7/03号
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1976年 東宝映画
監督 : 西河 克巳
主演 : 山口百恵、三浦友和
明治初期、大阪道修町。 幼い頃の病が元で失明したお琴は
一心に琴の修行を続けていた。 お琴の家に丁稚奉公で来ていた佐助は
そんなお琴の身の回りの世話を一人で任されていた。 お琴は美貌の持ち主で
あったが同時に我侭もかね揃え、佐助にはきつくあたるが一心に仕える佐助に
対し信頼の情も芽生え始めていた。 お琴の琴の師匠が亡くなり、彼女は春琴の
名で看板を掲げ新居に移り住んだ。 そんな彼女に目をつけたのが遊び人の美濃屋利太郎。
利太郎は春琴を手篭めにしようとするが間一髪、佐助が助けに入り無様な失敗に終わる。
しかしその事を恨に持った利太郎は春琴の家に賊を送り、春琴の美しい顔に熱湯を浴びせたのだ。
一命は取り止めたものの春琴の顔には醜い火傷の跡が残ってしまう。「佐助、お前にだけは
この顔を見せとうない・・」。 彼女の懇願に応えるため佐助がとった、行動とは・・・・・。
私評: 山口百恵、三浦友和の一連のシリーズは妹が好きで、付き合いで何度か見に行った。
中でもこの「春琴抄」は私を谷崎文学に目覚めさせた作品です。 献身的に仕える佐助は
まさに谷崎文学にいつも登場する翻弄される男そのもの。 (中でも佐助はまともなほうだけど)
一つ間違えるとマゾヒスティックな役になってしまうこの佐助を三浦友和はうまく演じたと思います。
山口百恵の春琴はイマイチだった。 やっぱり、もっと毒のある女優じゃないと・・・。
伊豆の踊り子以来、二人で何作撮ったんでしょうね。 また、見てみたいですね。
1973年 イギリス映画
監督 : リチャード・レスター
主演 : オリバー・リード、マイケル・ヨーク、フェイ・ダナウェイ、チャールトン・ヘストン
三銃士に、新たに四番目の銃士として王に仕える事になった
ダルタニアン。 旧銃士たちのポルトス・アトスそしてアラミスは若き銃士を
迎え新しい冒険にうずうずしていた。そんな時、ダルタニアンの愛する女
コンスタンスが誘拐される。その後ろで糸を引いていたのはウインタース夫人
だった。彼女はまたも色仕掛けであちらこちらで男をたぶらかしていたが、
唯一、ダルタニアンだけは落ちなかった事への腹いせだった。
旧・三銃士の活躍により無事コンスタンスを救出したのち、修道院にかくまう事に。
イギリス軍・フランス軍の一触即発の緊張状態をこれまた陰で操る男がいた。
枢機卿だ。 彼の陰謀をイギリス軍に伝えるため一人奔走するダルタニアン。
フランスのルイ13世の妻でありながらイギリスのバッキンガム公を愛するアン王女がダルタニアンに事実を伝える事を
命じたのだ。 はたして四銃士は彼らの陰謀を打ち砕き、この戦争を未然に防ぐ事ができるのか???
私評: 三銃士はすでに4回、映画化されています。 なかでも、2作目のシーン・ケリーが主演の1948年バージョンと
この1973年版は最高です。 四銃士の前には、当然三銃士もありました。 もともと一本だった映画が長すぎたため
二つに分けて公開したと言う曰く付きの作品です。 怒ったのは出演者たち。 ギャラは1本分しか貰ってないと文句を
言い出した。 しかも、この映画のキャストは当時の超豪華メンバーたちだから大変です。 まあ、丸く収まったみたいですが・。
この映画の面白さはやっぱりアクションと笑いですね。四銃士のラストはちょっと悲劇的なんですが、とにかくドタバタ、
奇想天外な物語です。 私の好きな女優が二人も出ているというのも魅力。 一人はラクウェル・ウェルチ。この当時の
グラマー女優ですね。 チョット頭の足りない女をやらせたら右に出るものはありませんでした。でも可愛い。
それとクールビューティ、フェイ・ダナウェイ。 この映画では超・性悪女ウインタース夫人役。 でも、これがまた合ってる
んだ。 とにかく当時の人気スターが勢ぞろいしたこの映画。 ご覧になるときは三銃士・四銃士と続けて見ましょう!