2006/4/29

今週はホラー映画多かった。また、これが面白い作品ばかり。
アジア、ヨーロッパの映画も面白いです。
しかし、イチ押しはやはりホラーになってしまいました。私らしいでしょう?

the EYE2  監督:パン兄弟  出演:スー・チー、ジェッダーボーン・ユージニア
the EYE2  2004年 中国映画
今週のイチ押し:不倫に疲れたジョーイは、ショッピングをしまくり滞在中のホテルで薬物自殺を図るが失敗に終わる。その時彼女は自分が妊娠していることを知った。その日から彼女は霊が見えるようになる。彼女が入院した病院は多くの霊がさまよっていた。病院の外でも彼女の周りは霊がいっぱい。彼女は徐々に神経衰弱になっていく。子供を産む決心をしたジョーイは病院で多くの霊が胎児に取り憑いてこの世に転生する姿を垣間見る。お腹の子供を狙う女の霊について調べ始めたジョーイは彼女の正体を知り愕然とする。しかし、ジョーイの子宮の中で子供は日に日に大きくなっていく・・
私評:私の赤ちゃんに手を出さないで!・・・1作目はマジで怖かった。映像を見ていてドキドキした。そしてそんなホラーの名作のパート2が登場した。今回も1作目を髣髴する恐ろしいシーンの連続。エレベーターの中で天井からゆっくり落ちてくる霊。そして彼女の目の前に突然落ちてくる飛び降り自殺の霊などなど、想像を絶するシーンが次々と登場。しかし、それらがただ怖いだけではなく、スタイリッシュなのです。それもそのはず監督は飛ぶ鳥を落とす勢いのタイのパン兄弟。さすがです。そして主人公のジョーイを演じるのは台湾出身の国際派スター、スー・チー。いつもはエレガントな彼女が今回は終始ノーメイクで霊に悩まされるヒロインを熱演。そして彼女の愛人役は「アタック・ナンバーハーフ」のジェッダーボーン・ボンディー。そして不気味な女霊を演じるのはユージニア・ユアン。彼女が恐ろしくも悲しい霊を演じます。そしていよいよこのシリーズの第3弾「the Eye3」も公開されます。当然速攻で見に行きますよ〜!!
アンダーワールド エボリューション  監督:レン・ワイズマン  出演:ケイト・ベッキンセール、
Underworld Evolution  2006年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ヴァンパイア一族に追われることになったセリーン。彼女はヴァンパイアとライカン(狼男)の戦いに身を置いていた彼女はヴァンパイアの長老ビクターの裏切りを知り彼を葬ったのだ。今の彼女に頼れるのはヴァンパイアの祖であり最強のマーカスを目覚めさせ真実を告げることだった。ところがマーカスはライカンの科学者の血を受けヴァンパイアとライカンの混血種として目覚めてしまう。そして彼が向かったのは彼の兄ウィリアムの元だった。ウィリアムとマーカスの父アレクサンドルは、この世で始めての不老不死の体を手に入れた男。そしてウィリアムはライカンの祖、マーカスはヴァンパイアの祖として君臨したのだ。そしてウィリアムを封じ込めた鍵を作ったのは、事もあろうかセリーンの亡き父だった・・
私評:この世はお前にかかっている・・・ヴァンパイアと狼男の壮絶な戦いを描いた前作の最後でヴァンパイアの長を殺したセリーンが、ヴァンパイアとライカンのハーフのコーヴィンと新たなバトルへと足を踏み込んでいく。しかし、今回の相手は本当に強い。しかも、ヴァンパイアとライカンのオリジナル。こんな強い相手にどうやって戦いを挑むのか?と思っていたら、なるほどと思わせる内容でした。その戦いは壮絶を極めます。内臓をえぐり、頭を吹っ飛ばす、まさにスプラッターシーンの連続。いや〜、面白かったです。そしてこの映画のキャッチコピー「本当のエロカッコイイを魅せる」どおり、主演のケイト・ベッキンセールが妖艶でいて強い女ヴァンパイアを好演。彼女の代表作となることでしょう。監督は前作に続きレン・ワイズマン。最高のアクションホラー映画でした。 
ぼくを葬(おく)る  監督:フランソワ・オゾン  出演:メルヴィル・プポー、ジャンヌ・モロー
Time To Leave  2005年 フランス映画
写真家のロマンは容姿にも恵まれ順風満帆な生活を送っていた。仕事も波に乗り同棲中の彼氏ともいい仲。しかし、ロマンは撮影中に急に倒れてしまう。診察の結果彼は不治の病であることが判明する。絶望の淵に立たされる。無理な治療は行わず、家族と恋人にも病のことを告げず、彼はひとりでこの世を去ろうとする。しかし、彼は唯一の自分の理解者である祖母にだけ病気のことを話すことにした。彼女の深い愛に触れたロマンは生きている今の一瞬一瞬を愛おしく思えるようになる。そして本当の人生の意味を知るのだった。そんなロマンが未来に残すあるものを見出す・・・・
私評:子供は嫌いなんだ・・・私が注目している映画監督のひとりが、この映画の監督フランソワ・オゾンだ。彼の作品にはいつも(良い意味で)裏切られる。今回は『死』をテーマにした映画だと思って見に行ったのですが、実は『生』をテーマにした映画だった。毎日を何気なく生きている私ですが、主人公のロマンのように余命3ヶ月と言われたらいったい何をするだろうか?そんな状況に追い込まれたらきっと今よりきっと時間を大切にするでしょうね。この映画の主人公は果たして何をするのか?彼が残すものは、こういう話の中ではけっこうベタではあるのですが・・・。そして映画の最後は永遠と続く波の音。これはロマンが砂浜で聞いていた音。この音だけで私は泣けてきました。主演は「キッドナッパー」のメルヴィル・プポー。彼の祖母役は名女優ジャンヌ・モロー。そしてロマンが出会う人妻ウェイトレスは、オゾンの前作「ふたりの5つの分かれ路」のヴァレリア・ブルーニ=テデスキ。生きることは素晴らしい。そんな思いをしたい人にはお勧めかも?
トム・ヤン・クン  監督:ブラッチャヤー・ピンゲーオ  出演:トニー・ジャー、ボンコット・コンマライ
Tum-Yum-Goong  2005年 タイ映画

タイの山奥で何百年も王に捧げる象を育ててきたムエタイ兵士の末裔たち。この村で育ったカームもいつも象と一緒だった。しかし、象を密漁する組織によって母親象は殺され、父親象と小象が連れ去られてしまう。国際密輸組織のアジトを調べたカームは象たちがベトナム人によってオーストラリアに送られたことを知り、単身救出に向かう。シドニーに到着したカームはレストラン「トム・ヤン・クン」へと向かったが、タイ人の警察官マークに目をつけられる。しかし、「トム・ヤン・クン」の中では密輸された希少動物で金儲けをする組織が暗躍していた。象を取り戻すためカームはひとり組織に挑んでいく。しかし、そこで彼を待っていたのは恐るべき刺客たちだった・・・・

私評:ボキッ!バキッ!!・・・・この映画のセリフはほとんど覚えていません。憶えているのは主人公が悪者の骨を折る音ばかり。(笑)「マッハ!!!」で世界を驚愕させたトニー・ジャーがさらにパワーアップして帰ってきた。まずは必殺のひざ蹴りドカーン!!回転延髄蹴りドカーン!!そして極めつけは関節攻めで骨をボキボキ砕いていく。次々と襲い来る武術の達人たちをひとり、そしてまたひとりとなぎ倒していく。トニー・ジャーのムエタイに襲い来るのはカンフー、剣術、プロレス、そしてカポエイラ(これがスゴイ!!)そして大回廊でのワンショットの壮絶なシーンは映画史に残るかも??極めつけは黒服男49人を一気にぶちのめすシーン。圧巻です。「マッハ!!」もスゴかったけど、この映画も本当にスゴイです。とにかく見どころはトニー・ジャーの恐るべき身体能力。彼は人間じゃない!?やっぱりこういうアクション映画は大画面で観なくちゃ!
変態村  監督: ファブリス・ドゥ・ヴェリツ  出演:ローラン・リュカ、ジャッキー・ベロワイエ

CALVAIRE

 2004年 フランス・ベルギー映画

ハンサムで誰にも好かれるが売れない歌手マルクは老人ホームでのクリスマスコンサートを終えた。彼の不思議な魅力はこの施設の老女まで虜にしてしまった。次の目的地に向かってバンを走らせていたが、寂しい森の中で車が故障してしまう。土砂降りの雨の中、立ち尽くすマルクの前に現れたのは精神障害者のボリス。彼に連れられ小さなペンションに辿り着いたマルクは、オーナーのバルテルに出会う。元コメディアンだったという彼は、何故かマルクに異常なまでに執着を見せる。車の修理をするというバルテルの言葉を信じ散策に出かけたマルクは途中で家畜と交わっている男を見つけショックを受ける。その夜、バルテルは自分を捨てた妻の話をし始める。いつしか彼は妻とマルクを混同し暴力で彼を制し、妻の服を着せてマルクを監禁してしまう・・・・

私評:愛していると言ってくれ・・・すげー。これほど神経を逆撫でする映画がかつてあっただろうか?キモイ!怖い!だけど笑える。それがこの映画です。オープニングから怪しい雰囲気をプンプン漂わせ、いかにもという感じ。そして登場する人物がみんな気持ち悪いんです。そしてバルテルが狂い始めてからは、痛そうなシーンが続く。しかし、こういうタイプの映画ってヨーロッパならではですよね。アジアやアメリカではこういう映画は作れないでしょう?私が気持ち悪がりながらも笑ってしまったのが、村のバーでの男たちのダンスシーン。めちゃめちゃ印象的でした。主演は「ハリー、見知らぬ友人」でも被害にあっていたローラン・リュカ。頭を虎刈りにされて、寒い中での演技をしたりと実際辛かっただろうと思います。バルテル役は「みんな誰かの愛しい人」のジャッキー・ベロワイエ。監督はベルギーが生んだ恐るべき新人監督ファブリス・ドゥ・ヴェレツ。

タイフーン  監督:クァク・キョンテク  出演:チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ
Typhoon  2005年 韓国映画
アメリカの貨物船が台湾沖で国籍不明の海賊に襲われた。調査の結果、盗まれた積荷は核ミサイル用の衛星誘導装置だった。日米両国は韓国に対し事件を黙認するよう要請するが、韓国国家情報院はアメリカで訓練を受けたカン・セジョン大尉に独自に調査を行うよう命令を下した。船を襲ったのはシンという男。彼は闇商人から核廃棄物を手に入れようとしていた。実はシンは20年前に北朝鮮から亡命を図った家族の末弟だった。中国から韓国に入ろうとした家族は、入国を拒否され北朝鮮に引き渡され皆殺しにされたのだ。唯一生き残ったのは幼い姉と弟。しかし、ふたりも生き別れになっていたのだ。韓国に対し凄まじい復讐心を持つシンは恐ろしい計画を企んでいた・・・・
私評:生まれ変わったら彼とは友人になりたい・・・韓国が満を辞して放つアクション大作。今回は韓国だけではなくバンコク、ウラジオストックなどでのロケを敢行。韓国史上最高の製作費を費やしています。それゆえか?作品の迫力は満点。しかも、南北朝鮮問題もリアルに描かれています。そんなドラマを熱い二人の男優が強引なまでに盛り上げていきます。ラストの「台風」の中での肉弾戦はいちばんの見所です。ひとりはシンを演じる「Promise」のチャン・ドンゴン。日頃からクールな彼が恐ろしいテロリストを怪演。そして彼を追い詰める海軍大尉を演じるのが「イルマーレ」のイ・ジョンジェ。そしてシンの姉役は「恋愛中毒」のイ・ミヨン。彼女の演技が涙を誘います。そしてカン・セジョンの上司役で「箪笥」で父親を演じたキム・ガプスが登場。監督は「友へ/チング」のクァク・キョンテク。
Vフォー・ヴェンデッタ  監督:ジェイムズ・マクティーグ  出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング
V For Vendetta  2005年 中国映画
第三次世界大戦後、ファシズム国家となったイギリス。そんな国家に反逆を開始する男がいた。彼の名はV。まず手始めに彼は中央刑事裁判所を豪快に爆破してみせた。そして彼はテレビ局の占拠、電波ジャック、政府の要人の殺害と次々と破壊を重ねていくV。国家の圧制に反発する彼は市民に国会議事堂に集結するよう促す。決行の日は11月5日。その日はガイ・フォークスデイ。かつて彼は大量の火薬を詰めた樽と共に国会議事堂の地価で発見されたのだ。政府の転覆を図った彼の企みは未完に終わったのだ。しかし、今Vの手によってフォークスの意志が継がれようとしていた。果たしてVの正体は??・・・
私評:自由を掴み取れ・・・・この作品はすごくテーマが深い。第3世界のテロリストは果たして正義の味方なのか?それとも血に飢えたただの殺人鬼なのか?教養とずば抜けた身体能力を持つ彼の真の目的は?徐々に明らかになっていくVの正体には驚かされた。そしてそんな彼に惹かれていく女イヴィー。二人の絡みはマジであぶないストーリーの一服の清涼剤になっていました。しかし、難しいセリフが多くて日本語字幕を読んでいてもイマイチ伝わらない箇所がありました。ラストは悲しくも美しい、そして豪快なシーンで締めくくられます。夜空を彩る「V」の文字が印象的でした。イヴィーを演じるのはすっかり大人の女になったナタリー・ポートマン。実際に頭を丸めて、この作品への意気込みが感じられました。Vを演じるのは映画では素顔を見せないヒューゴ・ウィービング。そしてVとイヴィーを追う刑事役は「クライングゲーム」のスティーブン・レイ。そして独裁者サトラー議長を演じるのはジョン・ハート。サイコーの悪役です。この作品の仕掛け人は『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟(脚本と製作を担当)。監督はジェイムズ・マクティーグ。


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