2010/12/26

ついに今年もあと5日。必死に映画を観てます。
なの風邪をひいてしまいたいへんな目に遭ってます。
レビューはとりあえず書いた分だけ、コメディ発です!

キック・アス  監督:マシュー・ヴォーン  出演:アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ
Kick Ass  2010年 アメリカ映画
今週のイチ押し:デイブはちょっとオタクな普通の高校生。アメコミヒーローが大好きな彼はある日、インターネットの通販でコスチュームを購入。本気で正義の味方になって悪と戦おうとしていた。そしてついに恰好の獲物が・・・。しかし、スーパーな力なんかないデイブはボコボコにやられて腹まで刺されてしまうが、その模様が動画サイトにアップされ、彼は一役ヒーロー“キック・アス”として人気を博した。しかも、全身を手術した彼は体中に金属をブチ込まれ、痛みが鈍くなるという特殊技能を身に付けた。ところが彼の行動が地元のマフィアのフランクの怒りを買ってしまう。実は彼が闇で取引をした現場に“バットマン”のコスチュームをした男が現れ、ブツも金もそっくり持って行ってしまったのだ。もちろん、犯人がデイブの訳がないのだが・・。犯人は“ビッグダディ”と“ヒットガール”という親子で、彼らもコスチュームで自警団を装っていたのだ。一方、フランクの息子のクリスはキック・アスをおびき出すために自らレッド・ミストと名乗り、彼に近付いていく。その後もドミコはコスチューム族たちにコケにされ、彼の怒りは最高潮に!ついに彼らの暗殺指令が出る!!・・
私評:あいつは名前を“アスキック”にするべきだ・・・コメディ映画は大好きですが、久々に大爆笑&スッキリ爽快なアクションを観てきました。なにやらブラッド・ピットがプロデュースしたというこの映画。しかし、このパワー、ハンパじゃないです。そしてアクションシーンもめちゃめちゃ楽しい。ちょっと過激すぎるシーンもあるけど、笑い飛ばしちゃいましょう!映画を見終えた後は、私もさながらスーパーヒーローになった気分でした(笑)。主演は「幻影師アイゼン・ハイム」のアーロン・ジョンソン。そしてスーパーお気に入りになってしまったのがヒットガールを演じるクロエ・グレース・モレッツちゃん。彼女はホラー映画「悪魔の棲む家」や「500日のサマー」でも印象的だったんですよね。しかし、放送禁止用語をこんなかわいい子にガンガン言わせちゃいけません!それにしてもあのキレのあるアクションと決め言葉がカッコ良すぎます。ロリコンでなくても彼女は大好きでしょう!?そしてビッグダディ役は、あのニコラス・ケイジ。あのニコラス・ケイジですよ!!(笑)彼はプライベートでアメコミオタクだという事は知っていましたが、嬉しそうにこの役を演じていました。そしてマフィアのボスは、今回のレビューにある「ロビン・フッド」でも悪役を演じていたマーク・ストロング。監督は「レイヤーケーキ」「スターダスト」のマシュー・ヴォーン。
Kiss & Kill  監督:ロバート・ルケティック  出演:キャサリン・ハイグル、アシュトン・カッチャー
Killers  2010年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ジェンは過保護な両親に育てられたお嬢様。そんな彼女が大失恋をしてしまう。彼女の傷をいやすため両親は南フランスへとジェンを連れていった。そこでジェンは超ハンサムでマッチョな男を見つけひと目惚れしてしまう。彼の名前はスペンサー。成り行きで散歩をする事になったスペンサーもジェンの屈託のなさに好意を抱いた。しかし、スペンサーはこの地にバカンスで来ていたのではなかった・・・!?ふたりは深く惹かれあい、ついには結婚!ジェンの厳格な父親も見事に口説き落としてふたりは晴れて夫婦となった。幸せな結婚生活も3年目を迎え、ジェンはスペンサーの誕生日にイタリア旅行を計画するが彼はあまり喜んでいない・・。彼は人目をはばかるかのようにこの町にいたがる。そんな時、彼の元に小包が届く。何やら彼はトラブルに巻き込まれているようだが・・??翌日、ジェンはサンフランシスコに出張に出掛ける。すると・・、昨日スペンサーの誕生日を祝ってくれた友人が 突然彼に襲いかかってくる。偶然、家に戻ってきたジェンも巻き込んで激しい銃撃戦が始まる・・
私評:お前の首に2000万ドルが懸っている・・・めゃめちゃ面白かったです。とにかく笑えて、しかもアクションシーンは超ド迫力。そしてちょっとお色気までそこはかとなく感じさせてくれるという気の配りよう。この映画っていわゆる“ラブコメ”なのですが、それだけでは表わしきれない数々の要素が含まれています。私が好きなのが街のあちこちでスペンサーに襲いかかる住民たち。昨日まで友達だったのに・・・!!みたいな展開ですね。きっとこの映画を観ている間中、私の顔はニヤニヤしっぱなしだったと思います(爆)主演は新時代のラブコメ女王キャサリン・ハイグル。「幸せになるための27のドレス」「男と女の不都合な真実」の勢いをそのままに今回もキャピキャピと大騒ぎ。たわわな胸を揺らしながらお色気シーンも満載です。スペンサー役は(私はどうしてもこう見てしまう)デミ・ムーアのだんなのアシュトン・カッチャー。彼も多才なんですよね。そして久々にスクリーンで見たのがジェンの両親。父親は「Mr.ベースボール」「スリーメン&ベイビー」で一世を風靡したあのトム・セレック!そして母親役は「ホームアローン」「ビートルジュース」などでコミカルな演技を見せたキャサリン・オハラ。ふたりともすっかり良いお年です。監督は「キューティ・ブロンド」「男と女の不都合な真実」のロバート・ルケティック。
武士の家計簿  監督:森田芳光  出演:堺雅人、仲間由紀恵、中村雅俊
 2010年 日本映画
加賀藩の御算用者として代々仕えてきた猪山家。腰に刀は刺しているが侍として刀を振るうのではなくそろばんが彼らの武器。8代目の直之は部類のそろばん好きで、その才能が認められる。しかし、彼の勤勉さが災いを招く。彼は御蔵米の管理役になるが、農民たちへのお救い米の量が合わない事を突き止める。それは役人たちが横流しをしていたためだった。その事実を隠匿するため、直之は左遷を言い渡されるが、悪事が公にされ、逆に直之は左遷どころか異例の昇進を遂げた。そして彼は町同心の娘、お駒と結婚。万事、順風満帆のように思えていた。長男が生まれた頃、直之は猪山家の財政が逼迫している事を知る。全財産と借入金を計算した直之は、今のままでは家が持たないと分かり、家財一式をすべて処分し借金に当てる事を決めた。そこには母の大好きな着物、父が唯一の楽しみにしていた骨董、そしてお駒の嫁入り道具までが含まれていた。以来、猪山家は家計簿をつけて質素倹約に勤めた。そしてその家計簿は息子の直吉へと受け継がれる・・・・
私評:その4文銭、元も場所に戻してまいれ・・・森田監督はこういう作品を撮らせるとうまいですね。私の生涯でワーストに近い「模倣犯」も彼ですが、最近だと「間宮兄弟」「わたし出すわ」なんか良かったですからね~。そして今回の「武士の家計簿」は彼の真骨頂でしょう!親子の話、加賀藩内の人事や悪事の話など、けっこう淡々とした話ではあるのですが、その中に笑いも上手に取り込んでいい流れで物語が進んでいく。私は父親と息子の話が好きですね~・・。江戸から明治へと変わっていく時代の中で「そろばん」の力が取り上げられるラスト・・。感動でした。山本周五郎の作品にありそうな平凡ながらも力強く時代を生きた家族の話に、私は泣かされました。主演は出演作が目白押しの人気アクター「南極料理人」「ゴールデン・スランバー」の堺雅人。そして彼の妻役は「ごくせん」「トリック」の仲間由紀恵。彼女のすっかり貫禄がついてきましたね。一歩引いて夫を立てる大和撫子を好演してました。父親役には中村雅俊、母親役は松坂慶子。監督は森田芳光。
ノルウェイの森  監督 :トラン・アン・ユン  出演:松山ケンイチ、菊池凛子、水原希子
 2010年 日本映画
高校生のワタナベ、キズキ、直子は仲良しの3人トリオだった。しかし、キズキの突然の自殺が彼らの関係に終止符を打った。ワタナベは大学に進み、時間のある限り本を読み漁る生活。そんなある日、ワタナベは直子と再会しふたりは長い時間を共有することになった。直子の誕生日の夜、ふたりは結ばれるが直子は処女だった。ワタナベはさりげなくその事に触れたが、直子は号泣して、数日後には姿を消してしまう・・。直子を失ったワタナベは抜け殻のようだった。そして彼女の実家に手紙を送った・・。そんな彼の前に緑という小鳥のように活発な女の子が現れる。ワタナベに興味津々の緑は積極的に彼に近づいてくる。しかし、彼女には恋人がいるという。そんな時、直子から手紙が届く。彼女は京都の療養所にいた。ワタナベは直子の元を訪ねるが・・・
私評:私、ワタナベ君の話し方、好きよ・・・村上春樹の大ベストセラーが映像化された。しかし、今回ほど活字の力を感じた事はない。映画はすごく良くできていると思うし、役者陣も想像以上になりきっていて良い演技をしていたのですが、如何せん深みがないんですね。原作を読んだ時に頭の中でムクムクと膨れ上がった想像(というか妄想?)は、活字だからこそ脳内に描けるもの。村上春樹の作品はそういう想像を目いっぱい掻き立てるのですね。だから、どんなに原作をなぞって映像化しても、私には薄っぺらな物にしか映らなかったのです。だけど、決して映画が悪いわけではないのです。原作が凄すぎるんです!あと、細かい事ですが「特攻隊」の出演シーンをもうちょっと増やして欲しかった。(好きなキャラなのです)ワタナベ役は若手の人気俳優松山ケンイチ。台詞回しや佇まいまで研究されていて、ビジュアル的には私が描いていたワタナベと違和感はなかったです。直子役は「バベル」の菊池凛子。繊細で神経質な直子役を菊池凛子??みたいに思っていたのですが、スクリーンの中の彼女はまさに“直子”でした。そして緑役はモデルとして有名な水原希子。演技経験はほとんどないという彼女ですが、いい感じで緑役にはまっていました。そして映画のエンドクレジットはもちろんビートルズの『ノルウェイの森』・・最高でした。監督はベトナム出身で「青いパパイヤの香り」のトラン・アン・ユン。
ロビン・フッド  監督 : リドリー・スコット  出演: ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット
Robin Hood  2010年 アメリカ映画 
12世紀末、イングランドは十字軍を遠征させ領土を広げていた。ロビンも十字軍に参加し活躍をしていた。しかし、戦いの最中にリチャード王が戦死。ロビンは軍を抜けて仲間と国へ帰ろうとするが、途中で彼はイングランドの騎士ロバート・ロクスリーの最期を見届けた。彼の遺言は剣をノッティンガムに住む彼の父のウォルターの元に届ける事だった。無事に剣を届けたロビンにウォルターはこの地に留まり、息子の代わりをして欲しいと懇願しロビンは受け入れる事にした。ウォルターは自由憲章に署名した貴族であったため、ロビンは彼の代わりに会合に参加して、新しい国王のジョンの前で「我々が求めているのは法の前の自由だ!」と語った。そして国王は自由憲章の発行を約束した。貴族たちは攻め寄せてくるフランス軍に対して真っ向から戦う事を宣誓した。だが、フランス国王のスパイとしてジョン王に取り付いたゴドフリーによって、イングランドの民衆は法外の税の取立てを迫られていた。そしてその魔の手はノッティンガムにも及ぼうとしていた・・・・
私評:刀に彫られたこの言葉、私は見た事がある・・・ロビン・フッドは何度も映画化されていますが、なぜ今頃?と思っていたのですが、この作品はロビン・フッドが森の英雄になる前の物語。彼がなぜアウトローの看板を背負ったのか?マリアンとはどのように出会ったのか?など、色々な事が明らかになって行く。1991年のケビン・コスナー主演版はマンガチックアクションも満載の活劇でしたが、今回の作品はかなりリアルなバトルが次々と繰り広げられます。それもそのはずリドリー・スコット監督とラッセル・クロウと言えばあの名作「グラディエイター」のコンビですからね。ドラマの重厚で、しかもド派手はアクションもたっぷりという贅沢な作品でした。しかし、「グラディエイター」が凄すぎるので比較するのはやめましょう・・笑。主演は「310分、決断の時」「ビューティフル・マインド」のラッセル・クロウ。男臭いです。シブいです!カッコイイです!!マリアン役は「エリザベス」のケイト・ブランシェット。ふたりのオスカー俳優を主演に据えていますが、イングランドの英雄の映画なのにふたりはオーストラリア出身なんですね。その他、ウィリアム・ハート、マックス・フォン・シドーなど名優が揃っています!監督は独特の芸術館で圧倒的な映像を作り出す「エイリアン」「ブレード・ランナー」のリドリー・スコット。


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