2004/8/31

夏休みを締めくくる4本はこれだ!感動の動物映画とスプーキーな
スプラッター映画。あなたはどちらが好き??

トゥー・ブラザーズ  監督:ジャン・ジャック・アノー  出演:ガイ・ピアース、ジャン=クロード・ドレフュス
Two Brothers  2004年 イギリス・フランス映画
今週のイチ押し:ジャングルの奥深くを闊歩する荘厳を讃える虎がいた。雄の虎は雌の虎と目が合い、2匹は遺跡の中で結ばれる。そして数ヵ月後、そこには2匹の子虎たちがいた。いたずら好きな2匹は両親の虎も手がつけられないほど元気いっぱい。そんな幸せな家族の耳にたくさんの人間たちの足音が飛び込んできた。一匹の子虎を連れて、母虎は寺院から飛び出していく。そしてもう一匹の子虎を庇おうと父虎が牙をむいたとき、有名な白人ハンター、エイダンのライフルが火を噴いた。父虎は死んで担ぎ出され、子虎はエイダンの手に渡るが、彼の手を離れついにはサーカス小屋に辿り着く。母虎は子虎とジャングルに逃げ出すが、巨大な落とし穴の罠にはまり捕らえられてしまう。子虎は行政長官の息子ラウールの元に行く。数奇な運命を辿り、別々の場所で生きることになった2匹の虎。しかし、彼らは運命の糸に操られ再会の時を待っていた・・・・
私評:血の味を覚えた虎は猛獣になるのよ・・・なんて爽やかな感動をくれる映画なんだろう。ジャン・ジャック・アノー監督といえば最近は「スターリングラード」で度肝を抜くアクションを見せ、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」では崇高な雰囲気を、「愛人・ラマン」でのセンセーション、そして古くは「薔薇の名前」の格調高さ・・と、実に色々なジャンルに取り組んでいる監督。その監督が「小熊物語」に続いて、動物を主役に置いた映画を作り上げた。この映画のクレジットで一番先に出てくるのはガイ・ピアーズなのですが、主演はまぎれもなく、2匹の虎の兄弟なのです。もちろん彼らにセリフはありませんが、すごい演技をするんですよ。というか、監督によってそれぞれの状況に追いやられているのでしょう。しかも、昨今の動物映画にありがちなCGは(ワンシーンだけ使っていますが)使っていないのです。トラ君たちの演技に感動させられてしまうこと、間違いないでしょう。監督が舞台で言っていたのですが、「人間と動物たちの違いは紙一重」という言葉がすごく耳に残りました。言葉は通じなくても、きっと彼らの気持ちは伝わります。子供から大人まで楽しめる映画ですが、特に子供たちには見て欲しい映画ですね・・
マーダー・ライド・ショー  監督:ロブ・ゾンビ  出演:シド・ヘイグ、カレン・ブラック
House of 1000 Corpses  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ハロウィンの前夜。アメリカ中の面白い施設を探して旅をしている4人の男女がいた。偶然立ち寄った一軒のガソリンスタンドの脇に、佇むように建っていたのはいかにも怪しい秘宝館?これぞまさに彼らが追い求めていた物件だった。さっそく中に入ると、これまた怪しいクラウンが彼らを迎えた。そしてこの建物の名物「マーダー・ライド・ショー」に乗り込んだ彼らは、歴代の連続殺人鬼の数々を見た。しかし、そのショーの最後に現れた「ドクター・サタン」は彼らの知らないキャラクターだった。なんと、彼はこの町が生んだ希代の殺人鬼にして、狂気の外科医でもあった。散々脅かされた彼らは店を出ると、夜の道沿いでセクシーな女性ヒッチハイカーを拾った。そして彼女の言うがまま、彼女の家を訪れた4人。しかし、そこは殺人鬼の一家だった。なんと、彼らは1000人を殺しまくっており、家の中はどこもかしこも死体とミイラと骸骨だらけ。4人にも彼らの毒牙が襲い掛かる・・・
私評:♪イーッツ・ショー〜〜・タ〜イム♪・・・ロブ・ゾンビという男を御存知だろうか。ヘビメタ・バンド「ホワイト・ゾンビーズ」のメンバー。彼がバンドにいた頃から、ミュージック・ビデオはまさに、スプーキーな世界を醸し出していた。そんな彼が満を持して送り出した初監督作品が、この「マーダー・ライド・ショー」だ。とにかくノリノリの展開なのが嬉しい。殺人鬼に追いかけられ必死の形相で叫びながら逃げ惑う女性。眉間に銃を向けられ身動きもできず凍りつく男。しかし、そのバックに流れるのは不思議なまでに場違いな音楽。ところがこの不協和音がなんとも言えない恐怖を煽るのです。さすがはミュージシャン!?それともただ単に、センスがないのか??家族のリーダー格で、邪教に傾倒する兄に「悪魔のいけにえ2」のビル・モーズリ、怪しいクラウン男を演じるのはロジャー・コーマンシリーズでお馴染みのシド・ヘイグ、殺人一家のママにはあのカレン・ブラック!!、そしてキュートで可愛いけど残虐非道な殺人鬼ベイビーを演じるのは、ロブ・ゾンビの愛妻シェリ・ムーン。お化け屋敷系のドキドキ感、そしてスプラッター系のグロさ、どちらも一級品だけど、映画自体はB級なところがイイですね〜。この作品の続編が最近クランク・アップしたそうです。もちろん今作の殺人鬼家族は全員出演。楽しみだな〜・・。
NINxNIN忍者ハットリ君  監督 :鈴木雅之  出演:香取慎吾、ゴリ、田中麗奈
The Ninja Star  2004年 日本映画
伊賀の山奥で修行に励む忍者、服部カンゾーは長年に渡る修行を経て一人前の忍者の一歩手前までやってきた。師匠である父から最後の修行として与えられた任務は"江戸"に渡り、最初に出会った人に忠義を尽くしてお守りすること。しかし、他の人には姿を見せてはならないというのが決まりだった。やってきたのは現代の東京。東京タワーのてっぺんからムササビの術でひとっ飛び!そしてカンゾーはいじめられっ子のケンイチと出会う。その日からカンゾーはケンイチの家に住みつき、ケンイチを命に代えても守ることに。しかし、世間では謎の連続暴行事件が起こっていた。被害者は特殊な毒を盛られて、意識をなくしたままになっていた。そんな時ケンイチの学校に佐藤という教師がやってくる。彼の話を聞いたカンゾーは不吉な予感を覚え学校に行ってみると、なんと彼はカンゾーのライバル、甲賀忍者のケムマキだった。しかし、彼は忍者を捨てたという・・・・・
私評:何もしないであきらめる方が、カッコ悪いでござるよ・・・1966年。当時はまだ保育園に通っていた私ですが、毎週水曜日の夜はテレビの前で「忍者ハットリ君」を必ず見ていました。このハットリ君は実写で子供だった私はハットリ君って本当にいるんだと信じて疑わなかったそうです。(母談)そのハットリ君が38年の時代を経て、劇場版として作り直された。映画を見るまでは「なぜ、今ハットリ君なんだ!?」という感が拭いきれず、予告編を見ても全然見る気が起きなかった映画です。ところが、見始めたらけっこう面白い・・・、いや、すごく面白かった!!香取慎吾の大げさな芝居が、最初のうちだけちょっと鼻についたけど5分もすれば全然OK!そして服部カンゾーの父親、服部ジンゾーを演じる伊藤四郎に乗せられて、アレヨアレヨという間に話がどんどん面白くなっていく。そしてハットリ君とケンイチの間で育まれる友情、そして頑なに殻に閉じこもっていたケンイチが生まれ変わる。そしてクライマックスは大活劇。子供向けだろうと嘗めて掛かったら、しっかり大人も楽しめる映画になっていました。その他に盲目の美女役の田中麗奈、カンゾーのライバル、ケムマキ役のゴリなど意外なメンバーが、意外な役どころについていて、彼らがまたこの映画にピタリとはまっているところも見所かも? カメオ出演の草なぎ剛には笑いました。ニンニン。 
IZO  監督 :三池崇史  出演:中山一也、ビートたけし、桃井かおり
IZO  2004年 日本映画
1865年、土佐勤皇党首領の武市半平太の下で、江戸幕府の要人を斬りまくり「人斬り以蔵」と恐れられた岡田以蔵が磔にされた。彼の体に槍が何度も貫通する。もはやこれまで・・と思った瞬間以蔵の魂は体を離れ、気づいたときはIZOとして現代の東京にいた。彼は不死身の体を手に入れ、彼の前に立ち塞がる者は誰であろうと叩き斬った。たとえ、それが亡霊であろうと。その頃全位相を管理し司る貴族院は、IZOの存在を知り危険な異分子として彼の抹殺を試みる。様々な時代の、様々な異分子たちを彼に向かわせるが、IZOは彼らをことごとく抹殺。強いては貴族院のメンバーの首をも切り落とすのだった。そんな時、IZOの前に彼の魂のかたわれで前世では恋人だったという女、サヤが現れる・・・・・
私評:「以蔵、革命とはなんぜよ。」「人を斬ること」「それなら斬って斬って斬りまくるんじゃ!!」・・・やっぱり三池崇史らしい映画だった。最初から全力疾走しすぎて、途中で飽きちゃうんです・・(笑)。しかし、この映画はスプラッター・チャンバラ映画です。この映画の中でIZOが斬る人間の数はなんと200人。女、子供も容赦ない、まさに殺人マシーンだ。しかも、彼は人を殺すことに何の躊躇もない。「孤高のテロリスト」という別名をあげたいくらいだ。そしてこの映画の見所は、ビックリするくらいのキャスティング。他の映画では主役を張るような人たちが、次々とワンシーンだけ登場。(しかも、脇役Aみたいな)その名前を挙げるとビートたけし、寺島進、遠藤憲一、岡田真澄、片岡鶴太郎、内田裕也、魔裟斗、松田龍平、ボブ・サップ・・・・。果たして彼らの行方は・・??とにかく血の量だけなら今年一番の映画でしょうね。でも、ストーリーははちゃめちゃです。(それこそ感じる映画)これもある意味、三池ワールドでもあるのですが・・・


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