだ。彼はサイラを連れてアメリカの戻り、向こうの家族と一緒に暮らそうとしていた。乗り気ではなかったサイラだったがホンジュラスには明るい未来はなく、彼女はグアテマラ、メキシコ経由の危険な旅に出発した。メキシコのチアパスでギャング団に属しているカスベルは、組織の仕事をさぼっては恋人と密会している。しかし、恋人はギャング団のリーダーに犯されそうになった際、頭を強打して死んでしまう。サイラたちを乗せた列車がチアパスに差し掛かった時、ギャング団が列車を襲った。移民たちから金品を巻き上げたうえ、サイラを犯そうとする。しかし、その光景が死んだ恋人と重なったカスベルは反射的に彼に銃を向けていた。ギャング団のリーダを列車から叩き落としたカスベルは、危険な一線を越えてしまった事に気付く・・・・
私評:一緒にいたいの・・・南米のホンジュラスでの暮らしから新天地のアメリカを目指す少女が、旅の途中で出会うギャング団の少年に恋をする。その小さな恋が彼女の希望に変わっていく。その不器用で、とっても純な思いで旅をしていくのですが、現実はとても悲しい運命を彼女に強いるのです・・。なんとも切ない気分にさせられるのですが、映画の最後で小さな光を見せてくるのが救いでした。しかし、現実から逃避する移民たちは後を絶たず、ほんとうに列車の屋根を乗り継いで新天地を目指す人たちがたくさんいる事も、忘れてはいけない。そしてそんな劣悪な環境がギャングを生み出している事も・・・。映画の中でスマイリーという名の少年がギャングに入り、団の中で徐々に擦れていくところも描かれているのですが、これが私にはかなり辛かった。しかも、彼の銃の先には・・・主演はメキシコで注目を浴びている新人女優パウリーナ・ガイタン。カスベル役は新人のエドガー・フロレス。そしてこの映画の製作総指揮をしているのは「天国の口、終りの楽園」のガエル・ガルシア・ベルナルとティエゴ・ルナのふたり。監督はこのふたりが見出した新たな才能、キャリー・ジョージ・フクナガ。 
ハロウィンU  監督 : ロブ・ゾンビ  出演:スカウト・テイラー・コンプトン
Halloween 2  2009年 アメリカ映画
ハロウィンの連続殺人鬼、マイケル・マイヤーズの遺体が運ばれている。しかし、その車は牛と激突として大破。助手席の男はなんとか命は取り留めるが、信じられない光景を目の当たりにする。死んだはずの大男、マイケルが車から抜け出したのだ。そして彼はマイケルの餌食に・・。保安官のストロードに引き取られ、青春を謳歌していたローリーはたび重なる悪夢に悩まされていた。そして彼女はルーミス医師がマイケル・マイヤーズについて書いたベストセラー本「THE DEVIL」を読み、彼女はマイケルの実の妹である事を知ってしまう。一方のマイケルは、彼女の母親であるデボラの幻影に引き寄せられるように、ローリーの元へと近づいていく。その事に気付いたストロード保安官は、ローリーに見張りを付けるが、マイケルは彼を殺害し、ついにローリーの元へと辿り着く。ついに兄妹の壮絶な戦いが行われるが・・・・
私評:悪魔が帰ってきた・・・・今回の「ハロウィン」はR18です。子供は見られません。大人でも危険な奴には見せない方が良いんじゃない?今回もブギーマン=マイケル・マイヤーズが次から次へと殺しまくります。問答無用で情け容赦ないその殺害の手口は、とにかく半端じゃないです。長い包丁を使って、あの巨体で「これでもか!」ってくらい刺しまくり!顔面を踏んづけて潰したり、グシャグシャになるまで殴り続けたりと、とにかくやり放題です。見ていて、思わず顔をしかめてしまいました。しかし、私は個人的には前作の方が好きです。今回は、ちょっと演出に凝ったりしているのですが、正直言って不要です(笑)。主要スタッフ・キャストは前作と変わっていません。主演は「Ray/レイ」のスカウト・テイラー=コンプトン。彼女は新時代のスクリーミング・クイーンになれるか!?マイケル・マイヤーズ役は身長206cmのタイラー・メイン。彼の母親デボラ役は監督夫人のシェリ・ムーン・ゾンビ。そして前作ではマイケルを追い、今作では彼の本を執筆して大成功をした男ルーミス医師役は「時計仕掛けのオレンジ」のマルコム・マクダウェル。彼が何んとも冴えない役で、しかも最後には・・・??監督は「マーダー・ライド・ショー」のロブ・ゾンビ。
ザ・ウォーカー  監督 :アルバート&アレン・ヒューズ  出演:デンゼル・ワシントン、ゲイリー・オールドマン
The Walker  2010年 アメリカ映画 
アメリカの文明は終わりを告げた。ひとりの男が西に向かってひたすら歩いていく。彼の名前はイーライ。バックパックの中に護身用の武器と皮の装着の本が入っている。本を奪おうとする者は容赦なく殺した。そして今日もイーライは西を目指して歩き続ける。そこに何があるのかも分からないまま・・。イーライはある街に辿り着いた。そこは水脈を発見し独占するカーネギーという名の男が全てを牛耳っていた。彼は文明が崩壊する前のある”本“を探していた。その本に書かれた言葉を使う事によって、人々の心を支配できるという本を。イーライはカーネギーに一夜の宿を提供された。その夜、イーライの部屋を訪れたソラーラはカーネギーが派遣したのだが、イーライは彼女に指一本触れなかった。そして彼が持つ”本“の事をカーネギーに伝えた。カーネギーの引き止めを断り、街を去ったイーライの元にカーネギーが差し向けた刺客がやってくるが・・・・
私評:本はここにある。書く物を持ってきてくれ・・・・近未来アクション映画です。ド派手なアクションも然ることながら、デンゼル演じるイーライのマーシャルアーツも大きな見所です。全盛期のセガールを彷彿させるような豪快で、しかも痛そうなガチンコアクションでした。そして彼が運んでいる“本”については、途中で分かってしまったのですがそのこと以上に強烈なオチが私は好きです。到着したのは超有名な(現在は)観光スポット。そこでついにイーライの全貌が明らかになります!!主演は「サブウェイ123激突」「デ・ジャブ」のデンゼル・ワシントン。最近、クレバーな役が多かった彼ですが、今回は問答無用の超アクションを見せてくれます。宿敵カーネギーは久々の悪役を演じた「鍼・ポッターとアズカバンの囚人」のゲイリー・オールドマン。彼がついに”本“を手にした時のリアクション・・・。「フィフス・エレメント」の時と同じ顔で笑えました。イーライを信じて、彼と旅することになる女ソラーラには、ラテン系美女のミラ・クニス、カーネギーが囲っている女には「フラッシュ・ダンス」のジェニファー・ビールスが演じています。監督は「フロム・ヘル」のヒューズ兄弟。彼らの次回作は「AKIRA」の実写版らしい・・。


前回の記事も読んでね〜!



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