2004/10/13

トム・クルーズの真骨頂のハードボイルド映画に酔いました。
めっちゃカッコ良かったです〜・・

コラテラル  監督:マイケル・マン  出演:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス
Corateral  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:LAのタクシードライバー、マックスは生真面目な男。今日の最初の客は女性検事のアニー。意気投合したふたりは互いを語りあい、アニーは去り際にマックスに名刺を渡した。そして次に車に乗り込んできたのはビジネスマン風の男。彼は朝までに数人の顧客に、契約書にサインを貰い、明日の朝の飛行機でLAを発つという。それまで付き合えば料金も弾むという。彼の名はヴィンセント。最初の目的地でヴィンセントを待っていたマックスのタクシーの上に、突然人間が振ってきた。なんと彼はヴィンセントによって殺されたのだ。さっきのヴィンセントの話は真っ赤な嘘で、実は彼は名うてのヒットマンだったのだ。事件の内容を知ってしまったマックスは、強引にヴィンセントによって同行を強いられる。そして二人の殺人道中が始まった。しかし、あるヴィンセントの言葉がマックスの中に眠っていた「何か」に火をつけてしまう・・・・
私評:地下鉄で死んだ男の話を知っているか?隣に座った客もまったく気づかなかった・・・いや〜めっちゃ面白かったです。ハッキリ申し上げましょう!私的には今までのトムの作品の中で最高でした。冷徹な殺し屋に扮したトムがとにかくカッコ良いんですよ。そして真面目でガチガチに固まったタクシー運転手のジェイミー・フォックスとの、コンビは最高。12年間もタクシードライバーをやりながら、小さな夢を追いかけていた小心者の男がヴィンセントに触発される展開が良いんですよ〜。また、物語の途中途中で、けっこう笑えるシーンが挿入されているのも嬉しい。そしてふたりの展開に花を副えるのが「マトリックス」のナイオビを演じたジェイダ・ピンケット=スミス。監督はこういう男気あふれる映画を撮らせたら天下一(?)のマイケル・マン監督。とにかく映画の最初から最後まで見所ずくめの映画です。また、劇中で使われる音楽の選曲もサイコーでした。いや〜、久々に震えました。こういう映画は大好きです!!
マイ・ボディガード  監督 :トニー・スコット  出演:デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファンニング
Man On Fire  2004年 アメリカ映画
アメリカ軍の対テロ組織で長年に渡り活躍を続けてきたジョン・クリーシー。しかし、その過酷で悲惨なミッションは彼の心を蝕み、アルコール依存症になってしまう。アメリカを離れメキシコに渡ったクリーシーは、かつての上司レイバーンの紹介で少女のボディガードの仕事を得る。少女の名前はピタ。彼女の明るく人懐っこい性格は、殻に閉じこもっていたジョンの心を開かせた。そしてふたりは固い絆を築いていく。しかし、そんな彼らを誘拐犯の組織が襲い掛かる。危険を察知したジョンは必死で抵抗するも、敵の銃弾に倒れピタは誘拐されてしまう。巨額の身代金が要求され、警察が動き出す。そしてジョン自身も傷ついた体でピタの奪回に向かう。しかし、そんな彼にピタの死が告げられる。一転、ジョンは復讐の鬼と化し、組織の人間の殲滅を誓う・・・・
私評:「そのこのクマのぬいぐるみの名前は??」「クリーシー・ベアだと言ってる」・・・南米ではこんな誘拐事件が日常茶飯事らしく、映画のオープニングでその数字が語られる。しかも、人質が開放される確立も非常に低くビックリしてしまった。この映画は見所が多い作品だと思いました。まずは、ジョンとピタの心の交流。ちょっとベタではあるのですが、ふたりの距離がどんどん近づいていく展開は気持ち良い。この辺りの物語を引っ張っていくのが天才子役ダコタ・ファンニング。本当に彼女はすごい。そして誘拐事件のあとはジョンの殺戮の旅が始まる。しかし、そのシーンの描き方はかなり過激です。これらがこの映画をR15指定にしている所以でしょう・・・そしてクライマックス、私はあふれる涙を止めることができませんでした。主演はアカデミー賞俳優デンゼル・ワシントンと天才子役ダコタ・ファンニング。このふたりの共演は奇跡です!そしてジョンの元上司で実に怪しい男を演じるのはクリストファー・ウォーケン。事件を追う刑事役にジャンカルロ・ジャンニーニ(めっちゃ懐かしい〜・・)、そしてピタの母親は「フォンブース」のラダ・ミッチェル。監督は「スパイゲーム」のトニー・スコット。今回気になった演出は、最近テレビのバラエティ番組でよく使われる、「セリフを画面に出す」手法。実験的な要素も多々含まれた演出は、スピーディーですごく心地良かったです。犯人当ても意外な展開に見当も付きませんでした。
クライモリ  監督 :ロブ・シュミット  出演:エリザ・デュシュク、デモンズ・ハリントン
Wrong Turn  2003年 アメリカ映画
アメリカはウエスト・ヴァージニア州。どこまでも続く森林はまるで緑色の海のようだ。国道を疾走する一台の車があった。ドライバーは医学生のクリス。彼は今日、面接を受けるため会場への道を急いでいたのだ。しかし、国道は事故のため大渋滞。仕方なく山道へ入りこんだ彼は地元の怪しいガソリンスタンドの地図で、一本の道を確認する。そして山道を走っていると、突然目の前にキャンピングカーが・・・。ブレーキを踏む間もなく2台は激突。クリスの車は大破してしまう。キャンピングカーに乗り合わせていたのは、5人の男女。メンバーの一人ジェシーが失恋したので景気付けにキャンプに来たのだ。しかし、キャンピングカーは道に仕掛けられていた鉄条網がタイヤに絡まり身動きがとれなかった。いったい誰が??携帯電話もつながらない山奥で、彼らは助けを求めて森に入っていく。しかし、そこには恐ろしい魔物たちが潜んでいた・・・・・
私評:もうダメ・・・みんな死ぬんだわ・・・・スティーブン・キング絶賛!スタッフはあの「ブレ・ウィッチ・プロジェクト」の面々!そしてあのめちゃめちゃ怖そうな予告編・・。とにかくこの映画は公開前からホラーファンの心をくすぐる、怪しい雰囲気を醸し出していた。実際の映画はけっこう直球勝負で、ホラー映画の王道をいく作りになっていました。怪物に追いかけられる美女たち。そして怪我を負いながらも必死に彼女を守るヒーロー。そしてその怪物たちについては、映画の冒頭に登場する新聞記事で「マウンテン・マン」という説明がなされている。これはいわゆる「ヒマラヤの雪男」みたいな動物(?)。しかし、彼らは高い知能を持っている・・・。森の中で追いかけっこが始まると映画は俄然面白くなります。果たして彼らの運命やいかに??今回注目したいのはスタン・ウィンストンの特殊メイク。意外な大物がこの映画には絡んでいたんですね。そしてお約束の巨乳美女がタンクトップの胸を揺らしながら逃げ惑うシーンがたくさん取り入れられているのも見所かも?? 
ピエロの赤い鼻  監督:ジャン・ベッケル  出演:ジャック・ヴィユレ、アンドレ・デュソリエ
EFFROYABLES JARDINS  2003年 フランス映画
1960年代のフランスの田舎町。教師のジャックは人を笑わせることが大好き。今日も授業中に生徒たちから大爆笑を取った。しかし、ジャックのひとり息子リュシアンは、そんな父親が恥ずかしくてしかたない。そして毎日曜日に行われるお祭りで、ジャックは赤い鼻をつけたピエロになって人々を笑わせていた。大爆笑の渦の中、リュシアンの心は複雑だった。しかし、そんなリュシアンにジャックの古くからの友人のアンドレが声を掛けた。そしてジャックがなぜピエロを演じるようになった理由を語って聞かせた。それはドイツ軍の占領下にあった時代。その頃から親友同士だったジャックとアンドレは憧れの女性ルイーズの言葉に触発されて、ドイツ軍へ小さな反抗を始める。しかし、それは次第にエスカレートしてついには、アンドレの家にあった爆弾でドイツ軍が駐留場所の近くの、列車のポイント切り替えの小屋を爆破することに成功。浮かれてルイーズに語って聞かせる二人。しかし、突然ドイツ軍が現れふたりは拘束されてしまう。いったい誰が?彼らを含む4人が捕虜となり大きな穴に落とされてしまう。そんな彼らにドイツ軍のひとりの兵士が語りかけてきた・・・。
私評:生きている限り希望がある・・・・なんともステキな話でした。戦争中の敵軍から送られた、生きるためのエール。そして訪れる悲劇。若気の至りで引き起こしてしまった悲劇をジャックとアンドレはずっと引きずって生きている。しかし、それはネガティブな思いではなく、その思いを継承して行こうというポジティブな考えであることが嬉しい。しかも、ドイツ軍兵士の話だけではなく、もうひとつとても重要なエピソードが絡んできます。そのどちらも胸を打つ感動的な話なんですよ・・・。きっと、これらのエピソードで涙を流す人も多いのでは?? 主演は「奇人たちの晩餐会」のジャック・ヴィユレと「くりくりのいた夏」のアンドレ・デュソリエ。彼らが若作りして、一昔前を演じるのですが、それはちょっと無理があったかも??まあ、そんな細かいことは気にならないほど良い映画なのでご心配なく。そして彼らと一緒に捕虜になってしまう青年は「王は踊る」のブノワ・マジメル。脇をしっかり固めます。監督は「クリクリがいた夏」のジャン・ベッケル。とにかく低予算で作られた映画なのですが、深く心に染み入る作品だと思います・・・・。


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