2011/10/30

今回もB級韓国映画にひれ伏した私です。
もう一本は、感動が待っているSFサスペンス。泣けた~!

人喰猪公民館を襲撃す  監督:シン・ジョンオン  出演:オム・テウン、チョン・ユミ
 2009年 韓国映画
今週のイチ押し:ソウルで警察官をしていたキム巡査は、短気が災いして田舎町のサムメリに左遷された。この町では事件など皆無で平和が取り柄の町。そんな町でズタズタにされた死体が発見された。被害者はこの町で銃砲店を営み、かつては名うてのハンターだったチュンの孫娘だった。チュンは孫娘の遺体を見て、犯人は山に住む獣だと見抜いた。しかし、町のリーダーたちは彼の意見を無視して週末農家のイベントを行うが、またしても犠牲者が出てしまう。平和な村のイメージを維持するため、彼らはテレビで有名なハンターのぺクを町に呼び寄せた。そして彼は一頭の巨大な猪を仕留めた。しかし、猪を解体したチュンは違う猪だと言い張った。猪を捕らえて町民とぺクは公民館で宴を行うが、そこに現れたのは仕留めた猪のつがいの巨大なオス猪。あっという間に修羅場と化す公民館。ついにチュンは自らイノシシ退治に出掛ける。行動を共にするのはキム、ぺク、そして生物学者の女性のピョン・スリョン。彼らの前に現れたのは想像を絶する大きさの猪だった・・
私評:ウリ坊がいるわ・・・渋谷のシアターNで、先日絶賛した「エイリアン・ビキニの侵略」と一緒に公開された韓国映画。キャッチコピーが「怪獣映画史上最小スケールのスペクタル」(爆笑)。確かに小さな田舎町で起こる事件ではあるのですが、猪の迫力はかなりの物です。なんちゃってモンスター映画ではありません。しかし、この映画には「ジョーズ」を始めとするモンスター映画のパクリがたくさん出てきます。最初に襲われる少女、町のイベントを推進する町長たちと警察の諍い、そして捕らえた獲物の腹を裂いて・・なんて、まさに「ジョーズ」そのもの。しかし、それらのモンスター映画と違うのは、この映画はとにかく笑えるんです。エンドクレジットまで笑いで埋め尽くされています。迫力の猪VS人間のシーンとのギャップが、これまた良いんですよ。本当に“韓国映画恐るべし”です。キム巡査を演じるのはTVシリーズ「魔王」のオム・テウン、ピョン役はTVドラマ「ケ・セラ・セラ」のチョン・ユミ。そしてチュン役は「魚と寝る女」「王の男」のチャン・ハンソン。監督はシン・ジョンウン。
ミッション:8ミニッツ  監督:ダンカン・ジョーンズ  出演:ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン
Source Code  2011年 アメリカ映画
今週のイチ押し:シカゴ行きの列車の中でコルター・スティーブンス大尉は目を覚ました。目の前には見知らぬ女性がいて、彼の事を「ショーン」と呼んでいる。訳の分からないまま辺りを見回し、彼はトイレに向かった。鏡を覗き込むとそこには見知らぬ男の顔が映っていた。外に出るとさっきの女性が心配そうに彼の顔を覗き込んでいた。やがて列車は貨物列車とすれ違う。その瞬間大爆発が起こった・・。どこかで女性がコルターの名前を呼んでいる。気がつくと彼は薄暗いカプセルの中にいた。モニターには軍服の女性と杖の男がいた。彼らはコルターに「もう一度戻って爆破犯を探して。時間は8分間」と告げた。次の瞬間、コルターは再びシカゴ行きの列車の中にいた。さっきと同じ女性が彼の前に座っていて、さっきと同じ事を言っている。これはリアルな仮想訓練なのか?先ほど爆発のあった後部のトイレに入り、天井裏のダクトを見ると、そこには時限爆弾が乗客を脅してでも避難を勧告するが、またしても大爆発が・・・。そして彼はふたたびカプセルに戻された。いったい、彼の身に何が起こったのか??・・・
私評:このプログラムは想像以上の力を持っている・・・ちょっと前に「恋はデジャ・ブ」という映画がありました。何度も同じ日をループして繰り返す主人公が、毎回好きな女性に手を変え品を変え告白するというラブ・コメディ。今回、ミッション:8ミニッツを見て、いちばんに頭に浮かんだのがこの映画。しかし、今回の作品は主人公が何度も犯行現場に戻って爆弾犯を探すというストーリー。何度も失敗をして、ようやく犯人に辿り着くというサスペンスと同時に、毎回顔を合わせる女性との恋愛も同時に楽しめちゃうんですね。彼が毎回訪ねているのは過去の事故の被害者の最後の8分間の“記憶”なのですが、最後の最後に彼はとんでもない“賭け”をします。これがまた、とんでもない“奇跡”を起こすのですが・・・。私は感動してちょっとだけ泣いてしまいました。まさか、この手の映画で涙を流すなんて思いもしませんでした。「映画通ほど騙される」というキャッチコピーに偽りなしです。主演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール。彼は演技力もあるし、最近はマッチョな役もこなすし、良い役者ですね。彼の向かいに座っていた女性クリスティーナ役は「M;i:3」のミシェル・モナハン、モニターの向こうの軍服の女性グッドウィンを演じるのは「マイレージ・マイライフ」のヴェラ・ファーミガ。監督は「月に囚われた男」のダンカン・ジョーンズ。これが2作目なのですが、信じられないクオリティです。
ランゴ  監督:ゴア・ヴァービンスキー  出演:ジョニー・デップ、アビゲイル・ブレスリン
RANGO  2011 アメリカ映画
ペットのカメレオンは、飼い主が見るテレビの影響か?彼ひとりの世界で色々な役を演じていた。ところがある日、彼はハイウェイのど真ん中の砂漠地帯で車から落ちてしまう。そこで出会ったアルマジロの言葉を信じて、町に向かって歩き出す。やっとの思いで辿り着いたのは殺伐とした“ダートタウン”。カメレオンの特性を生かしてなんとか町に溶け込もうとする。彼は酒場に集っていた町民の前でありもしない武勇伝を語り始め、町民は彼の言葉をすっかり信用してしまう。しかし、嘘はつけない物。彼の前に現れたのは町の荒くれ者バッド・ビル。カメレオンは彼と決闘をする事になった。しかし、そこに現れたのは砂漠でカメレオンを捕まえ損ねた巨大な鷹。ところがカメレオンは奇跡的に鷹を退治してしまう。この町にすっかり溶け込んだカメレオンは、自らをランゴと呼んだ。この町は万年水不足で、水は何物のも変えられない貴重な宝。毎週水曜日に、町長は水道の蛇口をひねり町民に水を与えていたのだが、その日は一滴の水も出てこなかった。新保安官となったランゴに課せられたミッションは水を取り戻す事になったが・・・・
私評:あいつを1発の弾丸でやっつけたのか?7人もいるのに?・・・これがまためっちゃ面白かった。この映画はまさに“西部劇”。しかし、主演がカメレオン、彼女はとかげ、生意気な子ネズミ、町を震え上がらせるガラガラヘビ、町長はカメ、他にもカエル、ライチョウ、カラス、そしてフクロウの楽団などなど、キャラクターがとにかく面白いんです。そして現代のCGの粋を集めた映像はアニメーションならではの迫力で次から次へと驚きの展開を見せてくれます。冒頭のハイウェイのシーンから、すごい映像で思わず「お~!」と声が出そうになりました。この映画こそ3Dで作ればよかったのに~!!しかし、この映画の最大の見せ場はランゴのキャラですね。大ぼら吹きでもあるのですが、とにかくポジティブ。そんなキャラクターの声と動きを演じるのが「ツーリスト」「アリス・イン・ワンダーランド」のジョニー・デップ。この映画でも彼の良さが100%以上引き出されています。トカゲのマメータの声を担当するのが「お買いもの中毒な私」のアイラ・フィッシャー。(BEANSというキャラクター名を“マメータ”と翻訳しているのですが、私はけっこうお気に入り)生意気な子ネズミは「ゾンビランド」のアビゲイル・ブレスリン、ガラガラヘビのジェイクは「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイ。監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのゴア・ヴァービンスキー。
三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船  監督:ポール・W・S・アンダーソン  出演:ローガン・ラーマン、ミラ・ジョヴォヴィッチ
Three Masketeers  2011年 ドイツ映画
ヴェネチアにあるダ・ヴィンチの”ある設計図”を狙って、三銃士のアトス、ポルトス、アラミス、そしてアトスの恋人のミレディは某建物に侵入していた。首尾よく手に入れた4人は祝杯をあげていたが、三銃士の杯には毒が混入されていた。ミレディの裏切りだ。そしてその場にはイギリスのバッキンガム公も現れるが、3人は気を失ってしまう。その頃、フランスの田舎町ガスコーニュからひとりの若者がパリを目指していた。彼の名前はダルタニアン。無鉄砲なダルタニアンは眼帯の男といざこざを起こし、決闘を申し込むが全く歯が立たない。しかし、そこを通りかかったミレディのおかげで一命は取り留めた。ようやくパリに着いたダルタニアンは、今度は三銃士と決闘をするはめに・・。しかし、決闘場所に現れたのはリシュリュー枢機卿の腹心である“眼帯の男”ロシュホールが率いる40人の護衛隊。彼らは三銃士を捕らえようとしていたのだ。三銃士と手を組んだダルタニアンは40人をあっというまに片付けてしまう。ルイ13世によって宮殿に呼び出された4人は咎められることもなく、逆に金貨と新しい服を手に入れた。翌日、イギリスからバッキンガム公がパリに訪れた。彼は見た事もない巨大な飛行船でやってきた。それは三銃士がかつて彼に取り上げられた設計図から作られたものだった・・・・
私評:One for All, All for One!!・・・・三銃士って本当に何度も映画化されていますよね。特に私が好きなのが1973年版。(詳しくはこのホームページの名画座で)今回はキャラクターこそ変わっていませんが、内容はかなりぶっ飛んだ作品です。私はやっぱり73年版の方が好きですね~。今回は3D作品なので迫力満点。まさに、3D向けの作品ではあります。剣での戦いはもちろん、今回は最新型の飛行船でのバトルがすごい迫力でした。そしてクライマックスでダルタニアンとロシュホールが屋根の上で、剣で戦うシーンは高さでクラクラしそうな映像でした。そしてこの映画のために良い役者が揃っています。ダルタニアン役は「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマン。彼って可愛いんですよね~。ミレディ役は「バイオハザード」シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチ。悪女が似合っています。バッキンガム公には「パイレーツ・オブ・カリビアン」のオーランド・ブルーム、枢機卿役は「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ。やっぱり彼も悪役が似合う!監督は「バイオハザード」シリーズの監督でミラ・ジョヴォヴィッチの夫でもあるポール・W・S・アンダーソン。この映画は続編を意識した終わり方でした。73年版のように「四銃士」もできるのかな??
ステキな金縛り  監督 :三谷幸喜  出演:深津絵里、西田敏行、阿部寛
 2011年 日本映画
雷雨の夜、豪邸に一台の車が到着した。中から降りてきたのは黒装束の美女。ある部屋に入るとそこには男と女が・・。ふたりの女は掴みあいのけんかになり、ひとりが2階から落ちて死んだ。その女の死体が発見され、彼女の夫・矢部五郎が重要参考人として逮捕された。事件当日、彼は人里離れた田舎の村「しかばね荘」に宿泊していたが、彼のアリバイを証明できる人はいなかった。矢部の担当する事になったのは、エミという若い3流の弁護士。ところが矢部はエミにとんでもない事実を告げる。なんと、当日に矢部は落武者の幽霊に遭遇し、一晩中“金縛り”に遭っていたというのだ。エミは彼が宿泊した「しかばね荘」を訪ねた。そして彼女自身も落武者の霊に遭遇してしまう!霊の正体は、かつて北条家に仕えた侍大将の更科六兵衛。彼女は六兵衛を証人として召喚することにした。しかし、そこには大きな問題があった。六兵衛の姿は特定の人間にしか見えないのだ。しかも、今回の担当検事は超自然現象を全く信用しない型物、小佐野。果たして裁判の行方は・・・??・
私評:お父さん、いつも私を見守ってくれている?これからも?・・・三谷幸喜監督の最新作です。彼の作品は、私の中では打率3割。なんとなく媚びているようで、私が求めている笑いとちょっとずれがあるんですね。しかし、相変わらずのテンポの良さで映画は飽きさせない。この辺りが彼の作品の強さなのですね。今回も劇場は爆笑の渦。私が思っている以上に、三谷作品は大衆のウケが良い。しかし、私が彼の映画に足を運ぶいちばんの理由は、豪華な役者陣が揃っている事。しかも、彼らが芝居がかったクサ~イ演技をするところが良いんです。豪華な役者たちにあんなおバカな事をさせちゃうのですから・・。主演は「悪人」のシリアスな演技とは正反対の元気娘を演じる深津絵里、落武者には「釣りバカ日誌」の西田敏行、お金持ちの鼻持ちならない令嬢には「はやぶさ」の竹内結子、エリの上司役には「トリック」の阿部寛、型物検事には「プリンセス・トヨトミ」の中井貴一。その他にも草彅剛、浅野忠信、小日向文世・・という豪華さ。しかもしかも、ほんのチョイ役で深田恭子、佐藤浩市、篠原涼子(彼女の役って「ザ・有頂天ホテル」の時の娼婦??)、戸田恵子、唐沢寿明らも登場します。ああ、なんて贅沢なキャスティング。これだけでもこの映画を見る価値ありですよ。ちなみにエンドクレジットで流れる深津絵里と西田敏行のデュエットがめっちゃ良い曲です!!みんなに質問!エンドクレジットの写真で「勝訴!」の紙を持っている男って大泉洋ですか??


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