東京ファンタスティック映画祭 2004


2004/10/14 - 10/17

年々オールナイトが辛くなってきます・・・。
今年はオールナイト2発で限界を感じました。
しかし、今年は収穫が多かった〜。特に韓国・タイ対決はサイコー!!

ボーン・トゥ・ファイト  監督:パンナー・リットグライ  出演:ダン・チューボン
Born To Fight  2004年 タイ映画
今週のイチ押し:警察官のディアウはパートナーと一緒に潜入捜査に成功し、麻薬王の逮捕に成功する。しかし、その際の銃撃戦でディアウはパートナーを失ってしまう。すっかり落ち込んだ彼は気分転換もかねて妹が所属するアスリートたちの貧村の支援活動の活動に参加する。村に着いた一行は、村人たちに物資を与え親交を深めていた。しかし、そこに突然ゲリラ軍が現れ村人を惨殺し、あっという間に制圧してしまう。ハイテクを駆使した彼らは政府に対し麻薬王の開放を要求した。ディアウはひとりゲリラ軍に対抗しようとするが、多勢にひとりでは敵うはずもない。そして彼は今回参加したアスリートたち、そして村人とともにゲリラ軍に反逆を始める。戦わずして彼らに自由はないのだ・・
私評:うわ〜〜〜!!!うわ〜〜〜!!!!終始主人公のダン・チューポンの叫び声が響き渡たる。とにかく彼の気合の入ったアクションは凄かったです。(元浦和レッズの福田によく似てる・・)空中で2回転しての延髄蹴りはかなり凄そう・・。とにかくこの映画はオープニングのトラックでのバトルから全編の80%がアクション。しかし、『マッハ』と違い火薬を使った大爆破、そして銃撃戦が「これでもか!!」というくらい続きます。また、この映画の見所はアスリートたちの戦いぶり。体操、サッカー、テパサクロー、テコンドー、ラグビー・・の猛者たちが、彼らの得意技でゲリラと戦うシーンは凄いけど、かなり笑えます。とにかく「それはないでしょう〜!!」という設定もぶっ飛ばしてしまうほどの熱〜い映画。会場は拍手と爆笑の連続。これぞタイ版のエンターテイメント。ワイワイ観るにはサイコーの映画です。エンド・クレジットのメイキングシーンも必見です!!
鉄人28号 インターナショナル  監督 :富樫 森  出演:池松壮亮、蒼井優、薬師丸ひろ子
 2004年 日本映画
イチ押し:金田正太郎少年は母親と二人暮らし。最近、彼は父親の夢を見てうなされている。幼い自分を突き飛ばして走り去る父親。そのシーンは彼の心に刻まれた事実だった。父は自分を嫌っていたのだろうか?そんなある日、東京に真っ黒な巨大ロボットが出現。東京タワーを破壊してしまう。そのロボットを動かしていたのは行方不明になっていた若き天才宅見零児。そしてロボットは「ブラックオックス」と呼ばれた。そんな時、正太郎に綾部という男から電話が入る。彼は正太郎の祖父のアシスタントで、父親の後見人とのこと。そして綾部は正太郎を、人里はなれた島の工場へと連れて行く。そこは正太郎の父親の研究所だった。そこで彼は父が残した正義のためのロボット「鉄人28号」を発見する。父の遺志を継ぎ鉄人でブラックオックスに挑むが、鉄人は粉砕されてしまう。すっかり自信を失くしてしまった正太郎。しかし、鉄人は天才少女科学者の立花真美の手によって甦った・・・
私評:信じて進め・・・父・・・・来年春公開の「鉄人28号」のプレミア上映でした。私もまだ生まれたばかりの昭和38年にテレビで放送された、この鉄人28号。しかし、私は見ていたんですね〜。しかも、当時の番組なので白黒作品。そして「夜の町にガオー♪」と歌っていたらしいです(母談)。それゆえ私の年代には思い切り懐かしい作品です。しかし、なぜ今「鉄人28号」なのか??しかも、監督は「非・バランス」「ごめん」の富樫森監督。すごく違和感がありました。ところが、この映画は正太郎少年の成長に焦点を置いている作品になっており、そこに富樫監督の技量が生かされているのです。鉄人とブラックオックスの戦いのシーンは、ちょっとショボイ気もするのですが、逆にロボットっという感じが良く出ていたかも?それは「ぎこちない動き」なのです!!また、2体のロボットが東京の街の中にイイ具合に溶け込んでいました。主演は『ラスト・サムライ』でトム・クルーズとも共演した池松壮亮君。彼が情けない少年から「勇気」を持ち、戦う事を覚えていく展開は見事です。そして天才科学者役で蒼井優ちゃん。(実物の彼女って意外と小さかった・・)彼女は可愛いし、演技も上手いし言うことなし。正太郎の母役は薬師丸ひろ子、そして父親は阿部寛!宅見零児役は香川照之。そしてほんのチョイ役で西田尚美、田中麗奈、そして妻夫木聡が登場しますのでお見逃しなく。私は大満足でした!! 
ソウ  監督:ジェームズ・ワン  出演:ケアリー・エルウェズ、リー・ワネル
SAW  2004年 アメリカ映画
イチ押し:真っ暗な部屋の中でアダムとゴードンは目を覚ました。ゴードンはスイッチを見つけ電灯を点けた・・。すると、大きな部屋の両端で、二人は足には丈夫な鎖が巻かれていた。そして二人の間には頭を吹き飛ばした死体が横たわっている。二人のポケットに入れられていたのはカセットテープ。自殺体が持っていたプレイヤーで再生すると、この状況にした犯人のらしき男の声が入っていた。なぜ??そしてトイレのタンクに隠されていたのは、2つのノコギリ。ゴードンは犯人を知っていた。彼は今までに何度か、猟奇的な殺人を犯していた。いや、彼は殺してはいない。死のシチュエーションを演出したのだ。ある事件の現場で発見されたのがゴードンのペンライトだった。容疑者として警察に出頭したが、彼のアリバイが証明され釈放された。しかし、その席で彼は犯人の一連の事件での唯一の生き残りの女性の話を聞いて愕然とする。それはあまりにも残酷で恐ろしい話だった。ゴードンに課せられたのはアダムの殺害だった。しかも、彼は妻と娘を人質に取られていた。タイムリミットが迫る・・・ 
私評:私のゲームに勝てば、新しい自分を与えてやる・・・物語は忽然と始まる。不可思議な状況の説明。そして彼らは「なぜ、自分たちがここにいるのか」を思い巡らせる。ノコギリが出た時点で、自分たちがどうすれば答えにたどり着くかを与え、究極の葛藤をさせる天才的な頭脳を持つ犯人の異常さ。そして訳も分からないまま映画はどんどん進んで行きます。鎖でつながれた二人の話以外にも、以前に犯人が行った犯行が描かれるのですが、それらもかなり強烈です。その中のシーンのひとつがアメリカ公開に於いてはカットされる事になってしまったらしい。制限時間内でなんとか、この状況を打開しようとする二人。しかし、刻々と時は過ぎていく・・・。そして後半はトンでもないどんでん返しが続きます。そして強烈なエンディング。映画を見終わった後は、何ともいえない不快感でいっぱいでした。チラシにも書かれていますが、この映画のタイトルのSAWは「犯人の呼称のジグソウ」「見るの意味SAW」「チェーンソー」「シーソーゲーム」など、色々な言葉の綾になっています。監督のジェームズ・ワンと脚本・主演のリー・ワネルはともに新人で27歳の若者。ゴードンを演じるのはケアリー・エルズウェル。脇役が多いのですが最近では「ブロンドと棺の謎」が印象的でした。事件を追う刑事役でダニー・グローバー、ゴードンの妻役でモニカ・ポッターが出演しています。しかし、この映画18日間で撮影をしたそうです。すごい・・・
チューブ  監督:ペク・ウナク  出演:キム・ソックン、ペ・ドゥナ
TUBE  2003年 韓国映画
イチ押し:韓国空港に到着した要人一行を突然男たちが襲った。彼らは訓練されたプロ中のプロ。そしてリーダーのギテクは、前大統領の汚職に関する極秘データを入手。あっという間に警官隊に囲まれたが、ギテクらはひるむ事もなく脱出を試みる。そこに現れたのは警官のチャン。実は彼は恋人をギテクによって殺された過去を持っており、ギテクに対し異常なまでの恨みを抱いていたのだ。しかし、ギテクは見事にこの修羅場を潜り抜け逃走する。そんなチャンに密かに心を寄せる女がいた。スリのインギョンだった。インギョンはひょんな事でチャンがギテクを追っていることを知る。そして地下鉄の駅で彼を発見したインギョンはチャンに報告。そしてチャンは何とかギテクのいる地下鉄に辿りついた。しかし、ギテクは乗客を人質に取り、爆破予告をする。彼が出した条件は前大統領の出頭とテレビの生放送の用意だった・・
私評:私が点ける火以外でタバコを吸わないで・・・・これは韓国版『スピード』。オープニングの空港での銃撃戦から、ノンストップのアクションが続きます。そんな中でチャンとインギョンの恋物語も同時進行。この描き方も美しく、そして上手いんですね〜。恋愛に絡むアイテムとして、タバコが使われているのですが、私はその設定が気に入っています。また、この映画で大活躍するのが地下鉄の管制官たち。ハイテクの地下鉄を一番知っている彼らが犯人逮捕、そして乗客を救うために大奮闘します。地下鉄が疾走し始めると、物語もアクションもヒートアップして、感動のラストに向けて爆走。この映画の終わり方、すごく好きです。チャンを演じるのは『燃ゆる月』のキム・ソックン。スタントなしでのバイクアクションなど彼の見せ場は多いです。テロリストのギテクを演じるのはパク・サンミン。そしてインギョン役は『ほえる犬は噛まない』のペ・ドゥナちゃん。この映画でも彼女が光っています。しかし、彼女の出演映画を見たのは4本目ですが初めて『男』と絡むシーンがあった。彼女にはいつまでも『不思議少女』でいて欲しかった・・・。
ハウス・オブ・ザ・デッド  監督:ウーヴェ・ボル  出演:ジョナサン・チェリー、タイロン・レイツォ
House Of The Dead  2003年 アメリカ映画
大学生のグレッグら5人は、ある島で行われるパーティーに参加するために港にやって来るが、島への船は出てしまったばかり。仕方なく漁船に頼むが「あの島は呪われている」と断られてしまう。しかし、彼は金を積んでなんとか島まで到着した。島に着いた彼らはパーティー会場へ急ぐが、なぜかそこには誰もいなかった。実はその島にはゾンビがたくさんいて、パーティーに来ていた若者はことごとく襲われてしまったのだ。古めかしい建物に辿りついた一行はそこで、生き残ったメンバーと出会う。そして彼らは漁船に戻り、島を脱出することに。しかし、船もゾンビに襲われ船長は必死の思いで脱出していた。学生たち、船長、そして船長を追って島にやってきた女性警官は、船長が隠し持っていた大量の武器を抱えて、ゾンビの群れへと向かっていく。しかし、ひとり、またひとりとゾンビの餌食になっていく・・・・。・・・
私評:できるだけの事をするよ、生きてこの島を出よう・・・SEGAのアミューズメントゲームで有名な「ハウス・オブ・ザ・デッド」の映画化です。このゲームをやった事がある人も多いと思いますが、次々と出てくるゾンビをとにかく殺しまくるゲーム。ふたりでプレイすると、2倍楽しいんですよね。映画の中にもゲームのシーンが何度も挿入されます。そして映画の中盤は襲い掛かってくる無数のゾンビをとにかく殺しまくる。このシーンはけっこう快感かも??大音響の劇場で観ると、かなり「ドキッ!」とするシーンがありますが、これもホラー映画の醍醐味。かなり大味な映画ではありますが、私は楽しめました。しかし、この映画の女優はイマイチ。スミマセン・・個人的な感想です・・・・。しかも・・・以下自粛。話のオチも「オイオイ!」といった感じですが、まあこういう映画はツッコミ始めるとキリがないので・・・。私は大満足でした!!
ガルーダ  監督:モントン・アラヤンクン  出演:ソンラン・テピタック、サラ・レッグ
GARUDA  2004年 タイ映画
1970年代。遺跡発掘に没頭する博士が、「ある化石」を発見する。しかし、その直後大きな地震により発掘中の穴は塞がり発見は日の目を見なかった。そして現代。女性化学者のリーナは地下鉄工事中の現場で神話上の怪鳥「ガルーダ」の化石を発見する。リーナはこの発見を報道しようとするが、民衆の信仰を覆すこの発見を表に出す事を許さなかった。また、リーナがフランス人とのハーフであることもその理由のひとつだった。しかし、特殊部隊によって封鎖された現場で「ガルーダ」は目を覚ましてしまう。人々を貪り食いながら人員を恐怖のどん底に落としいれた「ガルーダ」はバンコクの街で大暴れ。急遽リーナと特殊部隊は手を組みガルーダ退治に挑む・・・・
私評:タイ初の怪獣映画がこのガルーダ。『ガルーダ』とは実際に東南アジアで崇められている鳥のような羽を持つ神聖な乗り物のことらしい。映画の冒頭に紹介があるのですが、この映画のガルーダは、その生物の中でも異端なのです。本当は『神』に近い存在だからね。監督のモントン・アラヤンクンは大のゴジラファンという事で、かなり意識して作ったようです。しかし、ゴジラとはサイズが違い(ガルーダは意外と小さい)ちょっと迫力に欠けるのですが、リアルな動きには注目。(私的にはゴジラというより日活の『ガッパ』に近いイメージ。)そして小さい分動きも良いです。また、私的な見所はヒロインのサラ・レッグ!ヨーロッパとタイのハーフなのですが、とても魅力的でした。この映画は日本では今回のファンタでの一回だけのフィルム上映。来年1月にビデオ&DVDが出ます。 
スピーシーズ3 監督:ブラッド・タナー  出演:サニー・メイブリー、ナターシャ・ヘンストリッジ
Species 3  2004年 アメリカ映画
宇宙からの通信で送られてきたDNAの配列により産まれたジル。そして2代目のイヴが今、まさに死を迎えようとしている。車で搬送されるイヴの傍らには1人の少年がいたが、彼はエイリアンと人間の混合種だった。死の直前、イヴは女の子を産み落とす。その赤ん坊を抱いて、運転手のアボットはその場を逃げた。彼は生物学の教授でイヴの娘に「サラ」と言う名をつけて自分の元で育てた。そして彼は失われてしまうであろう、彼女の種に完璧なDNAを掛け合わせて新たな生命体を作ろうとする。サラは見る見るうちに成長し美しい女になった。彼女は自らの子孫を残すため同種を探すが、見つけることができない。しかも、人間との混合種は免疫力がなく力こそあるものの非常に弱い生命体となっていた。しかし、そんな彼らは自らの子孫を残そうとサラに近づいてくる。また、アボットの研究を手伝う事になった若者ディーンは、いけないと知っていながらもサラに惹かれてしまう・・・・・・
私評:私が欲しくないの??・・・・スピーシーズ=ナスターシャ・ヘンストリッジと言えるくらい、この映画の彼女のインパクトはすごかった。完璧なまでに美しくて、しかも見事なプロポーションを持った彼女が惜しげもなく大胆なヌードで登場!私はSF的なインパクトより、ナスターシャ嬢のセクシーさにKOされてしまった。そしてこの3作目にもナスターシャ嬢は登場するが、さすがに1作目から10年を経て、当時のプロポーションは維持できていないのか(?)、彼女は前半にちょっと登場しただけ。しかも、脱ぎません(悲)。ところが、彼女からバトンを受けたのはサニー・メイブリー。彼女がまた、ベリーグッドです。まあ、美女のヌードなくしてスピーシーズは語れないですからね・・。お話自体はあまり面白くなかったのです。しかも、ラストなんかとって付けたようで・・・。それでもサニー嬢の美しさで全てが◎。これでイイのだ。しかし、この映画はファンタがワールド・プレミア。まだ、日本での配給先も決まっていないらしいです。今回は暫定的にフォックスが橋渡しをしたそうです。公開は来年か??
レザレクション 監督:チャン・ソヌ  出演:イム・ウンギョン、キム・ヒョンソン
Resurrection of the Little Match Girl  2002年 韓国映画
中国料理の店で働くジュは、ダサい男。彼には憧れの女がいた。ゲームセンターに勤めるフィミだった。しかし、彼女はジュには見向きもしなかった。そんなある夜、ライターを売って歩く少女に出会う。「ライターは要りませんか・・・」彼女はフィミにそっくりだったのでジュは思わずライターを買った。そのライターに書かれていた電話番号にコールしてみると『マッチ売りの少女の再臨にアクセスしますか・・??』という声が。迷わずアクセスしたジュはいつしかゲーム世界に入っていた。彼のミッションは「マッチ売りの少女」に安らかな死を与える事。彼女からライターを買おうとする者は抹殺。そして彼女が死ぬ前に愛を感じさせること・・。ジュはバーチャルな世界で次々と現れる刺客たちと戦いを繰り広げる・・・・・
私評:ゲームオーバー・・・・「韓国版マトリックス」の異名を持つこの映画。映像はまさに「マトリックス」。しかし、どことなく懐かしい匂いがする映像が不思議間を一層盛り上げます。オープニングで『マッチ売りの少女』の話が語られるのですが、この話のオチは笑った〜・・。なんだか、このシーンでガクッと来てしまったんですよね〜。主人公の男がダサいのもこの映画の弱点か??それでもCGを駆使した映像は一見の価値あり!!かなり気合が入っています。日本じゃここまでのクオリティーは出せないだろうな〜。フィミ&マッチ売りの少女を演じるのは韓国の国民的アイドルイム・ウンギョン。なにやら岩井俊二監督が彼女に出演交渉のラブコールを送っているらしい。舞台挨拶に出てきた彼女は映画より全然可愛かったです。監督は52歳の新人チャン・ソヌ。しかし、50を過ぎてもこの感覚を持っていられるってある意味すごいかも??この作品もまもなくビデオが発売されます。


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