2007/12/24

今年最後のレビューかな〜・・。
イチ押しは超怖いSF映画と直球勝負の感動映画!
メリー・クリスマス!!

アイ・アム・レジェンド  監督:フランシス・ローレンス  出演:ウィル・スミス
I am Legend  2007年 アメリカ映画
今週のイチ押し:2012年ニューヨーク。誰も居なくなった町を車で疾走する一人の男がいた。彼の名前はロバート・ネビル。人類は癌の特効薬と思われた薬が元でウィルスがはびこりほとんどの人間は死んでしまったのだ。ウィルスの抗体を持っている人間は何とか生き延びたが、皆ダークシーカーズという闇に潜む生物になってしまった。ネビルは生き残った人間を探してついに1000日が過ぎた。彼の話し相手は犬のサムと、レンタルビデオショップに並べたマネキンだけ・・。彼はダークシーカーズになった生物を捕らえては、彼らを元に戻すワクチンを作ろうとしていたが、いまだに成功していない。そんなある日、狩猟の途中でサムがビルの暗がりに入り込んでしまう。サムを追ってビルに入ったネビルをダークシーカーズが狙う。しかし、そこで彼はサンプルにする女シーカーズを捕らえることに成功する。そんな彼を暗闇からじっと見つめる目があった・・
私評:俺が助けるから!!信じてくれ!!・・・1971年に公開された「オメガマン 地球最後の男」は当時の私にとってはかなり強烈な映画でした。詳細は覚えていないのですが、主演のチャールトン・ヘストンと異型の生物の戦いがかなり怖かった。そして今回のリメイク版は・・・、さらに怖かったです。とにかくダークシーカーズたちがめっちゃ怖い。今まで「MIB」でも「ID4」でも不死身だったウィル・スミスが今回ばかりは絶体絶命。逃げ惑う彼を見るのがまた怖いんですね。そしてもうひとつの恐怖が「孤独」。自分だったら1000日も生きていくだろうか??寂しくて死んじゃうと思う。主演のウィル・スミス以外は、ほとんど人物は登場しないのがこの映画。(なんたって地球最後の男だから)監督は「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。
スマイル 聖夜の奇跡  監督:陣内孝則  出演:森山未來、加藤ローサ
 2007年 日本映画
今週のイチ押し:タップダンサーの夢を断ち切られた修平は逃げるように恋人の静華が住む北海道へとやってきた。速攻で彼女にプロポーズをした修平だったが、静華の父親は首を縦に振らない。食い下がる修平に出された条件は弱小のアイスホッケーチーム「スマイラーズ」を勝利に導くことだった。ホッケーどころかスケートの経験もない修平だったが、彼の奇想天外な作戦が功を奏しなんとスマイラーズは初勝利!しかし、静華の父親は道大会優勝というさらに高いハードルを彼に設けた。チームのエース・昌也は両親を交通事故で亡くして以来、心を閉ざしていたが、彼の心を開いたのは東京からやってきたフィギアスケートの礼奈だった。ふたりは初恋を育んでいくが、礼奈は難病のために倒れてしまう・・
私評:シャーストントトン、シャーストントトン・・・こういう直球勝負の映画は大好きです。とにかく突っ込みどころ満載!そんなに上手い話はない!!だけど、良いんです。きっと誰もが望んでいる展開のストーリーを監督は意識したのだと思います。もちろん悲しい話も織り込まれていますが、それを含めて「王道」をぶっちぎりで貫き通す潔さがこの映画の見所のひとつ。そして実際にホッケーチームに所属する子供たちはすごい!主演は「世界の中心で、愛をさけぶ」の森山未來。彼は素晴らしい!!彼のタップダンスもこの映画の見所のひとつです。ヒロインは加藤ローサ。めちゃめちゃキュートです・・。脇役も谷啓、モロ師岡、原田夏希。そしてオイシイ役で塚本高志、玉木宏、飯島直子、原沙知絵、寺島進、佐藤浩市が登場。監督は情熱の塊、陣内孝則!思い切り笑って、思い切り泣いて、そして思い切り感動した・・
ベオウルフ  監督 : ロバート・ゼメキス  出演:レイ・ウィンストン、アンジェリーナ・ジョリー
BEOWULF  2007年 アメリカ映画

6世紀のデンマーク。フローズガール王が盛大な宴の最中、醜く巨大な怪物グレンデルが姿を現した。人々を虐殺したグレンデルに対し王は褒賞を用意して。怪物を討伐する者を集った。これに応じたのは戦士ベオウルフ。彼はグレンデルを待ちぶせて、怪物の腕を切り落とした。戦勝を祝い再び宴で盛り上がるベオウルフ。しかし、翌朝彼が目にしたのは、逆さ釣りにされた兵士たちの屍だった。それはグレンデルの母親の仕業だった。ふたたび、戦いに乗り込んで行くベオウルフ。しかし、美しい「母親」の魅力の前にベオウルフは戦意を喪失。しかも、母親と交わることで権力。富、そして名声を約束される。ベオウルフはその証としてフローズガール王から授かった黄金の杯(ラッパ?)を母親に託すが・・・・

私評:呪いはお前に引き継がれた・・・「ポラーエクスプレス」のスタッフが再集結してとんでもない3D映画を作り上げた。実写では到底作り上げることのできない映像を見せてくれるのがこういう映画のすごい所。しかし、実写との区別がつかないくらいリアルで、しかも生々しい。とにかく壮絶な戦いのシーンは必見です。ストーリーもすごく面白いんですよ!(ちょっと「300」と被るかも??)主演は「キングアーサー」のレイ・ウィンストン。そして3Dアニメで見事な肢体を見せてくれるのは(まさにこの役がピッタリの)アンジェリーナ・ジョリー。王役にはアンソニー・ホプキンス。その他にもジョン・マルコヴィッチ、ロビン・ライト・ペン、アリソン・ローマンなどなど、そうそうたる面子が登場します。監督はロバート・ゼメキス。
Peace Bed アメリカVsジョン・レノン  監督:デヴィッド・リーフ、ジョン・シャイン・フェルド  出演:ジョン・レノン、オノ・ヨーコ
Peace Bed The U.S. Vs. John Lennon  2006年 アメリカ映画
1971年、ジョン・レノンは大麻所持で懲役刑を受けた詩人ジョン・シンクレアを支援するコンサートに出演していた。全米に生中継されたこのコンサートでジョンは当時の大統領ニクソンの「政敵」とみなされてしまう。ジョンは「世界平和」への願いが転じて反戦活動へと移行していく。大統領がジョンソンからニクソンに変わり、ベトナムからの撤退加速宣言が出されても、ジョンは納得せず「WAR IS OVER」のポスターを世界12カ国に自費で掲出。そして名曲「イマジン」の発売がジョンの活動を後押しした。ニクソンはジョンの活動が脅威となり、ついにはFBIがジョンを監視、盗聴していた。76年、ついにジョンは米国の永住権を得る。そして平穏な日々の末に1980年12月8日が訪れる・・
私評:Imagine All The People Living Life in Peace・・・ジョン・レノンが凶弾に倒れた日から27年が経ちました。当時、学生だった私は学校をサボってみんなで喫茶店に集い、一日中ジョン・レノンを聞きまくって彼の追悼をしました。当時の私たちにとってジョンは「政治的」なイメージはまったくなく、ビートルズ時代からの音楽のイコンでした。そして先日、この映画を見て本当にビックリしました。彼の音楽を通した「平和」への訴えは私たちには純粋で、「戦争はいけない!」というメッセージでしかなかったのですが、アメリカでは国を相手にこんな戦いも演じていたのですね・・。ビックリしたのと同時にショックでした。この映画の公開に多大なる貢献をしたのは、いわずと知れたジョン・レノン夫人のオノ・ヨーコ。彼女はジョンの映像についてはかなり懐疑的ですが、この映画については両手放しで推奨しています。「911」の事件以来、世界的に不安な情勢が続く今日に、ふたたびジョンの歌が世界平和に一躍買うのでは?と私はひそかに期待しています。
エンジェル  監督:フランソワ・オゾン  出演:ロモーラ・ガライ、サム・ニール
Angel  2007年 ベルギー・フランス・イギリス映画
1900年初頭。エンジェルの人生は惨めそのもの。しかし、彼女の頭の中では優雅でリッチなエンジェルがいた。そしてそんな妄想が彼女の執筆に力を与えていた。溢れるばかりの想像力、そして類まれな文才で彼女は書き続けた。エンジェルは自分の作品を出版社に送りつけた。すると発行人のセオから手紙が送られてきた。彼女の作品を本にしたいと言うのだ。早速彼に会いにロンドンに出向いたエンジェル。テオの意見にも真っ向からぶつかるエンジェルにセオも折れて、ついに彼女の書いたオリジナルが出版された。本は飛ぶように売れて彼女は一躍時の人となる。彼女の出す本はどれもベストセラー。そして彼女は少女時代から夢見ていた近所の豪邸「パラダイス」が売りに出ているのを見て購入する。彼女は着々と夢を叶えていくが・・・・
私評:「エスメ、結婚して!」「それは男のセリフだろう」・・この映画はハリウッド映画を思い切り意識した作品です。これはオゾン版の「マイ・フェア・レディ」であり、「若草物語」であり、そして「恋の手ほどき」。今回、フランス人のオゾンが初めて英語作品を作ったのもこういったハリウッド映画へのオマージュなのかもしれません。そして主役のエンジェルが私は「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラと被ったんですよね〜。私の苦手な女性のタイプです。(笑)しかし、シニカルで、ちょっと毒があるところなどオゾンらしさをしっかり残しているところが、この監督のすごい所ですね。主演は「タロットカード殺人事件」にも出ていたロモーラ・ガライ。キャラクターは好きではありませんが、この役をしっかり演じられるのはすごい。そして脇役はサム・ニール、シャーロット・ランプリングという豪華版。監督は「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン。
椿三十郎  監督:森田芳光  出演:織田裕二、豊川悦史、松山ケンイチ
 2007年 日本映画
森の神社に集った9人の若侍たち。彼らは上役の汚職を暴こうと躍起になっていたが、侍のひとり井阪の叔父で家老でもある睦田に意見書を破られてしまう。井阪は大目付の菊井に意見を述べたところ、同意を得てこの社に同士を集めたのだ。しかし、彼らの話を社の奥で聞いていた浪人に「菊井が怪しい」と言われ仰天させられる。浪人の言うとおり社は菊井の手の者に囲まれアリが這い出る隙間もない。しかし、浪人のとっさの機転で危険を逃れた。睦田の身を案じ決死の覚悟の若侍たちを放って置けなくなった浪人は、9人を率いて睦田邸に乗り込むが、家老はすでに誘拐され、邸宅は菊井の手勢に制圧されていた。またしても浪人の機転で、家老の妻と娘を救出した10人。彼らは黒幕のひとり黒藤の邸宅の隣に住む若侍のひとりの家を本拠にして睦田の救出を試みるが・・・・
私評:椿・・三十郎、もうすぐ四十郎ですが・・・黒澤明の名作「椿三十郎」が45年の時を経てリメイクされた。しかし、オリジナル作品はどこを切っても完璧な映画。それを今頃なぜ・・・??しかし、この映画が起爆剤となって黒澤映画がふたたび若い人たちの目に触れるというのは、黒澤ファンとしては嬉しいことかもしれません。リメイク版はオリジナルにほぼ忠実に作ってあり、セリフまで同じ。しかし、何か物足りない・・・。それは正直言ってキャラクターの弱さなんですね。三船敏郎が演じた椿三十郎に今回の主演の織田裕二が適うわけがない!仲代達也の演じた室戸半兵衛をトヨ悦が演じきれるわけがない!加山雄三が演じた井阪伊織を松山ケンイチが演じられるわけがない。しかも、オリジナルに忠実なのにラストのあのシーンだけ変えてしまうなんて・・。かなりがっかりです。オリジナル版を見ていなければ十分に楽しめる映画だと思うのですが・・・・かなり辛口コメントになってしまいましたが、完璧な映画にリメイクは不要だと思います。監督は「間宮兄弟」の森田芳光。
エクスクロス 魔境伝説  監督:深作健太  出演:松下奈緒、鈴木亜美、中川翔子
 2007年 日本映画
恋人の浮気にショックを受けたしよりは親友の愛子に誘われて人里離れた秘湯「阿鹿里村(あしかりむら)」にやってきた。温泉に浸かっていたふたりは些細なことで口論になり別行動になってしまう。宿泊するコテージに戻ったしよりは押入れの中で携帯が鳴っているのを見つけた。電話に出たしよりに相手の男は「早くそこから逃げろ!足を切り落とされるぞ!」と告げた。その直後、村の者たちが大勢コテージに向かってやってくる。かろうじてコテージを逃げ出すしより・・。一方、愛子は謎の女に追いかけられてトイレに逃げ込んでいた。女はなんと去年まで愛子が付き合っていた男の元カノだったのだ。しよりは足の怪我で自宅静養中の弥生に電話を掛けて、村のこと、電話の男のことをネットで調べてもらうことに。その電話の最後で弥生は「愛子に気をつけて!」と言う謎の言葉を残すが・・・・
私評:混ぜるな危険・・・・この映画もあまりそそられなかったのですが、今ブレイク中の「しょこたん」こと、中川翔子が出ているというので劇場に脚を運びました。なんてミーハーなんだ!!!映画自体はホラー仕立てなのですが、所々にアクションと笑いを盛り込んでいます。これを良し!とするかダメと思うかがこの映画の評価の分かれ目でしょうね・・私はまあ、最後まで一気に見ることができたので及第点。この映画を見に来た大半はしょこたんはもちろん、今人気の「絶対音感女優」松下奈緒、すっかり忘れていた人気歌手鈴木亜美という3人の美女が目当てでしょうね。そしてめちゃめちゃ怖いゴスロリの小沢真珠は大爆笑。おまえはゾンビか!?それにしても深作Jr.は相変わらず演出が下手です。オヤジの七光りもいつまで続くやら・・


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